ライドシェア完全解禁、「日本人の62%」が不安視 盗撮行為など懸念

「安心して使えない」と考える人が多数



2024年4月に解禁された自家用車活用事業、通称「日本版ライドシェア」。タクシー事業者が主体となっており本来の意味でのライドシェアとは異なるが、日本にとって大きな前進となった。そして現在はライドシェア全面解禁に向けての議論が行われている段階だ。


そんな中、ライドシェアの全面解禁について「利用者として守られていないと感じる」「みんなが安心して利用できると思わない」と考える人が6割以上いるという調査結果が発表された。利用者にとってライドシェアの全面解禁は不安視されている状況だ。この調査について詳しく紹介する。

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■「安心して使えない」と考える人が多い状況

全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は、首都圏在住のタクシー利用者を対象に「タクシーとライドシェアに関する1000名意識調査」を2024年11月に実施し、その報告書をこのほど公開した。

日本版ライドシェアについては、「日本版ライドシェア」という言葉を認知しているのは74.1%で、制度については「ドライバーが保有する自家用車を使用する」ということ以外の特徴は十分に理解されていない。特に、ドライバーの健康管理や運行管理、車両点検、保険をタクシー会社が行うことを知っている人は、全体の3分の1にとどまるという。


法整備を検討中のライドシェア(海外型ライドシェア全面解禁)については、利用者として守られていないと考える人が60.8%、みんなが安心して使えるサービスだと思わない人が61.9%いるという結果となった。

出典:交運労協プレスリリース

海外型ライドシェア全面解禁について具体的に不安に思う点は、「ドライバーの身元を保証する仕組みがない」が1位で79.6%を占めた。2位は「トラブル時の対応は原則ドライバーと乗客自身で解決を図る」78.1%、3位は「ドライバーの労働時間の管理やアルコール検査は自己管理」77.9%であった。

また予想されるトラブルへの不安としては、「交通事故が発生した時の保証や交渉」が91.7%で最も多く、「ドライバーによるわいせつ・盗撮行為」90.1%、「ユーザーに不明瞭な運賃」89.0%と続く。

出典:交運労協プレスリリース

■全面解禁では日系アプリが有利に?

今回の調査結果で興味深いのが、海外のプラットフォーム事業者についての意見だ。海外のプラットフォーム事業者の提供するサービスでは、「自分の移動情報やカード情報のデータが、日本の法律が適用されない海外のサーバーに送信されること」について82.5%が「不安を感じる」と回答している。


出典:交運労協プレスリリース

日本のタクシー配車アプリ最大手は日本企業による「GO(ゴー)」だが、米国発の「Uberタクシー」や中国発の「DiDi(ディディ)」の人気も高い。各社は現在、日本版ライドシェアにおいてタクシー事業者の支援をするにとどまっているが、ライドシェアが全面解禁された暁には本格参入することは間違いないだろう。その際、海外発のアプリが情報の安全性についての不安により不利になってしまうのだろうか。

ただしフードデリバリーの分野では、米国発「ウーバーイーツ」やフィンランド発「Wolt(ウォルト)」が日本ですでに多くのユーザーを獲得している。安心・安全面を担保できるのであれば、日系、外資系問わずサービス内容や手数料、キャンペーンなどで評価されていく可能性も高いと感じる。

■タクシー利用者の半数以上が配車アプリを活用

タクシー利用者の57.6%が、タクシー配車アプリをインストールして活用しているという。またタクシー配車アプリを利用している人の82.9%が、タクシーを「捕まりにくいと感じるシチュエーションでも利用しやすくなった」と感じていることが分かった。

日本初のタクシー配車アプリはGOの前身である「JapanTaxi」アプリで、2011年1月からサービスを開始した。この十数年でタクシー配車アプリは広く認知されるようになった。ライドシェアも、これから10年ほどをかけてゆっくりと浸透していくのかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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