【2024/10の10大ニュース】Appleが自動運転開発を終了。一方トヨタは「ほぼ自動運転!」と話題に

進化著しいレベル2、自動運転に近づく

B!

アップルが10年間秘密裏に進めてきた自動運転プロジェクトが正式に幕を下ろしたようだ。アップルブランドの自動運転サービスへの期待は高かっただけに残念でならない。一方、テスラはロボタクシー発表会を開催し、同社が見据える未来のモビリティを提示した。

国内では自動運転に関する話題が乏しかったが、代わりにレベル2関連のトピックが出てきた。同分野で大人しめのトヨタだが、そのクオリティを称賛する声は多いようだ。

2024年10月の10大ニュースを一つずつ振り返っていこう。

編集部おすすめサービス<PR>
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリなら「GO」(配車アプリ)
クーポン超充実!「実質無料」のチャンスも!
新車が月5,500円〜!ニコノリ(車のカーリース)
維持費コミコミ!頭金は0円でOK!
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
編集部おすすめサービス<PR>
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリ GO
クーポンが充実!「乗車無料」のチャンス
ニコノリ
新車が月5,500円〜!頭金0円でOK!
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!

■石破首相、自動運転技術の「防衛分野への転用」加速か ティアフォーに恩恵も(2024年10月3日付)

石破新政権が誕生し、自動運転に関する政府の取り組みはどのように変わっていくのか。そういった主旨の記事だ。政権そのものが揺らぎつつあるがそれは置いておき、石破総理ならではの自動運転技術の生かし方について考察している。

石破総理は防衛庁長官、防衛大臣を歴任した国防族として知られる。軍事強化の是非は別として、陸海空の無人機技術はその後の応用も考慮すれば生きたものとなる。例えば、オフロードにおける無人走行技術は災害時に大きく貢献するはずだ。そもそも、災害対応に重きを置いた施策として研究開発を進めれば反対も起きないだろう。

既定路線の施策をしっかり踏襲しつつ、石破総理ならではの色を付けて自動運転開発を進めてくれれば、開発企業のすそ野も広がっていく。選挙の結果次第ではそれどころではないかもしれないが、未来を見据えた自動運転施策をぜひお願いしたい。

石破首相、自動運転技術の「防衛分野への転用」加速か ティアフォーに恩恵も

■ライドシェア求人、「前月比220%増」と驚異的伸び!参入業者の増加で(2024年10月4日付)

主要転職サイトにおける2024年9月末時点のライドシェア関連求人案件が前月比200%超の伸びを見せているようだ。

自家用車活用事業、通称日本版ライドシェアを導入するエリアが増えており、それに伴ってドライバー求人も増加しているものと思われる。

今後の焦点は、同事業の利便性を高めることで交通課題の解決を図っていくのか、あるいは本格版ライドシェアの道を開くのか……だ。双方とも並行して議論が進められており、結末を読み切れない状況が続いている。

石破総理は今のところライドシェアに特段の関心を示しておらず、また政権の行方も混とんとしてきた。兎にも角にも規制改革推進会議における議論を見守るばかりだ。

ライドシェア求人、「前月比220%増」と驚異的伸び!参入業者の増加で

■ソフトバンクG、NVIDIA株を「高値で再保有」か 11月13日の対談で発表も(2024年10月7日付)

11月に開催されるNVIDIAのAI系イベントにソフトバンクグループの孫正義会長が参加し、ジェンスン・フアンCEOと対談するようだ。

孫氏にとってNVIDIAは、恐らく想定外と言えるほどの望外な成長を遂げた企業の一つだろう。ソフトバクグループはもともとNVIDIAに投資しており、しっかりと売却益を出したもののその後爆発的に株価を挙げている。タラレバ論だが、売却するタイミングが悪かった。

また、これもタラレバ論だが、Arm売却契約が成立していればNVIDIA株の取得により単純計算で約5,300億ドル(約78兆円)を手にすることができた。対するArmの時価総額は1,436億ドル(約21兆円)ほどだ。

もちろん、Armは毎年利益を生み出し、ポテンシャルもまだまだ残されている。最終的にどちらが良かったかは結果論に過ぎないが、「投資事業」としてみれば……といった感じだ。

イベントで孫氏は何を語るのか。また、NVIDIAへの再投資は考えているのかなど、興味深いところだ。

ソフトバンクG、NVIDIA株を「高値で再保有」か 11月13日の対談で発表も

■Googleの無人タクシー、男2人組が女性客を「窓越しにナンパ」 ”運転手不在”につけこむ(2024年10月11日付)

