みんなに内緒にしたくなる自動運転領域の超有望31銘柄まとめ トヨタから新規上場企業まで

MaaS関連市場も裾野広がる



自動車メーカーをはじめ幅広い分野の企業が参戦する自動運転関連市場。その裾野は年々広がっており、大企業からスタートアップに至るまで、もはや把握しきれないほどの企業がひしめき合っている。


2020年には道交法の改正などにより国内で自動運転レベル3が解禁される見込みで、MaaS(移動のサービス化)関連市場も大きな賑わいを見せており、業界はますます活気づきそうだ。

この業界の賑わいを測る一つの指標が「株価」だ。自動運転関連企業の急伸やIPO(新規株式公開)などはその都度大きな話題となる。

今回は上場企業の中から自動運転やMaaS関連企業をピックアップし、紹介する。

※当記事は各上場企業の最新情報をお伝えすることを目的として作成したものであり、自動運転ラボとして特定の株式の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任であり、株式はリスクのある金融商品であることにご留意下さい。


記事の目次

■完成車メーカー系
トヨタ自動車株式会社:MaaS分野にも本格着手、モビリティサービス企業へ=東証1部(7203)

日本が世界に誇る自動車メーカーのトヨタ。自動運転技術ではADAS(先進運転支援システム)「Toyota Safety Sense」のほか、ガーディアンとショーファーと名付けた技術開発も進めている。

また、MaaS分野においても、コンセプトカー「e-Palette」の発表や、ソフトバンクとの合弁会社「MONET Technologies」を立ち上げるなど事業化に向け本格着手しており、従来の自動車メーカーからモビリティサービス企業へ転換を図っている。

日産自動車株式会社:プロパイロットやEV戦略に強み=東証1部(7201)

国内メーカートップクラスのADAS「プロパイロット」を開発する同社は、2020年までに交差点を含む一般道での自動運転技術を投入する予定のほか、一部報道によると、2022年を目途に完全自動運転の開発に取り組んでいるという。

また、EV開発・実用化の点においても国内メーカーでは抜きんでており、EVシフトを急速に進める欧州や中国市場を狙う。

【参考】日産の取り組みについては「日産の自動運転戦略や技術まとめ EV、コネクテッド化も柱」も参照。

本田技研工業株式会社:2020年にレベル3実現か、GMとの協業にも注目=東証1部(7267)

ADAS「Honda SENSING」の標準装備化を進め、2020年には高速道路における自動運転技術(レベル3)の実現を目指している。

2018年10月には、米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ及び傘下のクルーズと、自動運転技術を活用したモビリティの変革に向けて協業することを発表。今後の動向に注目が集まる。

自動車メーカーではこのほか、株式会社SUBARU(東証1部:7270)や三菱自動車工業(東証1部:7211)、マツダ株式会社(東証1部:7261)なども存在感がある。

■ソフトウェア系
ソーバル株式会社:自動運転向け組み込みソフトウェアに実績=ジャスダック(2186)

ソフトウェア・ハードウェアの設計開発やアプリケーション開発、WEB・クラウド開発などを手掛けている。組込みソフトウェアでは、カメラやプリンタ、各種家電、オフィス機器、医療、AI、産業用装置など幅広い開発に携わっており、自動運転やADAS向けの開発にも実績がある。

株式会社コア:コネクテッドカー向け車載IVIシステム開発=東証1部(2359)

家電や車載機器、設備機器などの組込みソフトウェア・システム開発をはじめ、金融や流通、製造、公共など幅広い業種や業務のシステムインテグレーションサービスなどを手掛けており、自動車関連では、コネクテッドカーに向けた車載IVIシステムや準天頂衛星対応受信機など高精度GNSS(全球測位衛星システム)ソリューションの開発を行っている。

株式会社UKCホールディングス(レスターホールディングス):カメラモニタリングシステム開発=東証1部(3156)

ソニー系エレクトロニクス商社のユーエスシーと共信テクノソニックが共同持株会社として設立されたた商社。主力のソニー製イメージセンサーをはじめ、各種半導体・電子部品販売事業や電子機器・システム機器販売事業を手掛けている。

インフォテインメント分野やADAS分野などで活躍しており、2018年10月には、AI技術を用いた自動運転車向けのカメラモニタリングシステム(CMS)を開発したことを明らかにしている。商材のラインアップ拡大をはじめ、単品販売を超えたシステムやソリューションの提供などで存在感を強めていく構えだ。

【参考】UKCの取り組みについては「半導体商社UKC、自動運転向けAIカメラシステムを開発」も参照。

旭化成株式会社:コセンプトカー「AKKY」発表=東証1部(3407)

