【日本版】自動運転開発を手掛ける主要企業・会社総まとめ 自動車メーカーからベンチャー・スタートアップまで、LiDARやカメラ開発も

AI開発やソフトウェア開発企業も


クルマ本体をはじめAI(人工知能)技術や各種センサー、高精度地図情報、通信技術などさまざまな分野が結集して初めて完成する自動運転車。自動運転にマッチした新たなサービスを模索する動きも多くみられる。







自動車メーカーや部品メーカーをはじめ、電機メーカーなども持ち前の技術開発力を生かして自動運転分野で事業拡大を図る動きが目立っている。AI技術や新たなサービスなど柔軟な発想に基づいたベンチャーや大学の参入も相次いでおり、今後も裾野は広がっていくものと思われる。

多種多様な分野で自動運転の開発に関わる日本の企業40社をピックアップしてみた。

記事の目次

■完成車メーカー
トヨタ自動車:東京五輪でレベル4車両をデモンストレーション

スポンサー契約を結ぶ五輪に合わせて自動運転レベル4(高度運転自動化)の実証実験などを行う予定。また、自動車専用道路における自動運転レベル3(条件付き運転自動化)相当のシステム実用化を2020年、一般道路では2020年代前半の実現を目標に掲げている。

ホンダ:2025年にレベル4実現目指す

ミリ波レーダーと単眼カメラ、コントロールユニットで構成された安全運転支援システム「Honda SENSING」搭載車は、米国で累計販売台数が100万台を突破。搭載車種も増加中だ。2020年に高速道路での自動運転技術の実現、2025年ごろにパーソナルユースに向けたレベル4の自動運転技術の確立を目指している。

日産自動車:レベル3の新型プロパイロット 2020年実用化へ

2016年に独自の自動運転技術「プロパイロット」を実用化した。中期計画「日産M.O.V.E to 2022」によると、搭載車両を2022年度末までに20市場20車種に拡大していく方針で、自動運転レベル3の技術を搭載した「プロパイロット3.0」の実用化を2020年をめどに目指している。

スバル:自動化ありきではなく誰もが安全に楽しめる技術開発を推進

早くから運転支援システム「EyeSight」を市場に導入してきたSUBARU。中期経営ビジョンによると、高価な無人運転車ではなく、誰でも運転を楽しむことができるアフォーダブル(手頃)な自動運転技術の開発を方針とし、2020年に高速道路における自動運転レベル2(部分運転自動化)、2024年に自動駐車なども可能なレベル4相当のシステム確立を目指す。

マツダ:i-ACTIVSENSE標準装備化 2020年に実証実験開始へ

先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」の標準装備化を推進し、既に標準装備化を始めた日本に加え、2018年以降グローバルにも拡大している。人間中心の自動運転コンセプト「Mazda Co-Pilot Concept(マツダ・コ・パイロット・コンセプト)」に基づいて開発を進めている自動運転技術の実証実験を2020年に開始し、2025年までに標準装備化を目指す。

■サプライヤー系・半導体など
デンソー:技術力強化に向けグループ力結集とともに外部技術も獲得へ

自動車部品国内最大手。自動運転に必要となるミリ波レーダーやLiDARなどのセンサーや通信を行うTCU(テレマティクス・コントロール・ユニット)など幅広い製品の開発・製造を手掛けている。2018年5月にミリ波レーダーを研究する米国のスタートアップに出資しており、これまでの自社での一元的な技術開発から、外部企業の技術力獲得への動きも見せ始めている。

ルネサスエレクトロニクス:自動運転向けの半導体開発で存在感

日の丸半導体メーカーとして、2013年ごろから自動運転やコネクテッドカー向けの半導体事業に力を入れている。海外の大手半導体メーカーの買収攻勢なども行い、自社で自動運転試作車を過去に発表したこともあるなど、巨大市場に発展する自動運転領域での事業をより一層加速させていく見込みだ。

アイシン精機:車両運動統合制御や自動バレー駐車技術開発 ライドシェアも

トヨタグループで、パワートレーン領域をはじめ走行安全領域、車体領域、情報・電子領域にいたるまで、自動車を構成するほとんどの領域をカバーする幅広い製品群を有する。自動運転においては、車両運動統合制御やスマートフォン操作で無人駐車が可能な自動バレー駐車の開発などを手がけているほか、ライドシェアの実証実験も行っている。

