なぜテスラは「何を言っても許される」のか?

話題を振りまき続けるマスク氏

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テスラのイーロン・マスクCEO=出典:Flickr / Public Domain

イーロン・マスク氏が、自社の旧世代のハードウェアでは自動運転は不可能であることを認めたようだ。過去、マスク氏はこれまで「ハードウェアは将来の自動運転に対応」と繰り返し豪語してきただけに、あらためて同氏のビッグマウスぶりが鮮明となった。

本来であれば、CEO退任騒動に発展してもおかしくないレベルの「うそ」と断じられそうなものだが、マスク氏は動じることなく、また世間(株主)も容認している印象だ。なぜマスク氏は許されるのか。マスク氏の人徳……ではないだろう。もはや将来に向けたパフォーマンスの一環として受け止められているのだろうか。

話題を振りまき続けるテスラ(マスク氏)の動向とともに、2026年4月の10大ニュースを振り返っていこう。

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■日本のタクシー会社、運転手を「全員解雇」か?自動運転化で(2026年4月16日付)

Waymoら先行勢がグローバル路線を鮮明にし、日本でも自動運転タクシー実用化に向けた取り組みが加速し始めた。将来、無人の自動運転タクシーが有人タクシーを凌駕する日は訪れるのだろうか。

現在社会実装されている自動運転タクシーはルールベースのため、広域展開には時間を要する。実装コストを踏まえると、過疎地などでは導入に消極的となる可能性もある。しばらくは有人・無人が混在する時代が続きそうだ。

しかし、E2Eモデルの自動運転タクシーが実用化されれば様相は一変する。広域展開が容易なため、導入に向けたハードルが一気に低くなる。

現状、タクシー会社の多くは雇用を守る観点から「有人」を重視しているものと思われるが、E2E自動運転タクシーを目にする日が訪れてもその姿勢を貫くことができるのか。経営面を考慮すれば、確実にE2Eが優勢となり、将来に渡ってシェアを拡大していくことは間違いない。

そんなわかりやすい未来にどこまで抗うことができるか。2030年代には、こうした葛藤が各地で蔓延するかもしれない。

日本のタクシー会社、運転手を「全員解雇」か?自動運転化で

■日本の自動運転市場、米国企業が「植民地」化?(2026年4月18日付)

Waymoを筆頭に、米国自動運転開発勢の日本進出が加速しそうだ。Waymoが日本交通・GOと手を組み東京都内で実証を進めているのは周知の事実だが、NuroもUber Technologiesなどとタッグを組み、日本での実証を本格化させた。

トヨタなどから出資を受けるMay Mobilityも国内の実証で導入済みで、日本法人もいち早く設立している。自家用車関連では、テスラが日本でのFSD導入を早ければ2026年中に開始する見込みだ。

米国ではないが、英Wayveも日産と協業し、高度なレベル2を導入するほか、Uber Technologiesを交え2026年度後半にも自動運転タクシーの試験運行を開始する計画だ。

日本の開発勢は、こうした海外有力勢に対抗できるのだろうか。日本ではこれまで自動運転バスの開発が主軸となっていたが、今後は汎用性の高い自動運転タクシータイプのシステム開発・導入が加速していく可能性が高い。

ぶっちゃけ、世界最高峰クラスのWaymoが進出する時点で、開発競争面における勝ち目は薄い。いかに共存の道を探っていくか……といった消極的な策しか浮かばないが、これが現実だ。自家用車においても、あくまでADASではあるもののFSDが導入されれば、高速道路に限った日本勢のレベル2+はかすんでしまう。

果たして、対抗する術はあるのか。各社の取り組みに注目したいところだ。

【参考】詳しくは「日本の自動運転市場、米国企業が「植民地」化?」を参照。

日本の自動運転市場、米国企業が「植民地」化?

