道路交通法の改正案が閣議決定され、国会での審議がいよいよ始まる。まずレベル3の自動運転を解禁する動きがついに形になり、国内の大手自動車メーカーやベンチャー、スタートアップ企業も今後ますます研究開発に力を入れていくことだろう。
日本や世界でさまざまな動きがあった2019年3月の10大ニュースは?!
記事の目次
- ■ライドシェア活用拡大へ道路運送法を改正 安倍首相が方針(3月7日付)
- ■政府、道路交通法改正案などを閣議決定 自動運転レベル3解禁へ(3月11日付)
- ■グーグルの自動運転部門ウェイモ、自社開発LiDARを「他業種」限定で提供(3月11日付)
- ■トヨタ下請け企業の業種、「ソフト開発」が「部品製造」を抜く(3月11日付)
- ■営業職も増え始めた自動運転関連求人、前月比13%増12,527件に 2019年2月末時点(3月12日付)
- ■コスト共有型ライドシェア、仲介料だけで2030年に131億円市場に(3月12日付)
- ■トヨタ自動車、JAXAに協力してAI自動運転技術を宇宙で提供へ(3月12日付)
- ■ソフトバンクとトヨタ、ウーバーの自動運転部門に1100億円の出資検討か(3月15日付)
- ■【試乗ルポ】ハンドルが無人でクルクル…興奮必至の自動運転タクシー「Easy Ride」に乗ってみた 日産とDeNAが開発(3月20日付)
- ■【解説】ベールを脱いだ「Japan MaaS(仮称)」の全貌 トヨタやソフトバンクも注力する分野(3月21日付)
- ■【2019年3月を振り返って】自動運転領域は製造業だけでおさまらない
■ライドシェア活用拡大へ道路運送法を改正 安倍首相が方針(3月7日付)
安倍晋三首相が2019年3月7日の未来投資会議において、所有する自動車で有料で客を運ぶ「ライドシェア」の活用拡大を、道路運送車両法の改正によって実現する方針を示した。ただ、日本全国で広くライドシェアを全面解禁するというわけではなく、過疎地や高齢化が進んだ地域でライドシェアサービスを導入しやすくすることが狙いだ。
中国やアメリカなどでは既にライドシェアは自由に営業を行うことができるが、日本は全面解禁はまだまだ遠い。ライドシェアを巡っては新経済連盟が「ライドシェア新法」の提案書を2018年に政府に提出している。
【参考】詳しくは「ライドシェア活用拡大へ道路運送法を改正 安倍首相が方針」を参照。
ライドシェア活用拡大へ道路運送法を改正 安倍首相が方針 https://t.co/CfaoTT6CNa @jidountenlab #安倍首相 #ライドシェア #法改正
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■政府、道路交通法改正案などを閣議決定 自動運転レベル3解禁へ(3月11日付)
道路交通法改正案と道路運送車両法改正案が閣議決定された。政府は両方の改正案を今国会で成立させ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック前までには施行させたい考えだ。自動運転車両の公道デモなどが五輪前に控えていることも理由とみられる。
改正案は自動運転レベル3(条件付き運転自動化)を解禁する内容になっている。レベル3は緊急時に人が自動運転システムに代わって運転する段階と定義されており、道交法改正案では緊急時に人が運転を代われることを前提に、一定条件下でスマートフォンの利用などを運転手に対して認めている。
【参考】詳しくは「道路交通法改正案などを閣議決定 自動運転レベル3解禁へ」を参照。
政府、道路交通法改正案など閣議決定 自動運転レベル3解禁へ https://t.co/XGUizEsGxZ @jidountenlab #道路交通法 #道路運送車両法 #自動運転レベル3
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■グーグルの自動運転部門ウェイモ、自社開発LiDARを「他業種」限定で提供(3月11日付)
2018年12月に自動運転タクシーを商用化した米グーグル系の自動運転開発企業ウェイモ。同社が3月8日、自社開発しているLiDARセンサーを外部提供すると発表した。ただし条件がついた。自動運転関連技術を開発する企業には提供せず、他業種に限定してLiDARを提供するという。
同社が他社にLiDARを提供するのは、さまざまなシーンでLiDARを活用してもらってフィードバックを受け、精度の向上や改善などに向けたヒントを探していくためのものとみられる。LiDARの開発競争は世界的に激化しており、ウェイモはこうした攻めの戦略でLiDARの技術の向上を急ぐ。
