
自動運転タクシーの実用化が世界で大きく進展し始めた。Waymoや百度など、米中の先行勢は軒並みグローバル路線を歩み始め、大規模展開を加速させている。
日本も例外ではなく、すでにWaymoが国内実証に着手しているほか、Uber Technologiesも日本展開に向けた計画を明かしている。
本格的な普及まではまだまだ時間を要するものと思われるが、いずれはドライバーレスがスタンダードな存在となり、有人タクシーのシェアを奪っていくことは間違いない。将来、タクシードライバーという職業がなくなり、人間のドライバーが全員解雇されるような時代は訪れるのだろうか。
自動運転タクシーの動向と経営上の利点について解説していこう。
記事の目次
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■自動運転タクシーの動向
トップランナーがグローバル化を加速

自動運転タクシーサービスは、Waymoが2018年末にアリゾナ州フェニックスで開始した「Waymo One」で幕を開けた。ドライバーレスの開始はそれから約1年後だ。
Waymoは現在、フェニックスのほかサンフランシスコ、カリフォルニア、オースティン、アトランタ、マイアミ、ダラス、ヒューストン、サンアントニオ、オーランドで一般を対象に無人サービスを展開している。フェニックスとサンフランシスコ、カリフォルニア以外は2025年以降にサービスインしたばかりで、猛烈な勢いでサービスエリアを拡大している。
現計画では、さらに北米19エリアで実証を積み重ねているほか、日本の東京、英ロンドンでのサービス化に向けた実証に着手するなどグローバル路線に踏み出した。海外サービスは早ければ2026~2027年に始まるものと思われる。
米国では、2025年にZooxがラスベガスで無人サービスを開始したほか、テスラもオペレータ付きだがオースティンなどでサービスインしている。
中国では、百度、WeRide、Pony.aiなどのテクノロジー企業が北京や上海、深センなど各都市で無人サービスを展開している。中東や欧州などへの進出を図る動きも活発だ。
日本にもWaymoやWayveが進出計画
日本では、前述のWaymoが日本交通、GOとタッグを組み、2025年4月に走行実証を開始している。また、Uber TechnologiesがWayve、日産とのパートナーシップのもと、2026年後半にも東京で自動運転タクシーの走行実証に着手する計画を発表している。
国内勢では、ティアフォーが精力的に開発を進めるほか、金沢大学発ベンチャーのムービーズも開発に着手するなど、一定の動きがある。
【参考】関連記事「自動運転タクシーとは?アメリカ・日本・中国の開発状況は?」も参照。
■タクシー事業者×自動運転
タクシー事業者は自動運転に前向き?否定的?
自動運転タクシーサービスを実際に提供するのは、どういった企業なのか。各国の法規制によるが、米国では各州の規制のもと、Waymoは事業許可を受けて自らタクシーサービスを提供している。テスラも然りだ。
一方、規制によってはタクシー事業者を交える形で許認可を受ける国もありそうだ。実証段階の開発事業者が現地のタクシー事業者と手を組むケースも多く、日常的な管理なども踏まえ、パートナーシップを継続する例も少なくないようだ。
では、タクシー事業者側の意向はどうなのか。日本交通や日の丸交通のように早期に自動運転技術に着目し、実証を行ってきた企業もいるが、大半の事業者は静観している状況だ。
中には、「タクシードライバーの雇用をしっかり守りたい」と声高に叫び、自動運転の導入に否定的な事業者も相当数存在するのではないだろうか。ドライバー不足が慢性化する中、「将来は自動運転タクシーで無人化される」などと喧伝されれば、募集に応じる新規ドライバーはさらに減ってしまう。現在の仕事を守るため、頑なに自動運転を拒む動きを見せてもおかしくはない。
【参考】関連記事「小池都知事、自動運転タクシーに5.3キロ乗車 ZMPと日の丸交通、東京都内で実証実験中」も参照。
将来的なコストを踏まえると……
しかし、経営者目線・ビジネス目線で自動運転タクシーを捉えれば、その気持ちは揺らぐはずだ。タクシー業界における人件費は、営業費用の70%を占める。コストの7割がドライバーを中心とした人件費なのだ。高額と思われがちな車両費は、わずか3~4%に留まる。燃料費8~9%の方が高い。
こうした経営環境下において、自動運転技術によりドライバーレスを図ることができれば、人件費の大幅削減が可能になる。長らく続いてきたコスト構造が一変するのだ。
もちろん、自動運転タクシーにかかるイニシャルコストは高く、当面は遠隔監視センターの運営経費なども必要となる。しかし、自動運転タクシーの開発・製造コストは将来量産効果などで大きく下がる可能性が高い。
遠隔監視センターはおそらく委託になりそうだが、その委託費も、一人のオペレータが二桁台数の車両を管理できるようになれば低く抑えられる。
乗り遅れる前に導入を図る動きが連鎖
こうした未来を見据えれば、自動運転タクシー導入に傾くタクシー事業者が続出してもおかしくない。シェアを獲得するには早めに事業転換を進めなければならない。テクノロジー系の新興事業者にシェアを奪われる前にパートナーシップを結ぶなどし、有人ドライバーが多く在籍している時点から動かなければならない。
実際問題、しばらくは自動運転タクシーと有人タクシーが混在することになるが、無人タクシーが想定を上回る業績を上げれば、有人から無人へのシフトを強化するだろう。
自動運転タクシーが世に認められ、利用者に積極的に選ばれるようになれば、経営上有人ドライバーは徐々に足かせとなっていく。経営者次第では、一思いに全ドライバーを解雇し、新しい業態のタクシー事業者への転身を図ることも考えられるだろう。
世の中というものは残酷だ。世論が自動運転タクシーに一気に傾けば、人間のドライバーは過去の遺物として扱われ、職業として守る必要がないと判断されてしまうのだ。
【参考】関連記事「Googleの自動運転タクシー、東京で来年展開か」も参照。
【参考】関連記事「タクシー業の廃業等、過去最多!「自動運転化」で追い打ちか」も参照。
2030年ごろにE2E自動運転の初期サービス実装も?
