【最新版】自動運転車の実現はいつから?世界・日本の主要メーカーの展望に迫る

タクシー部門、ウェイモに続くのはどこ?





自動運転車が夢物語から現実のものになり始めた昨今。世界各地で実証が進み、ウェイモの自動運転タクシーを皮切りに実用化も加速し始めている印象だ。果たして、次のビッグニュースはどのメーカーになるのか。







そこで今回は、日本国内の自動車メーカーをはじめ、世界のメーカーがどのようなロードマップを描いているのかをまとめるとともに、関連サービスや関連市場の動向も追ってみた。

記事の目次

■自動車メーカーや参入企業の計画
【日本】トヨタ:2020年の東京五輪でレベル4車両披露へ

トヨタ自動車は2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、自動運転レベル4の自動運転車を披露することを発表しているほか、自動車専用道路において自動運転レベル3相当を可能にする「Highway Teammate」の実現も2020年を目標に掲げている。

2020年代前半には、一般道路での自動運転を可能にする「Urban Teammate」の実現を目指すこととしており、「ショーファー(自動運転)」と「ガーディアン(高度安全運転支援)」という独自のアプローチ方法により、自動運転システムの技術開発を進めている。

日本国内市場向けの自動運転システムを自前で用意するのかにも注目が集まる一方、グローバル戦略においては最近さまざまな動きが目立ちはじめ、こちらも目が離せない状況が続く。

例えば中国に関しては、ネット検索大手・百度が主導する「アポロ計画」にトヨタが参画したことが2019年7月に報じられており、中国市場を意識した技術開発の環境を一層整えつつある。ウーバーとライドシェア車両向けの自動運転技術を共同開発していることにも注目したい。

【日本】ホンダ:レベル4の高度運転自動化を2025年に確立

ホンダは2020年を目標に高速道路における自動運転技術を実現し、その後一般道に拡大してより広いエリアで使えるようにしていく。高速道路における自動運転については、ドライバーの指示なしで複数車線の自動走行を可能とする自動車線変更機能や、渋滞時にドライバーが周辺監視を行う必要がない自動運転の実用化を目指すこととしている。

パーソナルカーユースに向けた自動運転レベル4については、2025年ごろをめどに技術的な確立を目指すこととしている。

【参考】ホンダの自動運転戦略については「ホンダの自動運転・ADAS戦略とは? ホンダセンシング標準装備化」も参照。

【日本】日産:2020年に一般道路でレベル3達成を視野に

日産は2018年に高速道路における複数レーンで車線変更を自動的に行う自動運転技術を目指していたが、2019年秋に市場投入予定のスカイラインに搭載される「プロパイロット2.0」がこれに近い技術のようだ。

プロパイロット2.0は、高速道路の複数車線で追い越しや分岐なども含めシステムがルート上にある高速道路の出口まで走行を支援するほか、一定条件下で同一車線内におけるハンズオフ運転も可能になるという。

一般道においては、2020年までに同様の自動運転技術を投入する予定としている。

【参考】日産の自動運転戦略については「日産の自動運転戦略や技術まとめ EV、コネクテッド化も柱」も参照。

【日本】日野:VWグループと提携、2025年以降完全自動運転実現へ

全車速車間距離維持支援システム(ACC)や通信によって前走車の加減速情報を受信する協調型車間距離維持支援システム(CACC)、車線維持走行支援(LKA)などのADAS開発を進める日野。

2018年4月には、独フォルクスワーゲン(VW)グループのバス・トラック部門と戦略的協力関係の構築に向けた合意を交わしており、開発を加速している。

社会のニーズや法規制を含む社会インフラ、社会受容性、技術の成熟度を鑑み、社会の役に立つ技術を段階的に実用していく方針で、2025年以降の完全自動運転を目指し技術開発を推進している。

