【2019年9月分】自動運転・MaaS関連の最新ニュースまとめ

現代とAptiv提携、加速する実証実験では事故も





2019年度も早くも半期が終わろうとしている。モビリティ領域では、改正道路交通法施行令の閣議決定や国の概算要求など、来季に向けた動きが目立ち始めている。







実証実験における道路使用許可基準も改訂された。8月に愛知県豊田市、9月に大分県大分市で自動運転車両がそれぞれ事故を起こしており、自動運転の実現に向けた公道実証の安全確保策にも注目が集まっている。

民間では、韓国の現代自動車(ヒュンダイ)と米自動車部品大手アプティブ(Aptiv)の提携が目立つほか、国内ではサービス開始から1周年を迎えた配車サービスを手掛けるDiDiが、当初予定を上回るスピードでサービス提供地域の拡大を進めているようだ。

自動運転ラボの特集記事なども含め、2019年9月の10大ニュースを一つずつ見ていこう。

■2020年度概算要求、自動運転やMaaS関連の予算まとめ 国土交通省、経済産業省、内閣府(2019年9月3日付)

2020年度に向けた予算案編成に関し、自動運転やMaaS(Mobility as a Service)といったモビリティ関連プロジェクトにおける各省庁の概算要求についてまとめた記事となっている。

国土交通省は、日本版MaaSの推進などに316億円、経済産業省は、自動運転やMaaSの実装に向け65億円をそれぞれ計上している。また、内閣府は「自動運転」部門を含むSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)などに624億を計上しているようだ。

■自動運転領域への投資に積極的な世界のVCまとめ トヨタ系VCもスタートアップに積極投資(2019年9月3日付)

ベンチャーキャピタル(VC)やM&A市場のデータ分析を得意とする米調査会社PitchBook(ピッチブック)が2019年8月に発表した、主要なVCによる自動運転領域への投資動向についてまとめたレポートに関する記事で、同レポート内でランキング化された11のベンチャーキャピタルとそれぞれの主な投資先について取りまとめている。

投資件数1位は米Trucks Venture Capitalで、米ゼネラルモーターズ(GM)の子会社となった米Cruise Automation、自動運転シャトルの実用化を進める米May Mobility、AI搭載型通信ドライブレコーダーなどを製品化し、日本にも拠点を構える米Nautoなどに投資している。

トヨタ自動車系のベンチャーキャピタル「Toyota AI Ventures」は3位につけており、自動運転ソフトウェアを開発する米シリコンバレーのApex.AIや革新的なイメージングレーダーの開発を手掛ける米Metawaveなど自動運転関連スタートアップ12件に投資しているようだ。

■自動運転の実証実験、当面は「時速20キロ以下」 警察庁が基準(2019年9月6日付)

警察庁は2019年9月5日、「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」を同日付で改訂したと発表した。実証実験における最高速度を当面は「時速20キロ」とするなど、安全確保に向けた規定が盛り込まれている。

警察庁は2016年5月、公道において自動運転システムの実証実験を行う際に留意すべき事項をとりまとめた「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」を策定・発表。2017年6月には、遠隔型自動運転システムを用いた公道における実証実験を対象とした「遠隔型自動運転システムの公道実証実験に係る道路使用許可の申請に対する取扱いの基準」を策定した。

今回の改訂は、特別装置自動車の公道実証実験に関する内容が追加され、遠隔型実験との共通事項やそれぞれの個別事項が整理された内容となっている。

■応募の嵐を生む、トヨタ自動運転子会社TRI-ADのオフィス哲学(2019年9月9日付)

トヨタ自動車の自動運転ソフトウェア開発を担うトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)に、国内外の技術者からの応募が殺到しているという。設立から1年半が経過した今、なぜ同社に人が集まるのか。その謎に迫るべく、TRI-ADにインタビューを決行した記事だ。

インタビューでは、TRI-ADの創業メンバーで最高執行責任者(COO)を務める虫上広志氏が、同社の目標やエンジニアの外国人比率、新しい価値を生み出す会社としての取り組み、2020年以降の自動運転戦略などを語っている。

■自動運転を研究する教授34人まとめ AIや画像認識、制御技術など多彩な研究(2019年9月19日付)

近年、名古屋大学や群馬大学、埼玉工業大学などのように自動運転の研究開発に特化した学内機構やセンターを立ち上げる動きが活発化している大学。産官学一体となった実証実験にも積極的で、人材育成、研究機関としての立場などから、自動運転技術の確立においてなくてはならない存在となっている。

この記事では、こうした自動運転関連分野の研究を進めている国内大学の教授らに焦点をあて、東京大学、名古屋大学、群馬大学、埼玉工業大学、金沢大学、東京農工大学、工学院大学、名城大学、芝浦工業大学、京都大学、慶應義塾大学、東京工業大学の中から34人をピックアップし、紹介している。

■「追越し違反」と同じ9000円!自動運転の反則金、政府が閣議決定(2019年9月23日付)

政府は2019年9月20日、改正道路交通法の施行令を閣議決定した。自動運転レベル3における違反行為の反則金などについて定めたもので、2020年5月までに施行される予定だ。

条件付きで自動運転が可能となるレベル3の実用化に向け、国会では2019年5月、自動運行装置の定義等に関する規定や作動状態記録装置による記録などに関する規定、自動運行装置を使用して自動車を運転する場合の運転者の義務に関する規定などが盛り込まれた改正道交法が成立した。

