自動運転ソフトウェアの開発企業まとめ!日本と海外の22社

非自動車メーカーの中からピックアップ



出典:Waymoプレス用資料

LiDARなどのセンサー開発やマッピング技術、高精度3次元地図、通信技術など自動運転の要素技術は数多いが、基幹技術と言えばやはり自動運転システムに行き着く。自動運転システムがあるからこそ、センサーやマッピング技術なども生きてくるのだ。

こうした技術の根幹をなすのが、オペレーティングシステム(OS)をはじめとしたソフトウェア開発だ。自動運転システム開発の大部分はソフトウェア開発と言っても過言ではないだろう。







この記事では、自動車メーカー以外で自動運転ソフトウェア開発に注力する企業を紹介する。

■自動運転ソフトウェア開発企業一覧
AImotive(ハンガリー)

ハンガリーを本拠とする2015年創業のスタートアップで、自動運転ソフトウェアやシミュレーションツールの開発などを手掛けている。

レベル4に対応する自動運転ソフトウェア「aiDrive」は、ハードウェアやミドルウェア、OSに依存することなく既存ソリューションに統合可能という。現在は、レベル2や高速道路におけるレベル3、自動バレーパーキングなどに対応しているようだ。

ソニーが開発を進める「VISION-S」のパートナー企業にも名を連ねており、今後の取り組みに注目が集まる。

▼AImotive公式サイト
https://aimotive.com/

Apex.AI(米)

2017年設立のスタートアップで、Robot Operating System上に構築した堅牢なソフトウェアフレームワーク「Apex.OS」や、ソフトウェアビルディングブロック「Apex.Autonomy」、高性能なデータ転送を可能にする「Apex .Middleware」を製品化している。

ティアフォーが開発した「Autoware」の国際標準化を図る業界団体「Autoware Foundaiton」設立時のメンバーに名を連ねるほか、トヨタのファンド「Toyota Ventures」から出資を受けている。

▼Apex.AI公式サイト
https://www.apex.ai/

Apple(米)

プロジェクト「Titan」のもと、自動運転機能を搭載したスマートEVの開発を進めているApple。通称「Apple Car」の製造をめぐる報道が過熱しているが、2018年に自動運転開発スタートアップのDrive.aiを買収するなど、ソフトウェア関連の開発は確実に進められているものと思われる。

先行するWaymoらとの距離は開きつつあるが、アップルブランドの力で自動運転業界にさらなるイノベーションをもたらす可能性を秘めており、今後の動向に大きな注目が集まるところだ。

▼Apple公式サイト
https://www.apple.com/

Aptiv(米)

米自動車部品大手のAptivも自動運転開発に積極的だ。ロボタクシーのサービス実証をラスベガスで実施しており、すでに有料配車回数は10万回を超えている。

2020年には韓国・ヒュンダイと合弁会社Motionalを立ち上げ、レベル4システムのソリューション化やロボタクシーの実用化に向け本腰を入れている。

▼Aptiv公式サイト
https://www.aptiv.com/

【参考】Aptiv(Motional)については「レベル4技術、自動運転タクシー会社に提供へ 現代とAptivの合弁Motional」も参照。

Argo AI(米)

フォードやフォルクスワーゲンから巨額出資を受ける有力スタートアップ。自動運転システム「Argo Self-Driving System」はフォード「エスケープ」とフォルクスワーゲン「ID」に統合され、ロボタクシーなどの商用展開に向け実証を重ねている。

予定では、2021年末までにオースティンとマイアミでLyftの配車サービスを活用してロボタクシーのパイロットプログラムを開始するとしている。また、ウォルマートとの提携のもと、オースティン、マイアミ、ワシントンで無人配達サービスの実証も行うこととしている。

ソリューションとしては、このほか独自開発した「Argo Lidar」やフリート管理システム「ArgoWatch」などを開発している。

▼Argo AI公式サイト
https://www.argo.ai/

Aurora Innovation(米)

自動運転システム「Aurora Driver」の開発を手掛ける米スタートアップ。OEM各社とのパートナーシップのもと、Aurora Driverの広域展開を目指している。

2020年末にUberの自動運転開発子会社を買収した。その後、トヨタ・デンソーと提携を交わし、Aurora Driverを統合したトヨタ「シエナ」をUberの配車ネットワークに導入する計画を発表している。

2021年7月には、ナスダック市場へのSPAC上場計画も発表している。

▼Aurora Innovation公式サイト
https://aurora.tech/

【参考】Aurora Innovationについては「Aurora Innovation、自動運転の年表!トヨタやボルボとの協業も具体化」も参照。

AutoX(中国)

2016年に米シリコンバレーで設立し、以後米中両国で自動運転実用化に向けた取り組みを進めている。現在、シリコンバレー、深セン、上海、広州、北京の5都市で実証を行っている。

同社が開発したAIドライバーはすでにOEM各社の15車種以上に統合されており、ドライバーレス実証も可能としている。2021年4月には、ホンダの現地法人との提携も明らかとなった。ホンダのアコードとインスパイアに最新の「AutoXジェネレーション5」を統合し、フリート化を図る方針のようだ。

