ライドシェアとは?(2024年最新版) 仕組みは?参入企業は?

日本版ライドシェアがいよいよスタート



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菅義偉元首相らの発言を機に導入に向けた議論が一気に進み始めた有償ライドシェア。急転直下で「日本型ライドシェア」導入に向けた方針が固められ、2024年4月にもサービスが開始されることとなった。タクシー業界などの反発は依然としてあるものの、タクシー供給不足を背景に新たな移動サービスの道が開かれた格好だ。







海外ではすでにライドシェアの普及が著しく、市場規模は年平均20%で拡大していくとする調査レポートもある。日本国内におけるライドシェアは今後どのような道をたどるのか。また、ライドシェア解禁後、業界でトップシェアを勝ち取るのはどの企業になるのか。UberやDiDiが日本国内でも覇権を握ることになるのか。

現時点の法環境や取り組み状況、要人発言などをもとに、その行く末を見通してみよう。

<記事の更新情報>
・2024年2月18日:UberやDiDiの参入表明について追記
・2024年2月1日:部分解禁の現状について追記
・2024年1月21日:日本におけるライドシェアの解禁状況について追記
・2023年12月13日:ライドシェアに関する日本での調査結果について追記
・2023年11月24日:ライドシェア解禁後の業界動向の予測について追記
・2023年10月17日:自動運転タクシー普及によるライドシェアへの影響について追記
・2023年9月13日:ライドシェアに関する要人発言を追記
・2019年4月12日:記事初稿を公開

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■ライドシェアとは?
さまざまな形態のライドシェアが存在

ライドシェアは、直訳すると「ライド=乗る」を「シェア=共有」することで、一般的には「相乗り」や「配車サービス」を指す。自家用車の所有者と自動車に乗りたい人を結び付ける移動手段だ。

純粋な相乗りサービスの「カープール型」やバンを用いて多人数が乗車できる「バンプール型」、ヒッチハイク型の相乗りサービス「カジュアルカープール型」、海外で主流となっている有償ライドシェアサービス「TNCサービス型」「PHVサービス型」に分類することができる。

ライドシェアの類型概要
カープール型純粋な相乗りサービスのことを指す
バンプール型バンを用いて多人数が乗車できる形態を指す
カジュアルカープール型ヒッチハイク型の相乗りサービスを指す
TNCサービス型アプリなどでマッチングする形態のサービスを指す
有償ライドシェアはTNC型とPHV型に大別

近年特に騒がれているのが「TNCサービス型」と「PHVサービス型」で、これらを指してライドシェアと呼ぶことが多い。

TNCは「Transportation Network Company」の略で、Uberのような配車プラットフォーマーが各ドライバーの管理や運行管理を行う。ドライバーに課される要件も基本的にプラットフォーマーが定めるため、ドライバーにとって自由度の高いサービスと言える。

PHVは「Private Hire Vehicle」の略で、個人タクシーの派生形のような形式を指す。ドライバーは多くの場合TNCと同様のプラットフォームを介してサービスを提供するが、各国の規制によりライセンスの取得や登録など、一定の要件を満たさなければならない。プラットフォームに関係なく、各ドライバーに対し規制当局が規制をかける形式だ。

こうした有償ライドシェアは、一般的に流し営業やタクシープールの利用などはできず、アプリによる予約・配車要請に応じる形でサービスを提供する。

TNC型のサービスが認められているのは、北米や中国、ブラジル、メキシコ、東南アジアなど一部に限られ、意外と少ない印象だ。一方、PHV型はドイツや英国、ポルトガル、ニュージーランドなどが採用しており、フランスやスペインなどでは類似するVTC(運転手付き観光ハイヤー)制度が敷かれている。

オランダやスウェーデン、オーストリア、フィンランドなどのように、タクシーライセンスが必要なものの自家用車を使用することが可能な制度を設けている国もある。

日本同様タクシーサービスに限定されている国は、韓国やギリシャ、イスラエル、トルコなどが挙げられる。

▼ライドシェアとは何か?|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/pri/kikanshi/pdf/2017/65-1.pdf

【参考】各国のライドシェア制度については「ライドシェア制度、OECD諸国の34%が今も未整備 日本を含む13カ国」も参照。

■市場規模
2020年時点で9兆9,000億円規模

ライドシェア市場は、Uber Technologiesなどの台頭によりこの10年ほどで一気に開拓された。スタートアップの参入が著しく、一時期は世界を代表するユニコーン企業に各社が名を連ねていた。近年では、Uber TechnologiesやLyft、DiDiといった大手が株式上場を果たしている。

