トヨタの自動運転レベル1・レベル2の車種は?

レクサス車は全車種レベル2に



出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

自家用車の安全走行を支援する各種機能の標準搭載化が大きく進展している。現在の目玉はクルーズコントロール系とレーンキープアシスト系を組み合わせた自動運転レベル2相当の技術で、市販車両の主力と言えるほどに普及が進んでいる。

では、実際にどのような車種にレベル2機能などが設定されているのか。トヨタ車を例に、どの技術水準が標準搭載化されているのか調べてみた。


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■自動運転レベルとは?

レベル1~2がADAS、レベル3以上は自動運転

自動車に搭載される先進安全技術は、その技術水準に応じて自動運転レベルで区分できる。レベル1~2は先進運転支援システム(ADAS)に相当し、ドライバーによる手動運転を支援する。レベル3以上は自動運転に相当し、システム主体の自動車制御が可能になる。

レベル1は、自動車の縦方向、または横方向どちらか一方の制御を支援する。縦方向制御を支援するクルーズコントロールや、横方向制御を支援するレーンキープアシストのどちらか一方のみ実行可能な技術が相当する。

レベル2は、自動車の縦方向、そして横方向両方の制御を支援する。クルーズコントロールとレーンキープアシストの両方が同時に実行される技術が相当する。

この二つの技術が高度化すると、周囲の常時監視は必須だがハンドルから手を放した状態で運転できるハンズオフが可能になる。このハンズオフ可能なレベルは通称レベル2+と言われる。


なお、自動運転レベルの国際基準に相当するSAE基準をもとにした自動車技術会による解釈では、レベル1は「システムがDDT(動的運転タスク)の縦方向または横方向のいずれか(両方同時ではない)の車両運動制御のサブタスクを特定のODDにおいて持続的に実行……(略)」とされている。

出典:自動車技術会

つまり、レベル1を広義に捉えれば、縦方向の制御を支援する「衝突被害軽減ブレーキ」を搭載していればレベル1となる。同技術に関しては、国際基準を導入する形で国内では新型車が2021年、継続生産車も2025年12月に搭載が義務化される。この捉え方で言えば、基本的に新型車はすべてレベル1以上となる。

ただ、衝突被害軽減ブレーキはあくまでブレーキのみであり、アクセル制御を行わないため、この技術をどれだけ進化させても自動運転には結びつかない。レベル2以上との関係を考慮すると、クルーズコントロールのようにアクセル・ブレーキ双方を制御可能な技術がレベル1(レベル2)に相当する。

よって、この記事ではレベル1(レベル2)の要件をクルーズコントロール系の技術と解釈する。


レベル3以上は自動運転に相当

レベル3は条件付き自動運転で、一定条件下でシステム主体の自動運転が可能となるが、自動運転中であってもシステムから手動運転がリクエストされることがあり、その際はドライバーが運転を行う必要がある。

レベル4は、一定条件下で原則として人間のドライバーを必要としない自動運転を実現する。人間を必要としないため無人走行が可能となり、自動運転バス自動運転タクシーなどで活躍している。

レベル5は条件を付して制限することなく自動運転が可能となる最高水準に相当する。人間のドライバーが運転可能なシチュエーションであれば、すべて無人走行を行うことができる。

【参考】自動運転レベルについては「自動運転レベルの定義とは?【0・1・2・3・4・5の解説表付き】」も参照。

自動運転レベルの定義とは?【0・1・2・3・4・5の解説表付き】

乗用車の77%がクルコンを搭載

現在自家用車市場において主力となっているのはレベル1~2のADASだ。国土交通省の調査によると、2024年における軽自動車含む乗用車の総生産台数は344万5,304台で、このうち全車速域定速走行・車間距離制御装置は263万6,968台(77%)に搭載されている。車線逸脱抑制は296万4,775台(86%)、車線維持支援は238万480台(69%)となっている。

軽自動車を除くと、総生産台数224万4,435台のうち、全車速域定速走行・車間距離制御装置は192万2,663台(86%)、車線逸脱抑制は201万2,748台(90%)、車線維持支援は188万3,124台(84%)の状況だ。

