
トヨタグループが海外で自動運転タクシーの生産を開始したようだ。自動運転市場における本命中の本命と呼べる自動運転タクシー。世界トップの自動車メーカーがいよいよ自動運転分野に「本格」参入したことで、競合メーカーがどのように動いていくか注目が集まるところだ。
ますます熱気を帯びる自動運転業界ではどのような動きがあったのか。2026年2月の10大ニュースを振り返っていこう。
記事の目次
- ■自動運転業界のキーマン「突然の退任」 BOLDLY人事に衝撃走る(2026年2月3日付)
- ■トヨタ、日本国内で「自動運転バス」運行を計画(2026年2月6日付)
- ■Googleの自動運転部門、時価総額20兆円で「ソニー」級に(2026年2月9日付)
- ■タクシーアプリGO、上場は「自動運転ビジネス」の伏線か(2026年2月10日付)
- ■テスラのロボタクシー、キロ100円(日本の1/5)で売上40兆規模に(2026年2月11日付)
- ■自衛隊、攻撃支援で「自動運転車」利用へ(2026年2月13日付)
- ■トヨタ、テスラに対抗!「自動運転タクシー」を中国で量産(2026年2月16日付)
- ■日本の物流自動化、「KPI未達成」が濃厚か(2026年2月17日付)
- ■ライドシェア運転手、日本で「時給3000円」超える(2026年2月18日付)
- ■Googleロボタクシー、2026年KPIに「週100万回乗車」を設定(2026年2月19日付)
- ■【まとめ】トヨタの周囲が動き始める?
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■自動運転業界のキーマン「突然の退任」 BOLDLY人事に衝撃走る(2026年2月3日付)
ソフトバンク子会社BOLDLY創業者の佐治友基氏が2025年12月9日付で代表取締役社長兼CEOを退任したことが発表された。いち早く自動運転サービスに目を付け、自動運転特有の特殊な運行管理を事業化することで国内実証の加速に貢献した功績は大きい。
佐治氏はソフトバンク本社に戻り、新社長にはソフトバンクから2025年に同社に出向した北内諒氏が就任している。
BOLDLYの事業は一定程度成熟しているため、トップが代わっても事業継続に支障はない。ポイントは、事業拡大に向けどのような絵を描いているかだろう。
この10年間で、自動運転の実証委託やサービス運用を事業化した同業者が生まれており、BOLDLYもステップアップを図らなければならない時期が到来した。
佐治氏が築いたビジネスモデルとネットワークをどのように継承・拡大し、さらなる事業展開につなげていくか。引き続き同社の動向に注目したい。
【参考】詳しくは「自動運転業界のキーマン「突然の退任」 BOLDLY人事に衝撃走る」を参照。
自動運転業界のキーマン「突然の退任」 BOLDLY人事に衝撃走る
■トヨタ、日本国内で「自動運転バス」運行を計画(2026年2月6日付)
トヨタのお膝元愛知では、e-Paletteの導入が着々と進められているようだ。豊田市は全国の自治体に先駆けて公用車として導入し、物販や車内展示などの新たなサービスに活用するほか、イベント展示などを通じて災害時の利用も含めたEVの活用方法をアピールしていくという。
一方、愛知県は「e-Paletteビジネスコンテスト」を実施し、入賞アイデアの実証などを通じてオープンイノベーションによる新たなモビリティサービスの創出を図っていくとしている。
東京都江東区青海のTOYOTA ARENA TOKYO付近でも、e-Paletteを活用した「PALETTE RIDE」や「PALETTE MARCHÉ」といったサービスが行われているほか、東急リゾートタウン蓼科もe-Paletteを導入し、本格運用を開始したという。
トヨタ本体の動きはつかみどころがないが、周囲が活発に動き出したことで、e-Paletteをはじめとしたトヨタの自動運転事業が表舞台で前進し始めてきた格好だ。Woven Cityをはじめ、今後どのような展開が待ち受けているのか、乞うご期待だ。
【参考】詳しくは「トヨタ、日本国内で「自動運転バス」運行を計画」を参照。
■Googleの自動運転部門、時価総額20兆円で「ソニー」級に(2026年2月9日付)
グーグル系Waymoが新たな資金調達を実施し、企業評価額が約1,260億ドル(約20兆円)に達したという。日本国内の上場企業に置き換えると、ソニーグループやファーストリテイリングレベルの水準だ。
日本市場だと7番目ほどの水準で、米国市場でもすでに100位以内の企業評価額となる。言うまでもなく、すでにグローバルクラスの大企業の水準だ。
Waymoは2026年、おそらく5~10都市で新たに自動運転タクシーを実装するものと思われる。明らかに拡大フェーズに突入しており、英ロンドンや日本での展開も視野に収めている。
