
T2の自動運転トラックが、人間のトラックドライバーでは規制上不可能な「関東~関西間の1日1往復」を実現したようだ。実質レベル2ではあるものの、貴重な長距離・長時間実証だ。
人間のドライバーをコンピュータに置き換える自動運転技術は、1人のドライバーのタスクを代替するに留まらず、それ以上の働きを行うことに期待が寄せられているが、今回の長距離・長時間輸送はその象徴と言える。
T2の取り組みを交えつつ、自動運転のポテンシャルとメリットに迫る。
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■T2の長距離輸送に関する取り組み
関東~関西間の往復実証を実施
今回の実証は、「関東~関西間の1日1往復」を前提にしたオペレーションの有効性を確かめるために2026年1月に実施したものだ。
現状、人間のドライバーは「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」により最大拘束時間は日あたり最大15時間と定められているため、長距離運転となる関東~関西間は1日「片道」の運行が限界という。
しかし、無人運行が可能なレベル4自動運転トラックを用いた幹線輸送サービスであれば、ドライバーの乗車が不要となることから「往復」運行が可能となり、輸送能力は少なくとも2倍に高まると見込んでいる。この無人の自動運転ならではのポテンシャルを確かめるべく実証を行ったようだ。
実証には、2024年に設立した「自動運転トラック輸送実現会議~L4 Truck Operation Conference~」の参画企業である佐川急便、鈴与、西濃運輸、日本郵便、福山通運、フジトランスポート、三井倉庫ロジスティクスの7社が協力した。
高速道路における無人運転と一般道における有人運転を切り替えるため、神奈川県厚木市と京都府八幡市にある物流施設を切替拠点に見立てた上で、高速道路はT2のレベル2トラック、一般道は鈴与とフジトランスポートのトラックで運行した。

また、商用運行時は複数台となることを前提に、T2のトラックを2台用いて関東と関西をそれぞれ発着地に同時並行で本実証を行った。その結果、約48時間以内に1台あたり2往復を達成した。
さらに、荷台と分離することで輸送を効率化できる自動運転トラクターの導入も見据え、スワップボディタイプのT2のトラックから各社のトラックへコンテナを移し替えるデモンストレーションを通じて、詳細な手順やリードタイムの確認も行ったという。
同日往復は人間のトラックドライバーでは無理?
一言で言えば、「人間のトラックドライバーでは対応できない関東~関西間の同日往復を、自動運転でやってみた」――という実証だ。実質レベル2運行ではあるものの、長時間労働を厭わない自動運転であればこうしたことも可能になる――という近未来を示した格好だ。
技術的に一般道におけるレベル4はまだ先となる見込みで、手動運転部分と無人運転部分をどのように切り替え、倉庫など物流拠点間における全行程をいかに円滑に運行することができるか、さまざまなオペレーションの検証も必要となる。コンテナを移し替える取り組みも、その一手法だ。
今回の実証で、具体的にどこからどこまでを自動運転走行したのか正確な場所は不明だが、「神奈川県厚木市と京都府八幡市にある物流施設を切替拠点に見立てた」との文面から類推すると、厚木IC~八幡東IC間辺りが有力となる。間違っていても、誤差は小さいはずだ。
この仮定のもと、同所を有人走行した場合、どのくらいの時間を要するのか。ルートはいくつか考えられるが、厚木ICから東名高速道路で御殿場JCTに向かい、新東名高速道路で豊田東JCTへ。伊勢湾岸自動車道で四日市JCTへ向かい、新名神高速道路で草津JCT、名神高速道路で瀬田東IC、京滋バイパスで久御山JCT、第二京阪道路で八幡東IC――といったルートが最短であり、一般的と思われる。
思いのほか多くのJCTを経由しており、これらをレベル4でクリアする技能を備えてこそ柔軟な関東~関西間の無人運行を実現できるのだろう。
経路検索サービスNAVITIMEによると、同ルートは計410キロで、4時間38分を要するという。高速.jpでは、総距離411キロで4時間24分となっている。NEXCO東日本のドラぷらでは、総距離411キロで通常4時間11分かかるという。

トラックであることを踏まえると、概ね4時間半といったあたりか。往復9時間で、ICから物流拠点までの運行やコンテナの移し替えなどの時間を含めると、12時間といったところだろうか。
単純に数字だけ見れば、関東から関西まで行って荷を移し替え、関東まで戻ってくることは人間のドライバーでも不可能ではない。物理的には可能だ。ただ、高速道路の連続運転は想像以上に負担が大きく、2~3時間で肩や首が凝り固まり、徐々に集中力を喪失していく。一般道路であれば信号待ちなどで一息つけるが、高速道路は基本緊張しっ放しの状態が延々と続くためだ。
また、トラックドライバーは、高速道路においては2時間ごとの休憩が推奨されており、連続運転4時間ごとに30分の休憩を確保することが求められる(旅客自動車運送事業運輸規則)など、職務上の規制・制約を受ける。
24時間での関東~関西往復が法規制的に不可能かどうかはわからないが、ドライバーの健康や道路交通の安全性を踏まえれば、避けるべきであることは言うまでもないことだろう。
自動運転車は疲れ知らず!人間の2倍働くことができる?
