仏ヴァレオ、CES 2020で自動運転の電動配送ドロイドを初公開

歩行者の次の行動を予測するAIも披露



出典:Valeoプレスリリース

フランスの自動車部品大手ヴァレオは2020年1月6日までに、米ラスベガスで7日に開幕する世界最大級の家電・IT見本市「CES 2020」で展示する内容について発表した。

目玉となるのは自動運転型(自律型)の電動配送ドロイド「Valeo eDeliver4U」で、世界に向けて初めて公開する。発表によれば、自社開発した認識システムを搭載していることで自動でルートを検知でき、「ゼロエミッションでの都市部の配送に適しています」と説明している。


発表によれば、Valeo eDeliver4Uは中国の大手食品流通サービスプロバイダー大手Meituan Dianpingとともに共同で開発したものだという。

このようなトピックスは、大手自動車部品メーカーによる宅配ロボットの製品化に向けた具体的な動きとして、注目すべきものであると言える。

欧米のグローバル「ティア1」も自動車に関しては自動運転時代もOEMメーカーの目がサプライヤーという位置付けに徹すると思われるが、人を乗せない配送ロボットなどのミニヴィークル系に関しては、製品そのものを提供する存在になりそうだ。

■次の行動を予測する「ヴァレオMove Predict.ai」も展示

ヴァレオはCES 2020で人工知能(AI)関連の技術も紹介する。その一つが「ヴァレオMove Predict.ai」で、自動車の近くにいる歩行者やサイクリストなどを検知し、その後の動きを予測するというソリューションのようだ。


例えば、その歩行者が携帯電話を使用しているのかなども検知し、その後の行動を予測できるという。その結果として危険が差し迫っていると判断されれば、AIが自動車のドライバーにアラートを出したり緊急ブレーキを作動させたりするらしい。

出典:Valeoプレスリリース
LiDARに関する実演も!

いまほぼ全ての大手自動車部品メーカーが自動運転を含むCASEへの対応を強化している。日本のデンソーやドイツのボッシュのほか、ヴァレオもその1社だ。

ヴァレオは「自動運転の目」と呼ばれる「LiDAR」(ライダー)センサーの開発にも力を入れている。CES 2020ではLiDAR製品を使ったデモも実施される見込みで、多くの来場者から注目を集めそうだ。

【参考】関連記事としては「【最新版】自動運転車の実現はいつから?世界・日本の主要メーカーの展望に迫る|自動運転ラボ」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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