Waymoの無人自動運転タクシーに乗車中の女性が、窓越しにナンパされる事案が発生したようだ。2人組のナンパ師は車両の前に立ちはだかったため身動きが取れず、女性は恐怖を感じたようだ。

これがただのナンパであれば「迷惑行為」くらいの認識で済んだかもしれないが、無人の自動運転車両特有の問題をはらんでいる点がポイントだ。

仮に無人車両に乗車中、何らかのトラブルに巻き込まれた場合、逃げるに逃げられないのだ。車両を強制的に停止させることは悪い意味でも簡単で、有事の際に対応可能なドライバーが車内にいない。オペレーターに助けを求めても現状把握に時間を要し、対応に遅れが生じる可能性が高い。

緊急通報ボタンなどを搭載しているかもしれないが、今回のような中途半端なナンパに対し押して良いものか迷うこともありそうだ。

なお、今回の件でWaymoは車内サポートを迅速に行うなど対応しており、女性はこの対応を評価している。

Googleの無人タクシー、男2人組が女性客を「窓越しにナンパ」 ”運転手不在”につけこむ

■トヨタ出資のUber、コンプラ違反か?「ロシア系」配送ロボを採用(2024年10月12日付)

米Uber Technologiesが、自動運転タクシーなどの開発を手掛ける米スタートアップAvrideと複数年にわたる戦略的パートナシップを結んだ。同社の前身はロシア企業のため、一抹の不安を拭いきれない関係が続きそうだ。

Avrideは、ロシアのグーグルと言われるYandexの自動運転開発子会社「Yandex SDG」を前身としている。Yandexはもともとグローバルな活動を行っていたが、ウクライナとの紛争を契機に親ロシア系投資家グループが2024年に買収したため、これに伴いYandex SDGはロシアを離れ、米国を拠点に再出発を図っているようだ。

ロシア国内などではすでに無人走行を実現しており、雪道での走行にも強いという。技術力は本物で、場合によっては早い段階で自動運転タクシーサービス実現に達するかもしれない。その際、当局やユーザーらはどのような反応を示すのか、気になるところだ。

トヨタ出資のUber、コンプラ違反か?「ロシア系」配送ロボを採用

■トヨタ・レクサス、完成度が高すぎて「ほぼ自動運転じゃん!」と話題に(2024年10月16日付)

SNSで、レクサスNXのADASを高評価する声が多数上がっているようだ。自動運転開発競争に消極的なトヨタは、他社に比べADASの宣伝も控えめな印象でこの分野ではあまり目立たないが、やはりその技術はピカイチなようだ。

NXに搭載されているADAS「Lexus Safety System +」は、トヨタにおいて中の上レベルのADASに位置付けられる。ハンズオフは不可能だが、それに限りなく近い安定したレベル2走行を実現しているのだろう。

ハンズオフを可能にする上位版ADAS「Advanced Drive」の普及などにも期待されるところだが、やはりレベル3以降の自動運転技術の展開が気になる。

いまだ自動運転戦略を明確にしないトヨタ。社会実装を急がないスタンスが将来吉と出るか凶と出るか、何とも言えないところだ。

トヨタ・レクサス、完成度が高すぎて「ほぼ自動運転じゃん!」と話題に

■中国人、ハンドルにペットボトルを挟み、「脱法的」手放し運転(2024年10月18日付)

中国で高速道路などを走行中、運転支援システムに依存して座席に横たわったり映画を観たりする動画が公開され、物議をかもしているようだ。自動運転ではないADASを過信・誤認し、運転制御の義務を放棄してしまっているようだ。

最近の車種はハンドルから手を離した状態が続くとアラートが発されるが、こうした対策としてハンドルにウェイトを載せる手法も蔓延している。悪質な手放し運転だ。一部のメーカーはハンドルにかかるトルクの変化を読み取ることで人間の手かモノかを識別するなどさらなる対策を講じている。いたちごっこの様相だ。

実際、ハイエンドモデルなどに手放し可能なハンズオフ機能が搭載されるなど、システムの精度は非常に高まっているのも事実で、こうした技術の進歩がドライバーのモラルハザードを招いてしまうのだろう。

安全な技術は今後どんどん普及していくが、それに伴いこうした行為も増加する恐れがある。周囲を巻き込む非常に危険な事故を起こしかねないため、絶対的な対策が必要となりそうだ。

中国人、ハンドルにペットボトルを挟み、「脱法的」手放し運転

■Apple、自動運転開発を「正式に終了」 10年で数十億ドルを投資か(2024年10月18日付)

