怪現象!タクシーを自動運転化したのに「運賃が上がる」

2025年6月の10大ニュース

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米国内の調査で、Waymo自動運転タクシーがUber Technologiesなどのライドシェアサービスより割高であることが判明したようだ。約3割高額という。無人化技術にもかかわらず、ユーザーは金銭面で恩恵を受けることができない状況のようだ。

開発コストに伴う運賃体系と思われるが、Waymoにとっても歯がゆい状況かもしれない。運賃を引き下げられる日はいつ訪れるのか、興味深いところだ。

折り返しとなる2025年6月の10大ニュースを一つずつ振り返っていこう。

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■トヨタが「車両連動型の信号機」開発!通信で「青」を強制(2025年6月7日付)

Woven Cityでは、すでにe-Paletteを用いた走行実証が始まっているようだ。同シティにはすでに車道や信号機などが設置されており、この信号機とe-Paletteの連携実証が行われているようだ。

トヨタイムズが公開した動画には、左折して信号付近にe-Paletteが近づくと、信号が赤から青に変わり、e-Paletteが減速することなくスムーズに交差点を通り抜ける様子が映し出されている。

一見するとたまたま信号が変わっただけのようにも感じられるが、車両が通行する時にだけ赤に変わる仕様になっているという。自動運転車を優先する形のV2I実証のようだ。

信号制御に影響を与えるかどうかはともかく、V2I通信でリアルタイムの信号情報を取得したいと考えている開発事業者は少なくない。センサーからの情報に依存することなく確実に信号情報を得ることができるほか、事前に情報を得ることで交差点付近の走行をスムーズに行うことができるためだ。

今のところWoven City関連情報は小出しだが、第1期オープンが予定される今秋以降、どのような取り組みが本格化していくのか。要注目だ。

トヨタが「車両連動型の信号機」開発!通信で「青」を強制

■【関係者必読】自動運転WG「中間とりまとめ」の要点解説(2025年6月10日付)

自動運転ワーキンググループがこのほど、中間とりまとめを発表した。自動運転サービスにおける管理受委託の運用方法やるプラットフォーマーに対する規律の在り方、認証基準の具体化、事故原因究明、被害補償など、多岐に渡る論点を整理している。

自動運転タクシーを特に意識した内容だ。タクシー事業者が自動運転タクシーを導入する場合、その運行管理には専門知識が必須となる。この専門知識を有する者が運行管理を受託する場合のルールや、配車プラットフォーマーの規律の在り方などについて方向性が示されている。

事故調査の在り方など含め、より実務に沿った規制を具体化していくフェーズに入った印象だ。自動運転モビリティは、今後も想定を超える利用形態が登場する可能性が高い。随時改善可能な柔軟な制度設計が求められることになりそうだ。

【関係者必読】自動運転WG「中間とりまとめ」の要点解説

■日本で「缶ビール」の自動運転配送が始まる(2025年6月12日付)

自動運転トラック開発を進めるT2が、酒類・飲料事業者のアサヒ、キリン、サッポロ、サントリー各社の物流子会社と高速道路における実証に着手した。

T2は2024年から荷主サイドとの実証を強化している。肝心の自動運転システムも、2025年6月に神奈川県綾瀬市から兵庫県神戸市までの高速道路区間約500キロを自動運転率99%で走破したという。

同社はまず2025年7月からレベル2トラックによる幹線輸送を事業化する方針で、その後2027年にレベル4自動運転トラックによる幹線輸送の開始を目指すとしている。

高速道路における自動運転トラックは、ティアフォーなども開発を進めている。ティアフォーはdriveblocksやPlusと提携するなどさらなる新技術の習得も進めている。長距離物流の変革が目前に迫ってきた印象だ。

【参考】詳しくは「日本で「缶ビール」の自動運転配送が始まる」を参照。

日本で「缶ビール」の自動運転配送が始まる

■Googleのロボタクシー、人間のような「せっかち」な挙動(2025年6月14日付)

Waymoの自動運転タクシーが、「人間っぽさ」を見せ始めているようだ。横断歩道で歩行者をやり過ごす際、歩行者が横断歩道を渡りきる前にじわじわと前進し始めたという。

状況によっては歩行者にプレッシャーを与える行為になる得るが、おそらく歩行者の動きに合わせてタイミングを計っていたものと思われる。急発進することなくスムーズに走行するための挙動だ。

