ソフトバンク、米カーシェア企業ゲッタラウンドに330億円出資 トヨタ出資額の7倍 ライドシェアなど次世代サービスに熱視線

キーレスでのレンタル利用が人気



ソフトバンクグループ株式会社(本社:東京都港区/代表取締役会長兼社長:孫正義)は2018年8月27日までに、米カーシェアリングのゲッタラウンド(本社:米カリフォルニア州/最高経営責任者:サム・ザイド)に3億ドル(約330億円)を出資した。これはトヨタの同社への2017年の出資の7倍近くにも及ぶ額だ。


ゲッタラウンドは、最高経営責任者(CEO)のザイド氏が2009年に友人と共に設立した企業。自家用車のオーナーがレンタル希望者に車を貸し出すサービスを提供している。オーナーが「Getaround Connect」と呼ばれるデバイスを車内に設置することで、借りる側がスマートフォンのアプリケーションで自動車のドアロックを解除することができる。レンタル会員がキー無しで利用できるところが、ゲッタラウンド独自技術の魅力だ。

サンフランシスコ以外に、ボストンやロサンゼルス、シアトルやフィラデルフィアにも進出を遂げ、2016年10月にはトヨタと提携。2017年4月にはトヨタ側から4500万ドル(約50億ドル)の出資を受けている。2018年4月にはウーバーとの提携による「ウーバーレント」も立ち上げ、様々な企業とのパートナーシップを拡大していく中での、今回のソフトバンクの支援となった。ゲッタラウンド側は、調達した資金を新たな技術の開発や世界展開などに充てるとしている。

通信インフラ事業での強みを活かした高付加価値事業へのシフトを狙うソフトバンクは、インドのオラやシンガポール・グラブ、アメリカのウーバーなどのライドシェア企業に次々と出資をし、世界戦略を加速させている。今回の出資もその一環とみられる。

【参考】カーシェア事業にはさまざまな大手メーカーも興味を示す。関連ニュースとしては「フォルクスワーゲン(VW)のEVカーシェア、ドイツで提供スタートへ|自動運転ラボ 」も参照。



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