こうした有人から無人へのシフトは、2030年代に大きく加速する可能性が高い。2020年代後半は、現在の延長線上でグローバル化と技術の高度化が進み、おそらく日本でも複数の自動運転タクシーサービスが展開されているものと思われる。
2030年代は、エンドツーエンドモデル(E2E)によるパラダイムシフトが起こる可能性が高そうだ。従来のルールベースモデルは、走行可能なエリアを区切ることで完成度を高めてサービスを展開する必要があり、広域展開には時間を要するほか、高精度3次元地図の整備などの手間・コストも必要になる。
ルールベースはあくまでレベル4を念頭に置いた仕様であり、ルールベースでレベル5相当の自動運転を実現するためには、すべての道路をマッピングし、すべての道路で実証を積み重ねなければならない。
しかし、E2Eモデルであれば、原則エリアを限定することなく地続きの移動サービスを実装することができる。初めて走行する場所でも応用を利かせて自律走行可能なため、レベル5仕様と言える。
高い汎用性・応用力が求められるため、このE2Eによる自動運転は非常にハードルが高く、少し前までその実現は不可能、あるいは2040年代以降と言われていた。しかし、近年の飛躍的なAI技術の進化により先が見え始めており、2030年代に実現する可能性が出てきた。
おそらく、いきなりレベル5実現とはならないはずだ。高精度3次元地図など他技術を併用したシステムや、99%安全に自律走行可能なものの詰めの甘さが一部残ったようなE2E自動運転がまず実用化されるものと思われる。E2Eではあるもののレベル5ではなく、レベル4.5、あるいはレベル4+のような形で何らかの条件を付し、社会実装を早める手法だ。
こうしたシステムが2030年前後に実用化される可能性がある。その後、精度を高めて晴れてレベル5へ……といった流れだ。
レベル4+とはいえ、Waymoのレベル4水準に汎用性が加わった技術……と考えれば、猛烈な勢いで普及する未来を想像するのは難くない。そのころには、世界各地で自動運転タクシーのスタンダード化が一気に進む。
自動運転タクシーのシェアは右肩上がりに伸び、有人タクシーのシェアをどんどん侵食していく。「解雇」は言い過ぎだが、そのころにはドライバーの新規採用を停止する動きが出てくるものと思われる。
重い荷物の積み下ろしや高齢者対応など、有人ならではのサービスはしばらく残るかもしれないが、全体から見ればわずかだ。「おもてなし」を体現できる現在の正規ドライバーが退職期を迎えれば、完全なる無人タクシーの時代が訪れることになりそうだ。
■【まとめ】オペレータやメンテナンス系需要にも注目
タクシードライバーという職業は将来なくなるかもしれないが、代わってオペレータやメンテナンス系の需要が伸びる。
開発事業者が多エリア展開する際、その都度日常的な管理・メンテナンス人材を直営で用意するのは無駄が生じる。Waymoも専門他社と手を組み、メンテナンスなどを委託している。Uberも配車サービスに付加する形でこうした業務をサービス化・ソリューション化している。
タクシー事業者は、こうしたサービスで雇用を守りつつ新規事業化を進める――というのも一手だろう。
【参考】関連記事としては「自動運転タクシーとは?アメリカ・日本・中国の開発状況は?」も参照。













