【2019年11月分】自動運転・MaaS・AIの最新ニュースまとめ

ウェイモが自動運転タクシー無人化、VWにも動き





東京モーターショーが盛況のうちに終幕した11月。未来のモビリティを担う自動運転技術を目にした方も大勢いたのではないだろうか。







国内では、トヨタがカーシェアなどの移動サービスに本格着手したほか、自動運転タクシーを実用化する新たな協業なども発表された。海外では、ウェイモが自動運転タクシーの無人化に踏み切り、自動運転の階段をまた一つ上ったようだ。

残すところわずかとなった2019年。11月の10大ニュースをひとつずつ見ていこう。

■トヨタの「TOYOTA SHARE」「チョクノリ!」、気になる中身は?(2019年11月1日付)

トヨタ自動車が、カーシェアリングサービス「TOYOTA SHARE」と無人貸渡しが可能なレンタカーサービス「チョクノリ!」の全国展開を開始した。いずれもスマートフォン活用のもと利便性を高めたサービスで、モビリティサービス事業に力を入れるトヨタの変革の一端がうかがえる取り組みだ。

「TOYOTA SHARE」は、Toyota Safety Senseなどが搭載された車両をスマホアプリで手軽に借りることができる。15分150円から24時間のパックまで料金プランも複数用意されている。11月20日時点で21都府県でサービスを展開しており、今後も拡大していく予定だ。

「チョクノリ!」は、専用アプリを使うことでレンタカーの予約から解錠・施錠、精算までを無人で行うことができる貸出サービスで、11月18日時点で21都道府県でサービスを実施している。

将来を見据え、クルマの概念を「所有」から「利用」へと変えていく取り組みは今後も続発しそうだ。

■Google系自動運転タクシー、遂に「完全無人化」 ローンチ1年弱で(2019年11月2日付)

米Google(グーグル)系の自動運転開発会社Waymo(ウェイモ)が2019年11月1日までに、米アリゾナ州の最大都市フェニックスで実施している自動運転タクシーの商用サービスを無人化したことが明らかになった。

同社の自動運転タクシーサービスは2018年12月にスタート。自動運転レベル4相当のシステムが用いられているが、万が一に備えセーフティドライバー同乗のもと営業を行っていた。

セーフティドライバー不在の無人サービスの提供は、実用実証が一定の段階に達し、安全を確保できると判断した結果と思われる。自動運転タクシーをめぐっては、他社が中国などでサービス開始を近く開始するとの報道も流れており、2020年中には世界の複数の地でサービスが提供される見込みだ。

先陣を切ったウェイモも、開発の手を緩めることなく次の一手に向け着々と準備を進めている印象だ。

■自動運転技術、東京モーターショーでの展示まとめ トヨタや三菱電機、ドコモも(2019年11月4日付)

2年に一度の自動車の祭典「東京モーターショー」が10月24日から11月4日の日程で東京ビッグサイトなどを会場に開催された。来場者数は前回比70%増の約130万を数え、盛況だった様子がうかがえる。

自動運転をはじめとした次世代技術も多く展示され、トヨタはMaaS専用EV「e-Palette」や未来のラストワンマイルを担う小型の配達ロボット「TOYOTA Micro Palette」などを出展。三菱電機は、自動運転の実証実験車「xAUTO」の実車をはじめ、最新のセンシング技術などを搭載した「EMIRAI S」を発表した。

また、NTTドコモは「5G遠隔運転」や「車載用5Gガラスアンテナ」など、モビリティ分野における最新の取り組みを発表した。

回を増すごとに自動運転関連の展示も増加しており、自動運転が織りなす未来のモビリティ社会の訪れを感じさせる内容となった。

■自動運転研究所、VWがドイツ・シリコンバレー・中国に続々(2019年11月6日付)

独フォルクスワーゲン(VW)は2019年11月1日、自動運転技術の最先端技術研究所「Volkswagen Autonomy(VWAT)」を設立したと発表した。自動運転レベル4以上の自動運転システム開発に向け、グループ開発活動を統括する役割を担うようだ。

本社をミュンヘンとウォルフスブルグに設置するほか、2020年に子会社をシリコンバレーに設立し、2021年には中国にも別の子会社を設立する計画だ。

同社は2019年7月に米フォードと自動運転の分野で協力することを発表しており、フォード傘下の自動運転開発企業Argo AIへの出資も進められている。自動運転システムの実現に向け、VWATは協業各社と緊密に連携していく構えだ。

■自動運転電動車イスの有人走行、WHILLやJALが羽田空港で実証(2019年11月6日付)

電動車イスの自動運転技術などを開発するWHILL株式会社と日本航空、日本空港ビルデングの3社は2019年11月2〜3日の2日間、次世代型電動車椅子を用いた自動運転パーソナルモビリティの試験走行を羽田空港の国内線第1ターミナルで実施した。3社は、2020年度中にも空港における自動運転パーソナルモビリティの商業化・実用化を目指す方針だ。

試験は有人で行われ、長距離の歩行に不安を感じられる利用客を対象に、WHILLが開発する自動運転技術を搭載した自動運転車椅子で搭乗口まで案内した。

自動運転システムは、同社のパーソナルモビリティに自動運転・衝突回避機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」と複数の機体を管理・運用するシステムから構成されており、搭載したセンサー群で周囲の状況を検知して衝突回避を行うとともに、あらかじめ収集した地図情報とセンサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせて自動走行を行う。

