自動運転・ADAS関連の略語24個まとめ CASE、ODD、LiDAR…

次世代モビリティを考えるための基礎知識





現在実用化に向けて日進月歩の進化が見られる自動運転の世界だが、多くは諸外国で先進的な技術が開発されていることもあって英語の言葉が多く、英数字で略されている「略語」の形になっているものが多い。







また、日本で生まれた単語であっても、交通管理に関して各省庁が作った略語などは自動運転と関わりが深いものがある。略語だけを聞くと意味が想像しにくいものもあるが、すぐに理解できれば自動運転の最先端情報にアクセスしやすくなるだろう。

今回は「自動運転」「ADAS(先進運転支援システム)」「次世代交通」に関連する略語を24個取り上げてみたいと思う。ぜひ次世代モビリティについてよく知るために役立てていただきたい(ABC順)。

■ACC:車間距離制御装置

「Adaptive Cruise Control」の略で、正式名称は「定速走行・車間距離制御装置」という。高速道路などであらかじめ設定した速度で走行し、前に車がいる場合は、自動的に加減速しつつ先行車との距離を一定に保ちながら走行する「追従走行」の機能がある。

旧来型のACCでは約35〜115km/hの範囲内で作動するものが多かったが、近年では低速で動いている時でも、先行車が停止すると自動的に停止する渋滞追従機能が付いている車種が多くなっている。

■ADAS:先進運転支援システム

「Advanced Driver-Assistance Systems」の略であり、車が周囲の状況を把握して交通事故につながりそうな事象が起きたとき、ドライバーに警告を行ったり、運転操作を制御したりするシステムの総称を指す。

運転には「認知」「判断」「操作」という行動が必要であり、これらの全て、もしくはいずれかをアシストするものがADASとなる。ACC、FCW、LKSなどはADASを構成する要素の1つである。

【参考】関連記事としては「【最新版】ADASとは? 基礎知識や読み方などを徹底まとめ!」も参照。

■APA:高度駐車アシスト

「Advanced Parking Assist」の略であり、車庫入れ、縦列駐車などを支援する車両の機能の総称である。リアモニターやバックソナーなど駐車位置を確認する機能に加え、ハンドルを切る角度に合わせて車の進路を予測するラインを表示したり、縦列駐車の切り返しタイミングを音声案内したりといった機能が一般的になった。

近年ではドライバーの介入がほぼない状態で、自動的に駐車を行う機能も開発されている。

■ASV:先進安全自動車

「Advanced Safety Vehicle」の略であり、先進的な技術を用いて、ドライバーの安全で快適な運転を支援する機能を備えた自動車のことである。

近年ではASVが交通事故の減少に役立っていることから、自動車保険が「ASV割引」の商品を提供しているところもある。

■BSM:死角モニタリング

「Blind Spot Monitoring」の略で、車が後方、側方の死角に入ってくる車両を検知し、ドアミラーに設置されたインジケーターを点灯してドライバーに知らせる機能のことである。

また、その状態でウインカー操作をして車線変更を試みた場合、さらに警報を発して車線変更の中断を促す機能もある。

■CASE:自動車業界の今後の方向性を示す

自動車業界の今後の方向性を示す4つの頭文字「Connected(コネクティッド)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared&Service(シェアリングとサービス)」、「Electric(電動化)」の略語である。

自動車は今後シェアされ、サービスとして使われるようになり、自動運転されるようになり、インターネットに接続される。そのベースとして電気自動車が使われるようになる、という想定のもと自動車メーカーや周辺業界はこの分野を強化している。

■DCM:車載通信機

「Data Communication Module」の略で、コネクテッドカーの機能を実装するために車に搭載される専用通信機のことで、通常トヨタ車で搭載されているものについての名称として使われる。