【日本】いすゞ:日野と技術提携、路車間通信や加減速支援を順次実用化

いすゞは2016年5月、自動運転システムの早期実用化に向け、ベース技術となるITSシステムや高度運転支援技術を「協調領域」と位置付け、日野自動車と共同で開発を進めることに合意。この合意に基づき開発を進めてきた視界支援、路車間通信、加減速支援、プラットホーム正着制御の4つの技術を2018年度以降順次実用化していく方針を打ち出している。

自動運転に関する具体的なロードマップは公表していないようだが、2021年3月期までの中期経営計画の中で、先進技術開発の加速を重要課題に掲げ、隊列走行や自動運転、コネクテッド、EVなどを重点技術開発領域に挙げており、次世代型の自動運転トラック開発に米半導体メーカー・エヌビディアの「NVIDIA DRIVE」を導入することなども決めている。

【ドイツ】BMW:2021年にレベル3.5、2020年代半ばにレベル4実現へ

自動運転レベル3.5相当と言われるEVモデル「BMW iNext」の生産・実用化を2021年にも開始する予定のBMW。2018年4月に自動運転実現に向けた新たな研究センターをドイツ国内に開設したほか、2019年3月には独ダイムラーとの協業も発表しており、開発を一層加速させていく構えだ。

ダイムラーとの協業では、自動運転レベル4相当の自動運転車を2020年半ばにも実用化する方針を打ち出している。

【参考】BMWの自動運転戦略については「BMWの自動運転技術や戦略は? ADAS搭載車種や価格も紹介」も参照。

【ドイツ】フォルクスワーゲン(VW):2020年ごろに自動運転EVを市場投入か

ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は電動化や自動運転、コネクティビティ、新しいモビリティサービスなどの領域に対し、2022年末までに340億ユーロ(約4兆3600億円)以上を投資することを発表している。

自動運転EVコンセプトカー4種を「ID.(アイディー)」のブランドで既に発表しており、2020年ごろから順次市場に投入していくとみられる。

【参考】フォルクスワーゲンの自動運転戦略については「VW(フォルクスワーゲン)の自動運転戦略とは? 開発の進捗やロードマップは?」も参照。

【ドイツ】メルセデスベンツ:2020年にレベル3、2020年代初めまでにレベル4実現目指す

CASE戦略をいち早く打ち出したダイムラーは、独自動車部品大手のボッシュやエヌビディア、BMWなどとの強力な連携のもと、自動運転レベル3を2020年、自動運転レベル4相当の完全自動運転車を2020年代初めまでに市場導入することを目指すとしている。

2019年には、米シリコンバレーで無人の配車サービスを試験的に開始する方針で、自動運転タクシーン早期実現も視野に入れている。

【参考】ダイムラーの自動運転戦略については「ダイムラーの自動運転戦略まとめ 計画や提携状況を解説」も参照。

【ドイツ】アウディ:レベル4商用車は2021年、市販車は2025年までに市場へ

世界に先駆けて自動運転レベル3搭載車「Audi A8」の市場投入を果たし、市場をリードするアウディは、車線変更や追い越しも可能となるより実用領域を高めたレベル3搭載車両の開発を進めている。

ただ日本国内でも既に発売されているA8では、自動運転レベル3の技術は使えない仕様となっている。A8が国内販売された2018年10月時点では、レベル3での走行が日本では公道で解禁されていなかったからだ。ただその後、日本においては改正道路交通法の成立でレベル3が解禁される見通しとなったことから、いずれは日本販売のA8でもレベル3の機能が使えるようになりそうだ。

アウディは自動運転レベル4については、商用向けを2021年から、また一般向けを2025年までに実現することを目指しており、コンセプトモデルも続々発表している。

【参考】アウディの自動運転戦略については「アウディの自動運転戦略まとめ 車種一覧やA8が備える機能」も参照。

【スウェーデン】ボルボ:2021年レベル4実用化目指す

ヨーテボリ周辺で進めている大規模な実証実験「Drive Meプロジェクト」を進めるボルボカーズは、2021年までに自動運転レベル3を飛び越し、自動運転レベル4相当の完全自動運転車の実用化を目指すこととしている。

