自動運転の事故まとめ ウーバーやテスラが起こした死亡事故の事例を解説

事故当時の状況や原因を紐解く


自動運転に関する死亡事故は、2018年4月時点でアメリカでこれまでに3件発生している。テスラ車が2回、ウーバー車が1回起こしているが、googleの自動運転車も路線バスと衝突事故(けが人はなし)を起こしている。自動運転事故の過去の事例をまとめて紹介する。







■2016年9月23日:googleの自動運転車が路線バスと衝突

2016年2月、アメリカのカリフォルニア州マウンテンビューの公道で、米グーグルが開発中の自動運転車が路線バスと接触する事故を起こした。カリフォルニア州には米グーグル本社があり、グーグルのお膝元で起きた事故とも言える。

事故を起こした開発中車両のベース車種は、トヨタの多目的スポーツ車(SUV)「レクサス」のRX450h。路肩の砂袋を検知したことによって自動運転車は一時停止し、その砂袋を避けて前進するために左方向に車両を動かしたとき、後ろから走行してきたバス車両の側面にぶつかったという。

カリフォルニア州の発表などによれば、グーグル側の自動運転車は時速にして3キロ以下、後ろから走行してきたバスは時速24キロだった。自動運転車の運転手にもバスの乗客15人にもけがはなかった。

グーグルは当時、2017〜20年の実用化を目指して事故を起こした車両を開発していた。グーグル側は自動運転車側の過失を認めており、事故防止に向けてソフトウェアを交換する方針などを明らかにした。グーグルは過去にも自動運転車で事故を起こしていたが、過去の事故ではもらい事故や運転手の判断ミスによるものだった。

■2016年5月7日:テスラ車で部分自動運転モード中に死亡事故

電気自動車(EV)メーカーの米テスラモーターズの電気自動車「モデルS」が、2016年5月に死亡事故を起こしている。この事故では自動運転モードで米フロリダ州のハイウェイを走行していた車両が大型トレーラーに衝突し、運転していたドライバーが死亡したというものだ。

アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)の報告などによると、信号のない交差点で白いトレーラートラックの下に潜り込むような状態で車両が衝突したという。テスラモーターズによれば、日差しが強さやトレーラーの白い色が要因となり、自動運転のシステム側がトレーラーを「物体」として認識できなかったようだ。

国家運輸安全委員会によれば、ドライバーは事故当時は「部分的な自動運転システム」を稼働させて走行していたようだ。しかし、実際には手を添えていなければいけなかった37分間のうち、ドライバーは25秒間しかハンドルを手で触っていなかったことが明らかになっている。システム側はドライバーに対しても、ハンドルを握るよう警告を7回出していたという。

テスラはその後、2016年9月に警告にドライバーが反応しなかった場合は自動運転機能を使用不可にするなどの仕様変更を発表している。また国家運輸安全委員会は、車自体には欠陥がなかったと結論づけた。

【参考】アメリカの死亡事故とは単純比較できないが、日本の国土交通省自動車局は2018年3月に自動運転における損害賠償責任に関する研究会の「報告書」を取りまとめているので参照してみてほしい。自動運転モード中の事故の損害賠償をどう考えるかなどに触れられている。

■2018年3月18日:ウーバー車が自動運転中に歩行者と死亡事故

アメリカのライドシェア最大手であるウーバーテクノロジーズ社の自動運転車が2018年3月18日、自転車を押しながら車道を渡っていた49歳の歩行者を時速約64キロではねて死亡させる事故をアリゾナ州で起こした。

事故は自動運転車が自動運転システムを稼働させていたときに発生した。当時は運転席には自動運転システムの稼働状況を監督する「人」も同乗していた。この事故を受け、ウーバーテクノロジーズ社は北米4都市の公道での走行試験を中断した。

この死亡事故は、自動運転において世界で初めて歩行者を死亡させた事故と位置付けられている。この事故でウーバーテクノロジーズ社と死亡した女性の遺族はその後和解したものの、自動運転の安全性に対する厳しい目も世論から向けられたと言える。

現地の報道などによれば、警察などの捜査機関は歩行者側が急に車道に飛び出してきたとの見方を示している。そのため、人間がドライバーとして運転していた場合にも回避するのは難しいかったとの見方も出ている。

■2018年3月23日:テスラEVが2件目の自動運転モード中の死亡事故

2018年3月23日、ウーバーテクノロジーズ社の車両が死亡事故を起こしてから1週間が経たない間に、アメリカの電気自動車(EV)メーカーであるテスラの電気自動車「モデルX」が米西部カリフォルニア州の高速道路で衝突事故を起こした。

事故では車両が高速道路の中央分離帯に衝突し、運転していた38歳の男性が死亡した。その後の調べによれば、事故当時は部分的な自動運転機能が作動しており、車線の逸脱や車間距離の保持がシステム側によって行われていたという。

だが事故後に明らかになった車両の記録データでは、事故の6秒前にシステム側が運転手に対してハンドルを握るように、警告を発していたようだ。事故発生までの間、死亡した男性がハンドルを握ることは無かったようだ。

テスラの自動運転モード中の死亡事故は2016年5月に続いて2度目。2018年3月にウーバーテクノロジーズとテスラの立て続けに起きた死亡事故は、そのほかのメーカーの自動運転車の実証実験などにも大きな影響を与えるニュースとなった。

【参考】自動車メーカー各社の自動運転車の開発計画は「自動運転車の実現はいつから? 世界・日本の主要完成車メーカーの展望に迫る|自動運転ラボ」でも詳しく解説しているので参照してほしい。







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