ライドシェアの市場規模は、リサーチステーション合同会社が2019年1月に発表したレポートによると2018年時点で613億ドル(当時のレートで約7兆円)規模で、2025年には3倍以上に拡大する見込みという。

また、日本で認められているコストシェア型ライドシェアの国内市場も今後拡大が期待されており、調査会社の富士経済によると、カープール型ライドシェアの国内市場(仲介手数料ベース)は、2018年の1億円見込みから2030年には131億円まで拡大すると予測している。

調査会社のReport Oceanは、2021年9月にライドシェアに関する新たなレポートを発行しており、そのレポートによれば、2021年から2027年における世界市場は、CAGR(年平均成長率)が20%になる見込みだという。2020年における市場規模は890億5,000万ドル(当時のレートで約9兆9,000億円)と推測している。

■海外のライドシェア・配車サービス企業
大手4社がすでに上場

海外では、米国を拠点に世界に配車網を拡大するUber Technologiesを筆頭に、米Lyft、中国Didi Chuxing(滴滴出行)、東南アジアを拠点とするGrabなどが有名だ。この4社はすでに株式上場も達成している。

  • Uber Technologies(アメリカ
  • Lyft(アメリカ)
  • Didi Chuxing(中国)
  • Grab(東南アジア)
  • Bolt(エストニア)
  • Ola(インド
  • Cabify(スペイン)
  • Moovit(イスラエル)

Uberは世界の1万を超える都市でサービスを展開しており、フードデリバリーサービスUber Eatsや宅配など、マッチングサービスの多角化による派生サービスにも注力している。自動運転車の導入にも積極的で、2023年にはグーグル系Waymoの自動運転タクシーの配車を米アリゾナ州で開始している。

エストニア発祥のBoltやインドのOla、インドネシアのGojek、スペインのCabify、イスラエルのMoovitなども存在感を示している。配車サービス系企業は、2018年時点で300社を超えているという。

こうしたプラットフォームビジネスは世界展開を図りやすいため、有力な市場では各社が競合し鎬を削っている。

日本では現在UberとDiDiが配車サービスを提供しているが、今後他社の新規参入があるかも注目したいところだ。

■ライドシェアのメリットとデメリット(リスク)

ライドシェアのメリットとデメリット(リスク)を提供者(ドライバー)側と利用者(客)側で考えてみよう。

提供者(ドライバー)側のメリット

まず、ライドシェアの提供者にとっては「資産の活用」という側面がある。すでに購入している資産(車両)を活用して稼ぐことで、車両の維持費などの負担を減らすことができる。

また、ライドシェアは「手軽な働き口」でもある。ライドシェアのプラットフォームを活用してドライバーになるためには一定の審査が設けられている場合が多いが、基本的にはどこかの企業で雇用されるより働き始めるのがはるかに容易で、ギグワーカーとして「何時から何時まで」といった働く時間が自由なことも特徴だ。

利用者(客)側のメリット

ライドシェアの利用者にとっては、料金面でタクシーより割安なことがある。一般的にタクシーよりもライドシェアの方が運賃が2〜3割安いと言われており、移動にかける費用を安く済ませることができるのは大きい。

ライドシェアの運転手は利用者からの評価制となっているため、嫌な思いをするケースを避けやすくなっていることも特徴だ。運賃が事前に確定するため、「ぼったくり」に合うことも基本的にない。

また、配車アプリの利用が前提となるため、言葉が通じにくい海外でも利用しやすいのもポイントだ。アプリを介することで言語の壁が低くなり、目的地の指定も容易となる。

日本でもタクシー配車アプリが浸透してきたが、地方の繁華街や駅前などではタクシープールや流し営業でタクシーを捕まえるのがまだまだ一般的だ。こうした際、特に外国人観光客にとっては、母国語に対応したアプリで配車できるのは大きなメリットとなる。

提供者(ドライバー)側のデメリット

ドライバー側のリスクは、ライドシェアのプラットフォーマーがサービスを万が一取りやめた場合、補償がないまま職を失うことだ。ドライバーに対する補償を求める声もあるが、こうした失職のリスクがつきまとうことは覚悟する必要がある。

