
自動運転サービスのグローバル化が始まり、Waymoをはじめとする先行各社が新たな市場を模索する動きを強めている。自動運転に対する需要や規制面、受け入れ態勢などを勘案し、有望な市場を求め世界に飛び立ち始めているのだ。
日本も有望市場の一つで、Waymoをはじめとする米国勢の進出計画が熱い状況だ。国土面積の割に自動車市場の規模が大きく、法整備も進んでいる。交通ルールは複雑ながらも遵守傾向が強く、高齢化率も高いため自動運転に対する潜在需要も高い。
このまま日本企業の開発が遅れれば、日本市場は米国企業の「えじき」にされ、いわば「植民地」化してしまうかもしれない。
日本市場を交え、自動運転市場のグローバル化の最前線に触れていこう。
記事の目次
| 編集部おすすめサービス<PR> | |
| 自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり) 「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今! | ![]() |
| 新車定額!リースナブル(車のカーリース) お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし! | ![]() |
| 車業界への転職はパソナで!(転職エージェント) 転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を | ![]() |
| タクシーアプリは「DiDi」(配車アプリ) クーポン超充実!「無料」のチャンスも! | ![]() |
| 編集部おすすめサービス<PR> | |
| スクエアbang! | ![]() |
| 「最も安い」自動車保険を提案! | |
| リースナブル | ![]() |
| 新車が月々2万円から! | |
| パソナキャリア | ![]() |
| 転職後の平均年収837〜1,015万円 | |
| タクシーアプリDiDi | ![]() |
| クーポンが充実!「乗車無料」チャンス | |
■自動運転開発企業の海外進出の概況
米中の先行勢がグローバル化を加速
Waymoら先行勢が海外進出を選定する条件はいろいろ考えられる。第一は、多くの需要が見込める魅力的な市場かどうか――と言いたいところだが、現状、どんなに魅力的な市場でもその国の政府が反対すれば手を出せない。
その市場が開放されているかどうか、または開放に向け交渉の余地があるかどうかが大前提となる。その上で、市場のポテンシャルや交通環境、パートナー企業の存在、政府の意向など諸条件を勘案し、アプローチするものと思われる。
また、自社技術を拡張するため、母国と異なる交通環境をあえて選択し、実証を積み重ねる――ということもありそうだ。
先進国の多くは、自動運転サービスを導入するための法律やルールを整備済みで、自社の方針と規制がマッチすれば進出先候補となり得る。進出を後押しする政府の意向やパートナー企業がいればなお良しだ。
グローバル攻勢を強めているのは、今のところ米Waymoや中国の百度、WeRide、Pony.aiといった先行勢で、いずれも自国で一定のサービスを展開している企業だ。自動運転システムが一定水準に達し、ビジネス化を見据えた広域展開でさらなる精度の向上と汎用性を獲得していくフェーズに突入したイメージだ。

米国企業はまず日本へ、中国は中東へ?
Waymoがまず目を向けたのは、日本市場だ。詳しくは後述するが、初めての海外進出先として公式発表したのが日本だ。すでにパートナーシップを結ぶ日本企業と実証を進めている。
Waymo以外の米国勢は、まだ本格的な海外進出水準に達していない状況だが、May MobilityやNuroなど日本企業と縁を持つ企業も少なくない。パートナー企業の存在は大きく、今後初進出先に日本を選んでもおかしくないだろう。
一方の中国勢は、中東諸国や欧州を目指す向きが強い。一帯一路構想のもと、インフラ投資を拡大するなど結びつきを強める中東は、進出先として最善なのかもしれない。欧州に対しては、ドイツやフランスなど主要先進国とはけん制しあうことが多く進出先としては微妙だが、経済大国としての強みだろうか、その他の国は意外と受け入れてくれているようだ。
日本については、企業レベルでパートナーシップを結ぶ例が多いものの、国家としては、日本は中国が対立する米国と仲が良く、微妙な関係が続いているため消極的なのかもしれない。
日本は有望な市場に位置付けられる
日本は、世界の中でいち早く自動運転走行を可能にする法整備を行った国の一つだ。安全性を重要視するお国柄のため、慎重な態勢を堅持しつつも門戸はしっかりと開いている。
自動車市場としては、中国、米国、インドに次ぐ規模で、自動車の生産も販売も世界トップ水準と言える。道路インフラは高次元で整備されており、一部道幅が狭いところがあるものの全体としては安全かつ安定した走行を行いやすい環境が整っている。
都市部の交通密度は高過ぎだが、他国に比べ几帳面なドライバーが多く、イレギュラーな運転を行うものは一部に限られているため規律ある運転制御を保ちやすい。
ドライバー不足が慢性化する一方、タクシー需要は都市部や観光地では旺盛で、地方では公共交通維持の観点から無人化技術・サービスへの期待が高い。政府も自動運転施策を推進しており、日本企業と手を組めば、特にはじかれることなく国の支援を受けることもできそうだ。
自動運転市場として、日本は極めて優良な市場だ。グローバル路線に歩みを進め始めた海外先行企業から見れば、有力候補地の一つに日本を挙げるのは必然と言えるだろう。
中国企業は日本に進出しづらい?

