自動運転市場「6兆円」到達へ!楽天が”赤字覚悟”の参入

2030年代に大きく膨らむ自動運転市場



積極財政を掲げる高市政権下、自動運転分野の経済波及効果は2040年度までに187.3兆円に達することが見込まれているようだ。別のレポートでは、日本国内の自動運転車市場は2035年に6兆7,400億円規模に達するという予測も出されている。


マーケットの形成が始まり、楽天モバイルのように新規参入を模索する動きも今後活発化するかもしれない。

勢いを増し続ける自動運転業界。2026年8月の10大ニュースを一つずつ振り返っていこう。

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■トランプ政権、有料ロボタクシーに「ハンドル免除」の特例(2026年8月8日付)

ハンドルなどの手動制御装置を備えないZooxの自動運転車が、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)から限定的な商業運行認可を受けたようだ。

従来の自動車の概念に収まらない新規格の自動運転車は、その装備上連邦自動車安全基準(FMVSS)を満たすことができないため、自己認証による公道走行を疑問視する動きもあった。Zooxも一時「待った」をかけられていた。


NHTSAとの協議の末、外国製車両を対象とした適用除外制度を流用する形でZoox車の公道走行は認められることとなり、そして今回の措置で商用化も可能になった流れだ。NHTSAはFMVSSの改正案も示しており、今後実用化のハードルは低くなっていく見込みだ。

テスラのCybercab然りで、今後新規格の車両がどんどん世に送り出されていくことが想定される。自動運転タクシー事業は新たなフェーズを迎えることになりそうだ。

トランプ政権、有料ロボタクシーに「ハンドル免除」の特例


■トヨタWoven City「ワンルームで家賃5万円」!限定25世帯に申込殺到か(2026年8月11日付)

Woven Cityでついに一般住人の募集が行われた。静岡県に住民票を有する人限定で、まずは25世帯ほどの募集が行われた。

応募状況は不明だが、住居は1R~3LDKまで用意されており、世帯構成に応じて要望を踏まえつつ配分していくものと思われる。1カ月の賃料は5~28万円の範囲となっている。

最新情報では、静岡県在住者や先行受け入れの案内を受け取った者を対象に、一般訪問者となる「One Day Weavers」の受け入れ開始もアナウンスされている。Woven City敷地内ツアー(ウェルカムセンターツアー・まちあるきツアー)なども用意されているようだ。

徐々に開かれたまちになり始めたWoven City。各社・研究者による実証も活発化し、多くのイノベーション創出に期待したい。

トヨタWoven City「ワンルームで家賃5万円」!限定25世帯に申込殺到か

■自動運転、経済波及効果は「187兆円」!政府試算(2026年8月14日付)

国が「日本成長戦略(案)」を公表した。戦略17分野における官民投資ロードマップには自動運転技術に関する戦略も盛り込まれ、同分野への投資額は2040年度までに8.2兆円、その経済波及効果は187.3兆円と試算している。

E2Eに焦点を当て、開発を効率化するためのデータエコシステムの構築や、自動運転車のサイバーセキュリティ確保に必要な取り組みを検討した上で関連する投資を促進し、レベル4やレベル2++の実用化・普及を図っていく内容だ。

2030年代におけるグローバルでの自動運転車両販売台数のシェア約25%を確保することが目標の一つに掲げられていることから、自動車メーカーの躍進も欠かせない。自家用車領域における日本勢のシェアは現在約25%で、自動運転社会となる2030年代もこの水準を維持することをイメージするとわかりやすい。

AI分野同様、自動車産業も目まぐるしく情勢が変わっていく可能性があることを踏まえ、適時しっかりと見直しつつ戦略を推し進めてもらいたいところだ。

自動運転、経済波及効果は「187兆円」!政府試算

■楽天、「自動運転参入」で再び大赤字に?(2026年8月15日付)

楽天が、通信事業者として自動運転分野への参入を模索しているようだ。佐賀市内で行われている実証に、楽天モバイルが参加している。

同市内では、総務省の事業「地域社会DX推進パッケージ事業(自動運転レベル4検証タイプ)」のもと、2025年度に先進モビリティなどとともに楽天モバイルが参加し、技術実証を行った。

自動運転に通信技術は必須であり、NTTやKDDI、ソフトバンクといった通信御三家は早期に事業参入している。モビリティ企業を設立する動きも出ており、各社とも力を入れている印象だ。

楽天としても、膨大な自動運転市場をみすみす逃すのは得策ではない。かと言って、御三家にガチで対抗するための基盤・体力には不安を抱える。楽天モバイルは、後進組としてどのように商機を見出すのか。今後の動向に注目したい。

【参考】詳しくは「楽天、「自動運転参入」で再び大赤字に?」を参照。

楽天、「自動運転参入」で再び大赤字に?

