トヨタ、テスラに対抗!「自動運転タクシー」を中国で量産

2026年中に「1,000台」生産



トヨタグループがついに自動運転タクシーの量産化を開始したようだ。量産第1号車はすでにラインオフしており、パートナーシップを結ぶ中国Pony.aiとともに2026年中に1,000台を生産する計画だ。


Pony.aiはグローバル路線を歩み始めており、トヨタを通じて日本でもサービスインする可能性もないとは言い切れない。テスラやGoogle系Waymoも自動運転車の生産・展開を急いでおり、対抗する形となる。

Pony.ai×トヨタの最新動向とともに、自動運転タクシー業界の世界情勢について解説していく。

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■Pony.ai×トヨタの最新動向

bZ4Xを自動運転タクシーに

Pony.aiは2026年2月、第7世代の自動運転タクシーの量産第1号車がラインオフしたことを発表した。トヨタの中国統括企業であるトヨタ自動車(中国)投資有限公司(TMCI)と広汽トヨタ自動車(GTMC)との共同開発により、Pony.aiの自動運転システムを統合したbZ4Xの生産を本格化させた。

2026年に1,000台以上生産する計画で、同年末までにPony.aiの自動運転タクシーの総保有台数を3,000台以上に拡大する目標を掲げている。


Pony.aiは2025年に1,000台の目標を掲げ、年末までに1,159台まで増加している。2026年は、さらに2,000台ほど増やす計画だ。

Pony.aiはこれまで、レクサス車やシエナなどに自動運転システムを統合しており、第6世代のシステムは「Autono-MaaSシエナ」などに搭載されていた。

第7世代の自動運転タクシー車両には、北京汽車のブランドARCFOXのAlpha T5と広州汽車のAion Vが採用されている。ここにbZ4Xを加え、フリートを3,000台規模とする計画だ。おそらく、Waymoなどと同様全車をBEVに切り替えているものと思われる。

出典:Pony.ai公式X

トヨタと良好な関係を構築、日本への進出も?

Pony.aiとトヨタは2019年にパートナーシップを結んでおり、トヨタが同社に出資するなど良好な関係を築いている。2023年にTMCIとGTMCと合弁設立を発表しており、無人のレベル4の大規模化・商用化を推進していくとしていた。


新会社がトヨタブランドのBEVをPony.aiに提供し、自動運転タクシーを量産化していく計画で、総投資額は10億人民元(約220億円)超に及ぶという。合弁「Zhuifeng Intelligent Technology (Guangzhou)」は2024年4月に設立され、量産研究開発を加速している。今回、この取り組みが実を結んだのだ。

詳しくは後述するが、Pony.aiは中国内をはじめ、ドバイなど海外進出に向けた戦略も推進している。1,000台から1年間で3,000台規模へ大幅にフリートを拡大するのは、海外展開を視野に入れているためと推測される。

日本市場への参入を目指す動きは今のところ見えないが、トヨタをバックボーンに進出を目指してもおかしくはないだろう。日本国内であれば、Waymoと中国勢の直接対決が見られるかもしれず、その観点からも注目したい。

自動運転タクシーは米中2強状態となっているが、米中摩擦を背景に、Waymoは中国に進出せず、中国勢も米国進出はままならない状況が続いている。中国AutoXは、米国事業を分社化してTensorとして再スタートしているが、それほど両国間の溝は深い。

しかし、第三国であれば双方の企業が対峙することが可能になる。世界最高峰と言われるWaymoの技術と、有力とされる中国勢の技術を直接比較することができるのだ。両国の技術が同エリアで対峙すれば、各国から大きな注目が集まることは間違いない。その舞台が日本となれば非常に興味をそそられる。

日中関係に左右される可能性も否定できないが、この場合、おそらく中国政府側は介入しない。嫌中国派の日本人が日本に進出する中国勢を陥れようとする影響の方が大きいものと思われる。今後、どのような道をたどるかは何とも言えない状況だが、可能性の一つとして頭に入れておきたい。

