Google、「消火栓」標識を「止まれ」と誤認識

自動運転車が参照したらトラブルに…



ADAS(先進運転支援システム)による看板などの誤認識が発生していることは、これまで自動運転ラボでも何度も紹介してきた。そしてGoogleマップの「ナビ」でも誤認識が起こったことが報告された。消火栓標識を「止まれ」の標識と間違えたという。


どちらも赤地に白文字ではあるものの、丸と三角で形状が異なる上に、そもそも描かれている内容が違う。Googleマップを作成する際に用いられる専用車両「Google Car」が標識を間違えて認識し、記録していたのだろうか。

自動運転車が走行する際にもマップデータが参照されることがあり、今回のような誤認識があると必要のない場所でも一時停止してしまい、渋滞や事故などのトラブルやエラーにつながる恐れがある。

編集部おすすめサービス<PR>
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリなら「GO」(配車アプリ)
クーポン超充実!「実質無料」のチャンスも!
新車に定額で乗ろう!MOTA(車のカーリース)
お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし!
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
編集部おすすめサービス<PR>
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリ GO
クーポンが充実!「乗車無料」のチャンス
MOTAカーリース
お好きな車が月々1万円台から!
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!

■「消火栓」と「止まれ」の標識を間違う!?

今回の誤認識は、X(旧Twitter)で下記のように投稿されたものだ。

投稿された画像を見ると、進行方向左手に消火栓標識が立っている。しかしGoogleマップには「止まれ」の標識が表示されている。この標識は、車両に対して一時停止を義務付けるものだ。この標識がある場所では必ず完全に停止し、安全を確認してから発進する必要がある。

もしこれが自動運転車であったら、Googleマップを信じて一時停止することになるだろう。しかし実際は消火栓標識のため、一時停止の必要はもちろんなく、後続車両に追突されたり無駄な渋滞を引き起こしたりといった可能性がある。


■ADASによる誤認識事例

出典:Flickr / Tatsuo Yamashita (CC BY 2.0 DEED)
https://www.flickr.com/photos/yto/25702110213/

実は、このような誤認識は過去に何度も起こっている。これまでに報告された誤認識で一番有名なのは、ラーメンチェーン「天下一品」の企業ロゴを「車両進入禁止」の標識と間違えたという事例だ。

【参考】関連記事としては「天下一品のロゴ、ホンダ車が「進入禁止」と再び誤認識」も参照。

天下一品のロゴは、赤い丸枠の中に筆で描いたような「一」の字が白抜きで刻まれている。一方、車両進入禁止の標識は、赤い丸枠のなかに白抜きで太い「一」の字のような横線が入ったものだ。色合いや白抜きのバランス具合などが絶妙に酷似しており、肉眼でも遠めに見れば見間違ってもおかしくないほどだ。

これをホンダのADAS「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が誤認識した件が多数報告されている。天下一品の店舗駐車場に入ろうとした際や通りがかった際などにセンサーがロゴを検知し、「進入禁止」のアラートを発するという。


また百円ショップ「セリア」や「キャンドゥ」のロゴを「最高時速100キロ」の道路標識と誤認識したといった声も寄せられている。セリアのロゴは丸く、外枠を茶色、中を白抜きとしている。この白抜きの中に、茶色で「100」の記載がある。外枠の茶色部分には、白抜きで「100 YEN GOODS * COLOR THE DAYS*」と文字が入っている。そしてキャンドゥではオレンジ系の外枠を丸く白抜きし、100円玉をモチーフにしたデザインになっている。

一方、最高速度を示す標識は、外枠が赤色で中は白抜きになっており、青地で速度示す数字が記載されている。色合いは違うものの百均のロゴに見えなくもないが、最高速度の誤認識は重大事故につながる可能性がある。

■ベンチャーの技術が誤認識を解消

天下一品の誤認識問題については、自動運転スタートアップのTuring(チューリング)の技術が解決するかもしれない。同社が開発するマルチモーダルAI「Heron(ヘロン)」は、天下一品のロゴと車両進入禁止標識を区別可能なのだという。

またホンダのADASなどについても、アップデートなどによりさらに正確な認識が可能になるかもしれない。看板や標識などを認識する技術が、人間が目で見て判断することより正確になるのは、もうすぐなのか。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事