中国Huawei、自動運転で「コップの水」チャレンジ成功

市街地でのレベル2+を実現



中国テクノロジー企業ファーウェイ(Huawei/華為技術)の自動運転技術が、驚きの滑らかさを実現しているようだ。サイドミラー上に設置したコップの水をこぼすことなく、ハンズオフ状態で市街地を走行している様子が動画でアップされている。


同社は2025年、アイズオフが可能なレベル3システムを発表するなど、モビリティ事業の立ち上げからわずか数年で飛躍的に技術を進化させている。有力企業がひしめく中国勢の中で、ファーウェイが新たに台頭することになるのか。同社の最新動向に迫る。

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■ファーウェイの最新動向

水をこぼさぬ滑らかさでハンズオフ運転を実現

動画では、左ハンドル車の運転席の外やや後方からのアングルで、左のデジタルサイドミラーやハンドルが映し出されている。ミラーの上には水が入ったコップが置かれており、ハンドルは誰も触っていない。運転席のドライバーも見えず、「無人の自動運転?」と思われそうだが、おそらくわざと映らないように座っているものと思われる。

同車は、ミラー上にコップを乗せたまま走行を開始する。交差点をスムーズに右左折し、横断歩道でバイクと歩行者を検知して停車する様子などが収められているが、この間、コップの水がこぼれることはなかった。

動画には「Huawei ADS 3.3.2を搭載したAvita 12をチェック!OTAアップデート後、自動運転は驚くほど安定している。サイドミラーに水カップが置かれているが、混雑した市街地でもほとんど揺れない。車は障害物や複雑な道路も自動で走行する」との文章が添付されている。


この車両が特別な実証用なのか、一般向けの市販車なのかは定かではないが、テスラのFSD並みに市街地におけるハンズオフ走行を実現しているのは確かなようだ。動画は早送りで再生されているためきびきびとした動きに見えるが、実際はもう少しゆったりと運転しているものと思われる。


動画はAVATRのEV

「Avita 12」は、長安汽車とバッテリー大手CATL(寧徳時代)、そしてファーウェイの協力のもとブランド化された「AVATR」のEVだ。「Huawei ADS 3.3.2」は、同車に搭載されたファーウェイ製ADASのバージョンとなる。

このモデルの公式情報を調べたが、搭載ADASに関する詳細は残念ながら見つからなかった。ただ、動画を見る限り市街地におけるレベル2+、もしくはレベル2を実現していることは間違いなさそうだ。

この技術水準は世界の大手自動車メーカーを凌駕し、米テスラに匹敵する。レベル4こそ未達成ながら、特定エリアなどの条件を付すことなくハンズオフを実現する技術は秀逸だ。

後段で触れるが、ファーウェイはレベル3走行を可能とする「ADS4.0」を2025年4月に発表しており、同年12月にこのシステムを搭載した長安汽車系ブランドのモデルが公道試験ライセンスを取得している。

マイカー・量産車を対象とした自動運転技術の領域で、ファーウェイがテスラ越えを果たすかもしれない。それほど勢いに乗っている印象だ。

■ファーウェイ×自動運転

車載OS「Harmony OS」でスマートカー市場へ

ファーウェイは早くから自動車産業への進出を果たしているが、当初はスマートフォン事業で培った通信技術などを武器とした車載インフォテインメント領域が中心だった。車載OS「Harmony OS」で運転・乗車体験の変革を目指したのだ。

自動運転開発にも着手、アライアンス「HIMA」設立

その後、自動運転分野にも注目し、2019年5月にインテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部を設立して研究開発を本格化させた。インフォテインメント領域同様、さまざまな自動車メーカーと組んで自社ソリューションの搭載を進めていく戦略だ。

2021年には、自動車メーカーのセレスと共同ブランド「AITO」を立ち上げた。2023年には、「ハーモニー・インテリジェント・モビリティ・アライアンス(HIMA/鴻蒙智行)を設立し、スマートカーの共同開発・販売促進の強化を図っている。ファーウェイが開発したHarmonyOSやADAS(ADS)、スマートコックピットなどの技術開発・搭載を進め、さらに各自動車メーカーの製造・販売チャネルとの統合を図っていく試みだ。

HIMAには、AITOのほか奇瑞汽車(Chery)との提携ブランドLuxeed、BAIC(北京汽車)とのStelato、JAC(安徽江淮汽車)とのMaextro、上海汽車(SAIC)との尚界(SHANGJIE)などが参画し、ファーウェイの技術を活用した自家用車を販売している。

2024年には、EV最大手BYDの高級ブランド「Fang Cheng Bao(方程豹)」もファーウェイ製ADASを採用することが発表されている。2025年には、広州汽車がファーウェイとともに合弁華望汽車技術を設立し、独自ブランドの展開を図っていくことも発表された。

このほか、東風汽車のブランド「Voyah」やアウディなどもファーウェイと提携しているようだ。2025年7月には、同社製ADAS搭載車が100万台に達したことが発表されている。

中国では各社がスマートカー開発に力を注いでおり、今後もファーウェイ製OSやADASの導入が続いていくことになりそうだ。

独自の開発アプローチ「WEWAモデル」で自動運転実現へ

ファーウェイの自動運転開発は、エンドツーエンドモデルに軸足を置き、独自のアプローチを採用しているようだ。AIによる一般的な制御は、センサーからの視覚情報を言語化し、大規模言語モデル(LLM)を用いて判断・制御方法を生成していく。

しかしファーウェイは、視覚情報を言語化せずそのまま判断・制御を行うモデルの開発を進めているという。より人間に近い構造と言える。同社はこの開発アプローチを「World Engine(WE)」と「World-Action(WA)」から「WEWAモデル」と命名し、ADS4.0に導入するとしている。

ファーウェイのシステム搭載車がレベル3へ

中国の工業情報化省は2025年12月、レベル3の公道走行試験ライセンスをEV2車種に付与した。長安汽車と北京汽車(BAIC)のブランドArcfoxの2車種で、長安汽車はファーウェイのシステムによって重慶市で高速道路渋滞時のレベル3を実現する。後者は北京の高速道路で最高時速80キロのレベル3走行に対応するという。

広州市でも、ファーウェイのシステムを搭載した広州汽車の高級ブランド「HYPTEC」の車両がレベル3試験に着手したようだ。同市ではこのほか、Xpengもレベル3実証を進めている。

ファーウェイの技術は横展開を前提としているため、技術が成熟すれば一気に拡大していくことも考えられる。

「2030年に新車販売の20%が自動運転車に」 ファーウェイ、2030年の中国市場を予測

■【まとめ】Waymoやテスラを凌ぐ勢い

自動運転分野においては後進ながら、高性能ADASで各社とのパートナーシップを拡大し、ついにはレベル3実現の域に達したようだ。

この勢いが本物ならば、Waymoやテスラを凌ぎ広範にわたる自動運転を達成する可能性もある。同社の動向に改めて注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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