手荷物搬送×自動運転、「日本初」はJAL!ANAも負けず劣らず取り組み加速

成田国際空港で導入、運転手同乗のレベル3で運用



出典:日本航空プレスリリース

日本航空株式会社(本社:東京都品川区/代表取締役社長:赤坂祐二)=JAL=は2021年3月10日までに、日本の航空会社として初めて手荷物搬送用の自動運転トーイングトラクターを成田空港で導入することを発表した。

具体的には、成田空港第2ターミナルの本館からサテライトへの「荷さばき場」間の受託手荷物の搬送を行うという。







■国交省の実証実験事業でノウハウを蓄積

トーイングトラクターとは、乗客の手荷物や貨物などが積載された運送用コンテナを牽引するための車両だ。

JALは国土交通省による「空港制限区域内の自動走行に係る実証実験」に応募し、2019年10月から成田空港の制限区域内にて、自動運転トーイングトラクターの運用に向けた実証実験を行っていた。

この実証実験を通じて、レベル3相当(※国で言うところの「条件付運転自動化 ※限定領域」)の自動運転車両の運用に必要なノウハウの蓄積と、安全性を確保する体制が整ったことから、自動運転トーイングトラクターを本格導入するに至ったという。

実際の運用では、車両内に自動運転の状態を常時監視する運転者が乗車し、自動運転の継続が困難と判断される場合などは、手動による危険回避操作を行うようだ。

■羽田空港で「自動運転電動車椅子」の取り組みも

ちなみにJALは2019年11月に、自動運転電動車椅子を有人走行させる実証実験を羽田空港で実施するなど、多角的に自動運転に関する取り組みを進めている。取り組みは電動車イスの自動運転技術などを開発するWHILLと共同で実施したものだ。

この実証実験は、空港ターミナル内での長距離の歩行に不安を感じる人などを対象にして行われたもので、まず電動車椅子を使って希望の搭乗口まで手動操作で移動してもらい、搭乗口で乗り捨てられた電動車椅子が無人で元の場所に戻るという形態をとった。

自動運転技術を活用することで、乗り捨てられた電動車椅子を元の場所に戻す手間を省くことができ、人手不足の中でも空港ターミナル利用者の利便性を向上させることが期待される。

【参考】関連記事としては「自動運転電動車イスの有人走行、WHILLやJALが羽田空港で実証」も参照。

■ANAもJALに負けず劣らず取り組みを加速

一方、自動運転トーイングトラクターに関しては、全日本空輸(ANA)も取り組みを進めている。2020年2月に豊田自動織機と共同で、中部国際空港の制限区域内において自動運転トーイングトラクターによる荷物搬送の実証実験を行った。

この実証実験では自動運転システムによる走行制御は良好で、障害物の未検知なども起きなかったという。

また2020年9〜10月にかけては、九州佐賀国際空港の制限区域内でも実証実験を行い、実際の手荷物搬送のオペレーションで自動運転トーイングトラクターを使用した。こうした取り組みではANAも決してJALに負けず劣らずといった印象だ。

トーイングトラクターの自動走行は、国交省も実用化に向けて積極的に動いている。いずれは日本の各空港においてさまざまな航空会社が自動運転トーイングトラクターを運用するのが当たり前になる日も、そう遠い時期ではなさそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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