今回の閣議決定では、速度や天候といった使用条件を満たしていない場合や、自動運転システムの作動に関するデータが正常に記録できない場合などに自動運転システムに運転を委ねる違反行為について定めており、反則金を普通車9000円、大型車1万2000円とするほか、違反点数を普通車・大型車ともに2点とする内容となっている。

■2022年に最高峰の自動運転技術!ヒュンダイと米Aptivが提携(2019年9月25日付)

韓国最大手の自動車メーカーである現代自動車(ヒュンダイ)は2019年9月23日、米自動車部品大手アプティブ(Aptiv)と自動運転領域で提携し、合弁会社を設立すると発表した。世界シェア上位のヒュンダイの動きに、業界の注目が寄せられる。

両社は、自動運転レベル4、及びレベル5の自動運転技術の商用化に向け、生産可能な自動運転システムの開発を推進するとしており、2022年にロボタクシーやフリートオペレーター、自動車メーカー向けの自動運転プラットフォームを提供可能にする。Aptivと現代自動車の出資額は計40億ドル(約4300億円)で、それぞれ50%ずつ持分を保有する。

Aptivは、米配車サービス大手のLyftと自動運転タクシーの開発・実証を進めるなど近年勢いがあり、米調査会社のNavigant Researchが2019年に発表した業界ランキング「2019自動運転車リーダーボード」において、米Waymo、GM、Fordに次ぐ4位に位置付けられるなど、評価はうなぎのぼりだ。

米調査会社のNavigant Research(ナビガント・リサーチ)が2019年3月、2019年第1クォーターの報告として「2019自動運転車リーダーボード」を発表した。20社(組)の大手自動運転システム開発会社を対象に市場戦略や生産戦略、マーケティング、製品の機能や信頼性など10項目にわたる評価を行い、ランク付けしたもの

■タクシー半額…だと!?DiDiとPayPayが2億円分キャンペーンを実施(2019年9月26日付)

DiDiモビリティジャパン株式会社は2019年9月25日、サービス開始1周年を記念した「PayPayならDiDiのタクシーが半額で乗れちゃうキャンペーン!」の実施とともに、2019年中のサービス展開都市数を上方修正したことを発表した。

キャンペーン期間は9月27日から10月31日で、1日1回まで2000円を上限に割り引く。期間中でも、割引付与の合計金額が2億円に達し次第キャンペーンは終了する。

2019年中におけるサービス展開においては、10月9日に開始する新潟を含む8都市で新たにサービスを開始する予定としており、当初目標の13都市から20都市に上方修正した。

このほか、株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコムと業務提携したことも発表しており、タクシー乗務員向けアプリにおいてゼンリンデータコムのナビゲーションアプリ「Z-NAV(ゼットナブ)」の利用が順次可能になるという。

■自動運転レベル3の「油断の罠」に挑む技術者たち(2019年9月27日付)

一定条件下で自動運転を可能とする自動運転レベル3の実用化が迫ってきた。システムからの要請に応じドライバーはいつでも運転操作を行うことができる状況が前提となるが、ここには大きな危険性も含まれている。レベル3解禁に際しては、この危険性を払しょくすることが絶対条件となるのだ。

今回の記事では、ドライバーの慢心や慣れといった危険性に対し、ドライバーの状況を監視するドライバーモニタリングシステム(DMS)導入といった対策の必要性を説くほか、国土交通省が発表したドライバー異常時に対応したガイドラインなども紹介している。

■群馬大の自動運転バス、縁石に接触 人為的ミスとの説明(2019年9月27日付)

大分県大分市で25日、自動運転バスの実証に向け調整走行を行っていたバスが歩道の縁石に接触する事故を起こした。けが人はおらず、原因は人為的ミスとしている。10月に予定している実証も計画通り行う方針だ。

同市は公共交通への自動運転技術導入に向けた研究や実証に力を入れており、9月には、JR大分駅と大友氏遺跡歴史公園を結ぶルートで市民ら乗車のもと自動運転バスの実証運行を行っている。10月には、6日から14日までの間、中心市街地循環バス「大分きゃんバス」のルートを自動運転バスで有料運行する公道実証走行を行う予定で、この実証に向けた下準備の段階で今回の事故が発生した。

自動運転バスには運転手やエンジニアが同乗しており、緊急時にハンドルやブレーキ操作などを行う仕組み。実証に向け事前に該当ルートを何度も走行してデータを収集しており、走行を繰り返すうちに運転手に慢心が生まれ、今回の事故につながったとみられている。

些細なものであれ、こうした事故が社会受容性や世論に与える影響は大きくなりがちだ。関係者には、万全の運用体制が求められる。

■【まとめ】自動運転実現に向けた動き加速 関係者は万全の体制構築を

自動運転の公道実証に関連する事故が8月、9月と短期間に続いた印象だが、これをもって自動運転に疑念の目を向けるような行為は望ましくない。国の予算然り、法改正然り、自動運転の実現に向けた動きは着実に進んでいる。

運転手の慢心に起因する点は問題だが、将来的には交通事故を大幅に減少し、高効率な交通社会を形成する重要な技術だ。実証実験に向かい風が吹かないようしっかりと見守るとともに、関係者には万全の安全対策を改めて求めたい。

国内におけるタクシーの配車サービスでは、DiDiの躍進が目立つ。5強体制が固まりつつあるが、都市圏における空白地帯が徐々に狭くなるにつれ、各社の優劣が表立ってくる。最大手のJapanTaxiをはじめ、Uber、DeNAのMOV、ソニーなどによるS.RIDE、各社の動きには引き続き注目したい。







関連記事