2017年には、自動車安全部品を製造するスウェーデンのAutoliv(オートリブ)社と合弁会社「Zenuity」を設立したほか、エヌビディアとも協業し、自動運転車の先進システムとソフトウェア開発を進めている。

【参考】ボルボの自動運転戦略については「ボルボの自動運転戦略まとめ コネクテッドカーの開発状況は?トラック部門は?」も参照。

【欧米】FCA:2023~25年にレベル4実現へ ウェイモとの協業にも注目

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は2018年発表の中期経営計画で、自動運転レベル3を2020~21年、自動運転レベル4を2023~25年に実現する計画を打ち出している。ジープ、マセラティ、アルファロメオ、ラム・トラックスに関しては、2019年から2021年の間に高機能な自動運転レベル2からレベル3の実現を目指すこととしている。

また、米自動運転開発のWaymo(ウェイモ)とは、自動運転タクシー向けの車両数万台を供給する間柄にあり、FCAの一般顧客向けの車両にウェイモの自動運転技術を活用する協議も進められていることが報じられている。

【参考】FCAの自動運転戦略については「FCAの自動運転戦略まとめ ウェイモとの協業の行方は? 開発状況は?」も参照。

【アメリカ】ウェイモ:レベル4自動運転タクシー2018年に実用化 量産体制構築へ

2018年12月に自動運転タクシーの有料商用サービス「ウェイモワン」を開始したウェイモ。万一に備えドライバー同乗のもと運行しているが、車両は自動運転レベル4技術を搭載している。

ウェイモの場合、自動運転向けの車両は自前で製造しているわけではなく、FCAから供給を受けている。その車両に独自システムを搭載することで自動運転車両に仕立て上げている形だ。ウェイモはこのような改造を行う「工場」を2019年内に稼働させる計画を発表している。2019年5月には自動運転トラックの実証実験を再開する方針も発表した。

2019年6月には、日産・ルノーと無人モビリティサービスに関する独占契約を締結し、日本とフランスで無人運転の乗客・配送向けサービスの実現に向けた市場分析や共同調査を進めることとしている。

【参考】ウェイモの自動運転タクシーについては「グーグル系ウェイモの自動運転タクシー、米アリゾナ州で商用サービス開始」も参照。

【アメリカ】アップル:謎多き自動運転部門、専門分野特化に再注目

秘密裏に進めていた自動運転開発プロジェクト「Titan(タイタン)」をめぐり、さまざまな報道が飛び交うアップル。カリフォルニア州車両管理局(DMV)に登録している自動運転試験車両の多さや自動運転に関わる数々の特許など、開発そのものに大きな意欲を示しているかのように思われていた。

しかし、2019年に入ると自動運転に関わる従業員の大量レイオフが報じられた。詳細は明かされていないが、これまでの方針を転換したことに間違いはなく、コネクテッド分野をはじめ、専門分野に特化した形でかかわる可能性が強そうだ。2019年6月には自動運転スタートアップDrive.aiの買収でも話題になった。

【参考】アップルの自動運転戦略については「2019年、Appleは自動運転領域のゲームチェンジを目論むのか?」も参照。アップルのレイオフについては「アップル、自動運転部門を大幅縮小か エンジニアら190人解雇へ」も参照。

【アメリカ】GM:無人自動運転タクシー、2019年内のスタート計画を延期

先行するウェイモを追いかけるGM陣営は、2019年にも無人の自動運転タクシー事業を開始する予定だったが、安全上の懸念から開始を延期した。新たな目標は2019年7月時点では定められていない。

GM陣営の自動運転タクシー事業は、主に自動運転開発を担う子会社のGMクルーズが担っている。同社は2019年5月、GMやソフトバンク・ビジョン・ファンド、ホンダなどから11億5000万ドル(約1260億円)の追加出資を受けることを発表している。

