Uberが株価50%急騰!自動運転タクシーの展開発表が起点 最高値更新へ

Google系Waymoとタッグ、投資家が注目



配車サービス大手の米Uber Technologiesの株価が急騰中だ。株価急騰の起点となったのが、自動運転タクシーの展開だ。


Uberは、Google系Waymoの自動運転タクシーの配車が可能になったことを2023年10月26日に発表した。このニュースが株価回復の起点となり、Uberの株価は40.62ドルから12月11日時点で62.46ドルまで上昇した。上昇率は50%以上だ。

同社の株価高騰は、ついに投資家が自動運転に本気で関心を持ち始めていることを示しているとも言えそうだ。また2022年から2023年前半にかけて株価が低迷していたUberだが、このまま上場機運に乗れるのかにも注目が集まる。

Uberの上場来過去最高値(※取引が行われているザラ場の最高値)は、2021年2月11日につけた64.050ドル。過去最高値更新は秒読みか。

出典:Trading View
■Uberの自動運転タクシーサービスの概要

Uberが開始したのは、米国での自動運転タクシーの配車サービスだ。Waymoと提携し、アリゾナ州フェニックスで、Uberアプリを通じてGoogle系Waymoの自動運転タクシーの配車が可能になった。


サービス提供エリア内においては車内が完全無人、つまり安全のためのセーフティドライバーがいない状況で運行されるという「自動運転レベル4」で走行する。

最初から自動運転車を指定できるわけではなく、UberのアプリでUberXやUber Green、Uber Comfort、Uber Comfort Electricをリクエストしたユーザーは、Waymoの自動運転タクシーがマッチングされる可能性があるという仕組みになっている。ただし、Uberアプリの「乗車設定」で選択することで、自動運転車とマッチングする可能性が高くなるようだ。

いすゞなどでも発表後に株価上昇の事例

自動運転関連のニュースにより、日本株が上昇するケースもある。

イスラエルの自動運転関連企業であるForetellixが、シリーズCラウンドで8,500万ドル(約124億円)の資金調達を行ったことを2023年12月5日に発表した。この資金調達ラウンドには、新たな投資家としていすゞが加わった。この発表後、いすゞの株価は一時的に上昇した。

測量技術を武器に自動運転分野で活躍するアイサンテクノロジーは、自動運転小型EVバス 「ティアフォーMinibus」を導入し、全国各地で運行開始することを2023年11月1日に発表した。政府の「RoAD to the L4」プロジェクトで目指す、自動運転移動サービスを2025 年度の50カ所程度実現するという目標に向けての取り組みとなる。この発表のタイミングで、アイサンテクノロジー株も一時的に上昇している。

■株価上昇でUberに続く企業はあるか

米国株においては、この数年株価が低迷している自動運転関連銘柄が多い。特にLiDAR開発企業の株価は悲惨な状況だ。しかし、いまがほぼ底値で、これから株価が一気に回復する可能性を秘めているかもしれない。

株式投資の世界においては、次の注目テーマは自動運転と言われることも少なくない。自動運転やモビリティ関連の話題が一気に増えてきた現在、Uberのように上昇トレンドに乗る企業が出てくるか、注目だ。

【参考】関連記事としては「自動運転向けLiDAR企業、株価90%安も「今が買い時」説」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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