
世界で初めて自動運転タクシー(ロボタクシー)を商用化したGoogle系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)。米国各地でドライバーレスのロボタクシーサービスを展開しているが、遠隔オペレーターの拠点の一部をフィリピンに置いていることがこのほど判明した。
遠隔オペレーターは、走行中のトラブルなどで自動運転が難しい場合に支援する役割を担う。Waymoの遠隔オペレーション拠点がフィリピンにもあることは、これまで全く知られていなかった。
米国外に拠点を置くことで、サイバーセキュリティの安全性やオペレーターの信頼性などについて疑問を持つ声も出ている。
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■上院議員の質問に「フィリピン」と回答

Waymoがフィリピンにオペレーターの拠点を持っているということは、2026年2月4日に行われた上院公聴会で明らかになった。この公聴会ではWaymoとテスラの幹部が上院委員会に出席し、自社の自動運転システムの安全性を訴えた。
その中でWaymoのChief Safety Officer(最高安全責任者)であるMauricio Peña氏が、同社の車両は常に全ての運転タスクを自ら制御していると述べた上で、ロボタクシーの走行が難しい状況になった際にガイダンス(支援)を提供するため、海外の人間のオペレーターを雇用していることを認めた。
そして、そのオペレーターはガイダンスを提供するだけで、遠隔で車両を運転しているわけではないということと、Waymo車が常に動的運転タスクの主導権を握っており、これはあくまで追加の入力の1つに過ぎないということを主張した。
ただし米国外にどのくらいの数のオペレーターがいるかについての質問に対し、Peña氏はその内訳を把握していないと答えたようだ。ある上院議員が「その答えを知らないというのは、少し奇妙に思えますね」と問いかけ、オペレーターはどの国にいるのかと質問した。Peña氏は「フィリピンです」と答えた。
■拠点を国外に置くことについての懸念
議員たちは、Waymoが国外にオペレーターの拠点を置くことについて反発を示しているようだ。ある上院議員は「海外にいる人々が米国の車両に影響を与えるのは、安全上問題があると思う」と述べた。
また「フィリピンのオペレーターが受け取る情報が古い可能性もあり、重大なサイバーセキュリティ上の脆弱性を生む恐れもある。そのオペレーターが米国の運転免許を持っているかどうかも分からないのではないか」として、そういった仕事は米国内にとどめるべきだという意見も出た。
この懸念に対し、Peña氏は「彼らが遠隔で車両を運転することはない。Waymoの車両が常に主導権を握っている」と弁明したようだ。しかしロボタクシーにまつわる仕事が海外に流出していることは事実だ。自動運転車が人間のドライバーの仕事を奪うと導入に反対する声も多い中で、オペレーター部門も一部とはいえ米国外に持つということに反発が起きるのはもっともなことなのかもしれない。
■Waymoは各国で求人
Waymoは公式サイトでエンジニアなどを募集している。勤務地は米国のほか英国・ロンドン、インド・ハイデラバード、ポーランド・ワルシャワ、台湾・台北や新竹などで、東京での募集もある。東京ではロボタクシーサービスの実用化を目的に実証走行などを行っている段階にあるが、インドやポーランド、台湾へは未上陸だ。
フィリピンでの求人はないようだが、今回話題になっている遠隔監視のオペレーターは直接の雇用契約ではないのかもしれない。
なお東京に関しては、Waymoと思われる求人が各求人情報サイトに過去に掲載されていたことがある。「英語力&車の運転だけ」が必要な自動運転テストドライバーの求人であり、勤務地は東京都江東区、雇用形態は派遣となっていた。
Waymoは2025年4月から、東京都心の7区において日本交通の乗務員による有人での運行でWaymo車両の走行がスタートし、江東区も対象エリアとなっているため、この求人がWaymoであった可能性が高い。
フィリピンでのオペレーター人材も、同様に人材派遣会社などを介しての雇用だとも考えられる。遠隔監視の場合、乗客の個人情報なども入手できる可能性があり、しかも走行を支援するということについて上院議員が不安に思うのも当然かもしれない。
ロボタクシーを利用する側としても、どこで監視されているのかは知りたい情報だとも言える。Waymoからのより多くの情報公開が望まれる。
【参考】関連記事としては「Google自動運転タクシー、日本展開へ「時給2000円」でバイト募集?」も参照。