【参考】GMの自動運転戦略については「GMと子会社クルーズの自動運転戦略を解説&まとめ 実現はいつ?」も参照。

【アメリカ】フォード:2021年に一気にレベル4クラスの自動運転車両

フォードは、自動運転レベル3を飛び越し、2021年を目標に自動運転レベル4を実用化し、ライドシェアなどの配車サービス向けに供給することを発表している。

2018年6月には、独自動車大手のVWグループと戦略的提携に向けた各書に調印し、同年10月に自動運転技術の共同開発に向け交渉を進めていることが明らかにされている。

自動車大手メーカー・グループの提携により開発力と競争力を高め、次世代モビリティ界における覇権を狙う構えだ。

【参考】フォードの自動運転戦略については「フォードの自動運転戦略まとめ 開発状況は?実現はいつから?」も参照。

【アメリカ】テスラ:2019年レベル3実用化 2020年には100万台以上のロボタクシー生産を豪語

米EV大手のテスラは、CEO(最高経営責任者)を務めるイーロン・マスク氏が2019年内にも自動運転技術を顧客に提供する準備が整う趣旨の発言をしており、自動運転レベル3相当のシステムアップデートを示唆している。

また、2019年4月には、投資家を対象にした技術説明会の中で「Robotaxi(ロボタクシー)」事業への参入にも言及しており、同氏は「2020年半ばまでに完全な自動運転車を100万台以上生産する」としている。

【参考】テスラのロボタクシー事業については「米テスラ、2020年に100万台規模で自動運転タクシー事業」も参照。

■自動運転実現で登場するサービスと実現時期
自動運転タクシー:2019~2020年に実用化加速、各社がウェイモを猛追

2018年12月のウェイモの自動運転タクシー実用化を皮切りに、2019年中にサービス開始を目指す動きが活発化している。GM・クルーズが2019年内、中国の百度も2019年後半のサービス開始を目論むほか、ドイツ勢のダイムラーとボッシュも同年中に無人配車サービスを試験的に開始する予定だ。

2020年には、テスラがロボタクシー事業参入を表明しているほか、日本国内でもロボットベンチャーのZMPとタクシー事業者の日の丸交通が実用化を目指すなど、世界各地で自動運転タクシーが産声を上げそうだ。

【参考】自動運転タクシーについては「無人タクシー・ロボットタクシーの誕生はいつ? 自動運転技術を搭載」も参照。

自動運転シャトルバス:一部路線で商用化、国内でも実証進む

シャトルバスをはじめ、短距離・一定区域内の特定路線を走行するバスは、自動運転レベル4技術を生かす格好のサービスとなる。

自動運転バスの分野では、仏スタートアップのNavya(ナビヤ)やEasyMile(イージーマイル)などフランス勢が先行しており、イージーマイルは2017年9月に混在交通下における初のシャトルバスサービスを開始している。

また、ナビヤ社の無人運転バス「NAVYA ARMA(ナビヤ・アルマ)」は、日本国内でもソフトバンク系のSBドライブが実証実験に使用するなどなじみがある。

中国の百度(バイドゥ)が開発・量産化を進める自動運転バス「Apolong(アポロン)」も完成の域に達しているとされており、こちらも注目だ。

国内では、京阪バスが自動運転バスの実証実験を進めており、早ければ2020年にも実用化する方針のようだ。

【参考】京阪バスの取り組みについては「大津市で自動運転シャトルバスの実証実験 京阪バスや日本ユニシスが実施」も参照。

自動運転トラック(隊列走行):国内無人隊列走行は2022年度以降に

物流業界で開発が進む自動運転トラック。隊列走行技術は米国の一部で実用化が始まっており、日本国内では2021年までに後続車有人システムの商業化、2022年以降をめどに無人隊列走行を実現する目標のもと、実証が進められている。

欧州では、2017年2月に「ENSEMBLE consortium」プロジェクトがスタートしており、2021年に公道においてさまざまなトラックメーカーの車両が協調する隊列走行システムの公道実証実験の実現を目指しているようだ。