こうしたギグワーカーの待遇をめぐっては、個人事業主による請負扱いではなく労働者として扱うよう各国で議論が活発化しているようだ。

利用者(客)側のデメリット

客による評価システムによってドライバーの質が担保されているとはいえ、ライドシェアをめぐってはまだまだドライバーと客のトラブルが絶えない面もあるようだ。例えばドライバーによる暴行や盗撮だ。こうした点には注意をする必要があると言える。

東南アジアのように、従来のタクシーサービスの質が悪いエリアではライドシェアの方が安全とされることもあるが、日本のように質の高いタクシーサービスが提供されているエリアから見ると、ライドシェアの安全性に疑問を持たれることも多いようだ。

【参考】関連記事としては「ライドシェアの主なトラブル事例・問題・事件まとめ」も参照。

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■ライドシェアに関する日本調査
日本では「乗らず嫌い」でライドシェアを敬遠?
営利型ライドシェアサービスの日本への導入賛否=出典:MM総研

ライドシェアに関しては、日本人の大半が「乗らず嫌い」であることを示唆する調査結果が出ている。

民間調査会社のMM総研が2023年に実施した調査によれば、まず全国の15~79歳の男女3,000人のうち、ライドシェアの利用経験がないのは2,780人だった。日本人のほとんどが利用経験が無い状況だ。

そして、ライドシェアの利用経験がない人の場合の賛否は、賛成35.6%、反対64.4%である一方、海外でライドシェアサービスを利用した経験がある人の場合、賛成84.1%、反対15.9%となっている。

つまり、ライドシェアを経験するとライドシェア導入に賛成する傾向が強くなる、といった仮説が成り立つ。

■日本における実証実験
広島県×三次市×マツダ

マツダは広島県および三次市と連携のもと、コネクティビティ技術を活用し、将来のライドシェアを見据えた移動サービスの実証実験を開始したことを2018年12月に発表した。

地域移動サービスで用いる運行管理システムや利用者用アプリの開発を進め、実証実験で得られたデータを蓄積して次世代コネクティビティ技術や自動運転技術と組み合わせたライドシェアサービスの開発を目指すこととしている。

荒尾市×三井物産
出典:荒尾市プレスリリース

熊本県荒尾市は2019年1月から2月にかけ、三井物産などとともにAI(人工知能)を活用した相乗りタクシーの実証実験を実施した。実証実験には地場系のタクシー会社「荒尾タクシー」が協力し、同社の乗務員が運転するタクシーに市民ら利用者が相乗りする仕組みだ。

タクシー事業が縮小傾向にある中、タクシー車両を有効活用することで路線バスを補完する新たな公共交通体系として商業化を含めた導入の可能性を探る目的。スマートフォンやAIなどを活用し、複数の利用希望者のマッチングを行って1台のタクシーへの相乗り実証などを行ったという。

【参考】荒尾市の取り組みについては「熊本県荒尾市、三井物産などと相乗りタクシーの実証実験開始」も参照。

鹿児島県与論町×Azit
与論島の全景=出典:ヨロン島観光協会

モビリティベンチャー企業の株式会社Azitは2018年6月、タクシーが8台しかないとされる鹿児島県の与論島で観光客を対象としたライドシェアサービスの実証実験を同年8月に実施することを発表した。

ヨロン島観光協会と協力して事業を進めることとしており、同社が開発したドライブマッチングアプリ「CREW」を活用し、島民の自家用車を活用してライドシェアサービスを展開する仕組み。

2019年2月には、「CREW」の定常的な提供を2019年4月以降に開始することでヨロン島観光協会などと合意したことも発表しており、自家用車に加え地域のタクシーも配車可能にする計画という。

なお、Azitによるライドシェア関連のサービスは現在停止されており、代わってラストマイルの即配送・当日配送を実現するCREW Expressサービスが事業の中心となっているようだ。

【参考】Azitの取り組みについては「MaaSプラットフォーム「CREW」、鹿児島の与論島で定常的提供」も参照。

天塩町×notteco

移動手段不足の問題の解消を目指すプロジェクトとして、北海道天塩町とnottecoが2017年3月に相乗り交通事業に着手した。

同町から約70キロメートル離れた稚内市まで、住民同士が車の相乗りで移動できるようにする試み。

森ビル×Via

都市ディベロッパーの森ビル株式会社は、米ライドシェア企業Viaと連携し、ヒルズを舞台にオンデマンド型シャトルサービス「HillsVia」の実証実験を開始したことを2018年8月5日までに発表した。

