【2020年2月分】自動運転・MaaS・AIの最新ニュースまとめ

配車サービス統合で5強から4強へ、ホンダの動きに注目





2020年2月、国内ではタクシー配車サービス分野に大きな動きがあったほか、ホンダがモビリティサービスを担う新会社を設立するなど、将来を見据えた動きが活発化しているようだ。ティアフォーのAI開発協業も今後の成果が楽しみだ。







海外では、ウェイモがUPSと手を組み物流分野での実証を本格化し始めたようだ。自動運転タクシーに次ぐ二本目の柱となるのか、今後の展開に注目が集まる。

2020年2月の10大トピックを一つずつおさらいしていこう。

■米ウェイモとUPS、自動運転車で小荷物配送 実証実験をスタート(2020年2月1日付)

自動運転タクシーサービスを手掛けるウェイモが、新たな事業を見据えているようだ。米物流大手UPSとの小荷物配送における協業を発表し、配送分野への自動運転技術の導入を進めていくようだ。

自動運転タクシーにも使用しているクライスラーのミニバン「パシフィカ」を自動運転化するとともに後部座席部分を積載スペースに改良し、UPSの拠点から配送センターまで小荷物の配送を試験的に行うこととしている。

ウェイモはこうした車両プラットフォームを「Waymo Driver(ウェイモドライバー)」と名付けており、実証試験を重ね将来的にさまざまな用途向けに展開していく可能性が高い。自動運転技術そのものの市場化と商用サービス化に向け、着実に前進している印象だ。

一方、UPSもこれまでに自動運転トラックを開発するスタートアップ企業の米TuSimpleに出資するなど自動運転技術の導入に前向きだ。自動運転トラックによる長距離輸送とウェイモの車両による短中距離輸送――といったイメージで自動運転の活用を模索している可能性もありそうだ。

■車の生産・販売・アフターケア企業のCASE対応に向けた教科書 コネクテッド化・自動運転化見据え(2020年2月4日付)

自動車業界に変革をもたらすCASEが、今後生産現場や販売、アフターケア市場に至るまでどのような影響を及ぼすかを解説した記事だ。

コネクテッド化、自動運転、シェアリングサービス、電動化に向けた取り組みが加速する中、開発分野のみならず市場化された後の関連分野にも変革が必要とする内容で、生産においてはソフトウェア開発力、販売においては新サービスの導入、アフターケアにおいてはソフトウェアのアドバイザー化など、新たなモビリティ業界に対応可能な体制づくりを今から進めておくべきとしている。

■JapanTaxiとDeNAの配車アプリ事業、統合へ 自動運転技術の導入も視野(2020年2月5日付)

日本交通とDeNAが、配車アプリ事業を統合することで合意した。2020年4月に日本交通子会社のJapanTaxiが運営する配車アプリ「JapanTaxi」とDeNAの配車アプリ「MOV」を統合し、DeNA がJapanTaxiの共同筆頭株主となって社名も新たに新体制で事業を推進していくとしている。

国内最大のエリアカバー率とシェアを誇るJapanTaxiと、AIやIoT技術に強みを持つDeNA(MOV)の統合によって事業基盤や開発力を強化し、利用者・タクシー事業者双方に喜ばれるサービスを共同で推進していく構えだ。

タクシー配車アプリを巡っては、近年UberやDiDi、みんなのタクシーが国内参入して勢力拡大を図っており、激戦が繰り広げられている。新たな4強体制で今後どのような展開となっていくのか、要注目だ。

■トヨタ決算説明会、Woven City「近くマイルストーンを発表」と言及 AI自動運転などの「生きた研究所」に(2020年2月6日付)

トヨタが2019年4〜12月期(2020年3月期第3四半期)の決算を発表した。売上高は前年同期比1.6%増の22兆8301億6400万円、営業利益は同6.2%増の2兆587億8300万円、純利益は同41.4%増の2兆130億1000万円となっている。

競争力強化に向けた取り組みに関する説明の中でディディエ・ルロワ副社長が「Woven City(ウーブン・シティ)」に言及しており、近くマイルストーンを発表できるとしている。

米中貿易の行方に加えコロナウイルスの影響などなかなか明るい材料が見当たらない中、大規模な実用実証の場となるコネクテッドシティ構想は大きな試金石となる。詳細発表を心待ちにしたい。

■ついに幕開け!自動運転、解禁日は「4月1日」(2020年2月7日付)

2019年に成立した改正道路交通法と改正道路運送車両法の施行日が2020年4月1日に決定した。自動運転レベル3に法的根拠が与えられ、自動運転技術の商用化を見据えた動きが一気に加速しそうだ。

改正法では、自動運転を実現するシステムを「自動運行装置」と定義してその存在を認め、作動状態記録装置の搭載や自動運転中における運転者の義務などが盛り込まれている。

量産車におけるレベル3搭載車両は独アウディがすでに発表しているほか、ホンダが2020年夏をめどに発売する計画を立てている。現時点で明確にレベル3搭載車両の市場投入を公表している自動車メーカーはわずかだが、米テスラやGM、日産なども技術開発が進んでいるものと見られ、2020年中に新たな動きを見せる可能性が高そうだ。

【参考】詳しくは「ついに幕開け!自動運転、解禁日は「4月1日」」を参照。

■自動運転開発費、トヨタは試算ベースで世界4位 首位はあの企業(2020年2月12日付)

