CES 2020、”車の発表”は既にOEMの専売特許ではない Sonyの自動運転車発表から感じること

製造委託した試作車に自社技術を搭載し発表





出典:ソニープレスリリース

自動車を発表するのはもはや完成車メーカー(OEM)だけではない——そんなことを改めて感じさせた。

ソニーはこのほど、2020年1月7日に開幕した世界最大の技術見本市「CES 2020」の会場で自動運転車の「試作車」を発表し、大きな注目を浴びた。試作車の製造は外部委託したが、試作車の「うわもの」として自社技術を搭載し、自動運転向けの技術開発に力を入れていることをアピールした。







ソニーが試作車に「うわもの」として搭載した技術は、ソニーのセンシング技術やAI(人工知能)技術だ。クラウドを活用して車載ソフトウェアの更新性を維持する技術も実装し、電機大手ながら自動運転車の実用化に耐えうるソリューションを開発しようという意気込みが強く感じられる。

車両には具体的にはソニーの車載向けCMOSイメージセンサーなどが33個設置されているほか、自動運転の「目」と呼ばれるソリッドステート式のLiDAR(ライダー)も搭載し、高精度な距離の計測や立体空間の把握も可能にしていることが特徴だという。

■自動車メーカー以外が自動運転車を発表する時代

今回のソニーのように自動車メーカー以外が自動運転車の試作車を発表するケースは今後増えてくる。なぜか。それは「自動運転」という領域は既に自動車業界だけのものではなくなっているからだ。

自動運転車の車内はさまざまなサービスを提供できる場となり、manufacturer(製造会社)ではなくサービスを提供する企業にもビジネスチャンスが多く生まれる。例えばその一つがエンターテインメント。人が運転しない完全自動運転の車両では窓も必要なくなり、窓を車載ディスプレイとして使うこともできる。

ソニーも今回、シートに内蔵したスピーカーで没入感のある立体的な音場を実現する「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」を試作車に搭載している。

■吉田社長「次のメガトレンドはモビリティ」

ソニーの吉田憲一郎社長は「過去十年の間、スマートフォンをはじめとするモバイルが私たちの生活を根本から変えたと言っても過言ではないが、次のメガトレンドはモビリティだと信じている」と語った。

ソニーがこれまで開発してきた技術は直接的には自動車業界と関係のないものだった。ただここに来て接点が生まれ、その接点はより重視されるようになり、ソニーは自動運転領域で本格的に主導権を握ろうとしている。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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