Wi-Fiや携帯電話がない環境でも、DCMによって車が常にインターネットに接続できる。

■DM:ドライバー監視

「Driver Monitoring」の略で、ドライバーの状況を監視し、脇見、居眠りなどの危険がある時に警告を発するシステムのことを表す。現在一般化されているものでは赤外線カメラを使ったものが多く、ドライバーの画像をリアルタイムで処理して、顔の向きから脇見を、まばたきの様子から居眠りの危険を検知することができる。

このほかに、ハンドルセンサーで心拍を検知したり、シートセンターで脈拍を検知したりすることで体調異変をモニタリングする技術なども開発されている。

■FCW:前方衝突警告

「Forward Collision Warning」の略で、先行車との距離や相対速度を検知し、車間が短くなった際に、運転者に対して表示や警報などのアラートを出して回避を促すシステムのことを指す。

ACC機能の一部として搭載されている場合と、ドライブレコーダーなどに搭載されており後付けする場合がある。

■HMI:ヒューマン・マシン・インターフェイス

「Human Machine Interface」の略で、人間と機械とのやり取りを介するインターフェイスのことを表す。自動車用語としては人から車へ指示を送り、車が人に対してその結果を送る部分の総称であり、タッチパネルなどの機器や音声入力などシステム部分の広い範囲を表す。

■IoT:モノのインターネット

「Internet of Things」の略語で、様々なものをインターネットに接続する技術、またはインターネットに接続された「モノ」を表す。

インターネットはPCや携帯電話から接続するものであったが、車載通信機により車から接続されたり、昨今では家電や文房具のような生活用品や建物・設備までがインターネットに接続できるようになったりし、モノが持っている情報をインターネットを通じて人やモノに送れるようになった。

■ITCS:高度交通管制システム

「Integrated Traffic Control Systems」の略で、警察庁が主導する新交通管理システムUTMSの核となるシステムで、光ビーコンなどの技術を利用しつつ車載通信機と双方向に通信しながら交通情報を収集したり、信号制御を最適化したりする。

■ITS:高度道路交通システム

「Intelligent Transport Systems」の略で、人、道路、自動車の間で情報のやり取りを行い、道路交通が抱えている渋滞、事故、環境問題などの課題を解決するためのシステムの総称である。

ナビゲーションシステムの高度化、有料道路の自動料金収受(ETC)のほかに物流事業の高度化、公共交通の高度化などが含まれており、近年では鉄道、航空機、船など道路交通以外の幅広い交通手段との協調・連携もITSの範囲とし、「高度交通システム」と訳する場合もある。

■LDW:車両逸脱警報/警告

「Lane Departure Warning」の略であり、車が車線を認識し、車線を逸脱した時には警報で注意を促すシステムのことである。

大型車は車線を逸脱した際の事故被害が大きくなることから、現在車両総重量3.5トン以上のバス、トラックにはLDW装着を義務づけられており、新型車は2017年11月1日から、継続生産車は2019年11月1日から全てLDWが装着されている。

■LiDAR:ライダー

「Light Detection And Ranging」の略であり、レーザー光を照射し周囲の物体に当てて跳ね返ってきた時間から、距離や方向を正確に測るシステムのことを指す。電波を用いて距離や方向を測る「レーダー」を光に置き換えたものであることから「光レーダー」「レーザーレーダー」とも呼ばれている。

自動運転においては車の目ともなるコア技術であり、カメラ、ミリ波レーダーに加えて自動運転の「三種の神器」とも言われている。現在は小型化、低価格化に向けて競争が激化している。

■LKS/LKAS:車線維持支援システム

「Lane Keeping Assist System」の略で、車が車線を認識し、車線を逸脱しそうな動作をしたときに、警報を発したり、車線内での走行維持をしたりするためのハンドル操作を補助するシステムのことを指す。

LDWが車線を逸脱したことに対する警報だけにとどまったことに対して、車線内走行を保持するためのアシスト機能がついたものを一般的にLKSと呼んでいる。

■MaaS:サービスとしてのモビリティ

「Mobility as a Service」(サービスとしてのモビリティ)の略であり、個人の移動を最適化するために様々な移動手段を組み合わせて統合的に利用すること、またそのためのシステムについて使われる。

