【2018年8月分】自動運転・ライドシェア・AIの最新ニュースまとめ

テスラ株非公開化騒動や無人タクシーの実証実験

自動運転ラボ編集部
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2018年4～6月期の各社の決算状況をはじめ、高級スポーツカーでおなじみのポルシェによる自動運転システム搭載車の発表、戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第2期の始動、埼玉工業大学の取り組み、米テスラ社CEOのイーロン・マスク氏によるびっくり発言、JR東日本や自動運転タクシーに関する動きなど、自動運転・ライドシェア業界では2018年8月も話題に事欠かないニュースが飛び交った。2018年8月の10大ニュースは！？


記事の目次

■ドイツ・ポルシェ、部分自動運転搭載の新型マカン発表　911の新モデルにも（2018年8月2日付）

ドイツの高級自動車メーカーであるポルシェが、最新の先進運転支援システム（ADAS）を搭載した新型改良モデルの「ポルシェ・マカン（Porsche Macan）」を中国・上海市で発表した。高級車の象徴とも言えるポルシェにも自動運転の波がついに押し寄せたようだ。

マカンには、渋滞時の運転支援や定速走行、車間距離制御などの機能が搭載され、部分的な自動運転が可能になる。なお、同社は「911」の新モデルにも高速道路の走行時に車線を維持する先進運転支援システムを装備する計画を発表しており、新たなモデルが2018年内にデビューする予定。

自動運転技術の導入を進める同社だが、その一方で導入には慎重な姿勢も示している。ポルシェ幹部はこれまで、人間が運転することを前提にした技術搭載がポルシェの方針であることを表明しており、最終的には運転手が自動運転と手動運転を選べるようにすることも念頭にしているようだ。

【参考】詳しくは「ドイツ・ポルシェ、部分自動運転搭載の新型マカン発表　911の新モデルにも｜自動運転ラボ 」を参照。


■ソフトバンク、純利益56倍に爆伸　2018年4～6月期連結決算発表　自動運転やライドシェアにAI活用（2018年8月6日付）

ソフトバンクグループ株式会社が2018年4～6月期の連結決算を発表した。純利益は約3136億円で前年同期比の55億円から56倍に跳ね上がった。営業利益は4149億円で同49％増。


ソフトバンク・ビジョン・ファンド（SVF）事業の営業利益は2399億円（前年同期は1052億円）で倍増し、主に投資先であるシェアオフィス運営会社WeWorkが貢献した。全体の税引き前利益は637％増の5723億円だった。

決算発表の席で孫正義社長は「AI（人工知能）革命があらゆる産業にやってくる」と言及しており、AI戦略を強調。自動運転の分野では、SVFが米自動車大手GMの自動運転開発部門クルーズに出資しているほか、中国でライドシェア事業を手掛ける滴滴出行（DiDi Chuxing：ディディチューシン）との協業も発表されており、今後の展開に注目が集まる。

【参考】詳しくは「ソフトバンク、純利益56倍に爆伸　2018年4～6月期連結決算発表　自動運転やライドシェアにAI活用｜自動運転ラボ 」を参照。

■内閣府のSIP第2期自動運転が始動へ　五輪見据え自動運転バス実証実験（2018年8月8日付）

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は、内閣府が進める「戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第2期／自動運転（システムとサービスの実用化）」の研究開発計画説明会を開催した。

第2期は予定より1年前倒しし、2018年度から2022年度までの間、自動運転システムの開発・検証（実証実験）や自動運転実用化に向けた基盤技術開発、規制改革・制度整備などについて研究を進める予定。

第1号となる実証実験は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、日本自動車工業会との連携のもと、2019年秋から自動運転レベル4の自動運転バスを東京臨海副都心から羽田地区にかけて一般道と首都高で走らせる予定だ。

【参考】詳しくは「内閣府のSIP第2期自動運転が始動へ　五輪見据え自動運転バス実証実験｜自動運転ラボ 」を参照。

■埼玉工業大、自動運転実証実験の走行範囲拡大　実験期間も延長、さらなる技術向上へ（2018年8月9日付）

埼玉工業大学が公道での実験車両の走行範囲を拡大し、実証実験期間も当初計画から1年延長して自動運転技術の向上をより一層進めることを発表した。

同大は私立大学として唯一、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）「自動走行システム」部門に参画しており、お台場周辺の公道における大規模実証実験を実施している。

また、2018年7月には、大学発の自動運転ベンチャー「フィールドオート」を設立し、私立大学としては初の自動運転の産学連携事業に乗り出した。自動運転のコア技術を開発する日本や世界の企業などから実証実験に関する事業を受託し、地方自治体が実施を目指す社会実験などもサポートしていく構えだ。

【参考】詳しくは「埼玉工業大、自動運転実証実験の走行範囲拡大　実験期間も延長、さらなる技術向上へ｜自動運転ラボ 」を参照。

■パイオニア、自動運転の目「LiDAR」で巻き返しへ　再建に向け各社と提携協議（2018年8月10日付）

経営再建を目指すパイオニアが経営支援要請に関する一部報道を受け、カルソニックカンセイ株式会社を含め複数の企業と提携について協議を進めていることを明らかにした。

2018年度第1四半期（4〜6月）決算で営業利益がマイナス15億7500万円の大幅な赤字を計上しており、抜本的な経営改善計画を迫られる事態となっており、提携協議のほか取引条件の見直しやコスト削減などを進めるとともに、「3D-LiDAR（ライダー）」の製品化や、オランダの位置情報サービス大手の「HERE Technologies（ヒア・テクノロジーズ）」との連携強化により高精度地図の開発を進めるなど、自動運転分野を強化していく構えを見せている。