【参考】詳しくは「グーグルの自動運転部門ウェイモ、自社開発LiDARを「他業種」限定で提供」を参照。
グーグル、地味にケチ…自社開発LiDARを「他業種」限定で提供 自動運転部門ウェイモが開発 https://t.co/ryMPyzMDGE @jidountenlab #グーグル #自動運転 #LiDAR
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■トヨタ下請け企業の業種、「ソフト開発」が「部品製造」を抜く(3月11日付)
トヨタ自動車は自動車業界でも世界でトップに君臨し、次世代技術として注目を集める「自動運転」の領域においても最前線のプレイヤーだ。そんな中、あるニュースが業界で注目を集めた。トヨタの下請け企業の業種において、「ソフト開発」が「部品製造」を抜いたというニュースだ。
帝国データバンクが2019年3月に発表した調査データによると、トヨタ自動車の一次下請けと二次下請けの企業の業種を調べたところ、非製造業部門の「受託開発ソフトウェア」が初めて業種別企業数で最多となった。
【参考】詳しくは「トヨタ下請け企業の業種、「ソフト開発」が「部品製造」を抜く」を参照。
トヨタ下請け企業の業種、「ソフト開発」が「部品製造」を抜く 自動運転やコネクテッド自動車、AI開発進む https://t.co/jDFEKrEyDG @jidountenlab #トヨタ #下請け #自動運転
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■営業職も増え始めた自動運転関連求人、前月比13%増12,527件に 2019年2月末時点(3月12日付)
自動運転関連求人数は右肩上がりを続けている。自動運転ラボが調べたところ、日本の主要6転職サイトにおける自動運転関連の登録求人数は、2019年2月末時点で前月比で13.2%増の1万2527件となった。
関連求人数は増え続けているが、注目したいのはその中身だ。2019年2月は新たな傾向として、技術職だけではなく営業担当職の募集も目立つようになった。技術の開発だけではなく、自動運転業界は売り込みの時代も徐々に迎えつつある。
【参考】詳しくは「営業職も増え始めた自動運転関連求人、前月比13%増12,527件に 2019年2月末時点」を参照。
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■コスト共有型ライドシェア、仲介料だけで2030年に131億円市場に(3月12日付)
日本では解禁されていない「ライドシェア」だが、実は全くサービスがないわけではない。運転手と利用者がガソリン代や高速代といった交通費を割り勘するカープール型ライドシェアは、日本においても存在している。
このカープール型ライドシェアに関する市場予測を調査会社の富士経済が2019年3月12日までに発表した。それによると国内市場(仲介手数料ベース)は、2018年の1億円(見込)から2030年には131億円(予測)まで拡大するという。
富士経済は発表の中で、今後はライドシェア事業者による行政への働きかけが進み、認知度もさらに高まって行く中で、2025年ごろから市場が活性化していくと予測した。
【参考】詳しくは「コスト共有型ライドシェア、仲介料だけで2030年に131億円市場に」を参照。
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■トヨタ自動車、JAXAに協力してAI自動運転技術を宇宙で提供へ(3月12日付)
トヨタ自動車の技術が将来宇宙でより一層活躍する。トヨタと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2019年3月12日、国際宇宙探査ミッションで協業の可能性を検討していくことに合意したことを発表した。
共同検討してきた月面向け有人探査モビリティ「有人与圧ローバ」における協力を深化させ、今後トヨタの燃料電池車(FCV)技術を用いることを検討する。トヨタが世界の各社と開発競争を繰り広げる自動運転やコネクテッド技術なども搭載していく計画のようだ。
【参考】詳しくは「トヨタ自動車、JAXAに協力してAI自動運転技術を宇宙で提供へ」を参照。
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■ソフトバンクとトヨタ、ウーバーの自動運転部門に1100億円の出資検討か(3月15日付)