しかし、コンピュータ・AIが制御する自動運転車であれば、健康面の心配はなく、緊張を募らせることもない。燃料・エネルギーを補給すれば、24時間でも48時間でも走行することができる。
もちろん、モーターやエンジンなどの負荷を考慮すると、機械に対する休憩が必要で、一定時間・距離ごとに簡易な定期検査も必要になるものと思われるが、人間のように睡眠を必要とすることはなく、短時間の休憩ですぐに走行に復帰することができる。
この稼働時間の長さは、自動運転の大きな武器となる。トラックなどの自動車ドライバーは、1年の拘束時間(休憩や荷待ち時間を含む)が3,300時間以内、1カ月の拘束時間は284時間以内と定められている。条件付きで月310時間まで延長することができる。1日の運転時間は9時間以内が限度の目安とされているため、仮に1カ月(25日間)フル稼働したとしても、25日×9時間=225時間ほどが限度となる。
しかし、自動運転車であれば、充電時間やメンテナンスを考慮しても一日当たり15~20時間は稼働可能と思われる。18時間で計算すると、25日×18時間=450時間と人間の2倍働くことができるのだ。
荷卸しなど付随する業務を含めどこまで自動化・無人化できるかが課題となるが、これが自動運転のポテンシャルだ。自動運転導入・運行費用と人件費の差額を将来どれほど生み出せるか注目が集まるところだが、イコールであってもドライバー不足の解消に大きく貢献することができる。
T2によると、2028年予測でドライバー需要117万に対し、供給は89万人という。28万人が不足し、場合によっては大きな経済損失を生むことになる。この観点からも自動運転を導入する意義は大きい。
2026年度以降、どの段階でレベル4の実装が始まり、走行可能なエリア拡大などどのようにサービスが広がっていくか。今後の動向に注目だ。
■T2の概要
2027年度のレベル4実装目指す
T2は、高速道路におけるレベル4幹線輸送サービスの実現を目標に掲げている。高速道路直結、あるいは近隣に有人輸送と無人輸送を切り替える拠点を設け、高速道路における無人輸送を実現する戦略だ。
2027年度に関東~関西間におけるレベル4トラックの幹線輸送サービスを開始し、順次事業エリアの拡大を図っていく計画だ。その第一歩として、2025年7月にレベル2トラックを用いた商用運行に着手している。
2024年11月には「自動運転トラック輸送実現会議 〜L4 Truck Operation Conference〜」を設立し、同サービス実現に賛同する物流事業者らの仲間づくりを開始している。輸送業や倉庫業者らとのパートナーシップを深め、実用化を見据えた取り組みを協同で進めている。
■【まとめ】自動運転車の長距離・長時間運行は貴重
自動運転車の長距離・長時間実証はあまり例がなく、今回のT2の取り組みは貴重と言える。自動運転タクシーとは異なり、バスやトラックは長距離輸送の需要も考えられるため、これに適したシステムやサービス設計、メンテナンス体制の構築などを行う必要がある。
自動運転車の優先レーン設置など、インフラ側の整備とともに実用化がどのように進むのか。今後の展開に注目したい。
【参考】関連記事としては「自動運転トラックの開発企業一覧【実用化時期・メリットも解説】」も参照。













