ロボタクシー「すでに5%が経験」 米ロサンゼルスで一気に浸透

フェニックスではさらに!?



米ロサンゼルスで、自動運転タクシーを実際に利用した経験を持つ人が約5%に達していることが、最新調査で明らかになった。


このデータは、自動運転タクシーが実験的な技術開発の段階を脱し、都市における実際の交通手段の一つへと着実に浸透し始めていることを物語っている。

▼Rise of the Machines: What Angelenos Think About Driverless Cars and AI’s Threat to Hollywood Jobs|USC Schaeffer
https://schaeffer.usc.edu/research/waymo-driverless-cars-ai-hollywood-jobs-survey/

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■ロサンゼルス市民の約5%が経験

調査はUSCの「LABarometer」プロジェクトの一環として、2026年2月20日から5月10日にかけてロサンゼルスの住民1,280人を対象に実施された。実施したのはUSC Dornsife Center for Economicand Social Research(CESR)。

過去1年間に、Google系Waymoのような自動運転配車サービスを利用した人の割合は5%であった。一方で、UberやLyftをはじめとするドライバーが運転する従来型の配車サービスを利用した人は約28%だった。


出典:USC Schaeffer公式サイト

現時点では利用率において従来型サービスに遠く及ばないものの、「市民の約20人に1人がすでに自動運転タクシーに乗った経験を持つ」という現実は、無視できない変化を示している。

■若者や高学歴層ほどWaymoを利用

利用者層の分析からは、普及に一定の偏りがあることも判明した。

18〜39歳の若年層は高齢層に比べて利用割合が高く、世帯収入に関わらず学士号以上の学歴を持つ層ほど利用する傾向が見られた。さらに、人種・民族別では非ヒスパニック系白人および非ヒスパニック系黒人の回答者の利用率が高かった。

誰もが使う一般的な移動手段となったわけではないが、特定の属性を持つ層を中心にアーリーアダプターとして利用経験が広がっている。


出典:USC Schaeffer公式サイト

■安全だが事故には不安感

利用者の意識面で興味深いのは、安全性をめぐる評価のねじれだ。

「配車ドライバーによる嫌がらせや犯罪」によって、自動運転車を「安全」または「非常に安全」と評価した割合は約23%であり、UberやLyftの約17%を上回った。特に女性ではその差が顕著で、自動運転を安全と感じた割合が約21%であったのに対し、従来型サービスでは約13%にとどまった。

出典:USC Schaeffer公式サイト

「人間に乗せてもらう不安がない」という心理的安全性は、自動運転タクシーの強みとして評価されている。しかし、「事故やけがに対する安全性」に焦点を当てると評価は一変する。自動運転車を安全と評価した人はわずか9%にとどまり、UberやLyftの12%を下回る結果となった。

対人犯罪への懸念が和らぐ一方で、システムそのものの走行性能や事故回避能力に対する市民の信頼は、まだ十分に醸成されていないことが浮き彫りになっている。

■フェニックスではさらに!?

今回の結果を評価するうえで考慮すべきは、サービス展開の地域差だ。Waymoはロサンゼルスに先駆け、アリゾナ州フェニックスで早期から完全自動運転の配車サービスを開始している。

サービス提供からの期間が長く、市民が日常的に車両を目にする環境にあった地域では、利用経験者の割合がロサンゼルスの5%をさらに上回っている可能性がある。ただし、調査の対象地域や条件が異なるため断定はできないものの、技術への露出と時間の経過が普及率の引き上げに寄与することは間違いなさそうだ。

■普及の転換点を示す数字

現在、Waymoはロサンゼルスやフェニックス、サンフランシスコなど複数の主要都市で完全自動運転サービスを展開している。UberやLyftといった既存インフラとのシェアの差は依然として大きいが、サービス提供エリアの拡大と車両台数の増加に伴い、「乗ったことがある人」が珍しくない環境は整いつつある。

ロサンゼルスで記録された約5%という利用率は、自動運転タクシーが都市生活へ入り込み始めた転換点を示す指標といえる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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