▼AutoX公式サイト
https://www.autox.ai/ja/index.html

Baidu(中国)

オープンソフトウェアプラットフォームを活用した「Project Apollo/アポロ計画」で、世界最大級の開発パートナーシップ体制を武器とする百度。

各種ソフトウェアからハードウェア開発、クラウドサービスに至るプラットフォームを完備しており、すでに金龍客車やNeolixなどアポロを活用した自動運転車・ロボットの量産化を進めている企業もある。

百度自らも中国内でロボタクシー実用化に向けた取り組みを加速させており、世界的に注目度が高まっている。

▼百度公式サイト
https://www.baidu.com/

【参考】百度については「百度(Baidu)自動運転開発の年表!アポロ計画推進、中国で業界をリード」も参照。

Cruise(米)

2016年に米GM傘下となり、自動運転開発を加速させているCruise。2018年には、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのほかホンダからも出資を受け、開発やサービス化に向けパートナーシップを結んでいる。

これまでにモビリティサービス専用のオリジナル車両「Origin」を発表しているほか、ホンダとの日本国内での自動運転サービス実現に向けた取り組みにも本格着手しており、今後の動向に要注目だ。

▼Cruise公式サイト
https://www.getcruise.com/

Deeproute.ai(Yuanrong Qixing/中国)

2019年に設立されたばかりのスタートアップだが、すでにレベル4タクシーの実証サービスを深センで開始するなど、スピード感あふれる開発体制で先行各社を猛追している。2022年には、吉利汽車(Geely)との協業のもと杭州で開催予定のアジア競技大会に自動運転車を配備する計画が持ち上がっている。

2021年9月には、アリババが主導する3億ドル(約330億円)の資金調達Bラウンドを完了し、タクシーや物流用途の自動運転サービス実現に向けますます開発を加速させる方針のようだ。

▼Deeproute.ai公式サイト
https://www.deeproute.ai/

DiDi Autonomous Driving(中国)

中国配車サービス大手Didi Chuxing(滴滴出行)の自動運転開発子会社。北京、上海、蘇州、米カリフォルニア州で公道試験ライセンスを取得し、実証を進めている。ソフトバンクなどから出資を受けているほか、ボルボ・カーズとの提携などOEMとの結び付きも強めている印象だ。

世界的な配車ネットワークはサービス実現後に大きな武器となる。同業UberやLyftが自動運転開発部門を売却する中、DiDiの今後の展開に大きな注目が集まりそうだ。

▼DiDi Autonomous Driving公式サイト
https://www.didiglobal.com/science/intelligent-driving

EasyMile(仏)

自動運転シャトル開発を手掛ける仏スタートアップ。レベル4小型シャトル「EZ10」を中心に、これまでに世界30カ国以上の300地域以上で実証・導入された実績を持つ。

EZ10のように車両を含むフルスタックソリューションの展開が主力となっているが、無人化を実現する同社のソフトウェアは、バスや大型トラック、路面電車、バン、特殊車両などさまざまな用途に適合可能で、カスタムソリューション製作に向けパートナーシップ拡大も図っているようだ。

▼EasyMile公式サイト
https://easymile.com/

Mobileye(イスラエル)

かつてADASソリューションで名を馳せたモービルアイ。米インテル傘下となった現在は、システムオンチップ「EyeQ」シリーズを武器に自動運転分野で活躍するほか、自社開発した自動運転システム「Mobileye Drive」によるロボタクシーの世界展開を見据えた取り組みを進めている。

WILLERとの提携のもと日本をはじめとしたアジア諸国でロボタクシー実用化を目指すほか、ドバイやドイツなどでサービスインに向けた取り組みを進めている。

▼Mobileye公式サイト
https://www.mobileye.com/

Momenta(中国)

トヨタや上海汽車集団などから出資を受けている中国スタートアップのMomenta。自動運転ソリューションMSD(Momenta Self Driving)をはじめ、自家用車向けに大量生産に対応した自動運転ソフトウェア「Mpilot」などを製品化している。

Mpilotは、エンドツーエンドの自動運転ソリューションとして高速道路や駐車場、都市部を含むさまざまなシナリオをカバーし、継続的な自動運転体験を実現するという。

2021年9月には、米GMから新たに3億ドル(約330億円)の出資を受けるなど、まだまだ事業規模を拡大していく見込みだ。

▼Momenta公式サイト
https://www.momenta.cn/

Navya(仏)

自動運転シャトル「ARMA」に続き「Evo」も製品化するなど波に乗る仏スタートアップ。シャトルはこれまでに世界23カ国で180台以上が導入されているという。ARMAは日本でも導入されている。

自動運転ソフトウェア「NavyaDrive」をはじめとした同社の自動運転技術は、サードパーティのプラットフォームにも統合可能で、新たな展開にも期待が寄せられる。

▼Navya公式サイト
https://navya.tech/en/

【参考】NAVYAについては「NAVYA社の自動運転バス「ARMA」、誰でも操作できる?」も参照。

Pony.ai(中国)

