トヨタの新型ノア・ヴォクシー、自動運転はできる?

アドバンストドライブ(渋滞時支援)初搭載



ノア(左)とヴォクシー(右)=出典:トヨタプレスリリース

トヨタは2021年1月13日、フルモデルチェンジした人気のミニバン「ノア」と「ヴォクシー」の販売を開始した。新型車両には、トヨタ初となる先進技術も搭載されているようだ。

新型車両にはどのような技術が搭載されたのか。この記事では、両車両で利用可能な先進装備を紹介していく。







■新型ノア・ヴォクシーの先進安全技術

新型ノア・ヴォクシーには、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」をはじめ、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の新機能「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」と「アドバンストパーク(リモート機能付)」がオプション設定されている。

以下、チームメイト技術を中心に搭載技術に触れていく。

ハンズオフを可能にする「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」初搭載

「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」はトヨタ車として初搭載の技術で、一定条件下でハンズオフ運転を可能にする。

高速道路をはじめとした自動車専用道路において時速40キロ以下の渋滞時、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストが作動している状態で、ドライバーが前を向いているなど一定の条件を満たすと利用できる。

システムがドライバーの認知、判断、操作を支援することで、本線走行中の運転負担の軽減を図る。車線変更時のステアリング操作支援などをはじめ、停車後の再発進なども可能だ。先行車が3分以内に発進した場合は、ドライバーが前方を監視していればスイッチ類を操作しなくとも自動で発進するなど、渋滞時のストレスを軽減する。

ドライバーモニタリングシステムも搭載しており、ドライバーの異常を検知した際は、音や表示、緩減速でドライバーに警告を発するほか、ハザードやホーンなどで車外に異常を知らせ、自車線内で減速・停車して事故被害の低減を図る。ヘルプネットによる救命要請も自動で行う。

アドバンストドライブ作動時は、ステアリングから手を離すことができるが、自動運転ではなくあくまでレベル2の運転支援機能のため、ドライバーは常に車両周囲を監視していなければならない。スマートフォンの操作などはご法度となる。

出典:トヨタプレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)
アドバンストパークは前向き駐車にも対応

「アドバンストパーク(リモート機能付)」は、従来のバック駐車に加え前向き駐車に対応するなど、並列駐車時の支援を拡大した。前向き、及びバックでの出庫が可能となっている。

駐車スペースの真横に停車し、アドバンストパークのスイッチをONにすると、ディスプレイに目標駐車位置が表示される。これを確認後に開始スイッチを押すと、システムが運転操作をサポートする。ドライバーは、手足をブレーキとステアリングに添えておけばよい。区画線のない駐車スペースも、事前に駐車位置を登録することでサポート可能になる。

ハイブリッド仕様車では、ドライバーがスマートキー携帯時に車外からスマートフォンを操作することで、駐車や出庫を可能にするリモート機能も初採用している。駐車時は、車内で駐車目標位置を決定してから降車し、スマートフォンで操作する。出庫時は、出庫方向を選択し、クルマが目標位置に到着したら乗り込みボタンを押す仕組みとなっている。

出典:トヨタプレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)
リスクの先読みを行う「プロアクティブドライビングアシスト」を初搭載

トヨタセーフティセンスでは、検知範囲を拡張したプリクラッシュセーフティやレーンチェンジアシスト、交差点で左右から接近する車両を検知するフロントクロストラフィックアラート機能などのほか、運転の状況に応じたリスクの先読みを行う「プロアクティブドライビングアシスト」も初搭載されている。

ソフトウェアアップデートで常に最新のシステムに

ソフトウェアは、無線によるOTA、及び販売店での有線アップデートに対応しており、新たな機能の追加など、常に最新のソフトウェアを保持することができる。

■新型ノア・ヴォクシーのコネクテッドサービス
音声認識サービスや車内Wi-Fi機能も利用可能に

トヨタのコネクテッドサービス「T-Connectスタンダード」と「T-Connectエントリー」を選択可能で、従来のリモート確認やリモート操作などに加え、トヨタ車としては初めて「コネクティッドナビ」にも対応した。

コネクティッドナビは、車両に搭載された地図情報ではなく、センターから通信で取得した地図や施設、渋滞情報など最新の情報をもとに目的地検索やルート設定することができる。音声認識サービスも利用でき、「エージェント」機能では、「Hey、トヨタ」と呼びかけることで、目的地の設定をはじめパワーウィンドウやエアコンの操作などを行うこともできる。

このほか、クルマがWi-Fiスポットとなる「車内Wi-Fi」も初採用されており、全車標準装備のDCM(車載通信機)を通じて、データ通信容量無制限でスマートフォンやゲーム機などをインターネット接続することができる。利用料は月額1100円。

スマートフォンをスマートキー代わりにするデジタルキーのオプションサービスも用意されている。

■【まとめ】高度レベル2技術のスタンダード化に前進

自動運転となるレベル3は実装されなかったものの、ハンズオフを可能にする高度なレベル2技術をミドルエンドクラスのファミリーカーに搭載し始めた点が1つのポイントだ。今後、ミドルエンド以上の新型モデルに随時導入が図られ、スタンダード化していくものと思われる。

時速40キロ以下の渋滞時にハンズオフを限った点もポイントだ。ストレスの多い渋滞時の運転にスポットを当て、運転する楽しさと支援技術の共存を図る観点とともに、近い将来のレベル3実装を見据えた布石に……といった見方もできる。

今後、高度レベル2技術の普及をどのように図っていくのか、またどのタイミングでレベル3実装に動き出すのか。乗用車におけるADASや自動運転技術の実用化に要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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