米テックメディアの「The Information」が発表した自動運転開発費の企業別データで、トヨタが4位にランクインしたようだ。

2019年までに自動運転開発に各社が少なくともいくら投じたかを試算した内容で、1位はウェイモ、2位はGM系クルーズ、3位はウーバー、そして4位にトヨタと百度が並んでいる。巨額の資金の資金を集めたスタートアップもランクインしている。

ビッグマネーが動く自動運転業界。実用化・商用化が本格化する2020年代もこの傾向は続くものと見られ、新たな企業がランキングに登場し、業界の構図をがらりと変える可能性もありそうだ。

■MONETコンソーシアム、加盟企業が500社突破 進むトヨタとソフトバンクの仲間作り(2020年2月15日付)

MONETコンソーシアムの加盟企業が、設立一周年を前に500社に達した。業種を超えたさまざまな企業が集う巨大な事業体の今後の展開に要注目だ。

MONETコンソーシアムはモビリティイノベーションを目的に2019年3月に設立し、当初は88社が参加していた。自動車関連企業から建設運輸、医療福祉、製造、電気ガス水道、不動産、金融、教育など、あらゆる業種の企業が集い、MaaSをはじめとした次世代モビリティサービスを通じた事業展開を模索している。

次世代モビリティの推進を目指す組織としては国内最大で、世界でも類を見ない規模の共同事業体が形成されつつあるようだ。

■Googleマップが「Google MaaS」に進化する未来(2020年2月17日付)

将来、MaaSサービスで世界の覇権を握るのはグーグルではないか?――と推察したコラムで、地図サービス「Googleマップ」を通じて世界各国で経路検索サービスを提供するグーグルが、将来このサービスを「MaaS」へと昇華していく可能性について指摘している。

論拠の一つとして、グーグルが2020年2月7日に公開したブログ記事「Googleマップのこれからの15年を考える」を挙げている。この中で「異なる移動手段をつなげて到着時間を表示することで、よりシームレスなユーザー体験を得られるようにすることが、Googleマップの次の課題のひとつです」と記載されており、これがMaaSに通じる考え方というものだ。

特定の地域内における交通サービスを統合するなどエリア性が強いMaaSだが、将来は国境を越えてあらゆる国の交通サービスがつながるかもしれない。そうした際に、グローバルプラットフォーマーとしての強みが存分に発揮されるのだろう。

【参考】詳しくは「Googleマップが「Google MaaS」に進化する未来」を参照。

■自動運転スタートアップのティアフォー、AIの第一人者・松尾豊氏の研究組織と協働(2020年2月21日付)

自動運転開発を手掛けるティアフォーが、国内ディープラーニング研究の第一人者である東大教授の松尾豊氏の研究組織と株式会社IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス(BAI)とともに、自動運転AIの開発を目標に共同研究を開始したと発表した。国内最高峰レベルのAI開発力が自動運転分野でどのような成果を上げるか、期待が高まるところだ。

松尾氏は、東大大学院工学系研究科人工物工学研究センターの教授。一般社団法人日本ディープラーニング協会の理事長も務めており、最先端のディープラーニング技術の産業応用に取り組むなど多方面で活躍している。

一方、BAIは経営共創基盤のAI専門部隊として、深いビジネス知見をベースにスタートアップから大企業まで先端AI技術のビジネス活用を支援している。

3者は、ティアフォーが有する自動運転データセットを活用し、3次元空間の物体検出および物体追跡におけるディープラーニング技術の応用に取り組む。ティアフォーは研究成果を自動運転OS「Autoware」に導入する予定としている。

■「車の作り手」ホンダが、自動運転サービスなど前提の新会社設立(2020年2月21日付)

ホンダがモビリティサービス事業を担う新会社「ホンダモビリティソリューションズ株式会社」の設立を発表した。MaaSをはじめとしたサービス分野での同社の取り組みに注目が集まる。

新会社はモビリティサービス事業の企画立案や運営を担い、自動運転モビリティサービスやロボティクス・エネルギーなどを組み合わせた新しいサービスを提供することで、さまざまな社会課題の解決や移動の利便性の向上を目指すとしている。

ホンダはこれまで、モビリティサービス分野においてレンタカーサービスにカーシェアの特徴を組み合わせた「EveryGo(エブリ・ゴー)」を2017年に開始したほか、2019年にMONET Technologiesと資本業務提携を交わしている。

また、2020年1月には、最短1カ月から利用できる新たな月極定額モビリティサービス「Honda Monthly Owner(ホンダ マンスリー オーナー)」を一部中古車を対象に開始するなど、徐々にサービス分野における事業強化を図っている。

■【まとめ】モビリティサービス分野の話題集中 新年度にサービス具体化か

JapanTaxiとMOVの統合をはじめ、ホンダの新会社設立、MONETコンソーシアム加盟500社突破など、2月はモビリティサービスに関わる話題が集中した印象だ。新年度は、配車サービスを統合した2社の展開やホンダの新会社の取り組みをはじめ、MONETコンソーシアム内における協業の成果が顔を出し始める可能性があり、引き続き注目していきたい。

2019年度も残すところあと1カ月。自動運転業界が大きく動き出すだろう2020年度に向け、3月も大きな話題が飛び出すことに期待したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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