【2020年3月分】自動運転・MaaS・AIの最新ニュースまとめ

スマートシティでトヨタとNTTがタッグ





2019年度も最終月を迎え、いよいよ2020年度に突入する。国内では、自動運転に対応した首都高速の整備計画や高精度地図の実証、スマートシティ構築に向けた協業など、自動運転の実用化に向けた準備が着々と進められている印象だ。







一方、海外では米ウェイモの資金調達や中国スタートアップへのトヨタの出資など、開発体制の強化がさらに加速しているようだ。

自動運転業界が大きく動き出す2020年度にいち早く備えるため、2020年3月の10大トピックを一つずつ復習していこう。

■トヨタ、自動運転スタートアップの中国Pony.aiに4億ドル出資 その狙いは?(2020年3月2日付)

中国で自動運転開発を手掛けるスタートアップ・Pony.ai(小馬智行)が、トヨタから4億ドル(約440億円)の出資を受けたことを発表した。同社は中国内で自動運転タクシーの実用実証を進めており、今後、トヨタがどのような形で連携を強めていくか注目が集まる。

同社はトヨタと2019年8月に自動運転技術の開発などで提携を交わしているほか、中国の広州汽車(GAC)や韓国のヒュンダイなどともパートナーシップを結んでいる。同年11月には、ヒュンダイと共同で自動運転タクシー「BotRide」の試験運用を米カリフォルニア州で開始している。

中国国内では、同社をはじめ百度やDidi Chuxing(滴滴出行)、WeRide、AutoXなどが自動運転タクシーの本格実用の準備を進めており、2020年内にも正式にサービスを開始する可能性が高い。

さまざまな憶測が飛び交う中、記事ではトヨタの狙いに焦点を当て、自動運転戦略を探る内容となっている。

■日の丸テトラの空飛ぶクルマ、GoFly決勝で「唯一の受賞者」!(2020年3月5日付)

テトラ・アビエーションが開発する「空飛ぶクルマ」が、エア・モビリティの開発コンテストGoFlyで「プラット・アンド・ホイットニー・ディスラプター賞」を受賞した。

GoFlyは、2018年から2年に渡って行われている一人乗りエア・モビリティの開発コンテストで、世界103カ国から855チームが参加している。

同社は2018年6月の第1次審査でアジア勢で唯一となる世界トップ10に選出された。その後、2019年3月の第2次審査を通過し、24チームが選出される最終飛行審査Final Fly Offへの進出も果たし、同賞受賞を勝ち取った。

同賞は、大手航空機用エンジンメーカーのプラット・アンド・ホイットニー社から贈られた賞で、革新的な開発を手掛けたディスラプター(破壊的イノベーター)に与えられるものという。

■米ウェイモ、2400億円の資金調達を発表 自動運転タクシーで存在感(2020年3月5日付)

米ウェイモは2020年3月2日、公式ブログで22億5000万ドル(約2400億円)の資金調達を行ったことを発表した。自動運転領域における外部からの一度の資金調達額としては過去最大規模で、同社の次の一手に注目が集まる。

同社はアリゾナ州で自動運転タクシーの商用サービスを展開しているが、今後は同サービスの他地域への拡大や自動運転配送サービスの実用化、一般の自動車を自動運転化する工場の建設など、多方面への事業拡大が予想されている。

今回の調達資金がどの分野に注力されるのか。その答えは近い将来、大きなニュースとなって返ってくることになりそうだ。

■トヨタ系MaaS「my route」、るるぶDATAとの情報連携で進化!(2020年3月10日付)

JTBパブリッシングが提供する観光コンテンツ「るるぶDATA」が、トヨタなどが運用するマルチモーダルモビリティサービス「my route」へ2020年3月から情報連携することを発表した。MaaSアプリの多様性や利便性が広がり、普及に弾みがつきそうだ。

my routeはトヨタや西日本鉄道、JR九州などが中心となり、福岡県を皮切りに全国展開を進めているMaaSアプリ。一方、JTBグループもMaaS分野への進出を強化しており、交通・移動に関する情報と観光や飲食情報をマッチングさせることでアプリサービスの魅力を高め、相乗効果を図っていく方針のようだ。

■トヨタTRI-AD、自動運転用「一般道高精度地図」作成実証に成功(2020年3月11日付)

TRI-AD(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント)が、自動運転用一般道高精度地図生成の実証実験に成功したと発表した。今後は、ダイナミックマップ基盤(DMP)とともに地図更新の実証実験を進めるなど、実用化を見据えた開発を進めていく方針だ。

実証実験では、専用の計測車両を使用せず、衛星や一般車両から得られる画像データなどを元にして自動運転用の地図情報を生成する技術や、同社の自動地図生成プラットフォーム「 Automated Mapping Platform(AMP)」上の車両データのデータ形式を変換し、アルゴリズムを補正することで他社のプラットフォームで活用する技術などを検証した。

これらの技術を導入することで、自動運転用地図の更新期間の短縮やエリアの拡大、作成、維持コストの大幅な削減が期待できるとしている。

今後は、AMPを活用し、車両センサーで収集した画像データなどから道路上の変化した箇所を検出することで、DMPのHDマップを効率的に更新できる可能性について探っていくこととしている。

■電通の広告費調査、「タクシー広告は大幅増」の一文に注目せよ(2020年3月16日付)

電通が発表した「2019年 日本の広告費」において、「タクシー広告は、大幅に増加」の一文が盛り込まれた。広告のデジタル化が浸透する中、タブレットを活用したデジタルサイネージ広告の伸びに注目が集まっている。

