車載システムの開発向けに、Western Digital(ウエスタンデジタル)の検証用フラッシュストレージを無償提供するプログラムがスタートした。自動運転やコネクテッド技術をはじめイノベーションが加速する業界をデータ処理の面から力強くサポートする取り組みだ。
プログラムを実施しているのは、Western Digitalの車載向け製品の販売代理店としても有力な存在である佐鳥SPテクノロジ社だ。提供する製品はe.MMC(embedded Multi Media Card)やUFS(Universal Flash Storage)など5製品で、利用目的に応じて選択することができる。
キャンペーン概要とともに、ウエスタンデジタルの製品の特長に触れていこう。
記事の目次
■キャンペーンの概要
ストレージ無償提供プログラム・キャンペーンでは、車載システム開発でフラッシュストレージが必要な企業を対象に、同社のe.MMCやUFS、Industrial SD/microSDを検証用として無償提供する。かんたんに取り外し可能なSDカードや現在の自動車に多く使用されているe.MMC、読み書き速度に優れるUFSがラインアップされており、複数を選択することも可能だ。
応募はWEBフォームで受け付けている。製品を選択し、会社名や担当者名などを記入してエントリーするだけだ。その後の流れはウエスタンデジタルから確認の連絡→サンプル提供→サンプル評価サポート――となる。問い合わせ期間は2021年1月末までとなっている。
【参考】キャンペーンサイトは「こちら」。
■iNAND AT EM122/AT EM132:車載グレードのe.MMC組み込みフラッシュ
コネクテッドカーや自動運転用途にも活用できる信頼性の高い車載グレードのe.MMC組み込みフラッシュで、高度なエラー修正やヘルスステータスモニター、自動リフレッシュ機能などを備えている。自動車業界に対応した品質で、過酷な環境条件でも信頼性の高いパフォーマンスを発揮する。
自動運転やADAS(先進運転支援システム)、AIデータベース、HDマッピング、ナビゲーション、インフォテインメント、V2X、ドライブイベントレコーダー、デジタルクラスター、テレマティクス・無線アップデートなど、あらゆる用途に活用できる。
AT EM122は最大64GB、AT EM132は最大256GBの容量を提供している。
■iNAND AT EU312:車載グレードのUFS組み込みフラッシュ
自動車用iNAND UFS組み込みフラッシュドライブで、最先端のインフォテインメントをはじめナビゲーション、HDマッピング、V2X、ドライブイベントレコーダー、自動運転などに対応する。さまざまなコネクテッドカーのシステムと環境に最適なエッジストレージとして高いパフォーマンスを発揮する。
高度なエラー修正、ヘルスステータスモニター、自動リフレッシュ機能を備える。容量は16~256GBをサポートしている。
■Automotive SDカード:車載グレードの高信頼SDカード
高耐久性リムーバブルフラッシュストレージソリューションとして、ナビゲーションやインフォテインメント、V2X、ドライブイベントレコーダー、HDマップ、データキャッシュ、データロギング、セキュリティ、バックアップなどさまざまなユースケースに対応する。
容量は8~64GBをサポートしており、ECC、ウェアレベリング、不良ブロック管理などの高度なファームウェアメモリ管理機能や、ヘルスステータス監視、読み取り更新、プログラム可能な文字列、ホストロック、セキュアなフィールドファームウェアのアップデートといった新しいスマート機能を備えている。
■Industrial SDカード:産業グレードの高信頼SDカード
産業用や商用に向けたSDカードで、車載製品のほか産業用パソコンや監視システム、交通機関、ゲーム機、ファクトリーオートメーション、デジタルサイネージなど幅広い用途に活用できる。
容量は8~512GBをサポートしており、プロアクティブな保守が可能なヘルスステータスメーターをはじめ、プログラム可能なID、ホストロック(カード所有者ロック)、セキュアなFWアップグレード、メモリフィールドエラー訂正など、信頼性とユーティリティを強化する高度な機能を備えている。
■Industrial XI microSDカード:車載グレードのUFS組み込みフラッシュ
産業用や商用に向けたmicroSDカードで、ダッシュボードカメラなどの車載製品のほか家庭用監視カメラやドローン、アクションカメラ、デジタルサイネージ、サーバーなど幅広い用途に活用できる。
容量は8~512GBをサポートしており、ヘルスステータスメーターやプログラム可能なID、ホストロック、セキュアなFWアップグレード、メモリフィールドエラー訂正など高度な各種機能を備えている。
■【まとめ】自動車業界に押し寄せるデジタル化の波 高性能ストレージが必須に
車載インフォテインメント機能やデジタルクラスター機能の進化、コネクテッド機能の充実、EDR(イベントデータレコーダー)の搭載、自動運転分野における高精度三次元地図など、新技術の実装に伴い自動車のデジタル化が加速している。自動車がより多くのデータを生み出し、より多くのデータを必要とする時代が到来しているのだ。
ウエスタンデジタルは早くから車載分野に注目し、2002年に車載用HDDで車載用ストレージ分野に参入して以来、時代の変化に合わせた製品開発を進めてきた。2015年ごろからはe.MMCやUFSなどのフラッシュメモリに注力し、高速かつ大容量のソリューションで自動車業界を支えている。
同社の自動車ソリューションは、AEC(車載電子部品評議会)による車載用電子部品信頼性の規格「AEC-Q100」の認定を受けており、業界の信頼要件を満たすよう設計されているのもポイントだ。
増大するデータに対し必須となる高性能ストレージ。ストレージもまた進化を続け、業界の変革を強力にサポートしているのだ。今回のキャンペーンを機に、同社のソリューションを体験してみてはいかがだろうか。
【参考】キャンペーンについての詳しい内容は「こちら」から確認できる。
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