全車速域定速走行・車間距離制御装置はいわゆるアダプティブクルーズコントロールを指す。車線逸脱抑制は、車線をはみ出しそうになった際に元に戻そうとハンドル操作を支援する。車線維持支援は、それに加え車線の中央を走行するよう支援する。

▼ASV技術普及台数調査
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/data/r7hukyuudaisu_kokusan.pdf

■トヨタ車のADAS

主力ADAS「Toyota Safety Sense」

出典:トヨタ公式サイト

トヨタ車に搭載される予防安全パッケージは、「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」を主力に、より高度な運転支援技術「Toyota Teammate(トヨタチームメイト)」や、ダイハツ工業が開発した「Smart Assist(スマートアシスト)」などがある。

大半の車種にToyota Safety Senseが設定されており、上位車種や最新モデルを中心にToyota Safety Senseに加えてToyota Teammateの一部機能が加わる。ダイハツOEM車種にはSmart Assistがそれぞれ設定されている。

また、BMWと共同開発したスープラは「Toyota Supra Safety」、スバルと共同開発したGR86には「EyeSight(アイサイト)」が設定されるなど、他社との協業の成果も見られる。

レーダークルーズコントロールなどを搭載

Toyota Safety Senseには、衝突被害を軽減するプリクラッシュセーフティや車線逸脱防止に貢献するレーンディパーチャーアラート、レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール、レーンチェンジアシスト、ロードサインアシスト(標識認識機能)、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)、プロアクティブドライビングアシストなどの各機能が用意されている。

緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)は、歩行者や自転車運転者、自動二輪車、車両と衝突する可能性が高く、かつ自車線内に回避するためのスペースがある場合にドライバーによる操舵がなくてもシステムが弱いブレーキをかけながら操舵を行い、車線内での衝突回避を支援する。

プロアクティブドライビングアシストは、歩行者の横断や急な飛び出しなど、運転状況に応じたリスクの先読みを行うことで、危険に近づきすぎないよう運転操作をサポートする技術だ。

これらのうち、先行車を検知して速度を調節し、先行車が停止した際は車間距離を保ったまま自動で停止するレーダークルーズコントロールと、白線などの区画線が見えにくい・見えない場合も先行車を追従してハンドル操作をサポートするレーントレーシングアシストのどちらか一方を備えていればレベル1、両方を同時に使用できればレベル2と言える。

ただし、Toyota Safety Sense設定車種でもすべての機能が使用できるわけではなく、レベル1車種もあればレベル2車種もある。各車種の搭載状況は後述する。

アドバンストドライブ(渋滞時支援)はレベル2+に相当

上位機能となるToyota Teammateには、高速道路・自動車専用道路の渋滞走行時にハンズオフ運転を可能とするアドバンストドライブ(渋滞時支援)や、さまざまなシチュエーションでスムーズな駐車を支援するアドバンストパーク機能が設定されている。

アドバンストドライブ(渋滞時支援)は時速0~40キロの渋滞走行中、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシスト作動中にドライバーが前を向いているなど一定条件を満たすとシステムを作動でき、ハンズオフ運転が可能になる。レベル2+に相当するシステムだ。

Smart Assistも、最新バージョンは全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール/停止保持機能あり)やレーンキープコントロールを備えており、レベル2走行を可能にしている。

Toyota Supra Safetyはレーントレーシングアシストを搭載していないが、レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付)が設定されている。

車線を逸脱する可能性がある際、ステアリングの振動で注意喚起するほか、電動パワーステアリングを制御し、車線逸脱を回避しやすいようステアリング操作をサポートするという。

これを横制御とみれば、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)と合わせてレベル2相当となる。

GR86のアイサイトは、全車速追従機能付クルーズコントロール/追従機能付クルーズコントロールを搭載しているものの、レーンキープアシストなどの横制御を支援する機能を備えておらず、レベル1に相当する。

以下、Toyota Safety Senseにおいてレーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストが設定されている車種を列挙する(2025年10月現在)。

レーダークルーズコントロール搭載車種

  • アクア、カローラスポーツ、ヤリス、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、シエンタ、ノア、カローラ、クラウン、プリウス、MIRAI、カローラツーリング、カローラクロス、クラウンエステート、クラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、ハリアー、bZ4X、ヤリスクロス、RAV4、ランドクルーザー300、ランドクルーザー250、GRカローラ、GRヤリス、センチュリー、センチュリーセダン