ジェイテクト:自動運転対応パワステでクルマづくりをアシスト

トヨタグループでステアリングシステムや駆動部品などを製造。自動運転に対応した製品開発を進めており、自動運転と手動運転を円滑に切り替えるシステムを搭載した電動パワーステアリングや、路面情報を取得してクルマへの影響度を把握する路面負荷推定を活用した高精度舵角制御技術などを研究している。

日本電産:自動運転車向けのモーター量産に本腰か

モーターメーカーとして世界でその名を轟かせる中、自動運転車向けのモーター量産に乗り出すことが報じられている。投資額は500億円規模と考えられており、自動運転車用のパワーステアリング用とブレーキ用のモーターを製造するとみられている。

ボッシュ(ドイツ・日本法人):あらゆる角度から自動運転にアプローチ

ドイツの自動車部品・半導体大手で、自動運転向けAIやカメラ、LiDAR、通信まで、あらゆる角度から自動運転向けプロダクト・システムなどの開発に携わっている。事故データの解析技術などでも注目を浴びており、自動運転分野でのより一層の事業発展を目指している。

■カメラ
ソニー:自動運転分野を2020年代における社会貢献の柱に

業界最高解像度となるCMOSイメージセンサーを武器にするソニー。車載向けセンサーを注力領域の一つに据え、ビューイングとセンシングの領域において「車の眼」を進化させてシェア拡大を狙っている。

パナソニック:長距離画像センサーを開発 従来比約2倍の250メートル先を検知

IVI(車載インフォテインメント機器)、コックピット、ADAS(先進運転支援システム)、電動化の4カテゴリーに重点を置き、自動運転分野の開発を本格展開している。2018年7月に発表したTOF方式の長距離画像センサーは、夜間でも250メートル先にある物体までの距離情報を画像化できるという。

RICOH(リコー):デンソーと共同開発のステレオカメラ好調

デンソーと共同開発したデンスステレオマッチング技術(高密度視差演算技術)採用の車載用ステレオカメラが好調で、2017年9月の量産開始以来2万台を出荷。自動運転・ADAS(先進運転支援システム)分野での事業拡大に向け、研究開発を加速させている。

ITD lab:ステレオカメラに強みを持つ東工大発ベンチャー

スバル・アイサイトで使用されているステレオカメラの開発者が創業した東京工業大学発のベンチャー。主力のステレオカメラは、2つのイメージセンサーから得られる視差を使って物体までの距離を計算するシステムで、アイサイトでも実現していない高速リアルタイム自動調整が搭載されている。

レバトロン:LiDAR不要論 AI技術を用いたカメラ発表

高価なLiDARの役割を安価なAI技術に置き換える車載ソリューションを発表した異色のベンチャー。機械学習と3Dモデリングに焦点を当てたリアルタイムAIソリューション技術に基づいて開発した「DOORsカメラ」で新境地をうかがう。

■LiDAR
パイオニア:LiDAR市場参入で経営再建目指す

開発中の3D-LiDARは、MEMSミラー方式を採用することでモーター駆動部をなくし、耐久性を高めるとともに小型化・軽量化の実現を目指している。半導体大手の米エヌビディア社が手掛ける自動運転用ソフトウェア開発キットに対応する製品となっており、2020年ごろからの量産化を目指している。

東芝デバイス&ストレージ:LiDAR向けの計測回路技術の開発 2020年度までに確立

200メートルの長距離測定性能と高解像を実現する車載用LiDAR向けの計測回路技術の開発を進めており、独自のハイブリッド回路によって長距離と短距離の測定を両立させた。2020年度までに実用化技術を確立することとしている。

京セラ:LiDARと画像センサー一体化で高精度測定 ベロダインに迫る

LiDARと画像センサーを一体化した新型の高精度測距センサーモジュールの本格的な商品化に着手している。測定・識別能力を表す分解能は世界最高レベルの0.05度で、ベロダイン社の製品に匹敵する性能を誇っている。今後、さらなる小型化やフレームレートの向上などに取り組み、2022年の供給を目指している。

■自動運転ソフトウェア
ティアフォー:自動運転ソフトウェアを開発・提供する名大発ベンチャー

名古屋大学発のベンチャーで、自動運転車のOS(基本ソフト)の開発などに力を入れている。オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」は、国内外で100社以上に導入されているという。

