トヨタ、ビッグデータ解析のアルベルト社に4億円出資 自動運転のAI開発加速へ

資本業務提携を報道発表



発表に臨むトヨタ先進技術開発カンパニーの鯉渕健常務理事(左)とアルベルト社の松本壮志代表取締役社長(右)=出典:トヨタ自動車プレスリリース

トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)は2018年5月15日、ビッグデータ解析などを手掛ける株式会社アルベルト(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:松本壮志)に約4億円を出資し、自動運転開発の分野で資本業務提携すると発表した。

トヨタ自動車は5月9日に開いた2018年3月期の連結決算発表会で、豊田章男社長が自動運転化やコネクテッド化の開発加速に意欲を示したばかり。今回の提携でトヨタ自動車はアルベルト社のビッグデータ解析技術を活用し、人工知能(AI)技術の開発においてデータ分析プロセスなどを強化していきたい考えだ。


【参考】高度な自動運転の実現にはAI技術は必須とされている。AIが自動運転で担う役割などの詳しい説明については「自動運転にAI(人工知能)は必要?倫理観問う「トロッコ問題」って何?|自動運転ラボ 」を参照。連結決算発表会については「【速報】トヨタ決算発表、豊田社長『”自動車を作る会社”から”モビリティカンパニー”に』|自動運転ラボ 」を参照。

トヨタ自動車の出資は、アルベルト社が第三者割当増資によって発行する株式を2018年5月30日付で引き受ける形で実施される見通し。

アルベルト社は2005年7月設立。ビッグデータ分析や分析アルゴリズム開発、AIの活用支援、機械学習を用いた独自プロダクトの提供、データサイエンティストの育成支援などを事業として手掛ける。近年では各社が開発競争を繰り広げる自動運転の分野で、画像解析技術などの展開も進めてきた。

トヨタ自動車先進技術開発カンパニーの鯉渕健常務理事(自動運転開発担当)は報道発表で「AI技術の性能を引き出すには、大量のデータをうまく扱うことが必要」と強調。その上で、「今回の連携がトヨタの自動運転技術開発を加速させることを期待しています」と語っている。


アルベルト社の松本社長は「今後も当社は、分析の高度化を目的とした、優秀なデータサイエンティスト集団の強化等を通じて『社会に求められる安全な技術革新』を支援してまいります」とコメントを添えている。

【参考】トヨタ自動車と株式会社アルベルトの詳しい提携内容については「プレスリリース」を参照。


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