自動運転パトカー:ドバイやオランダ警察などが導入に前向き 実証へ

自動運転技術をパトカーに導入する動きも徐々に表立ってきた。ドバイ警察が2018年10月、AIを搭載した自動運転の「動く無人交番」を地元イベントで披露したほか、オランダ警察も自動運転技術や遠隔運転技術を導入して犯人を逮捕するという新たな取り組みについて実証実験を行っているようだ。

【参考】オランダ警察の取り組みについては「オランダ警察、自動運転パトカー導入へ実証実験 トヨタやテスラも協力か」も参照。

自動運転移動コンビニ:RobomartやMoby Martなど試験運用進む

コンビニの無人化が世界各国で進められているが、自動運転技術を搭載した動く無人コンビニの開発も盛んに行われている。

米Robomart(ロボマート)社の「Robomart」をはじめ、スウェーデンの企業らが開発を進める「Moby Mart」など、試験運用がすでに始まっている。

国内では、トヨタ自動車が開発を進めるe-Palette(イーパレット)に注目だ。MaaS(Mobility as a Service:移動のサービス化)を見据えた多目的に活用できるコンセプトカーで、アマゾンやピザハット、ライドシェアのウーバーやディディなどがパートナーとなり、実用性の高度化を図るべく検討を重ねているようだ。

【参考】無人コンビニの取り組みについては「「無人コンビニ」の開発状況まとめ 自動運転技術で「移動式」も」も参照。

■自動運転実現と各種マーケット、影響を受けるのはいつから?
広告:自動運転契機に車両が動く広告塔に、移動時間の有効活用も

新聞やテレビをはじめ、目にしない日はない広告。近年はインターネット広告が隆盛し、デジタル化の波はまだまだ収まりそうにない。

電通の最新の調査「2018年(平成30年)日本の広告費」によると、総広告費に占める鉄道やタクシーなどの「交通」に関する媒体の広告費は2025億円で、全体の3.1%となっている。この比率が、近い将来大きく変わるかもしれない。

現在、タクシーの後部座席を活用したデジタルストレージ広告が大きな伸びを見せているが、自動運転・コネクテッド技術の進展に伴い、移動する時間を有効活用した広告媒体が活発化する可能性が高いからだ。

自動運転車が完成した場合、商用車・自家用車ともウィンドウをディスプレイとして活用できる可能性が高まり、内側・外側両方を広告スペースにすることができる。運転から解放される自家用車のドライバーはマイカーの「乗客」となり、タクシー同様、自家用車にもデジタルサイネージ広告を搭載する事業なども進展しそうだ。

また、これを契機に車両そのものを「動く広告媒体」として見直す動きも出てきそうだ。中古自動車販売などを手掛ける株式会社オートプラスが、広告シールをマイカーのリアガラスに貼る新しい交通広告サービス「マイカースポンサー(全国版)」の開始を発表するなど、すでにその兆候は始まっているようだ。

メディア(インフォテインメント):メディアコンテンツとして広がる可能性

コネクテッド技術により移動通信システムが万全になる自動運転車。運転操作が一切必要なくなり、ただただ移動する空間と化した自動運転車を活用するメディアは必ず現れる。交通分野の広告市場が活気ならなおさらだ。

現在はスマートフォンと連動したサービスが主流だが、将来的には移動に伴う位置情報と連動したサービスや、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)といった新技術を応用したサービスなどが誕生することが想定される。ウィンドウは内外ともディスプレイとなり、さまざまな映像を流すことが可能になるかもしれない。

大げさに言えば、自動運転車の外観全体をサイネージ化した車両が登場し、動くメディアとして機能し始めるかもしれない。

さまざまな可能性を秘めている自動運転。新たな広告媒体、そしてメディアコンテンツとしても要注目だ。

ソフトウェア:自動運転開発でさらに増す需要、エンジニア争奪戦も

近年、自動車業界におけるソフトウェア需要が高まり続けている。ハイブリッドやEV、通信機能、ADAS(先進運転支援システム)といった先進技術をはじめ、電子制御するシステムの増加に伴う需要だ。

