日産のワクワク自動運転戦略 車線変更技術とEasy Rideに秘める可能性

プロパイロット搭載20車種へ拡大


Easy Ride実証実験用車両=出典:日産ニュースルーム

「最先端の技術は、クルマを単なる移動の道具から、あなたをワクワクさせる存在に進化させる」——。

日産は2018年5月、2018年後半からクロスオーバーSUV(多目的スポーツ車)の「ローグスポーツ」(アメリカ)と「キャシュカイ」(カナダ)に高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」を搭載すると発表した。

プロパイロット搭載車は2022年度末までに20市場20車種に拡大する計画で、2018年中には高速道路での車線変更を自動的に行う自動運転技術も導入する。株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)との無人運転車の共同開発も進んでおり、着実に次のステージへ向かっている。

プロパイロットは、先進の画像処理ソフトウェアを搭載した単眼カメラにより、前方車両や白線を瞬時に三次元的に把握することで、渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンでアクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動的に制御し、ドライバーの負担を軽減する自動運転システムだ。

■2016年に初搭載されたプロパイロット

2016年に発売した新型「セレナ」に初搭載され、2017年には「エクストレイル」、新型「日産リーフ」と順次採用車種を拡大しており、2018年5月時点で同技術を搭載した車両は12万台以上販売されている。同社の中期計画「日産M.O.V.E to 2022」によると、2022年度末までに20市場20車種に搭載する予定だ。

【参考】プロパイロットの今後の搭載計画は「プレスリリース」も参照。

日産の自動運転車の実用化戦略は4つのステージからなる。ステージ1は高速道路における同一車線の自動運転技術で、これまでのプロパイロットで実現済み。ステージ2が高速道路での車線変更を自動的に行う複数レーンでの自動運転技術で、2018年中に実用化するという。ステージ3では交差点を含む一般道での自動運転技術を2020年までに実用化し、最終段階のステージ4で完全自動運転となる無人運転を目指す。

■DeNAとタッグを組みEasy Ride開発

無人運転車の開発では、DeNAとタッグを組み、2017年1月から自動運転技術を活用した新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の開発を進めている。

「もっと自由な移動を」をコンセプトに、誰でもどこからでも好きな場所へ自由に移動できる交通サービスの実現を目指し、2018年3月には、無人運転車両に公募した一般モニターを乗せ、神奈川県横浜市のみなとみらい地区周辺で約4.5キロメートルのコースを往復運行する実証実験を行った。

モニター参加者には、目的地の設定や配車などの基本的なサービスに加え、「やりたいこと」を音声などで入力するとおすすめの候補地を表示する機能や、走行ルート周辺のおすすめスポットや最新のイベント情報、周辺店舗で使えるクーポンなどを提供する機能も搭載した。今後も、無人運転環境でのサービスの検討や運行ルートの拡充、有車両との混合交通下での最適な車両配備ロジックや乗降フローの確立、多言語対応などの検証を進めていくという。

こういった交通サービスが確立されれば、運転免許のない子どもや運転が苦手な人、外国人を含めた旅行者など、さまざまな人が自動車を利用しながら観光や買い物、ドライブなどを楽しむことができそうだ。2020年代早期に本格サービスを開始する予定で、両社はすでにイージーライドの特設サイトも公開している。

【参考】Easy Ride特設サイト」も参照。「すべての人へのモビリティを提供する」という企業ビジョンに基づき、多くの革新的な技術の開発・普及に取り組んできた日産。車をワクワクするようなパートナーにするという理念の実現が、少しずつ近づいてきている。






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