【2019年12月分】自動運転・MaaS・AIの最新ニュースまとめ

ホンダのレベル3発売明らかに 流行語大賞は?



年の瀬が近付き、2019年もいよいよ終わりを告げようとしている。国内では、ホンダが自動運転レベル3搭載車種を来夏に発売予定であることが明らかになったほか、トヨタなどが取り組むMaaSアプリの本格運用が始まるなど、次世代モビリティの片鱗があらわになってきた印象だ。







海外では、ウェイモが自動運転タクシーサービスの拡充を図る中、中国スタートアップやボッシュ・ベンツ(ダイムラー)のドイツ勢が自動運転サービスの実証を本格化させるなど、開発競争がますます激化しているようだ。

2019年12月。年の瀬を飾る10大ニュースをひとつずつ見ていこう。

■トヨタのMaaSサービス「my route」を徹底解説(2019年12月2日付)

トヨタと西日本鉄道が福岡県内で取り組むMaaS「my route(マイルート)」の本格運用が始まった。実証から約1年。JR九州なども加わり、福岡市に加え北九州市にもエリアを拡大して新たな移動サービスを提案している。また、ネット決済などはできないものの、一部機能は東京都内でも提供しているようだ。

プラットフォーム開発でナビタイムジャパンが協力するほか、ルート検索では駐車場検索のakippaやサイクルシェアのneuet(メルカリ)、タクシー配車ではJapanTaxiと第一交通産業、レンタカー・カーシェアリングではトヨタがサービスを連携させている。

また、決済では「TOYOTA Wallet」を導入したほか、タクシー配車2社と京王電鉄バス、JR九州の一部サービスも予約・決済を可能にしている。

現在はiOS版のみの提供となっているが、2020年春ごろをめどにAndroid版もスタートする予定で、提供するサービスはまだまだ拡大していくものと思われる。

国内において自動車メーカーが本腰を入れるMaaSは珍しく、今後の展開に要注目だ。

【参考】詳しくは「トヨタのMaaSサービス「my route」を徹底解説」を参照。

■車両は日産EV!中国の大都市圏で初の自動運転タクシー実証(2019年12月3日付)

中国発のスタートアップ・WeRideが自動運転タクシーの試験運用を広東省広州市で開始した。米ウェイモに次ぐ自動運転タクシーの本格商用化となるか、注目が集まっている。

車両には、日産の電気自動車(EV)を採用し、自社開発の自動運転システムを搭載した。WeRideは2018年、ルノー・日産・三菱の戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」から3000万ドル(約33億円)を資金調達しており、今後の提携関係にも要注目だ。

現在はセーフティドライバー同乗のもと運行している様子だが、早ければ2020年度にドライバーレスの自動運転を導入する見込みで、先行するウェイモを猛追する勢いだ。

■世界初の自動運転タクシー、商用化1年 グーグル系ウェイモ、提供拡大へ(2019年12月9日付)

自動運転タクシーの先駆者・米ウェイモが、順調にサービスの拡大を図っているようだ。これまで実証実験参加者らを対象にサービスを提供していたが、この利用対象者を拡大するという。

同社は2018年12月、実証実験を重ねてきたアリゾナ州フェニックスで自動運転タクシーの商用サービスをスタートした。2019年11月にはドライバーレスの運行をスタートしたことが報じられるなど、着実に技術の高度化を図っている。

また、2019年7月にはカリフォルニア州における自動運転タクシーサービスの許可を取得しており、今後はサービス提供エリアの拡大も図っていくものと思われる。

業界のパイオニアとして先頭をひた走る同社。まだまだこのポジションを譲る気はないようだ。

■トヨタとデンソー、自動運転技術などの革新へ半導体開発会社 社名は「MIRISE Technologies」(2019年12月12日付)

次世代の車載半導体の研究開発を加速するため、トヨタ自動車とデンソーが設立する合弁会社「MIRISE Technologies」の概要が発表された。新会社は2020年4月に事業を開始する予定で、半導体技術者の採用を強化していく方針だ。

主にパワーエレクトロニクス、センシング、SoC(System-on-a-Chip)を開発領域に据え、トヨタの持つモビリティ視点とデンソーが培ってきた車載視点での知見を掛け合わせることで、EVや自動運転車両の技術革新の鍵となる次世代の車載半導体をより早期に開発していくこととしている。

開発をスピーディーかつ競争力のある体制で実現するため、大学や研究機関、スタートアップ企業、半導体関連企業などとの連携協議を勧めるほか、半導体技術者の採用を強化することとしている。自動運転分野におけるエンジニアの売り手市場はまだまだ続きそうだ。

■自動運転ラボが選ぶ「流行語トップ10」!大賞は…(2019年12月13日付)

自動運転ラボは、記事のタグ付け数で選んだ自動運転分野における2019年の「流行語大賞」を選定・発表した。大賞には「実証実験」が輝き、実用化を見据えた実証の動きが加速している傾向が顕著に表れているようだ。

2020年には、自動運転レベル3の解禁が予定されているほか、自動運転レベル4相当の移動サービスが一部で始まる可能性もある。目前に迫った実用化に向け、実証も加速している格好だ。また、MaaS実証も本格化しており、この流れは2020年も続く見込みだ。

大賞に次ぐ金賞に選ばれたのは「LiDAR」と「自動運転レベル4」で、これらも実用化や量産化をにらんだ開発が著しく活発化している分野だ。なお、銀賞以下については、元記事を参照してほしい。