総合化学メーカーとして、グループの強みである繊維や高機能樹脂、合成ゴム、半導体デバイスなど幅広い技術を生み出し、自動車産業に貢献している同社。2017年には、安全運転をサポートするドライバーセンシングテクノロジーや快適な車内空間を創出するコミュニケーションシステム、環境負荷軽減に貢献するさまざまな高機能樹脂などを搭載したコンセプトカー「AKXY」を発表している。

また、各メーカーの最新技術が一堂に会するオートモーティブワールド2017では、安心安全なカーライフをサポートする非接触脈波センシング技術(ドライバーモニタリング)や車載ミリ波レーダー向け半導体製品を展示するなど、半導体分野での活躍も目立つ。

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP):高度なAI技術に注目=東証マザーズ(3652)

GPUやAI関連のIPコアライセンス、半導体・モジュールの開発、販売などを手掛けており、同社のAI技術が自動運転の先端技術として生かされている。

オートモーティブワールド2018では、同社のエッジ側推論プロセッサIP「ZIA DV700」を搭載した「インテルArria 10GX対応ディープラーニング推論プラットフォーム」のデモ展示などを行っている。

株式会社フィックスターズ:ネクスティエレクトロニクスと合弁設立で自動運転分野強化=東証1部(3687)

マルチコアプロセッサ関連事業を手掛けており、自動運転分野における研究開発を加速・拡大している。2018年1月には、株式会社ネクスティエレクトロニクスと自動運転分野での関係強化のため、合弁会社を設立することで合意したことを発表している。

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社(DIT):自動車メーカー研究所との取引拡大に注力=東証1部(3916)

システムインテグレーションやソフトウェア開発、検証・運用サービスなどを手掛けている。成長戦略の一つに自動運転や車載通信機器、安全基準といった自動車関連分野を据えており、大手自動車メーカーの研究所との直接取引の拡大に注力することとしている。

株式会社PKSHA Technology:アルゴリズムソフトウェアが好評=東証マザーズ(3993)

AI技術分野のアルゴリズムをライセンス販売する東京大学発ベンチャーで、これまでに動画像認識領域のアルゴリズムソフトウェアなどをリリースしている。

2017年にトヨタが約10億円を出資したと報道され、自動運転やコネクテッドカーなどの研究開発で連携を図っているという。

株式会社エクスモーション:組込みソフトウェアに専門特化したコンサルで注目=東証マザーズ(4394)

システムやソフトウェアに対するテクニカルコンサルティング・エデュケーションサービスを手掛けており、組込みソフトウェアに専門特化した事業をワンストップ支援を行う技術参謀として注目を高めている。

Kudan株式会社:人工知覚(AP)のパイオニア=東証マザーズ(4425)

人工知覚(AP)に分類されるコンピュータソフトウェアのアルゴリズムを開発することにより、仮想性(AR/MR/VR)とロボティクス(自動車/無人機/ロボット)の進化を図る同社。2019年1月には、10億点以上からなる「ギガポイントマップ」の生成を可能にする独自のSLAM Map(3次元点群)技術を開発したと発表した。

【参考】Kudanの取り組みについては「Kudan、自動運転にも役立つギガポイントマップ生成技術を開発」も参照。

株式会社ヴィッツ:2019年4月に新規上場=東証マザーズ(4440)

組込みソフトウェアの研究・設計・開発などを手掛けており、2019年4月に新規上場を果たした。2018年9月には、英国の国際研究プログラムのサポートの下、先進自動運転システムを対象としたアシュアランスケースの実施に関する研究事業を開始するなど、今後の活躍に期待が持たれる。

ルネサスエレクトロニクス株式会社:半導体分野で海外勢に対抗=東証1部(6723)

半導体大手のルネサスも自動運転分野への進出を加速している。2016年に米半導体大手インターシルを買収し、2017年には自社開発の自動運転車も試作している。また、LiDAR開発に向け仏ディボティクスとの協業なども発表されており、土台となる技術開発力の強化を図っているようだ。

■ビッグデータ系
株式会社ALBERT:トヨタとの提携で大躍進=東証マザーズ(3906)

AI技術をもとにビッグデータ解析などを手掛けており、2018年5月にトヨタとの自動運転分野における業務資本提携が発表されてから注目度が飛躍的に増している。

データサイエンティストが不足する中、データサイエンティストの育成支援などデータ活用のプロフェッショナルとなる人材育成も行っている。

【参考】アルベルトについては「1年で株価10倍!自動運転でトヨタが欲するアルベルトの奇跡」も参照。

■通信・コネクテッド系
株式会社ソリトンシステムズ:超短遅延技術が遠隔運転システムに採用=東証1部(3040)