■実証実験
フィールドオート:自動運転の実証実験をサポートする埼玉工業大学発ベンチャー

AIや画像認識、高精度マップなどさまざまな技術を要する自動運転車の実証実験において、関係各社の総合プロデューサー的役割を担うベンチャー。自動運転技術の開発に力を入れる埼玉工業大学などとともに産学連携強化を図る。

■サービス・プロダクト・技術開発など
ZMP:自動走行タクシー2020年実用化へ

ロボット開発ベンチャーで、自動運転技術の開発に傾倒している。自動運転・ADAS開発用プラットフォームをはじめステレオカメラ、画像処理ソフトウェア、センシングツールの開発・提供など総合的に自動運転開発を進め、その技術を企業や大学へ提供している。無人の自動走行タクシーも2020年の実現を目指し実証実験を進めている。

DeNA:自動運転タクシーや配送、アプリなど多数のプロジェクト推進

無人運転車両で自由な移動を実現するEasy Ride(イージーライド)プロジェクトを日産自動車と共同で進めているほか、ヤマト運輸と共同で進めている次世代ロボット物流プロジェクト「ロボネコヤマト」など、さまざまな取り組みを進めている。

Hakobot:ホリエモンがアドバイザー、無人自動運転配送ロボットを開発

GPS(全地球測位システム)などを使って自分の位置を認識し、センサーや画像認識などで周囲の状況を把握しながら無人配送を実現する自動配送ロボットの開発を進めている。実業家の堀江貴文氏がアドバイザーとして事業に参画している。

SBドライブ:スマートモビリティサービス事業を展開するソフトバンク系ベンチャー

自動運転技術の導入や運用に関するコンサルティングをはじめ、旅客物流に関するモビリティーサービスの開発・運営を手掛けるソフトバンクグループ傘下のベンチャー。自動運転電気自動車(EV)バスなどを活用した実証実験やデモンストレーションを各地で行っており、中国インターネット検索大手の百度(バイドゥ)が開発している自動運転システム「Apollo(アポロ)」を搭載した自動運転バスの活用にも取り組んでいる。

AZAPA: ADASや自動運転の制御開発を行うベンチャー

自動車のエンジン制御などの独自技術を有し、完成車メーカーなどにソリューションを提供しているベンチャー。パワートレーン領域での技術力とモデルベースド技術をプラットフォームとした、全領域での新たな価値を提案する。パナソニックや住友商事と提携し、ADASやAI搭載自動車制御コンピュータの開発なども行っている。

■AI(人工知能)
コーピー:AIシステムの研究開発を手掛ける東京大学発スタートアップ

深層学習(ディープラーニング)を活用し、さまざまな種類のデータを複合的に解析するマルチモーダル(画像・センサーなど)認識技術が強み。米半導体大手エヌビディアのAIスタートアップ支援プログラム「Inception Program」において、同社のパートナー企業に認定されている。

アセントロボティクス:2020年レベル4自動運転実現目指すAIベンチャー

完全自動運転を実現させるソフトウェア開発に取り組むAIテクノロジー企業。ロボティクスシステムに応用するための汎用的な学習アルゴリズムの構築を目指し、ディープニューラルモデルや強化学習アルゴリズムなどを含む機械学習に力を入れている。2020年までに、特定条件下で無人走行可能なレベル4相当の完全自動運転の実現を目指している。

センスタイム(中国・日本法人):SNOWアプリの顔認識AI企業がホンダと協業

ホンダとともに自動運転向けのAI(人工知能)開発で共同研究を進めている。センスタイムは自撮りアプリ「SNOW」向けに画像認識技術を提供していることで知られており、自動運転においては走行中の画像認識において複雑な状況を解析するAIを開発することに期待が寄せられる。

■測位・位置特定・マップ
ダイナミックマップ基盤株式会社:高精度3次元地図データ協調領域の実用化を推進

協調・競争領域を設けた高精度3次元地図データの製作により、地図情報の共有や加工に適した形での提供などを目指すダイナミックマップ特化型の企業。トヨタやホンダなどの主要自動車メーカーをはじめ、ゼンリンやインクリメントP、パスコ、三菱電機などが出資している。

【参考】ダイナミックマップ基盤株式会社については「自動運転マップ、年内に世界100万kmカバー オランダ地図大手HERE社|自動運転ラボ 」も参照。

アイサンテクノロジー:遠隔型自動運転の実現へ 高精度な三次元空間情報事業を展開

トヨタグループで、測量ソリューションを主軸に高精度3D空間情報やITS(高度道路交通システム)ソリューションの開発を進める。遠隔型自動運転車両の実証実験などを行っているほか、準天頂衛星「みちびき」の配信データを用いる研究活動にも力を入れている。

