業界人必見!CES 2020で発表された自動運転トピックス16選

「目」の役割を果たすLiDARやAIカメラも





出典:CES 2020公式サイト

世界最大の技術見本市「CES 2020」がプレイベントを含めて今年も米ネバタ州ラスベガスで始まった。モビリティ関連では自動運転技術やセンサー技術、AI(人工知能)技術など、世界の各企業が自慢の先端テクノロジーを紹介している。(CES 2020関連ニュースはこちらからもまとめて確認できる

この記事ではCES 2020における自動運転関連のトピックスをまとめて紹介していく。会期中は常に情報を更新していく予定なので、ぜひ注目していてほしい。







記事の目次

■【日本】トヨタ:「コネクティッド・シティ」構想を発表

トヨタはCES 2020の開幕を直前に控えた会場でのプレスカンファレンスで、静岡県裾野市で「コネクティッド・シティ」を開発する構想を発表している。自動運転車やコネクテッドカー、ロボットの実証実験を行う「実証都市」という位置づけで、2021年初頭にも着工する予定だという。

自動運転の実証都市という位置づけの施設は世界でも前例があるが最大規模となる見込みで、実際に人が住むことも前提にしたプロジェクトとして進める。

■【日本】トヨタ:自動運転EV「e-Palette」やAIエージェント搭載の「LQ」など

日本のトヨタは自動運転技術を搭載する多目的EV(電気自動車)「e-Palette」などを出展。同車両は自動運転レベル4の技術を有し、東京オリンピックでは選手村で選手の移動をサポートするために使用される予定となっている。AIエージェント「YUI」を搭載した新型コンセプトカー「LQ」にも注目だ。

【参考】トヨタのCES 2020に関する展示については米トヨタのプレスリリースページ「CES 2020 – Toyota USA Newsroom」からも確認できる。

■【日本】ソニー:自動運転車の「試作車」を発表(2020/1/9 追加)

ソニーは自動運転車の「試作車」を発表した。試作車の製造は外部委託したが、車両にはソニーの車載向けCMOSイメージセンサーなどが33個設置され、自動運転の「目」と呼ばれるソリッドステート式のLiDAR(ライダー)も搭載している。

エンターテインメント性を高めた車載インフォテインメントシステムも搭載し、ソニーの吉田憲一郎社長は「過去十年の間、スマートフォンをはじめとするモバイルが私たちの生活を根本から変えたと言っても過言ではないが、次のメガトレンドはモビリティだと信じている」と語っている。

■【日本】パナソニック:事故防止などに貢献する「V2Xシステム」に注目(2020/1/9 追加)

パナソニックは自動運転関連のコネクテッドカー関連の最新技術やソリューションを展示。コネクテッドカー関連技術では、車両と車両、車両と道路などが通信できる技術である「V2X(Vehicle-to-Everything)システム」に注目で、事故の防止や渋滞の軽減に貢献するという。

■【日本】京セラ:「AI認識カメラ」や「カメラ-LIDARフュージョンセンサ」

「Toward the Future…」をブースのコンセプトに掲げるのは日本の京セラだ。自動運転車が歩行者やほかの車両を検知するための「AI認識カメラ」や、LIDAR(距離計測センサー)と画像センサーの一体化によって視差とひずみ差を無くすことが可能な「カメラ-LIDARフュージョンセンサ」が目玉だ。

自動運転に必須となる5Gに関する技術展示にも注目だ。

■【日本】パイオニア:次世代3D-LiDARセンサーの試作機で注目集める(2020/1/10 追加)

パイオニアの連結子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズは、500mの遠距離計測が可能な「次世代3D-LiDARセンサー」の試作機や乗用車などに後付けできる「3D空間データ収集LiDAR kit」などを出品している。LiDARは「自動運転の目」として注目されており、市場規模の大きな拡大も見込まれている。

■【ドイツ】メルセデス・ベンツ:蟹のように真横に移動できる自動運転EV発表(2020/1/11 追加)

メルセデス・ベンツは新たな自動運転EVコンセプトカー「Mercedes-Benz VISION AVTR」をお披露目した。蟹のように真横に移動できることが特徴の一つで、特殊な機構を車両後部に施したことでそうした動きを可能にしている。

また新たなHMIとして、手を置くだけで車両の制御の一部が可能となるソリューションも紹介した。人の心音や呼吸も検知できる仕様となっているという。

■【ドイツ】ボッシュ:「バーチャルバイザー」を出品(2020/1/10 追加)

ドイツの自動車部品大手ボッシュは、サンバイザーを進化させたソリューションを来場者にPR。そのソリューションとは液晶ディスプレイとカメラで構成された革新的なサンバイザー「バーチャルバイザー」で、ディスプレイ上で運転手の目に光が届く部分のみ暗くし、視界の遮りを最小限に抑えるというものだ。