筆者が以前見た動画では、左折待ち(日本でいう右折待ち)の際、一度停車した後、直進車の動きに合わせてゆっくりと動き出し、直進車が通り過ぎたタイミングでスムーズに左折を開始していた。まさに人間のドライバーのような動きだ。

おそらくだが、WaymoのAIは基本的な安全走行手法は一通りマスターし、その次の段階としてより円滑な人間らしい運転操作を学び始めているのだろう。

新エリアで自動運転タクシーサービスをローンチする速度も速まっており、明らかにWaymoのシステムは進化を遂げている。日本でのサービスインも思いのほか早く実現し、日本国民をあっと言わせることになるのかもしれない。

Googleのロボタクシー、人間のような「せっかち」な挙動

■テスラ、機能アップデートは「年平均247回」と判明(2025年6月16日付)

テスラが、年平均247回に上るソフトウェアアップデートを実施していることが経済産業省の資料から判明した。2020~2024年の5年間で実に1237回のアップデートを行っていた。グーグルやマイクロソフトもびっくりの数字だ。

アップデートにより機能向上や修正を重ねているわけだが、1週間に平均4.7回のアップデートが通知されるオーナー側にとっては「おいおい」……となる数字ではないだろうか。

地道に機能向上を図っているテスラだが、気になるのはFSDがいつ自動運転化を果たすかだ。マスク氏によれば限りなく自動運転に近づいているようだが、いまだ重大事案が散見されるのも事実だ。いつ車線をはみ出すか、踏切に突っ込むかわからない状態では、安心して車両制御を委ねられない。

レベル2+としては非常に優秀だが、これを自動運転化するためのハードルは高い。ロボタクシー事業の動向とともに、一般車両向けのFSDが今後どのように進化していくのか、必見だ。

テスラ、機能アップデートは「年平均247回」と判明

■日本政府、なんと公用車に「自動運転車」採用へ(2025年6月17日付)

経済産業者が今秋、国会周辺を回る公用車「国会定期便」に自動運転車を導入する。スタートアップ支援の意を込めつつ、自動運転サービス実用化を加速する狙いだ。

計画では、経産省が面する国会通りを走行し、国会議事堂の周囲をぐるっと回って戻る約2.5キロの周回ルートを予定している。

国に限らず、自治体においても本庁舎と支所間など特定ルートを走行する公用車は一定数存在する。こうした移動への自動運転導入を促進し、初期需要を喚起していく方針だ。

現在、自動運転サービスの中心は自動運転バスとなっているが、こうした公用車の方がハードルは低く、実用化しやすい。費用対効果を出しにくいデメリットもあるが、自動運転業界としてはプラスに働くことは間違いない。

まず経産省の事業をどの事業者が勝ち取るのか。公募の行方に注目したい。

【参考】詳しくは「日本政府、なんと公用車に「自動運転車」採用へ」を参照。

日本政府、なんと公用車に「自動運転車」採用へ

■NVIDIAが「自動運転セット」を正式発表! CEOが「新時代の到来」宣言(2025年6月18日付)

NVIDIAが、フルスタック自動運転車ソフトウェアとなるNVIDIA DRIVE AVソフトウェア プラットフォームを発表した。NVIDIA DRIVE のモジュール型で柔軟なアプローチにより、スタック全体またはサブセットの導入など、個々のニーズに合わせて拡張可能という。

従来のモジュール型アプローチではなく、生成AIとエンドツーエンドのモデルアプローチを採用することで、より汎用的な自動運転開発を進めることができるようだ。

エンドツーエンドのモデルは、移動におけるスタート地点から目的地までの柔軟な自律走行を可能にする。レベル5に近づくためのモデルと言える。

これまで、自動運転開発事業者の多くは特定エリア内や特定ルートにおけるレベル4に特化した開発を進めており、エンドツーエンドモデルの開発はテスラなどごく一部に限られていた。しかし近年、後者の開発を進める事業者が台頭し始めている。

本格実用化に時間を要するものの、エンドツーエンドモデルは自動運転システムの飛躍的な進化につながる。NVIDIAをはじめ、こうした開発動向に引き続き注目したい。

NVIDIAが「自動運転セット」を正式発表! CEOが「新時代の到来」宣言

■テスラの自動運転機能、子供のマネキンを吹っ飛ばす(2025年6月18日付)