今後、どのタイミングでIPOに踏み切るのか。または、非公開のままアルファベット傘下企業として新たな道を切り拓いていくのか。自動運転開発企業の象徴的存在だけに、その動向が気になるところだ。
【参考】詳しくは「Googleの自動運転部門、時価総額20兆円で「ソニー」級に」を参照。
■タクシーアプリGO、上場は「自動運転ビジネス」の伏線か(2026年2月10日付)
配車アプリ国内最大手GOが、東京証券取引所へ上場申請を行った。計画通り進めば、今夏にも上場する見通しという。
タクシー配車事業においては国内で無類の強さを誇り、Uber Technologiesなど他社を寄せ付けない状況が続いている。この牙城を崩すことが容易ではないのは、同業他社が最も痛感していることだろう。
ただ、配車市場はまもなく次のフェーズを迎えようとしている。自動運転タクシーの導入だ。これまでは既存タクシー事業者とのパートナーシップが主体だったが、自動運転開発事業者が関わってくることでさまざまなサービス要素が発生する。
ただ単純に配車を仲介するプラットフォーマーとしての役割に留まらず、無人車両の管理・メンテナンスなどさまざまなサービスを導入することで、テクノロジー企業に選ばれるプラットフォーマーとなることができる。
Uber Technologiesはすでにグローバル目線で自動運転サービスを意識した事業展開を行っているが、GOも負けじと将来の自動運転市場を見据えた事業展開を推進していくものと思われる。
新たな時代に向けた国内トップの配車プラットフォーマーの戦略に要注目だ。
【参考】詳しくは「タクシーアプリGO、上場は「自動運転ビジネス」の伏線か」を参照。
■テスラのロボタクシー、キロ100円(日本の1/5)で売上40兆規模に(2026年2月11日付)
米調査会社のウルフ・リサーチが、テスラのロボタクシー事業の売り上げが2035年までに2,500億ドル(約38兆円)に達する可能性があると予測し、話題となっているようだ。
ライドシェア市場の3割が自動運転モビリティとなり、そのうち半数のシェアをテスラが占める――という予測の前提がテスラありきのため何とも言えないところだが、イーロン・マスク氏の思惑通り事業が進展すれば、その可能性も否定できない。
現時点におけるテスラの自動運転技術はWaymoに及ばないが、エンドツーエンドに特化した開発により、一定水準に達すれば大化けするポテンシャルを秘めている。また、オーナーカーを活用した独自のサービス展開により、自家用車の所有や移動サービスにイノベーションをもたらす可能性もある。
ただ、Tensorのように同等のアイデアを導入し、レベル4自家用車をいち早く市場展開しようと事業を進める企業も出始めている。果たして、テスラの自動運転事業は成功を収めることができるのか。引き続き要注目だ。
【参考】詳しくは「テスラのロボタクシー、キロ100円(日本の1/5)で売上40兆規模に」を参照。
■自衛隊、攻撃支援で「自動運転車」利用へ(2026年2月13日付)
防衛力強化を図る日本。自動運転による無人化技術の活用についても、高市政権下でどのように進められるか注目が集まるところだ。
防衛省は2026年度、次期戦闘機と連携する無人機の研究やUAV連携型AI駆動オフロードUGVの研究などを予定している。
防衛省の地上モビリティは、基本的に道なき道を走行できなければならない。整備された道路よりも、未開拓の荒れ地や砂場、山林など、あらゆる環境下での走破能力が試される。こうした環境下では、従来のルールベースに基づく自動運転システムでは対応しきれない。
しかし、近年開発が盛んなエンドツーエンドの自動運転システムであれば、マッピングは不要で初めて走行する場所でも自律走行を行うことができる可能性が高まる。
こうした技術の進化に伴い、防衛省における自動運転戦略も一新され、新たな局面を迎えるかもしれない。こうした専門分野における自動運転開発にもしっかりと注目しておきたいところだ。
【参考】詳しくは「自衛隊、攻撃支援で「自動運転車」利用へ」を参照。
■トヨタ、テスラに対抗!「自動運転タクシー」を中国で量産(2026年2月16日付)
トヨタの中国法人らが、自動運転タクシーの量産化に本腰を入れ始めたようだ。トヨタ自動車(中国)投資有限公司(TMCI)と広汽トヨタ自動車(GTMC)が、パートナーシップを結ぶPony.aiとともに同社の第7世代の自動運転タクシーの量産化を開始した。
ベース車両はbZ4Xで、2026年中に1,000台以上生産する目標を掲げる。Pony.aiは総保有台数を同年内に3,000台以上に拡大する計画で、予定通り進めばフリートの3分の1がbZ4Xとなる。第7世代にはこのほか、ARCFOXのAlpha T5と広州汽車のAion Vも採用されている。
Waymo同様、中国勢もグローバル化を加速しており、Pony.aiもアラブ首長国連邦のアブダビやサウジアラビア、ルクセンブルク、ドバイ、カタール、シンガポールなどへの進出を進めている。
