自動運転車が「せっかち」「いらだち」といった人間の運転のような振る舞いを見せており、米国で話題になっている。
2018年に世界で初めて自動運転タクシー(ロボタクシー)を商用化したGoogle系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)。同社の自動運転車について初期から研究している米国の研究者がWaymoのロボタクシーに乗車していた際、歩行者が横断歩道を渡りきる前に、じわじわと前に進み始めたことに気づいたという。
少し早めのタイミングでブレーキを緩め車をゆっくり前進させ始めることは、人間の運転であれば「いらだちの表れ」とも言える行動だ。自動運転車が進化し、これまでは見られなかった人間的な反応をし始めているということなのだろうか。
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■人が横断歩道を渡りきる前に…

サンフランシスコ大学の工学教授であるWilliam Riggs氏は、サンフランシスコで地元の新聞社の記者と一緒にWaymoのロボタクシーに乗車していた。Waymo車は横断歩道の手前で歩行者を感知し停車した。その後、歩行者が横断歩道を渡り切る前に、ゆっくりではあるが動き始めていたことに気づいたという。
このような動きは、人間のドライバーがハンドルを握る際に見せている行動と似ている。クルマが前進するべきタイミングを予想し、その少し前にブレーキペダルから足を離せば、オートマ車であれば、じわりじわりと前に進む、これは人間が感じる焦りやいらだちの感覚である。
しかし自動運転車の最大の長所は、人間が起こすようなケアレスミスを決してしないということだ。実際、Waymoのロボタクシーは道路交通法を厳格に守ることで知られており、それが周囲の運転手を苛立たせていることもある。
歩行者の歩みの遅さにいらだちを見せているとも受け取れるような今回のWaymo車の動きは、慎重さを最優先し、人為的ミスを排除することで人間の運転手より高い安全性を誇る自動運転車としては、奇妙な現象だと言える。Riggs教授は、Waymoの自動運転車が最近、以前に比べてより多くの出来事を予測し、かつ積極的に主張することができるようになってきたと分析している。
【参考】関連記事としては「Googleの自動運転車に「3つ目の脆弱性」 1,200台のリコール」も参照。
■Waymoも事実を認める
Waymoでプロダクトマネジメントディレクターを務めるDavid Margines氏は、同社の自動運転車を訓練するために車を運転する人間の専門家は、別々の目標を両立させなければならなかったと米メディアに語っている。Waymoが全ての交通法規を遵守することと、同時に顧客を合理的な時間内に目的地へ運ぶこと、の2つだ。
Margines氏は、それが一種の「トレードオフ(安全性との引き換え)」かもしれないと想像していた。しかし、実際は全く違ったようだ。
つまり、「積極的なドライバー」であるということは、より予測可能であり、周囲の環境になじみ、他の人間のドライバーが取るような行動を取るということである。その結果として、より「人間らしい」運転スタイルが生まれているのだという。
その例として、Margines氏は次のような場面を紹介した。あるWaymo車が交差点を通過して、優先車線に合流しようとしていた。その際に別の車が突然Waymoの進路に割り込んできた。Waymo車はブレーキを踏んで衝突を回避しつつ、クラクションを鳴らして相手の運転手に不快感を示した。
クラクションを使うという行為も、人間のような振る舞いの1つだ。それを実行できるWaymoのロボタクシーも高レベルの知能を有していると言える。
■人間的な仕草は善か悪か?
自動運転車が道路上で人間のドライバーのような行動をすることは、その自動運転車に備わっている知能がさらに向上している証であるという意見もある。しかし、人間の感情やフラストレーションによる良くない判断までもを模倣し始めているのではないかという懸念も出てきている。
人間の運転のようなスムーズで臨機応変な動きは時には必要ではあるが、自動運転車ならではの精密さや冷静さをなくすことのないよう、良いバランスで進化していってほしい。
【参考】関連記事としては「Google/Waymoの自動運転戦略まとめ ロボタクシーの展開状況は?」も参照。