ソフトウェアの信頼性やセキュリティ向上を掲げる活動家グループが、テスラのADAS「FSD」の性能を試す実験を行ったようだ。結果として、テスラ車は子どもを模したマネキンをはね飛ばしてしまった。

実験は、路上駐車車両の陰から急に飛び出すマネキンに対し、車両が安全を確保できるかどうかを試す内容だ。ただ、動画を見てもらえばわかるが、やり方が乱暴というか、さすがにシビア過ぎる。マネキンが、当たり屋のようなタイミングで出現するのだ。

マネキンがちらっと見えた瞬間に即座に急ブレーキを踏んでも、手前で止まることができるかどうか微妙なタイミングなのだ。さすがにこれは酷ではないだろうか。注意深い人間のドライバーでも、見通しの悪さから速度を落として走行していない限り大半の人が衝突するレベルと思われる。

ただ、この実験はアレだが、このように各社の車両のADASや自動運転性能を試す取り組みは有用だ。世に出回る情報の大半は、各社が自前のシステムの性能を誇示するもので、客観性に乏しい。第三者が公平なスタンスで実施する実験は非常に有用で、今後もさまざまな取り組みが続くものと思われる。

テスラの自動運転機能、子供のマネキンを吹っ飛ばす

■Googleのロボタクシー運賃、「無人」なのに31%割高 Uberと比較(2025年6月20日付)

ライドシェアサービス料金の比較アプリなどを開発するObiの調査によると、Waymoの運賃はLyftより41.5%、Uberより31.1%高いという。現状、無人の自動運転タクシーの方がライドシェアより割高なようだ。

同じ時間帯、同じルートで料金を比較した結果、Lyftの平均運賃は14.44ドルで、Uberが15.58ドル、Waymoは20.43ドルだった。1キロ当たりでは、Lyft7.99ドル、Uber8.36ドル、Waymo11.22ドルだ。

ドライバーレスの自動運転は、安全性向上とともに人件費削減に伴う低料金化にも期待が寄せられているが、サービス初期においてはまだまだコストが高く、運賃を低下させるどころか逆に高めに設定せざるを得ないのかもしれない。

ただ、それでもWaymoは週20万回のライドを達成するなど好評を得ている。ドライバーの技能や性格など個人差に左右されず一定の運転を担保する点や、車内無人で気を使う必要がない点などが支持を得ているのかもしれない。

いずれにしろ、運賃面でメリットが出る日はいつごろ訪れるのか。気になるところだ。

Googleのロボタクシー運賃、「無人」なのに31%割高 Uberと比較

■大阪メトロ、自動運転で「24時間バス」運行へ(2025年6月21日付)

大阪メトロは、10年後に目指す姿として自動運転バスの24時間運行を見据えているようだ。24時間いつでもどこでも乗車できる運行サービスの提供を目指すという。

同社は、中期経営計画(2018~2025年度)でAIオンデマンドバスや自動運転など世界最高水準のテクノロジーを積極的に導入し、圧倒的に便利な移動手段を確立する交通革命に挑戦することを掲げている。

2019年度ごろから閉鎖空間における自動運転バス実証に着手し、マイルストーンの一つにとなる大阪・関西万博では一部でレベル4運行を実現した。

森之宮でも実証を行っており、万博後は、大阪市内のフィールドを活用して実証継続するとともに、南河内地域などへの実装を進めていく方針だ。

鉄道の自動運転化や空飛ぶクルマ実用化などとともに、大阪エリア一帯における交通がどのように変わっていくのか、要注目だ。

【参考】詳しくは「大阪メトロ、自動運転で「24時間バス」運行へ」を参照。

大阪メトロ、自動運転で「24時間バス」運行へ

■【まとめ】Waymoの新たなライバル登場なるか

海外では、限定的ながらもテスラが自動運転タクシー事業を開始し、新たな局面を迎えようとしている。Zooxなど他社含め、先行するWaymoの新たなライバルとなり得る水準まで技術を向上させることができるのか必見だ。

国内では、自動運転トラック関連の取り組みが熱気を帯びているようだ。自動運転サービス支援道関連の取り組みとして、引き続き動向に注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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