アップルの自動運転プロジェクトが正式に幕を下ろしたようだ。公道実証を重ねていたカリフォルニア州当局が同社の公道走行ライセンスを取り消した。

同州の道路管理局(DMV)は、公道走行を希望する開発企業向けにライセンスを発行し、その一覧を公表しているが、その中からアップルの名が消えた。これにより同社は自動運転車による公道走行を原則行うことができなくなる。つまり、正式な自動運転開発の終了だ。

約10年間、総額数十億ドルとも言われるプロジェクトだったが、終わるときはあっけないものだ。技術の一部はAI開発などに転用されていくものと思われるが、アップルは自動車の構造など幅広い研究を進め、さまざまな特許を申請していた。

こうした自動車特有の技術やアイデアを生かす新たな事業に着手するのか、あるいは他社に譲渡するのか。アップルが生み出した貴重なアイデアの行方にも注目したいところだ。

また、今後自動車をモバイルと捉え、新たなサービス創出を図っていくのか。こうした観点からも動向に注視したい。

Apple、自動運転開発を「正式に終了」 10年で数十億ドルを投資か

■テスラもDeNAも「愛車を他人に貸したくない心理」を軽視 Anyca終了のワケは?(2024年10月19日付)

DeNA SOMPO Mobilityが運営する個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」が2024年末をもってサービスを終了する。シェアリングサービスの一種として一時期注目を集めた個人間カーシェアだが、同業他社も軒並みサービスを停止している。

原因はさまざまだろうが、おそらく大事なマイカーを見ず知らずの他人に貸したくない……という心理が市場拡大を阻んだものと思われる。多くの場合、マイカーは持ち主の趣味嗜好に沿った形で選ばれ、資産的価値を有する特別なものだ。小傷一つ付けられるのも車内を汚されるのも嫌だろう。

持て余している社用車などに限定すれば有効活用できそうだが、収入増と管理負担を考えると何とも言えないだろう。

この問題は、近い将来テスラが直面するかもしれない。マスク氏が提案するロボタクシー構想は、自家用車を無人タクシーとして活用する自動運転ライドシェアに相当するためだ。

発想は素晴らしいが、「愛車」という概念を覆すような新たな価値観を創出しない限り、サービス拡大に難儀するのではないだろうか。

テスラもDeNAも「愛車を他人に貸したくない心理」を軽視 Anyca終了のワケは?

■日本の警察庁、Googleの自動運転タクシーを視察か 交通ルール検討へ訪米(2024年10月21日付)

自動運転タクシーの実用化に向け、警察庁が海外調査に乗り出す予定だ。米カリフォルニア州とアリゾナ州を訪問し、規制当局や運用事業者と意見交換を行う方針だ。

警察庁が所管する「令和6年度自動運転の拡大に向けた調査検討委員会」の中で海外調査研究に関する案が示された。

本年度は、自動運転車の実装に当たり開発者側が課題と認識している交通ルールに関し、自動運転車を含むすべての交通参加者の交通安全と円滑を確保する観点から、課題の有無・対応方法について論点整理を行う。

海外調査に関しては、委員から「アプリケーション上で指定できる乗降場所の運用方法や仕組みといった米国での運用実態」や「人間が運転する車両と自動運転車との間で事故統計にどの程度の乖離があるかを理解するため、自動運転車の軽微な行政法違反を把握しているのか、あるいは人身事故のみを把握しているか」といった観点、「自動運転車に対して、救急車や消防車などの運用を行う関係者がどのような認識を持っているか」など意見があったようだ。

道路交通法は抽象的な部分が多く、状況に応じて良くも悪くも解釈・運用が変わりがちだ。自動運転を契機にさまざまなユースケースのあいまいな点を精査するのも一考だろう。

日本の警察庁、Googleの自動運転タクシーを視察か 交通ルール検討へ訪米

■【まとめ】レベル2問題は日本でも……?

レベル2のモラルハザードは非常に身近な問題であり、今後多くの人が直面する問題でもある。日本でも社会問題化する前にしっかりと対策を講じ、正しい利用方法を浸透させなければならない。

テスラのロボタクシー発表会は内容が薄く、プロトタイプの公表に留まった印象が強い。同社が自動運転を実装するには、これまでとは異なるアプローチで規制当局と向き合わなければならない。マスク氏がどのような一手を打つのか興味深いところだ。

政局が不安定感を増しているが、11月にはどのような動きが出てくるのか。引き続き注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事