トヨタ、中国で自動運転タクシーを本格量産へ Pony.aiと合弁設立

■Pony.aiの概要

ナスダックと香港市場に重複上場

Pony.aiは、グーグルやバイドゥ(百度)出身のエンジニア・James Peng氏らが2016年に設立した新興自動運転開発企業で、中国と米国に主要拠点を設け開発を進めている。

トヨタとの提携は2019年に始まった。Pony.aiが開発する自動運転システムをレクサスに統合し、公道実証を行う計画だ。翌2020年には、資金調達Bラウンドの一環でトヨタから4億ドル(約440億円)を調達したことを発表した。

自動運転技術の共同開発に加え、モビリティサービスのさらなる可能性を模索するなどパートナーシップにおけるコラボレーションの範囲を拡大するとしている。

なお、Pony.aiに対しては、広州汽車や第一汽車集団などの自動車メーカーも出資しているようだ。

2024年11月には、米ナスダックへの上場を果たしたほか、2025年11月には香港証券取引所にも重複上場している。

出典:Pony.aiプレスリリース

自動運転システムは第7世代に

Pony.aiの自動運転システムは2025年11月に最新となる第7世代の運用が開始されている。車種はAlpha T5とAion T-Rexで、100%車載グレードの部品を使用し、自動運転キットの総コストは前世代比70%削減を実現したという。

第7世代の自動運転タクシーは、独自開発した世界モデルと仮想ドライバー技術により道路状況や他の交通参加者の行動を十分に考慮しながら、加減速の頻度や大きさなどを合理的に制御することも可能にした。これにより、BEVの乗車時によくあるめまいを回避し、乗客は人間のドライバーをはるかに凌駕する運転能力を体験できるとしている。

第7世代には、9つのLiDAR、14台のカメラ、4つのミリ波レーダーを含む6つのカテゴリーにまたがる34個のセンサーが搭載されており、車両の周囲360度を最大650メートル先まで検知してさまざまなシナリオや状況に対応する。LiDAR開発には、RoboSenseなどが携わっている。

マルチシステム冗長アーキテクチャを採用し、20以上の安全冗長性と1,000以上に及ぶ監視設計により、安全性を包括的に確保する。

自動運転トラックやADAS開発も

Pony.aiは、自動運転タクシーのほか自動運転トラックや自家用車向けADASなどの開発も進めている。同社によると、中国初となる自動運転の道路輸送運行許可と、自動運転トラックの高速隊列走行試験の許可を取得しているという。

後続車無人隊列走行技術「Camel Spirit」も開発しており、先導車両に安全監視員を乗せ、後続車は完全に無人化することができるという。幹線自動運転貨物ネットワークの構築も進めており、広州・深センと北京、上海を結ぶルートをすでに実現しているようだ。

中国4都市で無人サービスを提供

Pony.aiの自動運転タクシーは現在、北京、上海、広州、深センでドライバーレスの完全自動運転を実現しているようだ。2022年に北京で無人走行ライセンスを取得し、2023年に完全無人自動運転旅客サービスの承認を得た。広州でも初となる遠隔乗客輸送試験ライセンスを取得し、セーフティドライバーを乗せない自動運転サービスを開始している。同年、深センや上海でも無人走行試験のライセンスを取得するなど、2023年ごろを境にサービスを本格化させている。

中東やルクセンブルク、シンガポールなどに進出

海外関連では、2023年にアラブ首長国連邦のアブダビ投資庁と提携し、アブダビスマートドライビングビークル産業クラスターのもとヤス島で路上走行試験を実施する許可を得たほか、サウジアラビアのNEOM(New Future City)から1億ドルの投資を受け、合弁を設立する計画が発表された。サウジアラビアの新未来都市をはじめ、中東・北アフリカで自動運転技術の研究開発と製造を行い、自動運転サービス車両やスマートカー関連インフラを展開していくとしている。

2024年には、韓国GemVaxLinkと同国市場をリードする自動運転モビリティ技術とサービスの開発に向け合弁を設立すると発表した。また、ルクセンブルク大公国政府と同国における自動運転車および技術開発の促進を目的とした覚書を締結し、同国に欧州R&Dセンターを設立した。

ルクセンブルクでは、2025年4月に同国交通・公共事業省から自動運転タクシーの試験許可を取得したことも発表されている。すでにレニンゲンなどで走行実証を行っているようだ。