■テスラ自動運転専用車が50台集結!クラッシュテスト映像が話題に(2026年4月19日付)

テスラのロボタクシー「Cybercab」が、量産フェーズに突入したようだ。テキサス州オースティンのGiga Texasで、50台超のCybercabが整然と並ぶ映像が公開された。

イーロン・マスク氏は、年産200万台以上を最終目標に掲げており、量産化はまだまだ加速の一途をたどりそうだ。

同社のロボタクシーサービスは、オースティンを皮切りに2026年4月にダラスとヒューストンにも拡大され、無人運行にも着手している。マスク氏の思惑からは遅れているかもしれないが、順調に前進している印象だ。

精度面に不安は残りそうだが、E2Eの特性を生かし、技術が一定水準に達し規制面をクリアすれば広域展開の道が一気に開ける。年産200万台のロボタクシーが世界各地で躍動する日は、いつごろ訪れるのか。テスラに関する話題はまだまだ尽きそうもない。

テスラ自動運転専用車が50台集結!クラッシュテスト映像が話題に

■時価総額1兆円超え、トヨタ出資トラック大手アーチオン上場で自動運転が加速(2026年4月21日付)

日野と三菱ふそうトラック・バスの経営統合に伴って設立された持株会社ARCHIONが、東証プライム市場への上場を果たした。時価総額1兆円規模の大型上場だ。ダイムラートラックとトヨタがそれぞれ持分比率25%を保有する方針としている。

世界的に業界再編が進む商用車メーカー。いすゞはUDトラックスを子会社化しており、日本国内においては今後2陣営がしのぎを削ることになる。

バス・トラックの自動運転化は加速しているが、無人化技術となるレベル4は他社との協業で補い、当面は有人車両向けのレベル2高度化で差別化・ビジネス化を図っていくことなども考えられる。各陣営が今後どのような戦略のもとシェア拡大に乗り出すか、要注目だ。

時価総額1兆円超え、トヨタ出資トラック大手アーチオン上場で自動運転が加速

■テスラの自動運転、「動物の回避率」99.9%に到達?(2026年4月22日付)

Xに、テスラのFSDが道路上の動物を回避するまとめ動画がアップされた。これを見たイーロン・マスク氏は「テスラは、自社の車が動物を轢かないようにするために多大な努力を払っている」としている。

動画には、昼夜問わずさまざまなシチュエーションで道路上に飛び出した動物を回避する様子が収められている。道路に飛び出す前、路外の動物を確認した時点で反応するなど、FSDの優秀ぶりが際立っている印象だ。カメラのみでこの精度はさすがの一言だ。

100%回避可能なわけではないが、おそらく現時点で人間のドライバーを超えているものと思われる。急な飛び出し対策には、予測能力とともに途切れない集中力が必須となるが、人間が苦手とする集中力の維持はコンピュータの得意分野だ。

動物に対応できれば、人間の飛び出しなどにも当然対応可能となる。動物への対応力が、自動運転の能力を見極める一手となる……と言っても過言ではなさそうだ。

テスラの自動運転、「動物の回避率」99.9%に到達?

■自動運転車は「危険物」積むな!米国で法案成立へ(2026年4月23日付)

米アイオワ州で、ドライバーレスの自動運転で危険物を輸送することを禁じる法律が施行されるようだ。

危険物の定義は「商業輸送において、健康・安全・財産に対して不当なリスクをもたらす可能性があると米国運輸長官が判断した物質・材料」とされており、具体化されていない。そのあいまいな定義が業界の反感を買っているようだ。

例えば、将来的には危険物を積載したタンクローリーなどの無人化なども考えられるが、こうしたものを当面の間禁止する……というのは理解できる。安全走行が確立され、実績が積みあがるまでは許可しないといった姿勢は行政的に真っ当だ。

ただ、その範囲が指定されなければ、実証にも支障をきたすこととなる。必要以上に過保護的に指定されてしまうと、商用化の阻害要因となり得る。

今後、危険物輸送禁止の動きが拡大していく可能性も高いだけに、一定の指針が明示されるのかどうか注目したい。

自動運転車は「危険物」積むな!米国で法案成立へ

■自動運転で引越し費用が価格破壊?サカイ引越しセンターの新たな取り組み(2026年4月23日付)

自動運転トラックの開発を進めるT2が、引っ越しにおける家財を輸送する実証に乗り出した。サカイ引越センターとハート引越センターの協力のもと、関東~関西間の高速道路一部区間で走行実証を行う。