米ライドシェア最大手ウーバー・テクノロジーズに、ソフトバンクグループとトヨタ自動車などが追加出資を検討しているらしい。その額は10億ドル(約1100億円)以上とみられている。投資するのはライドシェア事業ではなく、ウーバーの自動運転事業に対してだ。
ウーバーの自動運転部門の価値は現時点で最大100億ドル(約1兆1000億円)と評価されている。ウーバー自動運転車の交通事故でしばらく実証実験を中止していたが、既に実験を再開している。ウーバーはIPO(新規株式公開)を控えており、両社による出資は上場を見込んだものとみる動きも強い。
【参考】詳しくは「ソフトバンクとトヨタ、ウーバーの自動運転部門に1100億円の出資検討か」を参照。
ソフトバンクとトヨタ、ウーバー自動運転部門に1100億円出資検討か https://t.co/S6C8z4ftDn @jidountenlab #ソフトバンク #トヨタ #ウーバー #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 18, 2019
■【試乗ルポ】ハンドルが無人でクルクル…興奮必至の自動運転タクシー「Easy Ride」に乗ってみた 日産とDeNAが開発(3月20日付)
日産自動車とDeNAが、開発中の自動運転サービス「Easy Ride」の実証実験を2年連続で実施した。今年は実証実験のルートを広げ、「無人乗降」にも挑戦するなど、昨年よりもかなりレベルを上げての実証実験となった。
両社はEasy Rideの2020年代早期の実用化を目指している。自動運転ラボはEasy Rideに試乗し、両社の最先端の技術を体験した。詳しくは試乗ルポにまとめたのでぜひ読んでみてほしい。
【試乗ルポ】ハンドルが無人でクルクル…興奮必至の「Easy Ride」で最先端の自動運転技術とサービスを体験してみた 日産自動車とDeNAが開発 https://t.co/HTkbyj9w7P @jidountenlab #自動運転 #DeNA #日産
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 20, 2019
■【解説】ベールを脱いだ「Japan MaaS(仮称)」の全貌 トヨタやソフトバンクも注力する分野(3月21日付)
国土交通省は「都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会」の中間とりまとめを発表した。その中では、日本版MaaS(Mobility as a Service)の将来像や、今後の取り組みの方向性などに触れられている。
中間とりまとめでは、日本においては移動と多様なサービスとの連携が他国に比べて容易であるという特徴があり、この特徴を活用したMaaSの展開が期待できると説明。その上で、都市・地方、高齢者・障がい者などを含む全ての地域、全ての人が利用できる仕組みの構築が必要であることを強調し、「ユニバーサルMaaS」を目指すべきだとした。
【参考】詳しくは「【解説】ベールを脱いだ「Japan MaaS(仮称)」の全貌 トヨタやソフトバンクも注力する分野」を参照。
【解説】ベールを脱いだ「Japan MaaS(仮称)」の全貌 両輪は「ユニバーサル化」と「高付加価値化」 決済手段の統一やAI自動運転など導入も トヨタ自動車やソフトバンクも注力する分野 https://t.co/5Mn0P7eUlP @jidountenlab #MaaS #日本 #国土交通省 #自動運転
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 21, 2019
■【2019年3月を振り返って】自動運転領域は製造業だけでおさまらない
2019年3月に注目を集めたニュースの一つが、トヨタ自動車の下請け企業の業種に関する記事だ。自動運転領域はもはや製造業だけでおさまる話ではなく、ソフトウェア業界、サービス業界を巻き込んだビッグビジネスであることを改めて浮き彫りにした。
MaaSの動きも国内で活発化してきた。各社の取り組みのほか、国と民間、民間と民間の連携の動きにも注目していきたい。
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2019年2月のモビリティ業界10大ニュースは? AI自動運転、トヨタ自動車、スタートアップ… https://t.co/NZvXnHMuCF @jidountenlab #自動運転 #10大ニュース #MaaS
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