パスコ:測量技術生かしダイナミックマップ構築へ

航空測量や空間情報事業を手掛ける同社は、自動運転支援用の高精度3次元道路地図データの整備などを進めている。国が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システムにおけるダイナミックマップの試作などの事業にも携わっている。

三菱電機:インフラ協調型と自律型の両面で

情報通信や電子デバイスなどを扱う総合電機メーカー。準天頂衛星やlTS(高度道路交通システム)などの情報インフラを活用した「インフラ協調型」と、センシング技術と車両制御技術などを組み合わせた「自律型」の両面から開発を進めている。

■通信
ソフトバンク:次世代高速通信の5G技術で自動運転向け通信事業

次世代高速通信の5G技術を活用して、自動運転社会実現後の通信分野における事業拡大を目指している。自動運転車自体の開発は直接は行っていないものの、米自動車大手GMの自動運転開発部門クルーズへの巨額出資を発表している。ライドシェア分野への関心も高い。

KDDI:落下物情報をLTEでほかの車両と共有

自動運転・コネクテッドカーの普及を見越し、車両が検知した落下物などの道路情報を後続のコネクテッドカーにLTE(高速携帯電話通信)を活用して一斉配信する実証実験などを、ほかの企業とともに取り組むなどしている。

■ビッグデータ
アルベルト:ビッグデータ解析技術でトヨタと提携

ビッグデータ分析や分析アルゴリズム開発、AIの活用支援、機械学習を用いた独自プロダクトの提供、データサイエンティストの育成支援などを事業として手掛ける。近年では自動運転の分野で、画像解析技術などの展開も進めており、トヨタとの資本業務提携も発表されている。

■セキュリティ分野
WHITE MOTION:セキュリティ対策に特化 製品検査からエンジニア育成、販売まで

自動車部品メーカーのカルソニックカンセイとフランスのセキュリティ会社Quarkslab社によって設立された、自動車のセキュリティに特化したベンチャー。自動車メーカーなどから委託された車両や車載部品の脆弱性検査をはじめ、エンジニアのセキュリティトレーニングやセキュリティ製品の販売などを手がけているほか、サイバーリスクに対応したサービスの開発も進めている。

■農業機械
クボタ:業界初アグリロボコンバイン発売へ

有人監視下での無人による自動運転作業を可能とした自動運転農機「アグリロボトラクタ」や、コンバインに業界で初めて自動運転アシスト機能を付加し、オペレータ搭乗のもと自動運転による稲・麦の収穫作業を可能にした「アグリロボコンバイン」を発表している。

ヤンマー:無人運転トラクター発売、既存製品からのアップグレードも可能

無人運転が可能な「ロボットトラクター」などを順次発売する。タブレット端末で操作が可能で、ロボットトラクターにはレーザーや超音波で物体との距離を計測するセンサーやセーフティブレーキも備えている。期待の無人農業機械だ。

【参考】建機業界でも自動運転に対する注目度は高い。関連ニュースとしては「自動で動く機械たちに韓国大手が注目 建機の自律運転技術手掛けるPoteNitに投資|自動運転ラボ 」も参照。

井関農機:ロボットトラクターを2018年度中に商品化

GPSを活用して田植え時の運転を支援する「直進アシストシステム」搭載の田植え機を既に開発している。GNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)を活用し、有人監視下での無人自動運転作業が可能なロボットトラクターの商品化にも乗り出している。GNSSアンテナとジャイロセンサーを駆使して農機の傾きによる測位誤差の補正も行い、高精度な自動運転作業を実現できることが特徴となるようだ。

■次世代通信技術の確立も

自動運転社会の到来を見越して、関連サービスの開発に力を入れている企業も多い。民間企業だけではなく政府や大学なども巻き込んで、日本の自動運転業界はその規模を膨らませ続けている。

生活に密着した自動車の大変革が経済全体にもたらす影響は想像以上に大きく、引き続きさまざまな分野に波及し急速に膨れ上がっていくだろう。

【参考】日本と世界の自動運転開発に携わる企業については「【2018年夏 最新版】自動運転業界マップをリリース! 全138企業・大学・ファンドを掲載|自動運転ラボ 」も参照。







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