自動運転技術の開発に取り組む中国のスタートアップ企業Deeproute.ai(深圳元戎啓行科技)は2021年8月3日までに、自動運転レベル4(高度運転自動化)のタクシー実証サービスを深センで開始した。
Deeproute.aiは同年4月に深センで乗客を乗せた自動運転試験許可を得ており、20台の自動運転車を投入してタクシーサービスを提供する。同社の発表によれば、万が一に備えて、セーフティドライバーを同乗させる。ちなみに緊急時に人の対応を前提としている場合、厳密に言えばレベル4ではない。
タクシーサービスは約200キロの公道をカバーするようだ。配車申し込みはSNS「微信(WeChat)」の公式アカウント「元戎啓行DeepRoute」から行うという。
報道などによれば、Deeproute.aiの自動運転車は数百メートル先の歩行者や対向車も検知でき、道路の状況を考慮した効率的な運行が可能だという。
■2019年設立のDeeproute.ai、どんな企業?
Deeproute.aiは2019年設立。自動運転タクシー事業をスタートしたのは2019年11月で、まずは武漢市で自動運転レベル4の車両100台を投入して試験的にサービス提供が開始された。
今回の深センでの試験サービスの提供にも注目だが、2022年には杭州で開催予定のアジア競技大会の会場で、中国の吉利汽車(Geely)との協業で自動運転車が配備される予定だという。
■深センではAutoXがすでに商用サービス
ちなみに「中国のシリコンバレー」とも呼ばれる深センでは、すでに複数の企業が自動運転タクシーのサービスを実証もしくは商用展開している。その中でも特に注目なのがAutoXだろう。
2016年創業のAutoXは深セン市政府と2017年に戦略的提携を交わし、2018年に同市に本社を置き、2020年12月から一部のユーザーを対象に、2021年に入ってからは一般客も対象に、完全無人の自動運転タクシーの商用サービスを開始した。
■米Waymoを脅かす存在が深センから登場
ちなみに深センについては、中国政府が自動運転の先進地となるよう、2020年に深センに早期パイロットプログラムを実施する権利を与えている。
中国政府の後押しもあり、深センでのサービス実証や商用サービスの提供は、今後も盛んになることが予想される。自動運転タクシーサービスではGoogle系Waymoが先行するが、Waymoを脅かす存在が今後続々と深センから登場していきそうだ。
▼Deeproute.ai公式サイト
https://deeproute.ai/en/
▼Deeproute.aiプレスリリースページ
https://deeproute.ai/en/news/
【参考】関連記事としては「自動運転で注目!国内外スタートアップ45社を総まとめ」も参照。