交通関連広告は2062億円で前年比101.8%と堅調な伸びを見せており、その主要因がデジタルサイネージ広告となっているようだ。駅構内などに設置された大型モニターをはじめ、フレキシブルに利用可能なタブレット型が伸びを見せており、キャッシュレス決済や配車アプリとの相性も良いためタクシーへの搭載が広がっているようだ。

自動運転技術が実用化されれば、この流れはカーシェアなどにも波及していく可能性が高く、新たな広告媒体としての注目度もますます高まりそうだ。

■現在の464倍!自動運転システム、2030年には2.2兆円市場に(2020年3月18日付)

マーケティング事業を手掛ける富士キメラ総研が、車載デバイスなどに関する最新の調査「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2020(上巻)」をまとめた。

調査結果の概要によると、車載電装システムの世界市場は2030年に48兆9120億円(2018年比約2倍)まで拡大するほか、レベル3以上の自動運転システムはEUと日本を合わせ2030年に2兆2781億円に達し、2018年比464.9倍まで膨れ上がると予測している。

2020年にレベル3車が量産化され、2025年頃にレベル4車が投入されることで、徐々に市場が本格化するとし、当面の間搭載はハイエンド車両に限られるものの、安価なLIDARが採用され始めることからシステムの低価格化が徐々に進み、2030年頃にはレベル3システムの価格は低下し、搭載車両が大幅増加するとみている。

このほか、ADASシステムは中国と日本を合わせ1兆3037億円(同2.5倍)、電子ミラーは3639億円(同23.9倍)、後付けドライブレコーダーは1兆4958億円(同2.1倍)になると予測している。

■日本の首都高、「自動運転」に対応へ 計画案が判明(2020年3月21日付)

首都高速道路会社が「高速道路における安全・安心実施計画」を公表した。自動運転などのイノベーションに対応した高速道路の進化を目指す内容で、概ね10年程度を目途に首都高速道路の管理区間全線約327キロで環境整備を進めていく方針だ。

具体的には、自動運転のための道路空間や路車連携技術、高精度3次元地図の整備など、技術進展に留意しながら関係機関と役割・費用分担を調整し、自動運転に対応した基準などの作成に取り組み、必要な道路空間の整備を進めていくこととしている。

同時に、逆走対策や歩行者・自転車などの立入り対策など世界一安全な高速道路の実現を目指すほか、ネットワークの信頼性の飛躍的向上、利用者ニーズを踏まえた使いやすさの向上などを図っていく。

■トヨタ自動車とNTT、スマートシティで協業 Woven Cityの取り組みを世界へ(2020年3月25日付)

スマートシティビジネスの事業化を目指し、トヨタとNTTが業務資本提携を交わした。スマートシティプラットフォームを共同で構築し、先行ケースとして静岡県裾野市東富士エリア(Woven City)と東京都港区品川エリアのNTT街区の一部)での実装を目指す。

スマートシティプラットフォームは、住民・企業・自治体などに向け価値を提供するセキュアな基盤として、スマートシティのデータマネジメントと情報流通、これらに基づくデジタルツイン(まちづくりシミュレーション)とその周辺機能により構成されるほか、個々のスマートシティのプラットフォームや他のスマートシティのプラットフォームとの連携基盤として、プラットフォーム・オブ・プラットフォームを擁するという。

今回の提携に際し、両社は2000億円の相互出資を行う。スマートシティの要となる通信技術を持つNTTと、自動運転やロボット技術を持つトヨタの提携により、スマートシティ構想が大きく前進しそうだ。

■ANA、大阪万博で「エアタクシー」提供へ 自律飛行を想定(2020年3月25日付)

全日本空輸(ANA)がeVTOL(電動垂直離着陸機)を活用した次世代エアモビリティ事業に乗り出すようだ。空の移動革命に向けた官民協議会で同社が発表した資料の中で、エアタクシー事業に向けた短期目標として2025年の大阪万博でサービスの提供を目指すこととしている。

万博で社会受容性を高めつつ、その後需要の見込まれるエリアで拡大を検討していく方針で、万博では主に富裕層や緊急輸送を対象に、関西国際空港・神戸空港・大阪中心部から夢洲のルートを回る定期便型のサービスを行う予定としている。

同社は2019年7月、LINE Fukuokaや自律制御システム研究所、NTTドコモ、ウェザーニューズとともに、ドローン宅配サービス実現に向けた目視外飛行の実証を福岡県福岡市で実施したほか、9月には長崎県五島市でもドローン物流の実証を行っている。

また同月には、大分県津久見市無垢島を舞台にドローン物流の社会実装を推進することも発表するなど新分野に積極的に取り組んでいる。国内航空業界の雄が次世代エアモビリティ事業をどのように展開していくのか、要注目だ。

■【まとめ】新しい時代の幕開けを象徴する取り組みが続々

トヨタとNTTによるスマートシティ構築に向けた協業や、TRI-ADの高精度地図作成技術、首都高整備計画など、自動運転をはじめとした新しい時代に向けた取り組みが顕著に表れたひと月となった。また、テトラ・アビエーションのように、海外で技術を評価される国内ベンチャーが続々と頭角を現してきたことも業界として非常に心強い。

新型コロナウイルスが世界経済に暗い影を落としているが、明るい未来に向け前を見続ける存在は必要だ。自動運転業界には、その先導役として立ち止まることなく開発を進め、世界経済を照らす光になってもらいたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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