手放し運転(ハンズオフ)が可能な車種一覧(2024年最新版)

高度な自動運転レベル2以上が対象



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出典:BMWプレスリリース

自動運転技術の進化が著しいが、一般乗用車におけるADAS(先進運転支援システム)もしっかりと進化を遂げている。現在、目玉となっているのは高度なレベル2に相当するハンズオフ機能だ。

この記事では2024年時点の情報をもとに、日本勢のトヨタホンダアメリカ勢のGMやテスラをはじめ、世界の主要自動車メーカーにおいてハンズオフが可能な現行車種をまとめてみた。

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<記事の更新情報>
・2024年1月29日:BMWのレベル3機能について追記
・2022年1月29日:記事初稿を公開

■ハンズオフ機能とは?

ハンズオフ機能は、アダプテッドクルーズコントロールやレーンキープアシストといった自動車の縦方向、横方向双方の高度な制御技術のもと、一定条件下で運転中にハンドルから手を離すことができる技術だ。ハンズフリー、手放しなども同義に扱われている。

ハンズオフなら自動運転レベル2に相当するが、その高度な機能から従来のレベル2と区別し、「高度レベル2」「レベル2+」「レベル2.5」と表現されることもある。

あくまで運転支援機能のため、ドライバーはハンドルから手を離すことができるものの即座にハンドルを握れる状態を堅持し、従来の運転と同様に車両の周囲を常時監視し続けていなければならない。自動運転ではないことに注意が必要だ。

以下、日本、北米、欧州別にハンズオフ技術の搭載車種を紹介していく。

■日本

日産:「ProPILOT2.0」

出典:日産プレスリリース

日産は2019年、国産車初のハンズオフ機能を備えた「ProPILOT2.0(プロパイロット 2.0)」を発表し、同年9月に同技術を搭載した新型スカイラインの販売を開始した。

高速道路のナビ連動ルート走行と同一車線におけるハンズオフ機能の同時採用は世界初で、カメラ7個、レーダー5個、ソナー12個で360度センシングを実現している。ハンズオフに加え、追い越し支援や車線変更支援機能なども備えている。

2022年1月現在、スカイラインのほかアリアにも搭載されている。今後搭載する予定の車種は不明だが、車種数の削減とともに商品ライフサイクルの短縮化を進めており、全体として車齢の若返りが図られることで先進技術もどんどん搭載されていくものと思われる。

ホンダ:「Honda SENSING Elite」とレベル3システム「Traffic Jam Pilot」

出典:ホンダプレスリリース

ホンダは2021年3月、ハンズオフを可能にする最新ADAS「Honda SENSING Elite(ホンダ センシングエリート)」を搭載した新型レジェンドを発売した。ハンズオフとともに、アイズオフを実現するレベル3技術「Traffic Jam Pilot(トラフィックジャムパイロット)」を備えていることが特徴だ。

ハンズオフは、高速道路や自動車専用道において、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援システムが作動中に一定条件を満たすと作動可能になる。追い越しや車線復帰を支援する機能も備えている。

さらに、ハンズオフ機能で渋滞走行中、一定条件下でドライバーに代わってシステムが車両制御を行うレベル3システム「トラフィックジャムパイロット」を世界で初めて量産車両に搭載した。時速30キロ以下でハンズオフ運転中などの作動条件のもと、時速50キロ以下の渋滞時に自動運転が可能になる。

今後のHonda SENSING Elite搭載予定車種は不明だが、ホンダは2021年10月に全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360(ホンダ センシング サンロクマル)」を発表しており、2030年までに先進国において全機種展開を目指す方針だ。

レベル3を伴うEliteはフラッグシップモデルなどにとどまりそうだが、レベル3を抜きにした純粋な高度レベル2として展開する余地があるのか、今後の動向に注目だ。

トヨタ:「Advanced Drive」

トヨタはハンズオフ機能で攻勢に転じた印象だ。2021年4月に新型MIRAIとレクサスの新型「LS」に最新の高度運転支援技術「Toyota Teammate/Lexus Teammate」の新機能として、「Advanced Drive」搭載車を設定した。