■Intel傘下Mobileye、中国の「テスラキラー」へ自動運転キット提供へ(2019年11月8日付)

米インテル傘下のイスラエル企業モービルアイと中国EV(電気自動車)メーカーの上海蔚来汽車(NIO)が、市販向け自動運転EV車の開発・製造で手を結んだことが明らかになった。

両社で開発する自動運転車両はまず中国国内の市場に供給し、その後、世界への拡大を目指す形となるようだ。モービルアイは自動運転化のために必要なカメラやLiDAR、チップ、ソフトウェアなどを提供し、NIOは車体の製造を担う。また、NIOは将来的にモービルアイが自動運転タクシーのサービスを世界で展開することを視野に、自動運転車のデザイン開発も進めていくという。

ADAS市場を席巻し、自動運転へ歩を進めるモービルアイと、EVメーカーとして「テスラキラー」などの異名を持つNIOの協業は、今後の動向にも注目が集まりそうだ。

■自動運転・ADAS向けセンサー、中国で2030年に1.8兆円市場に(2019年11月9日付)

矢野経済研究所は2019年11月5日、中国のADAS(先進運転支援システム)と自動運転用センサー市場に関する調査結果を発表した。中国におけるADASやセンサーの市場規模は、2030年に2019年比約7倍となる1兆8371億円まで膨れ上がる見込みという。

中国におけるADASや自動運転用センサーの2019年の市場規模は2529億4,000万円に達する見込みで、種類別の内訳はレーダーが680億4000万円、カメラ1561億円、超音波センサー288億円。2030年には、レーダー4843億5000万円、カメラ6154億1000万円、超音波センサー759億2000万円、LiDAR(ライダー)6615億円と見込んでおり、LiDAR市場が急成長すると予測している。

中国では2025年以降に自動運転レベル3以上のシステムにおける需要が拡大するほか、2025年以降の実現を目指すレベル4以上の実証も進んでおり、こうした背景からLiDAR出荷数量が拡大すると分析している。

■自動運転、2020年の業界展望を大予測!レベル3新車、国内でも?宅配ロボが公道を走行?(2019年11月12日付)

2019年も残すところわずかとなり、自動運転業界において大きな節目になるだろう2020年が近付いてきた。自動運転ラボは、これまでに蓄積してきた知見をもとに2020年に起きるだろう業界の大変貌について予測を立てた。

東京オリンピック・パラリンピックを契機としたものから、宅配ロボットなど人を乗せる用途以外の自動運転サービスの具現化、自動運転タクシー、自動運転レベル3、道の駅における自動運転移動サービスなど、全7トピック仕立てで業界の展望を予測している。

自動運転がより身近なものとなり、認知度と理解度が飛躍的に高まることも予想される2020年。自動運転社会の少し先の未来をいち早く思い描いてみよう。

■トヨタ×自動運転、ゼロから分かる4万字解説(2019年11月13日付)

自動運転ラボは2019年11月13日、トヨタ自動車の自動運転に関する「今」をとりまとめた解説記事をアップした。近い将来訪れる自動運転社会において、日本が世界に誇る自動車メーカーがどのように取り組み、どのように変わっていくのかを追っている。

記事では、トヨタの自動運転の開発方針・実現目標をはじめ、CASE戦略や自動運転・ADAS技術、開発拠点、自動運転に関連する提携・連携、自動運転領域における投資先、グループにおける自動運転開発状況、豊田章男社長の自動運転に関する発言などを網羅。4万字に及ぶ内容で、トヨタの今に迫っている。

【参考】詳しくは「トヨタ×自動運転、ゼロから分かる4万字解説」を参照。

■トヨタ製「JPN TAXI」を自動運転化!ティアフォーやJapanTaxi、無人タクシー実証を実施へ(2019年11月15日付)

自動運転開発を手掛けるティアフォーら5社が、トヨタのタクシー専用車両「JPN TAXI」10台に自動運転システムを導入し、将来の自動運転タクシーの事業化に向け東京都内でサービス実証実験を行うことが明らかになった。

実証を行うのは、ティアフォーとJapanTaxi、損害保険ジャパン日本興亜、KDDI、アイサンテクノロジー。第一段階として、主にJPN TAXI車両の自動運転化と走行・安全管理のための協力体制構築などを進め、その後全国各地の自治体と連携し、さまざまな実証実験などへの共同参画を通じてサービス機能の拡充や事業モデルの精査を図る。事業化段階では、自動運転タクシー車両の最終整備とともに継続的なサービス提供に必要なオペレーション体制の構築を進めていくとしており、2020年夏を目途に、共同開発した自動運転タクシーを用いて東京都内におけるサービス実証を行う予定だ。

■【まとめ】国内で自動運転タクシー開発加速か 強力陣営参入で競争激化

自動運転タクシーをはじめ、移動サービスにまつわる話題が散見している印象で、まさに将来訪れる自動車社会を象徴しているかのようだ。

国内では、ZMPや日産・DeNAなど限られた陣営がしのぎを削っている自動運転タクシーの開発に、ティアフォーら強力な陣営が正式参入した形となり、2020年にはこの領域の開発競争が激化しそうだ。

2019年も残すところ1カ月。2020年に向け重大発表が飛び出すかもしれない12月も引き続き業界の動向に注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
登壇情報









関連記事