■中国WeRide、ロボタクシー売上「3カ月で2.4倍」(2026年8月18日付)

中国WeRideのロボタクシー事業が好調な様子だ。2026年第2四半期(2026年4〜6月)の決算で、総収益は前年同期比82.2%増となり、特にロボタクシー(配車サービス)は前四半期比で約140%増加したという。

2026年7月時点でレベル4車両台数は約3,400台となり、そのうち1,800台以上がロボタクシーという。第2四半期におけるロボタクシー1台あたりの平均1日乗車回数は前四半期比24%増加し、21回超となった。

スペイン、スイス、デンマーク、アラブ首長国連邦、シンガポールにおいてロボタクシー事業の海外展開を加速しており、自動運転バスなどを含めると同社の自動運転事業は13カ国60都市以上に拡大したとしている。

株式非上場のWaymoは業績が公開されていないため比較はできないが、WeRideやPony.aiのように上場企業が増加すれば、公表されるデータも当然増加してくる。各社の業績をもとに、ロボタクシー市場の未来を描きやすくなりそうだ。

【参考】詳しくは「中国WeRide、ロボタクシー売上「3カ月で2.4倍」」を参照。

中国WeRide、ロボタクシー売上「3カ月で2.4倍」

■外資系ロボタクシーが「なぜか日本企業と組む」裏事情(2026年8月20日付)

日本国内で自動運転タクシー展開を計画するUber Technologiesが、タクシー事業者の日の丸交通と運行パートナーシップを結んだと発表した。やはり、日本においては開発事業者やプラットフォーマーが独自にタクシーサービスを行うのは難しいようだ。

Uberは英Wayveと手を組み、欧州など世界の各市場で自動運転タクシーを展開する計画だ。日本では、Wayveとパートナー関係にある日産が車両を提供することも発表されていた。

2026年末にも実証に着手する予定としていたが、ここにきてタクシー事業者との新たな協業が発表された――といった流れだ。日の丸交通が運行主体となり、実証からサービスまでを担うことになる見込みだ。

その背景には、一般乗用旅客自動車運送事業の許可がある。従来のタクシー同様、自動運転タクシーも例外なく旅客運送サービスの認可を受けなければならないのだ。

既存タクシー事業者としては、無人タクシーが実用化されても本業を圧迫されることなく、むしろ自社事業に取り込むことができる。ある意味、日本版ライドシェアに近い構図と言える。

サービスとして安定し安心感も増す一方、運賃面などは硬直化し、イノベーションの妨げとなる恐れもある。こうした仕組みは将来的に改革されるかもしれないが、今しばらくは日本らしい安心安全重視のサービスとなりそうだ。

外資系ロボタクシーが「なぜか日本企業と組む」裏事情

■高市政権、国民の税金で「自動運転用の半導体」開発(2026年8月21日付)

国の研究開発計画に基づく「次世代エッジAI半導体研究開発事業」にティアフォーが参画し、レベル4向けのソフトウェア定義型システム・オン・チップ(SoC)の開発を推進するという。積極財政派の高市政権下で、こうした技術開発が一気に進展しそうだ。

ティアフォーは、E2E自動運転AIの推論処理を効率化するAIチップの論理設計に取り組み、その設計資産と関連ツールチェーンのオープンソース化を目指す。電力効率をはじめ、自動運転AIの適応性や透明性、検証可能性をさらに高める土台作りに挑む内容だ。

半導体分野ではNVIDIAやArmなど海外企業の躍進が目立つが、こうした各領域においても可能な限り国産開発を推し進めなければ、AIファーストとなるだろう未来の産業は成立しない。