サイバーセキュリティ対策やセキュア・プラットフォームの構築などのITセキュリティ事業や、リアルタイム画像伝送システムなどの映像コミュニケーション事業などを手掛けている。

同社が開発した超短遅延技術が自動運転分野で活躍しており、モバイル回線を利用した超短遅延映像伝送技術がトラック隊列走行の実証実験に採用されたほか、ドライバーが遠隔から安全に運転操作できるリモート自動運転システムなどのデモンストレーションも実施している。

住友電気工業株式会社:コネクテッド領域を強化=東証1部(5802)

車載部品やITSの分野で製品・システムをそれぞれ開発しており、特に交通インフラを支える交通管制システムや、5G・IoTを活用したコネクテッド分野に力を入れているようだ。

2018年4月には自動車事業本部にソフト戦略室を新設し、モビリティ分野におけるソフトウェア開発基盤を強化することで、コネクテッド領域での競争力を一段と高めることとしている。

沖電気工業株式会社:AI技術でプラットフォームや運転支援システム開発=東証1部(6703)

情報通信、メカトロシステム、EMS、プリンターなどの各分野における製造・販売やシステムの構築・ソリューションの提供を手掛けている。自動運転分野では、AIを搭載し自動運転レベル4~5を実現する次世代高度自動運転技術の開発に最適な新型の開発プラットフォームをアヴネットと共同開発したほか、屋外カメラの映像とAI解析技術を活用した自動運転支援システムの実証実験など行っている。

【参考】沖電気工業の取り組みについては「自動運転車の「死角」、電柱カメラがカバー 沖電気などが神戸市で実証実験」も参照。

通信分野ではこのほか、日本電気株式会社(NEC、東証1部「6701」)や株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(東証1部:9613)、ソフトバンク株式会社(東証1部:9434)、KDDI株式会社(東証1部:9433)、GMOクラウド株式会社(東証1部:3788)なども積極的に研究開発に取り組んでいる。

■サービス・プラットフォーム系
株式会社ディー・エヌ・エー:MaaS分野で新サービス続々展開=東証1部(2432)

オートモーティブ事業を立ち上げ、自動運転技術を活用した新しい交通サービス「Easy Ride」を日産自動車と共同で開発しているほか、次世代型タクシー配車サービス「MOV」やC2C型のカーシェアマッチングサービス「Anyca」、ラストワンマイルを無人運転バスで結ぶ交通システム「ロボットシャトル」の実証実験など、特にMaaS分野での活躍が際立っている。

このほかにも、ヤマト運輸と次世代物流サービスの実現を目指すプロジェクト「ロボネコヤマト」など、他社との協業でさまざまな実証を進める同社。2018年10月には、MaaS分野に関連する技術開発を担う横断組織「モビリティインテリジェンス開発部」を発足させたことを発表しており、モビリティ分野における存在感はさらに高まりそうだ。

株式会社デジタルハーツホールディングス:自動運転走行テストなど実験代行=東証1部(3676)

総合デバッグ・テストサービスやセキュリティ事業などを手掛けるグループ内の株式会社デジタルハーツが、自動運転に関わるさまざまなテストを行っている。

2015年に自動車業界向けのデバッグ及びデータ収集など実験代行に関する事業を行う株式会社ZEGをロボットベンチャーのZMPと設立している。

ジョルダン株式会社:MaaSプラットフォーマーへ名乗り=ジャスダック(3710)

乗換案内サービスを手掛ける同社は、従来の鉄道やバスなどに加えカーシェアも乗換案内に組み込むなど、MaaS事業を強化している。

2019年1月には、経路検索やチケット購入・乗車をスマートフォンだけで完結させる「モバイルチケットサービス」を2019年から本格的に提供開始することなども発表している。

【参考】ジョルダンの取り組みについては「乗換案内のジョルダン、「モバイルチケットサービス」提供へ MaaS事業を強化」も参照。

■地図・位置情報系
株式会社ドーン:高精度三次元地図の技術に注目=ジャスダック(2303)

GIS(地理情報システム)エンジンの研究開発やGISアプリケーションの受託開発、GISコンサルティング、クラウド地図アプリケーションサービス、クラウドサービスなどを手掛けており、自動運転の開発に必須となる高精度三次元地図に関する技術が注目を集めている。

アイサンテクノロジー株式会社:ダイナミックマップ開発に存在感=ジャスダック(4667)

測量技術を武器にさまざまなソフトウェア開発を手掛けており、ダイナミックマップ開発の分野で大きな存在感を示している。

三菱電機が開発した車載型の移動式高精度3次元計測システム「モービルマッピングシステム(MMS)」と連携したソフトウェア開発にも力を入れており、さまざまな実証実験の場でも活躍している。