2025年には、ドバイとカタールともそれぞれ提携を交わした。ドバイ道路交通局(RTA)との提携では、2025年中に走行実証に着手し、2026年中に完全無人タクシーの商業運行を実現する目標を掲げている。

カタールでは、モワサラト社との提携のもと、首都ドーハで自動運転タクシーの路上試験を行っており、ドバイ同様2026年の商用運航を目指している。

シンガポールへの進出も進められており、同国最大の交通サービスプロバイダーComfortDelGro Corporationとの提携のもと、まずプンゴル地区で自動運転モビリティサービスを開始する予定としている。

パートナーシップ関係では、2025年にUber TechnologiesやStellantisと提携を交わした。Uber Technologiesとの提携では、2025年後半にUberのプラットフォームにPony.aiの自動運転タクシーを統合し、まず中東市場でサービスを提供する。段階的に国際市場へエリアを拡大していく計画としている。

ステランティスとのパートナーシップでは、欧州市場向けレベル4自動運転車両の開発において協業し、Pony.aiの自動運転技術とStellantisの自動運転対応プラットフォームを統合していくという。

まず小型商用車(LCV)に焦点を当て、商用車専門の事業部門ステランティス・プロワンを通じて欧州をリードしてく計画で、「プジョーeトラベラー」モデルをベースにした試験車両の配備をルクセンブルクで開始し、2026年から欧州各都市でより広範囲に実証を進めていくとしている。

トヨタ出資先の中国系Pony.ai、自動運転で欧州圏上陸

■自動運転タクシー各社の動向

各社がグローバル化を加速するフェーズに

世界をリードする米Waymoは、アリゾナ州フェニックスを皮切りにカリフォルニア州サンフランシスコ・ロサンゼルス、テキサス州オースティン、ジョージア州アトランタ、フロリダ州マイアミでサービスを展開しており、今後、北米各都市をはじめ英ロンドンと東京への進出も計画している。

米国ではZooxがネバダ州ラスベガスでサービスインしたほか、EV大手テスラもオースティンでサービスに着手している。

中国では、バイドゥ、WeRide、Pony.ai、AutoXが有力な先行勢として知られる。この上位勢にDiDi Autonomous DrivingやMomenta、Deeproute.aiあたりが次ぐイメージだ。

バイドゥが手掛ける自動運転タクシーサービス「Apollo Go」は、北京などの主要都市を中心に10都市以上で無人サービスを実現している。エリアやフリート規模は世界最大級だ。

WeRideも広州、北京、南京、蘇州をはじめ、アブダビ、チューリッヒ、ドバイ、リヤド、シンガポール、オルドスで自動運転タクシーを展開・実証している。自動運転バスにも力を入れている点と他社より一足早くグローバル化に着手している点がポイントで、自動運転バスは日本にも導入されている。

AutoXは、北京、上海、深セン、広州で自動運転タクシーサービスを展開している。中国での最新情報はつかめないが、米国事業をTensorとして独立し、レベル4自家用車の量産計画を発表するなど独自の動きを見せている。

日本勢では、ティアフォーが自動運転タクシーの開発に本腰を入れている。新型プロトタイプを発表するなど徐々に進展している様子だが、実現時期はまだ見通せない印象だ。

イスラエルMobileyeはLyftと丸紅と手を組み、北米でのサービスインを目指しているようだ。独フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツも自動運転タクシーの開発を進めている。

自動運転タクシーとは?アメリカ・日本・中国の開発状況は?

■【まとめ】日本進出の可能性も……?

日本国内にはWaymoが進出を決定しているが、今後他社も進出してくる可能性が高い。Waymoに次ぐ米国勢はやっとサービスに辿り着いた段階のため、有力なのはやはり中国勢だ。

トヨタが出資するPony.aiと日産ルノーが出資するWeRideはともにグローバル路線を鮮明にしており、きっかけがあれば日本市場へ参入してもおかしくないだろう。

日本国内でトヨタ×Pony.aiが新規事業に着手する日は訪れるのか。こうした目線からも注目したい。

【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転レベル1・レベル2の車種は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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