ただ、世界情勢に左右されるところも大きい。日本においては一部中国への抵抗感が強く、中国系ソリューションの国内展開に反発する向きがある。自動運転は人間の命に直結するだけに、反対の動きが出てもおかしくはない。中国政府の意向は定かではないものの、中国企業としては積極的に日本市場に進出しづらい面があるのではないだろうか。
そう考えると、日本市場への進出はやはり米国勢が有力となる。Waymoの事例を踏まえ、米国勢が今後続々と参入する――といった流れが加速するかもしれない。
米国企業が日本を席捲する?
対する日本勢は、危機感を持って開発を加速させなければならない。日本への進出を目論む企業は、基本的に本国で高い実績を有する先行組であることを踏まえると、実証当初から技術力の差をまざまざと見せつけられることになる。
右側通行と左側通行の違いをはじめ、米国と日本ではさまざまな面で交通ルールが異なるため、修正・改善を要することになるが、基本となる無人走行技術はほぼそのまま生かすことができ、日本の道路交通になじむのにそれほど多くの時間を要しない。
自動運転タクシー・自動運転トラックが主流の米国勢と自動運転バスが主流の日本では棲み分けできる可能性もあるが、一定エリア内で自由度の高い自律走行を実現する技術は、自動運転バスの技術を凌駕する。
日本製の自動運転バスは、これまで数年がかりで実証を行い、やっとレベル4運行を開始した水準だが、今後も新規エリアの展開に数年を要するようであれば、風向きががらりと変わる可能性がある。
米国製は主に自動運転タクシーだが、最初の実証をクリアすれば、その後はスピーディに拡大していく可能性が高い。また、日本の多くの取り組みは国や自治体の補助ありきだが、自動運転タクシーは端から将来のビジネス性を重視しているため、膨大な資金力をベースにしたごり押しで一気呵成にエリア拡大を図っていくことも考えられる。
日本では自動運転バスの需要が高く、一定の補助を受けられるとあれば、こちら方面の開発にも着手する可能性も十分考えられるだろう。大型バスであれば手間取るだろうが、小型バスであれば恐ろしい速さで実用化してしまうポテンシャルを有する。
「米国製すごい!!」という風潮が蔓延すれば、当然米国製を導入する動きが加速する。量産効果で金額面(予算面)でも優位に立たれれば、もはや勝ち筋を見つけるのは難しくなる。
「自動車」というハードではなく、「自動運転」というソフト面での勝負となるため、パソコンやスマートフォン市場と同様、米国企業に一気にシェアを奪われることも十分想定されるのだ。
【参考】関連記事「自動運転バスの補助金、「実装なし」なら返金命令か」も参照。
■米国企業の動向
Waymoは東京とロンドンをターゲットに
世界の先頭を走るWaymoは、自国内の11エリアでサービスインしているほか、20近いエリアで実用化に向けた実証を進めている。
初の海外進出先としては、日本の東京、英ロンドンを計画しており、米国とは異なる左側通行などの交通環境の学習を進めている。ロンドンでは早ければ2026年中にサービス開始する予定のようだ。
日本では、日本交通とGOとタッグを組み、2025年春から東京都内で走行実証を積み重ねている。港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区の7区でデータの収集や自動運転技術の調整を進めている。
Waymoとしては、米国とは異なる交通環境の学習を重視しており、日本でのサービス開始時期については公言していない。自動運転技術そのものは折り紙付きで、日本特有の環境に慣れさえすれば、一気にサービス化に踏み切ることは十分考えられるだろう。
【参考】関連記事「Googleの自動運転タクシー、東京で来年展開か」も参照。
Nuroも日本国内の実証に着手
中型中速の自動運転配送ロボットの開発で知られるNuroも、初の海外進出先として日本を選定し、2026年に本格実証に着手した。
もともとはルールベースの自動運転モデルで開発・実用化を進めていたが、近年はエンドツーエンドの自動運転AIの開発にシフトし、自動運転タクシーや自家用車のADASなど、多方面戦略に切り替え事業強化を図っている。
NuroはUber Technologiesと新興EVメーカーLucid Motorsとともにロボタクシープログラムに着手しており、Nuroの自動運転システムを統合したLucid製自動運転タクシーをUberの配車プラットフォームで展開する計画としている。
実用化時期は未定だが、北米59都市で手動運転の実証を進めるなど取り組みを加速している。日本関連では、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)やトヨタ系のWoven Capitalが同社に出資しており、バックボーンも強力と言える。
平和島を中心に自動運転技術の実用化を目指す平和島自動運転協議会にも参画を表明している。
【参考】関連記事「米企業、日本で「ぶっつけ本番」式の自動運転」も参照。
May Mobilityは日本各地の実証に参加