高速道路や自動車専用道路の本線上の走行を支援するシステムで、ハンズオフ機能のほか、分岐や車線変更、追い越しなども支援する。

また、2022年1月には、新型ノア・ヴォクシーに最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」とともに「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」を設定した。

自動車専用道路における時速40キロまでの渋滞時、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストの作動中に一定の条件を満たすとハンズオフが可能になる。

ファミリー向けミニバンにこうした技術を採用し始めたということは、今後同技術を搭載する車種を大きく拡大させていくことも想定される。今後の動向に注目だ。

【参考】アドバンストドライブについては「トヨタの新型ノア・ヴォクシー、自動運転はできる?」も参照。

スバル:「アイサイトX」

アイサイトでADAS市場を大きく開拓したスバルは2020年、ハンズオフを可能とする最新ADAS「アイサイトX」を搭載した新型レヴォーグを発表した。

一定の条件を満たした自動車専用道路において時速50キロまでの渋滞時にハンズオフを可能にしている。アイサイトXはその後、WRX S4やレガシィアウトバックにも搭載されている。

なお、報道によると、スバルは2020年代後半にも一般道におけるレベル2技術の実用化を目指す方針であることが明かされている。

【参考】アイサイトXについては「「スバルが一般道で自動運転」の違和感 メディアの表現は適切?」も参照。

■米国

GM:「Super Cruise」を2017年から展開、2023年には「Ultra Cruise」導入

GMは、ハンズオフ運転を可能とするADAS「Super Cruise(スーパークルーズ)」を高級ブランドのキャデラック「CT6セダン」に2017年に導入した。このSuper Cruiseが量産車における世界初のハンズオフになるものと思われる。自動車専用道路においてアダプティブクルーズコントロールの速度の範囲内でハンズオフを可能にする。

その後も機能拡充や搭載車種、利用可能道路の拡張などを続けており、2021年7月時点で北米20万マイル(約32万キロ)の道路を網羅している。

最新となる2022年のアップデートでは、自動レーン変更機能やキャンピングカーなどのけん引時におけるハンズオフ運転、ナビゲーションの強化などが図られ、車種もシボレーやGMCなどに拡大していく。2023年までに22車種へ拡大していく方針のようだ。

また、同社は2021年10月、一般道を含む95%の運転シナリオでハンズオフを可能にする「Ultra Cruise(ウルトラクルーズ)」を2023年からキャデラックに導入開始する計画を発表した。市街地や舗装された田舎道など200万マイル(約320万キロ)以上の道路をカバーし、将来的には340万マイル(約550万キロ)以上まで拡張可能という。

ウルトラクルーズをプレミアム車種向け、スーパークルーズを低コスト車種向けと位置付け、価格帯やセグメントを超えて高度なADASを提供していく方針としている。

現状のSuper Cruiseは信号や交差点などに対応しておらず、ドライバーがブレーキなどを操作する必要があるが、こうした場面でもしっかりと制御されるのか、要注目だ。

フォード:「BlueCruise」搭載開始

フォードは2020年10月、ADAS「Co-Pilot 360」の一部としてハンズオフ機能「Active Drive Assist」を2021年第3四半期にピックアップトラック「2021F-150」とEVマスタング「Mach-E」へのOTAアップデートを開始すると発表した。対象は北米の道路10万マイル(約16万キロ)としている。

その後、2021年4月までにハンズオフ機能の名称を「BlueCruise」と改め、北米13万マイル(約21万キロ)の中央分離帯のあるハンズフリーブルーゾーンと呼ぶセクションでハンズオフを可能にしている。

オプション価格も発表しており、例えばF-150の場合、BlueCruiseは「Co-Pilot 360 Active 2.0パッケージ」の一部として提供され、ソフトウェアが600〜1,595ドル(約7~18万円)、ハードウェアが995ドル(約11万円)で利用できるという。

Rivian:「Rivian Driver+」を全車標準装備

ピックアップトラックEVなどの開発を進める米Rivianは、ハンズオフ機能を備えた「Rivian Driver+」を全車に標準搭載している。

11個のカメラ、12個の超音波センサー、5個のミリ波レーダーが車両の周囲360度を検知するセンサー構成で、各種ADASとともに高速道路におけるハンズオフ機能を提供している。

