日本ではライドシェアは、一部サービスを除いて基本的に解禁されていない。しかし、世界のライドシェア市場はその間にも拡大し続けている。
調査会社のレポートオーシャンが2021年9月に発行した新レポートによれば、2021年から2027年における世界のライドシェア市場は、CAGR(年平均成長率)が20%になる見込みだという。ちなみに2020年の市場規模は890億5,000万ドル(約9兆9,000億円)と推測されるようだ。
■最も高いCAGRは「アジア太平洋地域」
レポートによれば、2020〜2021年にかけては新型コロナウイルス感染症の拡大により、ライドシェアの利用率は大幅に下がったものの、アフターコロナ時代にはライドシェア市場は再び大きく成長すると予測されているという。
またレポートでは、感染防止対策は引き続き必要となり、車内にパーテーションや除菌剤、乗客の体温を測れる装置などの設置をすることが求められてくると指摘している。
このほか、ライドシェア市場をリードするのは当面は北米だが、最も高いCAGR(年平均成長率)となりそうな地域がアジア太平洋地域だという。今後の経済発展やスマートフォンの普及率の上昇が、ライドシェアの利用拡大に大きく寄与するという見方のようだ。
■自動運転タクシーへのシフトで市場はさらに拡大?
ライドシェアの主要プレイヤーは、アメリカ勢では世界最大手のUber(ウーバー)だ。2009年創業のUberはライドシェア事業の草分け的存在で、世界各国の市場を開拓し、世界戦略をいち早く進めた。
中国勢ではDiDi Chuxing(滴滴出行)が強い。ソフトバンク・ビジョン・ファンドが2017年に投資していることでも知られる。東南アジアではGrab(グラブ)の利用率が高い。
また、こうしたライドシェアサービスに関しては、将来的には自動運転タクシーにとって替わられる可能性が高いことも、特筆すべき点だ。自動運転車だと人的コストがかからないため料金を安く設定でき、ユーザー数をより増やすことができる可能性が高いからだ。
このような流れとなればライドシェア(=自動運転タクシー)の市場はさらに拡大し、2020年代後半からのCAGRは20%をゆうに超えるかもしれない。
【参考】関連記事としては「ライドシェアとは?2020年代に日本でも?現在の規制と特区制度まとめ」も参照。