海外に後れを取っているという事実をしっかりと見つめたうえで大局を把握し、日本国としてどう勝ち筋を見出すか。大きな選択を迫られる機会はまだまだ続きそうだ。

高市政権、国民の税金で「自動運転用の半導体」開発

■日本の自動運転市場、来年には「1兆円規模」(2026年8月24日付)

マーケットリサーチセンターが発表した最新レポート「自動運転車の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Autonomous Car Market 2026-2035」によると、日本の自動運転車市場は2035年に424億3,000万ドル(6兆7,400億円)規模に達するという。

2025年時点で約7,600億円規模と推計されており、まもなく1兆円市場となるようだ。高度ADASも含まれているものと思われるため、レベル4に限ればまだまだ……といった感じだが、E2E系レベル2++の実用化に伴い、レベル4以降の技術も大幅に進化していくことが予想される。

場合によっては、過去の市場予測を大きく上回る形で自動運転市場が肥大化していくことも考えられるだろう。AI時代の先を見通すのは非常に難しいが、イノベーションにより移動の価値が大きく変わっていくことは間違いなさそうだ。

【参考】詳しくは「日本の自動運転市場、来年には「1兆円規模」」を参照。

日本の自動運転市場、来年には「1兆円規模」

■日本のベンチャー、トヨタ車を「1週間」で自動運転化(2026年8月25日付)

E2E自動運転の実現を目指すTuring。自動運転車の製造について、新たな車両への自動運転システムの統合は3カ月、普段使用しているトヨタ・アルファードであれば1週間で自動運転化できるという。

自動運転車両製造に関する専門話はあまり聞くことがなく、非常に興味深い。もともと車両に搭載されているADASのレギュレーションを活用し、自動運転化しているという。まさに改造だ。

Waymoをはじめとする先行開発事業者の多くは既存の自家用車を活用しているため、各社の手法も気になるところだ。

自動運転タクシーに限って言えば、既存車両を改造するスタイルは商用化の第一フェーズと言える。サービスが本格化するにつれ、徐々に自動運転タクシー専用設計車両に置き換わっていくことが想定される。Waymoが今まさにその段階に達している。

一方、自家用車市場においてはどのような進化を辿っていくのか。しばらくは従来の自家用車開発がベースとなりそうだが、SDV化に象徴されるように、徐々に自動運転を意識した設計に変わっていくのだろうか。

どういったデザイン、形状、コンピュータ構成が自動運転化しやすいのか。こうした知見もどんどん蓄えられていくのだろう。

日本のベンチャー、トヨタ車を「1週間」で自動運転化

■Googleロボタクシー「日本展開は秒読み」か(2026年8月26日付)

東京で実証中のWaymoの自動運転タクシー。具体的な計画は明かされていないが、同社幹部が「近い将来サービスを開始できることを期待している」と述べたそうだ。明言を避けているが、確実に前進していることは間違いなく、ポジティブに受け取るべき言葉だろう。

Waymoは2025年春に東京都内での実証を開始した。まもなく1年半が過ぎようとしているが、進捗に関する具体的なアナウンスはない。日本独自の交通事情に苦戦している可能性もゼロではないが、基本的な自動運転技術はそのまま応用することができるため、おそらく純粋に未知の交通環境の学びを深めているものと思われる。

ライバル勢は2027年中に大きく動き出す可能性が高く、Waymoもそろそろ……といった感じではないだろうか。日本初の自動運転タクシーの行方に注目が集まるが、その先頭はやはりWaymoか。各社の動向に要注目だ。

【参考】詳しくは「Googleロボタクシー「日本展開は秒読み」か」を参照。

Googleロボタクシー「日本展開は秒読み」か

■【まとめ】開発先行勢はさらに勢い増す 日本は必死に食らいつくべし

海外ではロボタクシー先行勢がグローバル化とともに軒並み売上高を伸ばし、ビジネス性を増している印象だ。投資フェーズはまだまだ続きそうだが、黒字化ラインを目視できる状況に至っており、さらに勢いを増していくことになりそうだ。

日本勢も負けじと追いかけ続けなければならない。先行勢がシェアを拡大し、信頼性を高めて自家用車市場に進出し始めてからでは巻き返しは困難となる。自動車大国から自動運転大国への道は険しいが、歩みを止める暇はないのだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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