三菱電機が自動運転戦略を発表 人工衛星などを活用した新技術確立へ

2020年度には全体売上5兆円以上に


三菱電機(本社:東京都千代田区/執行役社長:杉山武史)は2018年5月21日、東京都内で2018年度を含む中長期経営戦略を発表した。成長分野である自動運転やZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)、スマート工場化などの取り組みを一層加速し、組織の枠を超えた部門横断的な活動の推進や社外とのさまざまな連携により、新たな成長ドライバーの創出を目指すこととしている。

自動運転分野においては、準天頂衛星やlTS(高度道路交通システム)などの情報インフラを活用した「インフラ協調型」と、センシング技術と車両制御技術などを組み合わせた「自律型」の両面から安全・快適な自動運転化社会の実現に貢献することとし、同社の強みである人工衛星などを活用した新技術の確立をグループ各社や提携会社らと進めていく構えだ。







三菱電機は2017年8月、ドイツの自動車部品大手BOSCH(ボッシュ)や技術開発企業のGeo++社、測位用半導体開発などを手掛けるスイスのu-blox社とともにマスマーケット向け高精度GNSS(全地球航法衛星システム)測位サービスを行う合弁会社「Sapcorda Services(サプコルダサービス)」の立ち上げを発表した。

同年9月には、準天頂衛星システムからのセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)信号を用いた自動運転の実証実験を開始。また、同年10月には次世代の運転支援技術を搭載したコンセプトカー「EMIRAI4(イーミライフォー)」を発表した。

EMIRAI4の車内画像=出典:三菱電機ニュースリリース

【参考】CLASは、内閣府が整備する準天頂衛星システムから日本全国に無償で配信される高精度測位値を得るための測位補強情報。従来利用しているアメリカのGPS(全地球測位システム)衛星などのGNSS衛星に比べ、測位精度を格段に高めることができるという。

【参考】EMIRAI4は、高精度3次元地図と高精度測位技術を用いて開発した高精度ロケータと、新開発のAR(拡張現実)対応HUD(ヘッドアップディスプレイ)の組み合わせにより、濃霧や雪道など見通しの悪い環境下でも自車が進むべき道路や車線をHUD上にAR表示できるという。また、広角カメラで運転者らの異変を感知するドライバーモニタリングシステムや、他車・歩行者に運転意図や状態を知らせるライティング技術も盛り込んでいる。

さらに同年10月、高精度位置情報サービスのグローバルでの利用拡大に向け、地図・位置情報サービスを提供するオランダのHERE Technologies社と高精度位置情報ソリューションを相互に活用するため提携を結び、予防安全(ADAS)の高度化や自動運転の実現に向け、同社が開発した高精度で自車位置を把握できる「高精度ロケータ」と、HERE社が提供している高精度地図や運用開始したクラウド位置情報サービス「Open Location Platform」を活用し、ユーザーが利用しやすいサービスの確立を進めている。

同社の2018年度連結売上高は4兆5000億円見込みだが、2020年度には5兆円以上を目指すこととしており、投資成果を最大化するため成長分野である自動運転関連への投資もますます活発になりそうだ。

【参考】三菱電機の経営戦略については「プレスリリース」も参照。







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