利用料金を森ビル側で負担することで実質無償型とし、日本国内の法律を遵守する形で実証実験を行い、さまざまなデータを取得して都心におけるオンデマンド型シャトルサービスの有効性やまちの付加価値向上の可能性などを検証することとしている。走行エリアは六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズ、愛宕グリーンヒルズ、パレットタウンなどで、実験期間は1年間を予定している。

博報堂の協力で有償ライドシェア「ノッカル中田」
出典:博報堂プレスリリース

2022年11月、マイカーを活用した乗り合い公共交通サービスとして「ノッカル中田」の実証実験がスタートしたことが話題になった。

事業者協力型自家用有償旅客運送に即した有償ライドシェア事業と言え、MaaSシステムを導入して住民の移動課題を解決するという取り組みだ。この取り組みには博報堂が協力しており、サービスを利用する前日までに電話またはLINEで予約を行い、ドライバーの車に同乗させてもらう仕組みだ。

ノッカルのサービスは、富山県朝日町や富山県高岡市で導入されているほか、山形県西川町や静岡県東伊豆町でも2023年度中のサービスインを目指し取り組みが進められている。

【参考】関連記事としては「博報堂が「日本版ライドシェア」!Uberはダメなのになぜ?」も参照。

■ライドシェアに関する要人発言
菅氏や河野氏の発言が着火点
(左)河野太郎氏=出典:flickr / G20 Argentina (CC BY 2.0)/(右)菅義偉氏=出典:首相官邸

ライドシェアに関しては、菅義偉前首相が2023年8月に解禁に向けた議論の必要性に言及し、話題になった。

またデジタル大臣を務める河野太郎氏も同時期にテレビの報道番組に出演した際、ライドシェアを地域ごとに解禁していくという独自案を披露している。小泉進次郎氏もライドシェア解禁に前向きなようだ。

【参考】ライドシェア推進派については「ライドシェア推進派の政治家一覧」も参照。

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■日本におけるライドシェアの未来
深刻なタクシー不足背景に議論が再燃

前述の要人発言が引き金となってライドシェア導入に向けた議論が2023年夏ごろに再燃した。国会では過去、自家用有償旅客運送議論の際に「あくまでバス・タクシー等が極端に不足している地域における観光客等の移動の利便性の確保が目的であり、同制度の全国での実施や、いわゆるライドシェアの導入は認めない」といった附帯決議がなされるなど、有償ライドシェアに対しては反対する姿勢が強かった。

しかし、コロナ禍が明けてインバウンドが回復した結果、都市部や観光地などを中心にタクシーの需給バランスが大きく崩れ、タクシー不足が顕著となった。こうした背景のもと、前述の要人発言がクローズアップされることとなり、一気に解禁に向けた議論が活発化し始めたのだ。

内閣府のデジタル行財政改革会議の中でも議題の1つにライドシェアが据えられることとなり、小泉進次郎氏ら超党派の議員計21人がライドシェア勉強会を発足させるなどその勢いは加速している。

日本版ライドシェアの方針示す

デジタル行財政改革会議が2023年12月に発表した中間とりまとめでは、現状のタクシー不足を地域の自家用車や一般ドライバーを活用したライドシェアによって補う方針が打ち出された。

タクシー配車アプリによりタクシーが不足する地域・時期・時間帯を客観指標化する。これに基づいて交通空白地・時間を特定し、タクシー事業者の運行管理のもと、一般ドライバーによる配車とタクシー運賃の収受が可能な運送サービスを2024年4月からスタートする内容だ。この発表に合わせて、ライドシェアのドライバーの募集に関する発表も各社によって相次いでいる。

合わせて、従来の自家用有償旅客運送制度についてもより利用しやすいものへと改善を図っていく。タクシー事業者以外がライドシェア事業を行うことを位置付ける法制度については、2024年6月をめどに議論を進めていくとしている。

エリアや時間帯などで制限を課し、かつタクシー事業者管理のもとサービスを提供する形は、TNC型などと比較すると肩透かしを食らった感が強いが、あくまで「移動の足(タクシー)の不足を補う」施策であることを踏まえれば、落としどころとしては妥当かもしれない。