地図・位置情報系ではこのほか、株式会社ゼンリン(東証1部:9474)や株式会社パスコ(東証1部:9232)などの存在感も大きい。

■部品・センサー開発系
株式会社ジェイテクト:部品製造からADASまで幅広く研究開発=東証1部(6473)

トヨタグループの自動車部品メーカー。ステアリングシステムや電子制御機器などの開発を手掛けるほか、自動運転バス正着制御などのADAS(先進運転支援システム)技術や自動運転体感VRコンテンツなど幅広い研究開発を行っている。

【参考】ジェイテクトの取り組みについては「ジェイテクト、米開催の展示会で自動運転技術への取り組みなど紹介」も参照。

日本電産株式会社:センシングデバイスや認識アルゴリズムの高度化に取り組む=東証1部(6594)

精密小型モーター、車載や家電・商業・産業用モーターの開発・製造を手掛けており、自動運転関連では、ADASからより高度な自動運転への飛躍の鍵となるセンシングデバイスや認識アルゴリズムの高度化などに取り組んでいる。

【参考】日本電産の取り組みについては「日本電産が自動運転向けモーター量産へ EV利用でも競争過熱、500億円投資へ」も参照。

TDK株式会社:ADASセンサーやV2X関連製品で存在感=東証1部(6762)

総合電子部品メーカーの同社は、自動運転分野ではセンシング用カメラやLiDARなどの部品やV2Xにおける高周波製品やモジュール、電源回路などの開発・製造を手掛けている。

アルプスアルパイン株式会社(アルプス電気):プレミアムテクノロジーコクピット発表=東証1部(6770)

電子部品や音響機器、カーナビなどの製造販売を手掛けており、自動運転分野では、ジェスチャー操作が可能な静電方式による入力デバイスやV2Xモジュールなどさまざまな製品開発を行っている。

2018年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2018」では、自動運転システム向けの「プレミアムテクノロジーコクピット」も披露している。

【参考】アルプス電気の取り組みについては「アルプス電気、自動運転向け「プレミアムテクノロジーコクピット」展示」も参照。

浜松ホトニクス株式会社:車載LiDAR用ダイオード開発=東証1部(6965)

イメージ機器、光源、光半導体素子、画像処理・計測装置開発など電子部品の製造を手掛けており、2018年11月には高温環境下でも安定したレーザー出力を発揮する「4チャンネルパルスレーザダイオード」を車載LiDAR用に開発したと発表している。

京セラ:LiDARと画像センサー一体型のモジュール開発へ=東証1部(6971)

電子部品大手の同社は、LiDARと画像センサーを一体化した新型の高精度測距センサーモジュールの本格的な商品化に着手している。

2019年5月には、横浜みなとみらいに新たな研究所を開設する予定で、通信コミュニケーション関連や自動車関連、環境エネルギー関連のソフトウェアやシステムの研究開発に一層力を入れる構えだ。

株式会社村田製作所:MEMSセンサーや路面検知システムなど開発=東証1部(6981)

総合電子部品メーカーとしてコンデンサーやモジュールなどさまざまな製品開発を手掛けており、自動運転分野では、微小電気機械システムをベースにしたMEMSセンサーの開発や路面検知システムの開発、超音波センサーに使用されるセンシング技術や圧電セラミックスなど、あらゆる場面で同社の技術が生かされている。

2018年7月には、センサー情報と画像技術を組み合わせた新高精度路面感知システムの実証実験を開始することを明らかにしている。

【参考】村田製作所の取り組みについては「村田製作所の新路面感知システム、道路保全にも自動運転社会にも貢献」も参照。

部品・センサー開発系ではこのほか、トヨタグループの株式会社デンソー(東証1部:6902)やアイシン精機株式会社(東証1部:7259)などの自動車関連大手から、画像センサーや燃料電池の開発に力を入れるパナソニック株式会社(東証1部:6752)、画像センサーの開発からタクシー配車プラットフォームの開発まで手掛けるソニー株式会社(東証1部:6758)、LiDAR開発を手掛ける株式会社東芝(東証2部:6502)、ソフトウェアやセンサー開発など多岐にわたる研究開発を手掛ける株式会社日立製作所(東証1部:6501)など大企業がひしめき合っている。

■【まとめ】2020年に向け勢い増す自動運転関連市場 株価の変動にも要注目

有名どころの大手企業以外にもさまざまな企業が何らかの形で関わっているケースが多く、紹介しきれないほど膨大な企業が自動運転市場に参入していることがわかった。

一つの節目となるだろう2020年に向け勢いを増す自動運転市場。外部要因の影響なども考慮しなければならないが、関連企業の株価にも注目していきたい。


関連記事