米国・中国でロボタクシー実用化に取り組むスタートアップ。トヨタとも提携を結んでおり、レクサス「RX450」に自動運転システムを統合した車両で公道実証などを進めている。

タクシーから長距離貨物トラックに至るまで、さまざまなプラットフォームに統合可能な自動運転システム「PonyAlphaX」の開発のほか、ロボタクシーサービス「PonyPilot」の展開に向け、中国内の各都市やカリフォルニア州など実証を行っている。

▼Pony.ai公式サイト
https://www.pony.ai/

WeRide(中国)

広州に本社を構えるスタートアップ。自動運転向けの汎用アルゴリズム「WeRideONE」を搭載したロボタクシーの実証を2019年に開始し、1年間で14万回超、6万人を超えるユーザーにサービスを提供したという。

ルノー・日産・三菱アライアンスのベンチャーキャピタルなどから出資を受けており、フリート車両には日産「リーフ」が活用されている。

▼WeRide公式サイト
https://www.weride.ai/

Yandex(ロシア)

ロシアのIT大手Yandexも自動運転開発に積極的で、これまでにロシアをはじめ米国やイスラエルなどで走行ライセンスを取得し、公道実証を行っている。

ロボタクシー「Yandex.Taxi」を主力に据えつつ、自律配送ロボット「Yandex.Rover」やLiDAR開発も進めるなど事業拡大を図っており、2020年には開発部門をスピンオフしている。

▼Yandex公式サイト
https://yandex.com/

【参考】Yandexについては「Yandex、自動運転の年表!ロシアのGoogle、虎視眈々」も参照。

Waymo(米)

自動運転システム「WaymoDriver」を武器に、ロボタクシーのサービス化で世界をリードするパイオニア的存在。世界初の商用タクシーサービス「WaymoOne」をアリゾナ州で2018年に開始している。

WaymoDriverの統合やサービス展開に向け、これまでFCA(現ステランティス)やジャガーランドローバー、日産・ルノー、ボルボ・カーズ、ダイムラートラックなどとパートナーシップを結んでいる。

自社展開する「WaymoOne」のエリア拡大や、パートナー企業による今後の展開などに要注目だ。

▼Waymo公式サイト
https://waymo.com/

Zoox(米)

2014年に創業。フルスタックの自動運転システムをはじめ、車体の開発・設計も自ら行っている。独自開発したソフトウェア、コンピューティングシステム、冗長システムで安全性を高めたロボタクシーを中心に実用化を進めている。

2020年にAmazon傘下となり、同年12月までにオリジナルのロボタクシー車両を発表した。前後の区別がない小型ボックスタイプのモデルで、最高時速120キロを誇るという。

▼Zoox公式サイト
https://zoox.com/

ZMP(日本)

ロボットベンチャーのZMPは、自動運転ソフトウェア「IZAC」を展開している。コマツのクローラダンプと統合を図る実証に成功するなど、実証実験プラットフォームとして採用実績を重ねているようだ。

近年は宅配ロボットや1人乗りロボットの開発などに注力している印象が強いが、引き続き幅広い事業展開に期待したい。

▼ZMP公式サイト
https://www.zmp.co.jp/

【参考】ZMPについては「ZMPの自動運転戦略まとめ 技術や製品、サービスは?」も参照。

ティアフォー(日本)

オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」の世界展開を進める国内スタートアップ。Autoware搭載車両による数々の国内実証を始め、米国や中国、エストニアなどでも実証が行われている。

同OSの普及を図る国際業界団体「The Autoware Foundation」の運営をはじめ、台湾Foxconnが立ち上げたEVプラットフォーム「MIH」への参加など、活躍の場はますます広がっていきそうだ。

▼ティアフォー公式サイト
https://tier4.jp/

【参考】ティアフォーについては「【資料解説】ティアフォーが公開した自動運転のセーフティレポートとは」も参照。

■【まとめ】今後は、ソフトウェア的ビジネス展開がスタンダードに?

普通に自動運転システム開発企業を紹介する形となってしまったが、それだけソフトウェアが自動運転開発の主軸となっている証左と言えるだろう。

このほかにも、Embark やGATIK、Plus、Udelvといった自動運転トラック開発企業や、車道を走行する配送ロボットの開発を手掛けるNuroなど、開発プレーヤーはまだまだ存在する。

今のところ、実証を兼ねて自社自らロボタクシーサービスの展開を図る動きが多いが、今後は自動運転システムをソリューションとして捉え、OEMとのパートナーシップのもとさまざまな車両に統合し、サービス事業者に提供していくビジネスが加速していくものと思われる。

まさに「ソフトウェア」的ビジネス展開であり、こうした手法がスタンダード化するころには自動運転技術が広く市民権を得ている可能性が高い。各社の今後の取り組みに要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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