中国の自動運転スタートアップMomenta(モメンタ)は2020年7月3日までに、自動運転レベル4(高度運転自動化)相当の自動運転タクシーの試験走行を今年10月を目処にスタートすると発表した。上海の西側にある蘇州市(江蘇省)で実施する予定だという。
自動運転レベル4は、あらかじめ定められたODD(運行設計領域)においての完全自動運転が可能なレベルを指す。つまり、例えば「A地域」で運行することが可能だと事前に規定した場合、そのA地域内で無人タクシー営業が行われることとなる。
自動運転レベル4での自動運転タクシーはGoogle系ウェイモが既に商用サービスを実施しており、Momentaの10月からの取り組みはあくまで試験走行だが、中国における自動運転タクシーの有望プレイヤーの1社としてMomentaへの注目度は今後高まりそうだ。
ちなみに配車サービス大手のDiDiも自動運転タクシー実証を最近上海でスタートさせており、中国では2020年に自動運転タクシー関連の取り組みが活発化しそうだ。
【参考】関連記事としては「ライドシェア無人化の衝撃!中国DiDi「自動運転車100万台」宣言」も参照。
ライドシェア無人化の衝撃!中国DiDi「自動運転車100万台」宣言 https://t.co/CzjnFXzXm5 @jidountenlab #自動運転 #ライドシェア #DiDi
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 30, 2020
■画像認識・判断の領域で強みを持つMomenta
Momentaは2016年に北京で設立され、ディープラーニング(深層学習)技術を武器に自動運転関連ソフトウェアの製品化に取り組んでいる。特に画像認識・判断の領域で強みを持つ。
2018年10月には総額10億ドル(約1150億円)の資金調達を発表し、ユニコーン企業(時価総額10億ドル以上の非上場企業)の仲間入りを果たした。自動車メーカーでは、トヨタや独ダイムラーなどから支援を受けている。
これまでに、カメラやレーダーセンサーなどの低価格センサーと高解度マップを組み合わせたレベル3ソリューションや、レベル4自動駐車を可能とする「Momenta Valet Parking」などを発表している。
■レベル4では特定エリア内でシステムが運転を完全コントロール
自動運転レベル3まではあくまで、システムは手動運転のサポート的な存在だ。ただ自動運転レベル4からは、特定エリア内においてシステムが完全に運転をコントロールすることとなる。Momentaの自動運転タクシーはこのレベル4で試験走行する予定だ。
中国政府も自動運転関連サービスの実用化には前のめりなだけに、日本企業や欧州企業、そして各国政府もMomentaの取り組みに注目している。
【参考】関連企業としては「蘭NXP、自動運転ソフト開発の中国Momentaと運転手監視ソリューションで提携」も参照。