日本企業と最も縁を深めているMay Mobilityは、MONET TechnologiesやNTTグループなどとともに日本各地の実証に参加している。
同社は、トヨタやMONET Technologies、豊田通商、ブリヂストン、東京海上ホールディングス、NTTグループなどと協業関係にあり、2021年にMONET Technologiesとともに広島大学の東広島キャンパスで自動運転シャトルの運行実証、2025年に東京臨海副都心でのオンデマンド実証などを行ってきた。
2025年10月には、愛知県が実施する名古屋市内での自動運転車両による定期運行実証にNTTドコモなどとともに参加している。
トヨタのミニバン「シエナ」をベースにした自動運転車両2台や遠隔管制システムをMay Mobilityが提供し、STATION Ai、スパイラルタワーズ、愛知芸術文化センターをループ走行するサービス実証を約カ月間に渡り実施した。
日本企業との縁が深いだけに、今後May Mobilityを活用・導入する事例が増加する可能性は十分考えられそうだ。
【参考】関連記事「改造トヨタ車、米で「完全無人」の自動運転シャトル化 May Mobilityが商用運行」も参照。
テスラはFSDの日本展開に着手
自動車メーカーとしては最高水準のレベル2+ADASを提供しているテスラ。北米では、特にエリアを限定することなく広範囲でハンズオフ運転を可能にするFSDを実用化している。FSDは日々進化を続けており、将来的にはレベル5相当の自動運転を実現する計画だ。
オースティンでは2025年にロボタクシー事業に着手しており、2026年に入ってからは一部車内無人化を実現したようだ。
日本においてはFSDはまだ未実装だが、テスラジャパンは2025年8月、FSDの技術テスト走行や学習を国内で本格的にスタートしたと発表した。2026年中のリリースを目指すことが報じられている。
レベル2+はあくまでADASだが、一般道でもハンズオフを可能にする技術は、日本国内メーカーの数年先の水準と言える。FSD対象地域となれば、将来的な自動運転化への道も拓ける。
安全性をどこまで担保できるかがカギとなるが、自動運転自家用車の先頭を走るテスラの動向には要注視だ。
【参考】関連記事「冷静に考えて、テスラの「日本で自動運転」は実現する?」も参照。
■中国企業の動向
百度はアブダビとドバイで無人サービス開始
中国の代表格・百度(Baidu)は、UAEのアブダビとドバイで無人自動運転タクシーの運行を開始したようだ。
2025年に無人商用運行許可を取得するなどし、アブダビでは2026年2月、ドバイでは同3月に無人サービスに着手したという。
【参考】関連記事「中国WeRide、自動運転の最難関許可を「5カ国」で取得 フランスでも」も参照。
WeRideは中東やシンガポールでサービスイン
中国勢の中では最も早く海外進出に着手していたWeRideは、世界8カ国で自動運転走行ライセンスを取得し、自動運転タクシーの拠点をアブダビ、ドバイ、サウジアラビア・リヤド、スイス・チューリッヒ、シンガポール、モンゴル自治区オルドスに構えている。
中東では2027年までに1,200台のフリートを完備する計画で、アブダビとドバイではすでに無人運行が行われているようだ。
シンガポールのプンゴル地区でも2026年4月、Grabとのパートナーシップのもと自動運転サービスを開始している。
【参考】関連記事「米Uber、ドバイで自動運転タクシーを展開 中国企業WeRideとタッグ」も参照。
Pony.aiはクロアチアでサービスイン
Pony.aiは、トヨタの「bz4X」ベースの自動運転タクシーの量産化を加速しており、2026年中に1,000台以超の生産を計画している。
UAEのアブダビやドバイ、サウジアラビア、ルクセンブルク、カタール、シンガポールなどへの進出を図っており、2026年4月には、クロアチアのザグレブで商用運行を開始した。シンガポールでも招待制ライドサービス開始に向けた規制当局の許可を取得しており、まもなく本格商用展開のフェーズに移行するようだ。
【参考】関連記事「トヨタ、テスラに対抗!「自動運転タクシー」を中国で量産」も参照。
■【まとめ】日本市場は米国勢の「草刈り場」に……
米国企業は日本や欧州、中国企業は中東や欧州――といった感じでグローバル化が進展している印象だ。日本市場に関しては、米国企業の「草刈り場」として各社が次々と参入する可能性が考えられる。まずはWaymoやNuroなど正式事業展開を表明している企業の動向に注目したい。
なお、米中勢のグローバル展開は棲み分けされているわけではないので、今後各地で米国勢VS.中国勢の競争が勃発するものと思われる。競争を通じ、自動運転技術やサービスの質への注目度もますます高まることとなりそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転、日本政府の実現目標・ロードマップ一覧|実用化の現状解説」も参照。