■【フランス】ヴァレオ:自動運転の「電動配送ドロイド」を初公開

フランスの自動車部品メーカーであるヴァレオは、自動運転が可能な電動配送ドロイドを初公開。ヴァレオは自社で開発している認識システムをこの電動ドロイドに搭載しており、こうした技術が自律走行を可能にしているという。

この電動配送ドロイドは中国の大手食品流通サービスプロバイダー大手Meituan Dianpingとの協業によって開発され、将来的には小口の荷物の配送や食品のデリバリーなどにも活用させることが見込まれていそうだ。

【参考】関連記事としては「仏ヴァレオ、CES 2020で自動運転の電動配送ドロイドを初公開」も参照。

■【アメリカ】米政府:新たな自動運転開発ガイドライン「AV 4.0」を明かす(2020/1/10 追加)

アメリカ政府のチャオ運輸長官がCES 2020の会場において、アメリカにおける自動運転開発の新たなガイドラインとなる「Automated Vehicles 4.0」(AV 4.0)を発表している。チャオ運輸長官は自動運転に関連する民間企業の取り組みを促進させるため、既存の規制の見直しなどにも積極的に取り組むことにも触れた。

■【アメリカ】ベロダイン:ADASに貢献する最新のLiDAR技術を紹介

LiDAR(ライダー)製造で知られる米ベロダイン・ライダー(Velodyne Lidar)は、自社開発した最新技術をCES 2020で初公開。現在の自動車業界の主戦場であるADAS(先進運転支援システム)に貢献するものだという。展示製品は「Velodyne Alpha Prime」「Velodyne Velarray」「Velodyne VelaDome」「Velodyne Vella」「Velodyne Puck 32MR」など。

■【アメリカ】セレンス:自動運転EV、「車両」と「乗客」の対話を可能に

車載機器のAI音声認識技術を手掛ける米ニュアンス・コミュニケーションズから分社化した米Cerence(セレンス)は、音声AIによって「車両」と「乗客」の対話を可能とする自動運転EV(電気自動車)バスを展示。そのバスの名称は「e.GO Mover」だ。

自動運転時代はシステムに運転を任せることもあり、車両と乗客が何らかの形で相互に指令を出したり情報を共有したりする仕組みが求められる。ノイズがある中で人の声をクリアにシステム側が認識する技術も求められる。Cerenceの展示はこうしたことに貢献するものであると言える。

■【アメリカ】オン・セミ:高解像度と広い視野!LiDARアプリ用のSPADアレイを展示

アメリカの半導体メーカーであるオン・セミコンダクター(ON Semiconductor)は、短・中・長距離のLiDARアプリケーション用に設計された「SPAD(単一光子アバランシェダイオード)アレイ」をデモ展示。世界的にも注目の高解像度と広い視野を有していることが特徴だ。

このほか、先進運転支援システム(ADAS)用の新しいマルチモーダルレーダー機能「MIMO+」も紹介。1つのセンサーで「長距離」と「短距離」の両方の運用を可能としていることが強みだ。

■【アメリカ】ウェイモ:公道実証2000万マイルと発表

米グーグル系ウェイモは、CES 2020でこれまでに行った自動運転の実証実験について明かしている。ジョン・クラフチック最高経営責任者(CEO)によれば、公道での実証実験は2000万マイル、仮想環境での実証シミュレーションについては数百億マイルに上っているという。

ウェイモは2018年12月に他社に先駆けて自動運転タクシーの商用サービスを開始している。

【参考】関連記事としては「ウェイモ自動運転車、公道で2000万、仮想で数百億マイル」も参照。

■【イスラエル】モービルアイ:カメラだけで自動運転している動画を公開(2020/1/11 追加)

米インテル傘下のイスラエル企業であるモービルアイは、CES 2020に合わせてカメラだけで自動運転している動画を公開し、話題になった。

自動運転はLiDARやミリ波レーダーとカメラを複合的に使って安全走行をするのが一般的だが、カメラだけで自動運転が可能になれば、大幅にセンサー関連のコストが低くなる。

■【国際組織】Automotive Grade Linux:コネクテッドカー関連でデモ展示

Linux(リナックス)を自動車領域で活用・応用することを目的とした「Automotive Grade Linux」(AGL)。コネクテッドカー向けのオープンプラットフォームの共同開発プロジェクトとして知られる同組織のブースでは、AGLのメンバー企業が最新ソリューションを披露する。

例えばトヨタはAGLがベースの次世代インフォテインメントシステムを搭載したSUV「RAV4」の2020年モデルを展示。デンソーなども次世代コックピットシステムをお披露目。NTTデータMSEなどもソリューションをアピールするなど、注目の展示が目白押しだ。

■【まとめ】まさに世界最大の技術見本市

CES 2020では各種技術を搭載した自動車そのもののほか、各要素技術を製品化したセンサーやAIなどが展示され、まさに世界最大の技術見本市と呼べる場と言える。会期は10日まで。日々の最新トピックスを引き続き取り上げていきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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