【2019年10月分】自動運転・MaaS・AIの最新ニュースまとめ

Luupに規制停止認定、パナは社内ライドシェア





2019年度も下半期に入り、冬の足音とともに2020年の足音も近付いてきた。







国内では、空飛ぶクルマの開発を進めるスカイリンクテクノロジーズに航空機製造事業の許可が下りたほか、電動キックボードのシェアリング事業の実現を目指すLuupが規制のサンドボックス制度において認定を受けるなど、新しいモビリティの実現に向けた取り組みが着実に進んでいるようだ。

海外では、グーグル系ウェイモに新たな動きがあったようだ。完全ドライバーレスの自動運転サービスにいよいよ着手するようだ。

2年に1度のモビリティの一大展示会・東京モーターショーが開幕した2019年10月の10大ニュースを一つ追っていこう。

■鍵はオワコン?スマホで「エンジン始動」「ドア解錠」可能に スマートキー、カーシェア普及に追い風(2019年10月3日付)

従来の鍵の代わりにスマートフォンなどを活用できるスマートキー・バーチャルキーに関し、国土交通省が2019年10月中を目途に道路運送車両法に基づく保安基準を改正すると日経新聞などが報じた。

10月26日時点で国交省による正式なアナウンスは出されていないものの、議論は水面下で進んでいるものと思われる。各メーカーの開発状況や潜在需要から、保安基準の改正は近く行われる可能性が高そうだ。

現行の道路運送車両法の保安基準では、施錠装置の設置が義務付けられており、通常の操作による原動機の始動などは1つの鍵を用いることにより満たされなければならないなどと定められている。

車両と施錠装置が1対1の関係である必要があるが、今後の改正により、スマートフォンなどの電子ソリューションを媒体とするデジタルキーを新たに施錠装置として認めるとともに、デジタルキーの取り扱いに関する要件やセキュリティ認可なども盛り込まれることになりそうだ。

■経産省、「空飛ぶクルマ」ベンチャーに無人航空機の製造許可(2019年10月7日付)

2019年5月設立のベンチャー・スカイリンクテクノロジーズは2019年10月5日、経済産業省から無人航空機と航空機の製造の事業許可を取得したと発表した。空飛ぶクルマの開発ベンチャーが航空機製造事業の許可を受けるのは国内初という。

同社は従来の移動手段と比べ高速かつ自家用車のように自由度の高い移動手段を実現する開発ベンチャーで、2025年開催予定の大阪万博において有人飛行可能な垂直離陸機(VTOL)の出展を目指している。

■自動運転時代を先取り!「お届けカーシェア」の有望性(2019年10月10日付)

JXTGエネルギーは2019年10月、デリバリー型カーシェアリングサービス「広島お届けカーシェア(仮称)」の実証実験開始を発表した。2019年度中は無償モニターを募集し、2020年度から有償サービスへの移行を目指す。

広島お届けカーシェアは、配送スタッフによる車両のお届け・引き取り機能が付いた業界初のカーシェアサービスで、社用車での活用など法人向けのサービスとして実施する。

こうしたサービスは、ある意味で自動運転導入後のカーシェアサービスの在り方と類似する。自走可能な自動運転カーシェアであれば、駐車場(ステーション)まで車両を取りに行く必要がなく、またどこでも乗り捨て可能となるためだ。

右肩上がりのカーシェア業界では、異なるステーションに返却可能なワンウェイ方式の実証なども進んでいる。今後、付加サービスによって差別化を図る動きが加速する可能性がありそうだ。

■MONET軍団、瞬く間に400社!自動運転やMaaS領域、異業種続々 進むトヨタとソフトバンクの仲間作り(2019年10月11日付)

MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)が展開する、モビリティ領域の革新を目指す企業間連携組織「MONETコンソーシアム」への異業種参入が相次いでおり、設立から半年で参加企業数が400社に達した。

モビリティ関連業界はもとより、文房具メーカーやヘルスケア、飲食チェーン、医療、銀行、服飾小売など、異業種からの参加が相次いでいる。

多くの企業はコンソーシアムへの参加に対し具体的なビジョンを発表していないが、モビリティの変革が社会全体に及ぼすインパクトへの期待がうかがえる。

今後、どのような連携事業が展開されるか要注目だ。

■自動運転領域は「インテルよりアーム」なのか…高まる存在感 国際組織設立、トヨタも参画(2019年10月12日付)

ソフトバンクグループ傘下の半導体設計大手・英アームは2019年10月、完全自動運転車の実現を推進するための国際コンソーシアム「Autonomous Vehicle Computing Consortium(AVCC)」の発足を発表した。

コンソーシアムのメンバーには、日本のトヨタやデンソーのほか、ボッシュやコンチネンタル、ゼネラルモーターズ(GM)、NVIDIA、NXPセミコンダクターズが名を連ねている。いずれも自動運転分野における有力企業で、自律演算の専門知識を支える主導的な組織を構築し、自動運転車の大規模展開に関する最重要課題の解決に寄与していくこととしている。

また、自動運転車を現行のプロトタイプ・システムから大規模展開の段階へ移行させることを目標に推奨事項を定める。システム・アーキテクチャと演算プラットフォームに関する一連の流れで、サイズや温度範囲、消費電力、安全性の観点から、自律システムのパフォーマンス要件と、自動車固有の要件や制限の間での調和を図るとしている。

■自動運転、ゼロから分かる4万字まとめ(2019年10月15日付)

自家用車向けの自動運転レベル3、商用車向けのレベル4技術が2020年にも世界各地で誕生する見込みの自動運転業界。技術開発の高度化とともに法整備も進み、本格的な実用化に向けたカウントダウンがすでに始まっている。

