Googleロボタクシー「日本展開は秒読み」か

Waymo幹部が言及



東京都内で実証が進められているグーグル系Waymo自動運転タクシーへの期待感が高まっている。日経新聞によると、同社幹部が「近い将来サービス開始できることを期待している」と言及したようだ。


明確な実現時期は明かされていないが、計画通り着実に前進しているようだ。果たして、ロボタクシーサービスはいつごろ実装されることになるのか。実現時期を予測してみよう。

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■Waymoの自動運転タクシーの動向

技術説明会で幹部が「近い将来サービスを開始できることを期待」

出典:Waymoプレスリリース

日経新聞によると、オンライン開催されたWaymoの技術説明会において、オンボードソフトウェア担当副社長を務めるSrikanth Thirumalai(スリカンス・ティルマライ)氏は東京での事業について「近い将来サービスを開始できることを期待している」と述べたという。具体的な開始時期には言及していない。

Waymoは2026年3月に東京都内で開いたメディア向け説明会においても、出席したCPO(最高製品責任者)のSaswat Panigrahi(サスワット・パニグラヒ)氏や事業開発および戦略的パートナーシップ責任者を務めるNicole Gavel(ニコール・ガベル)氏が東京での事業に触れている。

パニグラヒ氏は「日本交通とGOトランザムのパートナーの皆様のご支援に感謝するとともに、東京の皆様にサービスをご提供できる日を心待ちにしている」、ガベル氏は「安全性が実証されている当社の技術を、東京の街路の細かな特性に合わせて進化させていく。パートナー企業と緊密に連携することで、地域の専門知識を活かし、東京ならではの街並みに調和したサービスを構築する」とそれぞれ述べている。やはり実現時期には言及していない。


さらにさかのぼり、日本進出を発表した2024年12月のリリースを見ても、日本交通・GOとのパートナーシップのもと、ジャガーI-PACEを2025年初頭に東京に送り出し、首都圏でデータ収集することしか触れられていない。

2025年4月のお披露目イベントでも、出席したガベル氏は「初の海外公道での事業展開。Waymoが15年間培ってきた運用ノウハウが、業界リーダーとの戦略的な取り組みを通じて、いかに新たな環境に適応できるかを示すもの」などとあいさつするに留まっている。

Waymoとしては、積極的に商用化計画・時期を明かす気はないように感じる。「今年中に実現する」が口癖の、テスラを率いるイーロン・マスク氏とは真逆のイメージだ。

技術や運用体制、規制面など総合的に判断し、確実にゴーサインを出せるフェーズに至って初めて計画を公表するものと思われる。果たして、それはいつ頃になるのか。


▼2026年3月のメディア向け説明会
https://waymo.com/blog/shorts/waymo-recently-hosted-an-event-in-tokyo-to-share-more-about-our-autonomous/

Waymoの新エリア進出に要する期間は?

Waymoは現在、フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティン、アトランタ、ダラス、ヒューストン、マイアミ、ナッシュビル、オーランドで自動運転タクシーサービスを提供している。また、東京とロンドンを含む約20都市で商用化に向けた準備を進めている。

2025年ごろからサービス実装を加速している印象で、年間5~10都市拡大できそうな勢いだ。では、各都市におけるサービス実装は数カ月で成し得る段階まできているのか?……と問えば、おそらくノーだろう。

フェニックスでのサービス実装後、Waymoは水面下で実証エリアを拡大していたはずだ。サービス実装に結びつくかどうかは置いておき、ひたすらマッピングとデータ収集を重ね、自動運転システムの精度を高めていたものと推測できる。

こうした下地を積み重ねていたからこそ、いざサービス実装に向けた実証を本格化させた際、比較的短期間で無人化・商用化を実現できるものと思われる。

現在のWaymoの知見・技術をもってしても、下地のない新規エリアでサービスを展開する場合、確実に1年を超える期間を要するはずだ。一からデータ収集をはじめ、すべての季節を体験しなければ環境をつかむことができないためだ。

交通ルールが異なる東京は大幅改変が必要?

東京の場合、Waymoが慣れ親しんだ北米とは交通環境もルールも異なる。歩行者検知や予測など、基本的な技術はそのまま通用するだろうが、交通ルールなどは確実にすべて書き換えなければならない。

2025年4月の公道走行開始から1年4カ月が経過し、現在どの段階に至っているのかは定かではないが、まだ無人走行の話題も出ていないことから、年内のサービス化はあり得ない状況と言える。

無人走行や、関係者・アーリーライダーを対象としたサービス実証に着手する段階でおそらく見通しが立ち、実用化予定時期が明かされる可能性が高い。

Wayveやティアフォーの動向を踏まえると……

ロンドンでは、2026年中に試験的な無人サービスを開始する目標が掲げられており、東京より先行する予定だ。このロンドンの取り組みが計画通り進めば、東京でも、2027年前半にも無人実証が始まり、同年内のサービスインを目指す――といった流れが濃厚ではないだろうか。

2026年後半には、英Wayve×Uber Technologies×日産勢が、東京都内で試験運行を実施するための準備を開始する予定としている。Wayveは実績が乏しく、2027年中にどこまで進展するかは未知数なところがあるが、Waymoや日本交通勢の刺激材料となることは間違いない。

ティアフォーも2027年中に大きく動き出す可能性が高い。Waymoがいまさら「日本初」にこだわる必要はなさそうだが、実績が飛び抜けているだけに、真の無人サービスインはやはりWaymoに軍配が上がりそうだ。

2027年に各社が大きく動き出し、その勢いのままサービスインする可能性が極めて高そうだ。

Waymo Foundation Modelでさらに進化

北米では、第6世代のWaymo Driverが新車両Ojaiとともにデビューした。ヒョンデのIONIQ 5導入に向けた取り組みも着々と進められているようだ。

Waymoによると、大規模言語モデル(LLM)とビジョン言語モデル(VLM)の進歩により、最先端機能とAIの限界をさらに押し広げているという。次世代AIモデルは、モデルベースで培ってきたこれまでの技術と、LLM・VLMの世界知識と推論能力と組み合わせることで、運転状況に特化したモデルを構築する。新たなアーキテクチャ「Waymo Foundation Model」により、Waymoの自動運転技術はさらなる高みに向かう。

■【まとめ】サービス提供エリアにも注目

先行するロンドンの状況やライバル勢の動向を踏まえると、やはり2027年中に大きく動く可能性が最も高そうだ。

その時期は、ODD(運行設計領域)において走行可能エリアとなるジオフェンスをどのように引くかにも大きく左右される。おそらく一部の区に限定する形でサービスインするものと思われるが、そのエリア設定によって実現時期は変わってくる。

2026年後半には、2027年に向けた各社の戦略が次々と正式発表されるかもしれない。各社の動向に要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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