引っ越し業務における荷積み・荷卸しはさすがに自動化・無人化が難しいタスクだが、長距離移動を伴う引っ越しは少なくなく、繁忙期も被りやすい。幹線移動を無人化するだけでも、ドライバーの負担を大きく減らすことが可能になりそうだ。

2027年度を目標にレベル4幹線輸送の実現を目指すT2。業界各社の協力の輪が確実に広がっており、技術が確立されればビジネス化への移行もスムーズに行われるものと思われる。

自動運転と手動運転の切り替え拠点の整備などとともに、今後2年間で事業がどのように進展していくのか。要注目だ。

自動運転で引越し費用が価格破壊?サカイ引越しセンターの新たな取り組み

■日本政府、自動運転で「打倒テスラ補助金」設定か(2026年4月24日付)

日本成長戦略策定に向けた官民投資ロードマップ(素案)によると、日本政府は2030年代における自動運転車両のグローバル販売台数シェア25%、そして2030年度までに国内における自動運転サービス運行に供する車両1万台の導入を目指す方針のようだ。

シェア25%は、おそらく高度なレベル2を含めてのものと思われる。トヨタの協力がなければ事実上実現は厳しそうだ。2030年度までの1万台も相当ハードルが高い目標だが、「今後5年間、そのつもりで励め!!」という意志なのだろう。

具体策としては、「1:N」の遠隔監視やE2E開発、レベル2++の促進などが盛り込まれている。効果的な遠隔監視技術・システムの確立でコストを削減するとともに、E2E実用化で自動運転の普及拡大を図っていく目論見がうかがえる。

果たして、強力な海外勢に対抗できる実のこもった施策となるか、今後の動向を注視したい。

日本政府、自動運転で「打倒テスラ補助金」設定か

■日本政府、税金で「ロボタクシー乗り場」整備か(2026年4月25日付)

自動運転サービス車両の拠点となるモビリティハブが、今後各地に新設されるかもしれない……とする記事だ。

モビリティハブの歴史は古いが、多くは鉄道、バス、タクシーを中心とした駅前ロータリーなどの旧態依然とした形態で、特段の進化を遂げていない。

今後、自動運転技術によるパーソナルな移動手段などモビリティサービスが多様化していくことが想定されるが、こうした次代において、どのようなモビリティハブが必要となるか……といった議論が現在進行形で進められている。

自動運転バスが実用化されるなど、新たな波はもう押し寄せ始めている。今しばらく試行錯誤が続くものと思われ、各地でモビリティハブに関する実証が加速していく可能性が高そうだ。

【参考】詳しくは「日本政府、税金で「ロボタクシー乗り場」整備か」を参照。

日本政府、税金で「ロボタクシー乗り場」整備か

■テスラの旧式車「完全自動運転は不可能」と判明!中古価値暴落か(2026年4月28日付)

テスラに悲報だ。旧世代のハードウェア「Hardware 3(HW3)」は、今後の自動運転に対応できないことが判明した。

これまで、マスク氏は「ハードウェアは将来的な自動運転に対応できる性能を備えており、ソフトウェアアップデートで随時機能を向上していく」旨説明してきたが、自動運転システムの高度化が想定を上回り、今後の監視なしによる自動運転には対応できないと公式に認めた。

FSD購入者らを対象にHW4への無償交換などにも応じる意向のようだが、関連機器の交換が必要なケースもあるようで、ディスカウントによる車両買い替えプランなども用意するようだ。

こうなると、レベル5を実現するころには、HW4でも対応不可……といった可能性も当然出てくる。コンピュータ類のハードウェア戦略を見直し、ソフト同様、ハード面の無償・有償アップグレードも将来正式にサービス化されていくことも考えられそうだ。

テスラの旧式車「完全自動運転は不可能」と判明!中古価値暴落か

■【まとめ】高市新政権下の方針に要注目

海外では、テスラがロボタクシー事業を拡大するなど相変わらず話題の中心となっているようだ。一方、国内では高市新政権の方針が明らかになりつつある。こちらの動向も非常に気になるところだ。

緊迫し続ける国際情勢が気がかりだが、自動運転業界の5月の動向にも引き続き注目していこう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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