配車サービス大手の米Uber Technologiesは、自動運転タクシーや配送ロボットの開発を手掛ける米スタートアップのAvrideと、複数年にわたる戦略的パートナシップを結んだことを、2024年10月11日までに発表した。
近々Avrideの配送ロボット用いて米国内でUber Eatsによるフードデリバリーサービスを開始するという。Avrideはかつて「ロシアのGoogle」と呼ばれていたロシアのIT大手Yandex(ヤンデックス)の自動運転部門が、名前を変えて米国で再出発した注目企業だ。
ロシアがウクライナ侵攻などで世界的に批判を受ける中、今回のロシア系企業とのパートナーシップ締結に関して、コンプライアンス(法令遵守)の観点から問題視される可能性もありそうだ。
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■UberとAvrideの提携内容の概要
UberとAvrideは今後数週間以内に、テキサス州オースティンでUber Eatsの自動配送ロボットによるサービスを開始する。その後、同州ダラスとニュージャージー州ジャージー・シティにも拡大する予定だ。また2025年中には、UberアプリでダラスにおいてAvrideの自動運転車が配車できるようにすることも目指している。
サービス開始後には、ユーザーがUber EatsやUberのアプリで対象となるデリバリーや配車を依頼すると、Avrideのデリバリーロボットや自動運転車が選択できるようになるという。
今回の提携についてUberのCEO(最高経営責任者)であるダラ・コスロシャヒ氏は、「自動運転のモビリティと配達は、消費者と地域社会にとって大きな可能性を秘めている。私たちはAvrideと提携して、そのテクノロジーをより多くの場所・人に提供できることを嬉しく思う」とコメントしている。
またAvride CEOのDmitry Polishchuk氏は、「Uberと提携することで事業を拡大し、ユーザーと加盟店の両方のデリバリー体験をさらに向上させるために協力できることを嬉しく思っている」と述べた。さらに「2025年にUber Eatsのサービスで稼働するAvrideの配送ロボットを数百台に拡大し、その後ロボタクシーサービスを開始する予定だ」と意欲を見せている。
▼Avride and Uber Announce Autonomous Delivery and Mobility Partnership
https://medium.com/avride/avride-and-uber-announce-autonomous-delivery-and-mobility-partnership-505453ad13f5
■Uberの協業先は他にどんな企業が?
Uberはかつて、「Uber Advanced Technologies Group(ATG)」という部門において自動運転の自社開発を行っていた。しかし2020年2月にATGを米Aurora Innovationに売却し、自社開発を断念したという経緯がある。
ただしその後は、米Google系の自動運転開発Waymoなどの開発各社とパートナーシップを結び、Uberアプリを通じてWaymoの自動運転タクシーの配車をスタートさせている。Uber Eatsアプリを通じて自動運転車でフードデリバリーを行うといった計画も発表している。
また2024年8月には、米GM傘下のCruiseとの提携を発表した。展開エリアは未発表であるものの、2025年からUberユーザーは自動運転タクシーを配車できるようになるという。さらに同じく8月に、英Wayveとも戦略的提携を行っている。Wayveはソフトバンクが出資する注目のAI(人工知能)スタートアップだ。
Uberは2024年後半に、中東のUAE(アラブ首長国連邦)でも自動運転タクシーサービスを導入する。UAEでの事業においてタッグを組むのは、中国の自動運転ベンチャーWeRideだ。これがUberによる自動運転サービスの初の海外展開となる。
■トヨタとの関係性の進展についても注目
ちなみにトヨタはUberに出資をしており、Uberとトヨタの関係性の進展についても注目が集まっている。引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「トヨタ出資のUber、米国&中東で「自動運転車も呼べるアプリ」化」も参照。