【参考】詳しくは「パイオニア、自動運転の目「LiDAR」で巻き返しへ　再建に向け各社と提携協議｜自動運転ラボ 」を参照。

■電気自動車大手テスラ、株式非公開化も検討　イーロン・マスクCEOがツイート（2018年8月10日付）

米電気自動車（EV）大手テスラ社の最高経営責任者（CEO）イーロン・マスク氏が、株式非公開化を検討していることをツイッターの投稿で明かした。

また、マスク氏は従業員らに送った電子メールの中で「テスラにとって最適な事業環境をつくるため」と理由を説明し、株式市場に左右されない環境づくりを目指す考えを示している。

一方で株式の非公開化には懐疑的な見方も強く、第一報後も資金の確保策をめぐってさまざまな憶測が飛び交い、ついには米証券取引委員会が腰を上げる事態に発展した。

なお、マスク氏は同月24日、計画を断念し株式上場を維持する意向を発表している。

【参考】詳しくは「電気自動車大手テスラ、株式非公開化も検討　イーロン・マスクCEOがツイート｜自動運転ラボ 」を参照。

■JR東日本、山手線で自動運転導入へ　人手不足解消へ検討チーム発足　ゆりかもめでは既に導入　センサーやLiDARも必要？（2018年8月13日付）

JR東日本が山手線などで業務員などを乗せないで運行する「自動運転方式」を検討していることが明らかになった。

導入時期などは不明だが、報道などによると当初は緊急時に備えて車掌のみを乗せて運行する計画という。社内で既に導入に向けた検討チームを発足させており、2018年内にも具体案を策定するものとみられる。

ベテラン乗務員の不足が将来的に予想される中、今後の取り組みに注目が集まりそうだ。

【参考】詳しくは「JR東日本、山手線で自動運転導入へ　人手不足解消へ検討チーム発足　ゆりかもめでは既に導入　センサーやLiDARも必要？｜自動運転ラボ 」を参照。

■就活生モニター調査、「AI」「自動運転」に関心高く　関連求人・採用情報への注目度アップ（2018年8月17日付）

株式会社マイナビが、2019年卒業予定の学生を対象にした「2019年卒マイナビ学生就職モニター調査　7月の活動状況」を公表した。就職活動に影響したニュースワードでは「人工知能・AI」が1位、「自動運転技術」が9位にランクインし、「仮想通貨」や「VR」などの技術ワードを上回った。

それぞれのキーワードの回答割合では、「人工知能・AI」というワードが就職活動に影響したと答えた学生は31.2％に上り、自動運転技術も10.1％の学生が影響したと答えた。

【参考】詳しくは「就活生モニター調査、「AI」「自動運転」に関心高く　関連求人・採用情報への注目度アップ｜自動運転ラボ 」を参照。

■デンソーなどトヨタ系4社、AI自動運転の技術開発で新会社　アイシン精機、ジェイテクト、アドヴィックスも傘下（2018年8月24日付）

トヨタ自動車グループのデンソーなど4社が、自動運転向けの技術開発で新会社を設立することが分かった。新会社はデンソーが50％以上を出資するものとみられ、2018年内に設立される予定とされている。新会社に参加するのはデンソーのほか、アイシン精機とジェイテクト、アドヴィックス。

今年になってドイツ勢のボッシュやコンチネンタルなどは自動運転車向けの技術開発やセンサーの性能強化を進め、大手メーカーへの営業活動を本格化させている。新会社ではAIの操作判断を迅速かつ正確にブレーキやアクセルなどに反映させる技術を開発する予定で、トヨタ自動車のほか世界の大手メーカーにも外販として提案をしていきたい考えとみられる。

【参考】詳しくは「デンソーなどトヨタ系4社、AI自動運転の技術開発で新会社　アイシン精機、ジェイテクト、アドヴィックスも傘下｜自動運転ラボ 」を参照。

■世界初、自動運転タクシーの営業サービス実証実験がスタート　ZMPと日の丸交通、大手町と六本木間で9月8日まで（2018年8月27日付）

世界初の取り組みとして、株式会社ZMPと日の丸交通式会社が、世界初の自動運転タクシーによる公道での営業サービス実証実験を開始した。実証実験は、東京都内の大手町フィナンシャルシティグランキューブと六本木ヒルズを結ぶ5.3キロ間行われる。

両社は2020年の自動運転タクシーの実用化を目指している。実証実験を通じて、円滑なサービス提供へ技術面・サービス面のさらなる開発・改善を進めていく。自動運転タクシーはタクシー需要が多い都市部路線におけるドライバー不足解消などにつながることや地方における住民の足になることなどが期待されている。

【参考】詳しくは「世界初、自動運転タクシーの営業サービス実証実験がスタート　ZMPと日の丸交通、大手町と六本木間で9月8日まで　AI、ICT技術も活用　東京オリンピックの2020年に実用化｜自動運転ラボ 」を参照。

■自動運転の実用化へ実証実験などが目立つように

自動運転の実用化には実証実験などが欠かせない。2018年8月は実証実験に関する話題も多く、今後もさらに盛んにこうした取り組みを各社や自治体が行っていくとみられる。自動運転やライドシェアを事業の大きな柱にしようとする動きも目立ってきた。自動運転業界から引き続き目が離せない。

＞＞【2018年7月分】自動運転・ライドシェア・AIの最新ニュースまとめ

＞＞【2018年6月分】自動運転・ライドシェア・AIの最新ニュースまとめ


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