同社の車種はピックアップトラック「R1T」とSUV「R1S」の2車種で、2021年にオーナーへの引き渡しが始まったばかりで、2021年は920台を納入したようだ。

■欧州

BMW:ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能を展開

現在、ハンズオフ機能の実装に最も力を入れている自動車メーカーはBMWだ。同社初のハンズオフモデルは不明だが、2017年12月時点ですでに5シリーズに一定時間ハンドルから手を離すことができる「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」が備わっている。

日本国内では、2019年発売のX7に同機能が搭載され、以後搭載車種を続々と増やしている。BMW Group Japanによると、2022年1月現在、日本で販売されている車種の中では、3シリーズ、3シリーズ ツーリング、4シリーズ クーペ、4シリーズ カブリオレ、5シリーズ セダン、5シリーズ ツーリング、7シリーズ、8シリーズ クーペ、8シリーズ カブリオレ、8 シリーズ グランクーペ、X5、X5 M、X6、X6 M、X7、M3 セダン、M4 クーペ、M5 セダン、M8 グランクーペが対象車種となっているようだ。

標準搭載化を進めている印象で、今後も対象車種は増加していく見込みだ。ちなみにBMWは2024年3月からレベル3の機能を展開する計画を発表している。

Mercedes:「DRIVE PILOT」を展開

S-Class=出典:Mercedes Benzプレスリリース

ドイツのメルセデス・ベンツは2022年下旬から、一部車種向けの有料オプションとして自動運転レベル3の「DRIVE PILOT」を展開し始めた。レベル3なので特定条件下においては手放し運転が可能だ。

ドイツにおいてはもちろん、アメリカでもレベル3の技術を「米国初」として展開することになり、話題となっている。

■【まとめ】ハンズオフ搭載車種続々、数年後には一般道にも拡大?

BMWとGMが特にハンズオフ機能の実装に力を入れており、2020年からトヨタやスバルがこの動きに追随している印象だ。

2022年はメルセデス・ベンツ(ダイムラー)がレベル3システム「DRIVE PILOT」を新型Sクラスで有料展開し始め、ボルボ・カーズも次世代EVにレベル3システム「Ride Pilot」を搭載し、北米で発売する計画を発表している。

さらには、同年中にBMWが北米市場向けの7シリーズセダン、韓国ヒュンダイが新型「Genesis G90」にそれぞれレベル3システムを搭載する予定であることが報じられている。これらのモデルも当然ハンズオフが可能となるはずだ。

GMなどが一般道におけるハンズオフの開発・実装を進めているが、交差点や歩行者などが存在する一般道でどのようにODD(運行設計領域)を設定するのか、こちらの動向にも要注目だ。

■関連FAQ

    ハンズオフはどういう意味?

    一般的には「手放し運転」を意味する。ハンドルから手を離せることを指す。「ハンズフリー」と呼ぶこともある。

    ハンズオフ機能の自動運転レベルは?

    運転手がハンドルから手を離せるものの、通常の運転と同様に運転手が常に注意を払っていなければいけない場合、「自動運転レベル2」と解釈されるのが一般的だ。ただし、自動運転レベル2の中でも高度な技術として位置付けられることから、「レベル2.5」「レベル2+」などと表現されることもある。

    ハンズオフとアイズオフの違いは?

    ハンズオフは手を離せることを、アイズオフは目線をはずせることを指す。自動運転レベル3のシステムでは、ハンドルから手を離した状態でも目線を前方からはずすことが可能になり、ハンズオフの状態でアイズオフができる。

    ハンズオフが可能な各自動車メーカーの機能は?

    日産の「ProPILOT2.0」、ホンダの「SENSING Elite」、トヨタの「Advanced Drive」などだ。このうちホンダのSENSING Eliteに含まれる「Traffic Jam Pilot」は自動運転レベル3に該当し、ハンズオフとアイズオフの両方が可能となっている。

    ハンズオフはすでに一般道でも可能?

    各社のハンズオフ機能を作動できるエリアは、現在のところは高速道路上や自動車専用道路などに限定されている。

(初稿公開日:2022年1月29日/最終更新日:2024年1月29日)

【参考】関連記事としては「自動運転システムの役割・仕組みまとめ(最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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