事実、帝国データバンクが2019年3月に発表した最新の「トヨタ自動車グループ」下請企業調査によると、一次下請け・二次下請けともに非製造業部門の「受託開発ソフトウェア」が初めて業種別企業数で最多となっている。

また、NEDOが2016年に開催したセミナー資料によると、組み込みソフトウェアに関係する製品の市場規模は2014年の国内市場規模が796億円、世界市場規模が1兆1352億円で、2030年には世界市場が1兆9903億円に達すると予測している。分野別では、車載分野が全体の約40%と最も高く、2014年(世界市場)は4613億円、2030年予測(同)では8088億円となっている。

近年の需要増の流れを、自動運転開発がさらに助長するかのようにソフトウェアは右肩上がりを続けていく見込みで、ソフトウェア開発を手掛けるエンジニア需要もますます高まり、各所で争奪戦が繰り広げられることが予想される。

保険:テレマティクス保険が主流に

自動運転技術によって運転主体がドライバーからシステムに変わることで、従来の自動車保険も様変わりを余儀なくされる。

事故時における責任の所在が、従来のドライバーから車両の所有者や自動運転開発メーカーなどに及ぶケースが増加する。ハッキング被害やシステムの故障、所有者の管理状態など、さまざまなケースに応じて責任の所在が変わっていくことになりそうだ。

また、事故そのものの発生件数も低下するものと思われ、料金設定なども大きく変わる可能性がある。

システムの故障やソフトウェアの欠陥、ハッキング被害、所有者の管理状態などさまざまなケースに応じて責任の所在も変わっていくほか、事故そのものの発生件数が低下するものと思われ、料金設定なども大きく変わる可能性がある。

現在、保険業界はテレマティクス保険などの開発・実用化を進めており、コネクテッドサービスと連動したサービスなどが今後主流になっていきそうだ。

【参考】保険業界の動向については「三井住友海上、CASEやMaaSへの対応強化で2つの新部署」も参照。

■自動運転車に関する市場規模はいつから伸びる?

自動運転の開発に伴い、関連市場含め大きく伸びることがさまざまな調査で予測されている。

富士キメラ総研が2018年12月に発表した自動運転・AIカーの世界市場調査によると、自動運転レベル3以上の自動運転車の販売台数は2020年以降急速に伸び、2040年には4412万台、世界自動車販売台数の33.0%を占める予測が発表されている。

また、アメリカに拠点を置く市場調査会社「グランドビューリサーチ」が2018年8月に発表したレポートによると、自動運転レベル4~5の無人型自動運転車の市場規模は、2030年までに420万台に達するという。

こうした流れに連動し、コネクテッドカーやMaaS、ライドシェア、LiDARなどのセンサー類、5G、車載ディスプレイなど、さまざまな市場が増加することが見込まれている。裾野が広がり続ける有望市場ということもあり、今後も自動運転と結び付けた新たなサービスなどが市場をにぎわせることになりそうだ。

【参考】関連記事としては「AI自動運転やMaaS、ライドシェアなどの将来市場規模予測10選」も参照。

■【まとめ】2019~2020年は商用車で自動運転実用化進む 自家用車はレベル3解禁へ

自動運転タクシーや自動運転バスを皮切りに商用部門でレベル4の実用化が進み始めており、法規制の整備とともに課題も蓄積され、近年中により洗練されたサービスになっていくものと思われる。日本国内においても、商業施設内や空港サービス、特定の路線バス、過疎地などで数年以内に広がっていく見込みだ。

自家用車においては、2020年にもレベル3が解禁される見込みだ。レベル3システム稼働時の居眠り運転など世界各地で問題視される可能性も否めないが、それは現在の自動車交通が抱える問題とも同種の問題であり、それを理由に開発を遅らせてはならない。

各自動車メーカーらが円滑に目標を達成できるよう、技術開発とともに社会受容性も高まっていくことに期待したい。







関連記事