テスラ、ロボタクシー試験の運転手に「時給5,000円」提示

ニューヨークでのサービス展開を視野



テスラのイーロン・マスクCEO=出典:Flickr / Public Domain

米EV(電気自動車)大手テスラが、ニューヨーク市で自動運転タクシー(ロボタクシー)の試験ドライバーを募集中だ。時給は最大33.66ドル(約5,000円)で、ニューヨークの最低時給が16.5ドル(約2,400円)なのと比較すると、好待遇といえる。

ただし現在、テスラはニューヨークでロボタクシーを運行していないどころか、自動運転車のテストの許可申請すら行っていないという。ニューヨークはドライバーレスでの自動運転走行が認められていないことに加え、複雑な交通事情もあり、参入するのが全米で最もハードルが高い都市と言われている。


2025年6月にテキサス州オースティンで悲願のロボタクシーサービス開始をやっと成し遂げたテスラだが、いずれニューヨークに参入する野望を持っていそうだ。

編集部おすすめサービス<PR>
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリなら「GO」(配車アプリ)
クーポン超充実!「実質無料」のチャンスも!
新車に定額で乗ろう!MOTA(車のカーリース)
お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし!
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
編集部おすすめサービス<PR>
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリ GO
クーポンが充実!「乗車無料」のチャンス
MOTAカーリース
お好きな車が月々1万円台から!
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!

■募集要項を読み解くと…

テスラが募集しているのは「Vehicle Operator, Autopilot(車両オペレーター、オートパイロット)」で、勤務地はニューヨーク市クイーンズ区フラッシング。フラッシングはチャイナタウンがあることで有名なエリアだ。

▼Vehicle Operator, Autopilot|Career|Tesla
https://www.tesla.com/careers/search/job/vehicle-operator-autopilot-247006

公式サイトの募集要項には下記のような説明がある。


私たちは、非常に意欲的で自主的に動ける人材を車両データ収集チームに求めています。プロトタイプ車両オペレーターとして、エンジニアリング車両を長時間運転し、テストおよびトレーニング目的で動的な音声およびカメラデータを収集する役割を担います。収集したデータへのアクセスは該当する開発チームに限定されます。この役割には、高い柔軟性や細部への注意力、優れた運転技術、そして速いペースで変化する環境でも力を発揮できる能力が必要です。また、必要に応じて国内外への出張も求められる場合があります。

業務内容は、指定エリアでエンジニアリング車両を長時間運転し、1日5~8時間のデータ収集を行うことのほか、収集したデータの品質を分析し報告すること、フィードバックを行いデータ収集を最適化するためのプロセス改善を提案することなどだ。

時給は「テストオペレーターⅠ」が25.25〜27.60ドル、「テストオペレーターⅡが28.75〜30.60ドルとなっている。この2つは、市場所在地や職務関連の知識、スキル、経験などにより異なってくるようだ。勤務はシフト制で日勤・午後の勤務・夜勤に分かれている。午後と夜勤のシフトでは基本時給に加え10%の手当が支給され、最高時給レベルでは33.66ドルになるという計算だ。テスラの充実した福利厚生も受けることができる。

出典:Tesla公式サイト

■どんな人が応募できる?

今回の求人で求められるスキルや経験は、運転免許のほかデータ収集中に優れた注意力と高い観察力を発揮できる能力、英語での優れた読み書きやコミュニケーション能力、データ収集やトラブルシューティングのためのツールの管理経験を有し、特にMicrosoft Office Suiteにおける高度なPCスキルを保有していること、ADAS(先進運転支援システム)および自動運転システムに関する知識と理解などだ。


さまざまな勤務シフトに柔軟に対応できることも必要だ。また安全に関わる重要なポジションのため、テスラの方針および関連法規に基づいた薬物検査の対象となるとの記載もある。

■テキサス州などでも試験運転手募集

テスラは2025年6月からオースティンでロボタクシーの運行を限定的にスタートした。世界で初めてロボタクシーサービスを商用化したGoogle系の自動運転開発企業Waymoが、現在はドライバーレスのロボタクシーサービスを米国各地で展開しているのに対し、テスラはセーフティドライバーが同乗して自動運転走行するという慎重なサービスを行っている。

さらにWaymoは、ニューヨークでもサービスを提供することを視野に、市内で車内に専門スタッフを乗せた上で自動運転を行うための許可をニューヨーク市運輸局に申請中だ。テスラとの差はますます開いているように見える。

ただしテスラのCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏は2025年7月に行われた決算説明会で、最終的には米国のほとんどの地域でロボタクシーサービスを開始する計画を進めていると述べている。また規制当局の承認次第では「年末までに米国人口の約半分が利用可能になるだろう」との見通しを示した。

ロボタクシーの試験運転手の人材募集は、ニューヨークだけでなくテキサス州やフロリダ州、カリフォルニア州でも行われている。大規模なサービス展開に向け、まずはテスト走行を行い情報収集していく計画なのだろうか。そのためには各州・エリアでの関係当局からの認可取得が大前提になる。マスク氏の予定通りに事業は進むのだろうか。注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事