レーントレーシングアシスト搭載車種

  • アクア、カローラスポーツ、ヤリス、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、シエンタ、ノア、カローラ、クラウン、プリウス、MIRAI、カローラツーリング、カローラクロス、クラウンエステート、クラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、ハリアー、bZ4X、ヤリスクロス、RAV4、ランドクルーザー300、ランドクルーザー250、GRカローラ、GRヤリス、センチュリー

レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシスト搭載車種はほぼイコールで、唯一センチュリーセダンはレーントレーシングアシスト機能が設定されていない。それ以外の上記車種はレベル2に相当する。

カローラアクシオ、カローラフィールダー、ランドクルーザー70などは、Toyota Safety Senseが設定されているもののこれらの機能は使用できないようだ。

このほか、ダイハツOEM系では唯一ライズがレーンキープコントロールとアダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付ACC)の両方を搭載しており、レベル2を可能にしている。

ルーミーはアダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付ACC)のみ設定されている。

アドバンストドライブ(渋滞時支援)搭載車種

ハンズオフを可能にするアドバンストドライブ(渋滞時支援)は、MIRAI、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、ノア、クラウン、クラウン(エステート・クロスオーバー、スポーツ)、bZ4X、ランドクルーザー250、センチュリーにオプション設定されている。

現状、これらの車種がトヨタ車の中で最も優れたADASを搭載していると言える。MIRAIは当初渋滞時に限定されないAdvanced Driveが設定されていたが、現在は公式サイトには見当たらない。

【参考】アドバンストドライブ(渋滞時支援)については「トヨタの新型ノア・ヴォクシー、自動運転はできる?」も参照。

トヨタの新型ノア・ヴォクシー、自動運転はできる?

レベル1は思いのほか少なく、レベル2が主流に

まとめると、トヨタのレベル2+車種はMIRAI、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、ノア、クラウン、クラウン(エステート・クロスオーバー、スポーツ)、bZ4X、ランドクルーザー250、センチュリーとなっている。

レベル2対応車種は、レベル2+車種に加え、アクア、カローラスポーツ、ヤリス、シエンタ、カローラ、クラウン、プリウス、MIRAI、カローラツーリング、カローラクロス、クラウンエステート、クラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、ハリアー、bZ4X、ヤリスクロス、RAV4、ランドクルーザー300、ランドクルーザー250、GRカローラ、GRヤリス、スープラ、ライズなどが相当する。

レベル1は、センチュリーセダンなどが相当する。レーンキープアシスト系が設定可能な車種の大半はクルーズコントロール系にも対応しているため、レベル1は意外と少ないようだ。

■レクサス車のADAS

全12車種がレベル2に相当、7車種はレベル2+

レクサスブランドでは、「Lexus Safety System +」を中心に、高度な機能を盛り込んだ「Lexus Teammate」が設定されている。

Lexus Safety System +には、レーダークルーズコントロール (全車速追従機能付)やレーンチェンジアシスト、レーントレーシングアシスト、レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付)などが設定されている。

レーダークルーズコントロール (全車速追従機能付)、レーントレーシングアシストともにLX、GX、RX、RZ、NX、UX、LBX、LS、ES、IS、LM、LCに設定可能(一部MT車は時速30キロ以上でのレーダークルーズコントロール)となっている。レクサスは全12車種がレベル2に相当するのだ。

さらに、レベル2プラスに相当するAdvanced Drive(渋滞時支援)は、LX、GX、RX、RZ、LBX、LS、LMの7車種にオプション設定されている。

MIRAI同様、LXは当初渋滞時に限定されないAdvanced Driveが設定されていたが、現在は姿を消しているようだ。

■【まとめ】レベル2の標準化進展!SDVで機能拡張も?

トヨタ、レクサスともにレベル2の標準化が大きく進んでいるようだ。トヨタはSDV化(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)にも着手しており、今後は今以上にソフトウェアアップデートで機能向上が図られる場面も多くなるものと思われる。

車種面、機能面においてレベル2+をどのように拡大していくのか、そして自動運転への道をどのように開いていくのか。今後の動向に引き続き注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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