現在詳細を煮詰めている段階と思われるが、最終的にどのような仕組みとなり、実際にどれほどの一般ドライバーが興味を示すことになるのか、要注目だ。

【参考】ライドシェア解禁方針については「ライドシェア、対価の目安「タクシーの80%」 変動価格制導入も」も参照。

■自動運転タクシー普及でライドシェアは無くなる?
自動運転普及でライドシェアの役割は終了する

ライドシェアに関しては、自動運転タクシー普及までの「つなぎサービス」であるといった視点も持っておきたい。

ライドシェアの利点としてはドライバー不足の状況でも交通手段を確保できる点などがあるが、自動運転タクシーが普及すれば、こうした課題はライドシェアでなくても解決でき、しかも自動運転タクシーの方が人的コストがかからない分、利用運賃も下がると考えられている。

実際、米ライドシェア大手Uberもすでに自動運転タクシーを自社サービスで導入する動きを見せており、Uber Eatsのフードデリバリーも自動配送ロボットを活用していく方針だ。

■ライドシェア解禁後にシェアを勝ち取るプレイヤーは?
UberとDiDiは裏方役での参入

注目したいのは、日本国内でライドシェアが解禁されたあとに、どういった企業が日本国内のライドシェアサービスでトップシェアを勝ち取るかだ。

現時点での前提知識として掴んでおきたい点としては、ライドシェアの部分解禁ではタクシー会社しか実質的にライドシェアサービスを展開できないことがある。そのため、UberやDiDiなどの世界的なライドシェア大手は、日本のライドシェアの部分解禁では主役になれない。

そのため以下の記事にあるように、UberもDiDiもライドシェアへの参入は表明したものの、事業内容はタクシー会社がライドシェアを展開するための支援や、乗客やドライバー向けのアプリ開発というように、「裏方役」にならざるを得ない状況となっている。

ただし、ライドシェアが日本で全面解禁され、どんな会社でもライドシェアサービスを展開できるようになれば、UberやDiDiは一躍本命に踊り出るはずだ。

大本命GOがライドシェア導入支援を開始
出典:GOプレスリリース

すでにタクシー配車アプリを展開してユーザー数を多く獲得しているGOはどうか。同社はタクシー大手の日本交通系企業であり、タクシービジネスと相反するライドシェア導入に対してはこれまで反対する姿勢を強めていた。

しかし、政府による今回の方針を受け、日本型ライドシェアの導入を支援していくことを発表した。日本型ライドシェア専用の相談窓口を開設し、導入に向けた要望ごとに柔軟に対応するほか、ドライバー向けアプリの開発・提供やタクシー事業者・自治体向け管理システムの開発・提供、ドライブレコーダーなどの機器類の提供、ライドシェアドライバー採用支援などを進めていく。

ライドシェア運行管理元となるタクシー事業者としての側面とプラットフォーマーとしての側面を併せ持つ日本交通は、日本版ライドシェアの大本命と言えそうだ。

このほか、ソニー直系のS.RIDEやモビリティベンチャーのNearMeなどの出方にも注目したいところだ。

【参考】関連記事としては「ライドシェア解禁後、Uberに勝てる日本企業は存在するのか」も参照。

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■【まとめ】ライドシェア実証進む 導入見越した体制づくりを

相乗りサービスの実証を含め、道路運送法にのっとった形で事業化した京丹後市や、特区のもとライドシェア事業に取り組んでいる養父市など、さまざまな動きが散見されるようになった。

一般ドライバーによる有償ライドシェアをめぐっては、安全性の問題や既存業界への利益圧迫などがたびたび指摘されているが、安全性に関しては新たなルールを導入することである程度クリアできる問題であり、後者に関しても、競争原理から言えばただただ既得権を守ろうとする動きにしか見えない。

やや妥協感が強い日本版ライドシェアがまもなくスタートする見込みだが、各自治体などはどのような反応を示すのか。ドライバー需要はどれほど眠っているのか。各地のタクシー事業者はどのように対応していくのか。注目すべき点は多い。

将来的には、タクシー事業者の運行管理から離れたサービス展開が実現する可能性も高い。公共交通確保という公共性と事業継続に向けたビジネス性をどのように両立させていくかがカギとなりそうだ。

MaaSや自動運転、AIの波など、移り変わっていく時代に対応する第一歩として捉え、日本版ライドシェアの行く末を見守りたい。

(初稿公開日:2019年4月12日/最終更新日:2024年2月18日)







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