トヨタとの縁で日本に進出する可能性もゼロではないはずだ。トヨタとのパートナーシップのもと、新たな共同事業の創出に期待したい。
【参考】詳しくは「トヨタ、テスラに対抗!「自動運転タクシー」を中国で量産」を参照。
■日本の物流自動化、「KPI未達成」が濃厚か(2026年2月17日付)
2026年度からを対象とした次期総合物流施策大綱策定に向けた検討が進められており、2月中にも有識者会議による提言が取りまとめられる。現大綱の計画期間(2021~2025年度)における事業の進捗は思わしくなく、さらなる取り組みが必須の状況となっているようだ。
現大綱では、物流業務の自動化・機械化・デジタル化などをはじめ、トラックドライバーの労働環境関連、モーダルシフト関連などあらゆる視点からKPIが設定されている。すべてではないが、KPI未達となりそうな項目が意外と多く、次期大綱にどのように課題を反映していくかが問われるところだ。
また、現大綱では自動運転導入に関する直接的な目標は設定されていなかったが、次期大綱では盛り込まれる可能性が高い。レベル4トラックなどの実装や自動運転に適した道路の在り方、ラストマイル向けの自動運転配送など、どのような方向性が示されるのか、要注目だ。
【参考】詳しくは「日本の物流自動化、「KPI未達成」が濃厚か」を参照。
■ライドシェア運転手、日本で「時給3000円」超える(2026年2月18日付)
日本版ライドシェアの求人で、時給3,000円超が登場したようだ。厳密には「時給 3,000 円以上も可能」とする内容だが、パート系としてはなかなかの額ではないだろうか。
これはUberの日本法人が紹介している求人だ。雇用主は同社と提携しているタクシー会社で、「1 日 3 時間から働くことができ、需要の多い曜日や時間帯を狙うことで効率よく稼げます」としている。パートタイム雇用で、給与は企業により異なるが固定給 + 歩合制の支払いを想定しているという。エリアは東京都と京都府だ。
GOの求人サイト「GOジョブ」を見ると、東京都内のライドシェア求人は軒並み時給2,000円以上となっており、需要の高い東京都はやはり他のエリアに比べ高水準にある。一方、京都府1,300円~、埼玉県1,700円~、福岡県1,400円~、富山県1,198円~といった感じで、他のエリアは大都市であっても特に高水準ということはないようだ。
タクシードライバーは依然として不足しており、東京のように需要が高いエリアでは日本版ライドシェアの稼働も高いが、地方都市ではほとんど稼働していないエリアも散見される。継続性ある事業とするためには、同制度の進化系のようなものを考えていかなければならないのかもしれない。
【参考】詳しくは「ライドシェア運転手、日本で「時給3000円」超える」を参照。
■Googleロボタクシー、2026年KPIに「週100万回乗車」を設定(2026年2月19日付)
グーグル系Waymoが、2026年中に自動運転タクシーの乗車回数を週100万回に引き上げる目標を立てたようだ。
サービス拡大フェーズに突入したWaymoは、2025年の乗車回数を前年比3倍超の約1,500万回規模まで増加させた。現在は毎週400万マイル以上走行し、40万回以上のサービスを提供しているという。すでに相当な規模だが、2026年にはさらに2倍以上まで増加させるというのだ。
Waymoはフェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルスに続き、2025年にオースティン、アトランタ、マイアミでサービスを開始した。今後、ダラス、ヒューストン、サンアントニオ、オーランド、ラスベガス、デトロイト、英ロンドンなどに拡大していく計画だ。
フリートは3,000台に上る。現行のWaymo Driver第5世代はジャガー・I-PACEに搭載されているが、2026年2月に第6世代の導入が発表された。ヒョンデのIONIQ 5とZeekrのOjaiが新たに自動運転タクシーとして登場する見込みだ。
世界トップがさらなる高みに到達するのか、要注目だ。
【参考】詳しくは「Googleロボタクシー、2026年KPIに「週100万回乗車」を設定」を参照。
■【まとめ】トヨタの周囲が動き始める?
トヨタが中国で自動運転タクシーの生産を本格化し、国内ではe-Palette事業が回り始めた。大半の取り組みの第1人称はトヨタではなく他社だが、トヨタを中心にさまざまな事業が進み始めていることに違いはない。自動運転分野におけるトヨタの立ち位置・戦略が示唆されているような印象だ。
海外では、依然としてWaymoが好調で、資金調達とともに事業拡大を本格化することは間違いない。他社も追いすがるべく取り組みを強化することは必至で、2026年は業界が大きく動く一年となりそうだ。
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