■緊張保つ難しさ、どう解決?ホンダ、自動運転レベル3搭載車を来夏発売か(2019年12月17日付)

2020年の解禁に合わせ、ホンダが自動運転レベル3相当の技術を搭載した車種を2020年夏にも発売する計画を立てていることが報じられた。公式発表は出ていないものの、国内自動車メーカーで初となる動きに注目が集まっている。

2020年には、世界各国でレベル3が解禁される可能性が高く、各国の自動車メーカーの動向に注目が集まっているが、2017年に「Audi A8」を発売した独アウディ以外に正式にレベル3搭載車種を発表した例は今のところない。

ただし、日産や独BMW、米GMのキャデラック、米テスラなどは高度な自動運転レベル2といえるハンズフリー運転を可能とした車種をすでに販売しており、レベル3相当の技術も保有しているものと見られている。

レベル3に適した高精細三次元マップやインフラの整備を待っているのか、あるいはODD(運行設計領域)の詳細を詰めているのか、より高度な安全性や信頼性を確立するまで慎重な姿勢をとっているのか――などさまざまな憶測を呼びそうだが、2020年前半には各社からさまざまな公式発表が飛び出しそうだ。

■ボッシュとベンツ、アメリカで自動運転シャトル実証 日本でも続々(2019年12月17日付)

自動運転開発に向けたボッシュとメルセデス・ベンツのプロジェクトが新たなステージに突入した。米カリフォルニア州のシリコンバレーで、ベンツSクラスの自動運転車両を用いた配車サービスの実証実験を開始したのだ。

実証では、セーフティドライバー同乗のもと特定のユーザーを対象に自動運転シャトルサービスを行う。

両社は2017年から共同で自動運転レベル4~5の高度自動運転システムによる完全自動運転車両の開発を進めており、今回の実証を通じて自動運転システムの精度を高めるとともに、公共交通機関やカーシェアリングを含むさまざまなモビリティシステムにどのように自動運転車両を統合できるかについても調査を進めていく方針だ。

■【スクープ】トヨタe-Paletteに「アピール用」と「量産廉価型」 自動運転OSにはAutoware採用(2019年12月20日付)

トヨタのMaaS向けコンセプトモデル「e-Palette(イーパレット)」に、自動運転OS「Autoware」を搭載した量産モデルが存在することが自動運転ラボの独自取材で明らかになった。

イーパレットには、東京五輪仕様のイーパレットのように内外装に力を入れた「アピール用モデル」と、量産を見据え製造コストを抑えた「量産用廉価モデル」の2種類の派生モデルが少なくとも用意されており、量産モデルにティアフォーが開発をリードするAutowareが搭載されるという。

イーパレットは、自動運転キット開発会社向けに車両制御インターフェースを開示しており、開発各社の自動運転車両として活用できる仕組みを採用しているが、自動運転開発を行わないモビリティサービス事業者を対象とする場合、イーパレット側で自動運転システムを用意する必要がある。

その際、普通に考えればトヨタが自社開発した自動運転システムを搭載することになりそうだが、Autowareを採用したのは特筆すべき注目ポイントだ。より広範な普及を目指し、汎用性を重視した判断なのか。いずれにしろ、早期の実現を期待したい。

■“MONET×自治体”で、全国に「自動運転特区」が続々!?その狙いとは(2019年12月21日付)

MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)が自治体との連携を加速させており、近い将来、自動運転特区があちこちに誕生するかもしれない。

2019年2月に事業を開始したモネは、早々に次世代オンデマンドモビリティサービスの提供に向け17自治体と連携することを発表しており、その後、各自治体と正式な協定締結を進めている。

12月に地方創生に関する包括協定を結んだ愛知県は、モネなどとともに国家戦略特区の申請を検討しているようだ。同県は規制改革の提案事項として自動走行実証プロジェクトや無人飛行ロボット実証プロジェクト、ロボット実証プロジェクトなどを掲げており、国家戦略ワーキンググループなどで検討を進めている。

こうした動きを見越してモネが自治体との連携を加速させているかについては定かではないが、自動運転の実用化に前向きな自治体にとってモネが強い味方になることは間違いない。特区化を目指す動きが各地で続発する可能性もありそうだ。

■「島」ごと自動運転特区に?そうすれば実験場にもショーケースにもなる(2019年12月21日付)

中国IT大手のテンセントが「島」を購入したことが一部メディアで報じられた。大掛かりな開発プロジェクトの一環と見られ、今後の取り組みに注目が集まる。

こうした島を活用した一大開発プロジェクトが、自動運転の実証を思いのままにする特区づくりや、自動運転シティに向いているのではないか――とする内容で、島の優位性について考察している。

世界では、自動運転を含むスマートシティ構想が各地で産声を上げている。大規模なインフラ整備をはじめとした社会構造を一変させる開発には、確かに島は向いているのかもしれない。

■【まとめ】実用化を見据えた取り組みが活発に 2020年は激動の年に

手前みそながら、自動運転ラボの流行語大賞が示す通り2019年は自動運転の実証実験が加速し、実用化を見据えた動きが顕著となってあらわれていた。その動きは12月も同様で、この延長線上で推移する2020年には、いくつかのサービスが花を咲かせそうだ。

激動の年となるだろう2020年がまもなく幕を開けるが、時代に置いて行かれぬよう、しっかり最新のニュース・トピックをチェックしていきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
登壇情報









関連記事