そこで自動運転ラボは、自動運転の要素技術や自動運転レベル、各国の実現目標、法整備状況、技術の活用が見込まれるサービス、注目の企業に至るまで、自動運転に関するさまざまな情報を徹底的にまとめた。

4万字に及ぶ自動運転の「今」が詰め込まれた内容で、これから自動運転について学ぼうと思っている方にはぜひ目を通してもらいたい。

【参考】詳しくは「自動運転、ゼロから分かる4万字まとめ」を参照。

■パナソニック、広い本社で自動運転ライドシェアサービス!社員向けに提供(2019年10月19日付)

電機メーカー大手のパナソニック株式会社は2019年10月17日、本社エリアで社員向けの自動運転ライドシェアサービスをスタートさせたことを発表した。

1万人以上の社員が勤務する本社エリアでは、広い敷地内で建屋をまたぐ頻繁な移動が発生しており、構内移動に伴う社員の肉体的負担や心理的負担、移動時間による経済的損失といった課題の解決を目的としている。

自動運転車は小型のカート型で、遠隔管制センターで監視を行いながらオペレーターによる乗車サポートも実施する。自動運転車はセンサーやAIを活用して人の検知や安全走行を行い、緊急時は遠隔管制センターから車両を制御することも可能という。

ライドシェアを運行するルートは1周2.4kmで、所用時間は約21分。需要に応じてフレキシブルに運行する。利用者は、専用アプリや専用サイトから予約する。

導入エリアでのニーズ分析に基づき、インフラとして持続的な運用ができるサービスを設計し、サービス開始後も利用実態分析を継続し、新たな乗り物の導入や運行方法の見直しなど、利用者やコミュニティのニーズに応じてサービスを進化させていく構えだ。

■電動キックボード、国が「規制の一時停止」認定 モビリティ分野で初、Luupに対し(2019年10月21日付)

電動キックボードのシェアリング事業に取り組む株式会社Luupの実証計画が、2019年10月20日までに国の「新技術等実証制度」(規制のサンドボックス制度)において認定された。モビリティ分野では初の認定計画となり、今後の動向に注目が集まる。

実証期間は2019年12月までで、横浜国立大学常盤台キャンパス内の一部区域で電動キックボードのシェアリング実証を行う。使用するモビリティは、一般的な二輪電動キックボードと高齢者に対応した四輪電動キックボードの2種。四輪タイプは二輪の電動キックボードよりも最高速度を落としており、高齢者が家族と一緒に移動したり、観光地をゆっくりと回遊するのに適しているという。

日本では、電動キックボードは道路運送車両法上の原動機付自転車に該当すると解されており、原付免許やヘルメットの着用、自賠責への加入などが必要で、歩道の走行もできない。こうした環境を変えていこうと、同社はこのほかにも埼玉県県民の森や東京都多摩市の多摩中央公園などでも実証実験を行い、社会実証を進めている。

■遂に”念のため”の運転手もナシに Google系自動運転タクシー、真の無人化へ(2019年10月22日付)

2018年12月に米アリゾナ州で自動運転タクシーサービスを開始したGoogle系ウェイモが、ついに本当の意味での自動運転を実現するようだ。これまでは万が一に備えドライバー同乗のもと営業していたが、近く完全なドライバーレスでのサービスを開始することを米アリゾナの住民にメールで告知した。

世界各地で現在実施されている自動運転の実証実験では、基本的にドライバーやオペレーターが同乗して有事の際に備えている。システムの欠陥や故障をはじめ、他車の影響など不確定要素を完全に拭うことができないからだ。米GM系クルーズも、安全上の懸念を理由に2019年内を予定していた商用サービスを延期している。

こうした状況下、完全無人による商用サービスの開始は、自動運転業界におけるウェイモの存在感をより一層高めることになりそうだ。

■これ凄い…自動運転時代、「ナナメ横断」どこでも可能に(2019年10月23日付)

「自動運転時代には道路をどこでもナナメ横断してよくなる」――全米都市交通局(NACTO)が発表した「Blueprint for Autonomous Urbanism Second Edition」という英文資料の一幕だ。自動運転が完全に普及を終えると、道路交通法をはじめとした交通ルールの大半が有名無実化するものと思われるが、その影響は歩行者らにも及ぶようだ。

これは、自動運転車がセンサーで歩行者や自転車を高精度に検知し、その後の行動パターンに対する事故回避策を正確に遂行できることが前提で、道路上を走行するすべての車両が自動運転化され、一定程度自動運転車が低速で走行しているという制約がつくが、こうした条件下では歩行者がどこで道路を横断したとしても、自動運転車側は安全に徐行や停止を行い、事故を回避することができるという。

都市部においては非現実的かもしれないが、歩行者の往来が少ない地方においては、意外と的を射た予測かもしれない。

■【まとめ】設立1年のモネや新興企業が躍進 2020年に弾みをつける

スカイリンクテクノロジーズやLuupといった新興企業をはじめ、パナソニックなどの大手も着実に自動運転関連分野における技術の実用化を着々と進めている印象だ。

設立から1年が経過したモネも、地方自治体との連携をはじめ、コンソーシアムによるパートナー作りなど着実に進めており、MaaS(Mobility as a Service)の可能性が今後大きく広がりそうだ。

今年も残すところあと2カ月。自動運転業界において大きな節目となるだろう2020年を前に、各社がどのような動きを見せるのか。大みそかまで話題が尽きない業界の動向に引き続き注目だ。







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