従来は電車、バス、タクシーなど別々に予約・支払いがあったものを一元化できるようになったり、状況に合わせて最適な移動手段が選択できたりする。また、カーシェアやライドシェアといった手段も、交通手段の一つとして組み合わせることができる。自動運転車両は今後MaaSのサービスとして活用機会が増えると想定されている。

【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。

■ODD:運行設計領域

「Operational Design Domain」の略で、「運行設計領域」と訳される。自動運転システムが作動可能な走行環境の条件のことを指す。

自動運転システムを搭載する際には、「片道2車線以上の自動車専用道路であること」や「時速60キロ以下であること」といった道路環境や速度などの条件を定められる。その条件から外れる場合は手動運転に切り替えたり、安全に車両を停止させたりする必要がある。

■OTA:ソフトウェアを無線アップデート

「Over The Air」の略であり、無線通信を利用して遠隔でコンピューターのソフトウェアをアップデートすることを表す。

従来からカーナビの地図のアップデートなどはOTAで行われることが多かったが、近年では自動車のコンピューター制御部分が増えてきたため、OTAで更新や修正ができればディーラーに行く必要がなくなり、迅速に対応することができる。車載通信機の普及により、OTAの活用は増えることが期待されている。

■PTPS:公共車両優先システム

「Public Transportation Priority System」の略であり、信号制御によって、バスなどの大量輸送可能な公共交通機関の車両を優先的に通行させるシステムのことである。

具体的には交通管理者の交通管制システムとバス事業者のバスロケーションシステムとを連携させ、バスが接近してきた際に青信号の延長、赤信号の短縮を行ってバスの定時運行を支援する。日本では1995年に北海道札幌市で導入されて以来、全国に導入が拡大している。

■RSA:ロードサインアシスト

「Road Sign Assist」の略であり、車両に設置されたカメラが道路標識を読み取り、インストゥルメントパネルに表示させる機能のことである。

「最高速度」「はみ出し通行禁止」「一時停止」「車両進入禁止」などの標識があった場合に車内に表示してドライバーの注意を喚起するほか、速度が超過した場合や進入してはいけない場所に進入した場合などは表示や警告音を発する。

■TDM:交通需要マネジメント

「Transportation Demand Management 」の略で、自動車の効率的な利用、公共交通利用への転換、移動時間のシフトなど交通の需要を適正に管理し、主に道路混雑を緩和する仕組みのことを表す。

具体的な方法としては、交通手段シフト、時間シフトのほかに、経路の変更、ライドシェアなど自動車の効率的利用、ロードプライシングなどによる自動車交通の抑制などの道路交通発生源の抑制などがある。

■TSPS:信号情報活用運転支援システム

「Traffic Signal Prediction Systems」の略で、光ビーコンから取得した信号の情報と、自車の位置や速度などの情報を取得し、信号に関する情報を提供することで、信号交差点をスムーズに通行できるようにするシステムのことを指す。

車載機が周囲の交通状況にあわせて適正な速度などの情報を提供することにより、急な加速、減速を抑えたゆとりのある走行が実現可能となる。

■V2X:「Vehicle-to-Everything」という意味

「Vehicle-to-Everything」の意味で、「X」に様々な単語が入ることにより、車とさまざまなものとの通信を指す言葉である。

多くの場合、「V2V」=車車間、「V2I」=路車間、を合わせて「V2X」という言葉を使うことが多いが、「V2P」=車と歩行者間、などといった使い方もある。

■【まとめ】今後はさらに新しい略語も登場!?

いかがだっただろうか。自動運転技術そのものの言葉もあるが、周辺をサポートする技術や、交通全体の分野の略語を知ることも、理解を深めるためには重要となってくる。自動運転技術の発達とともに、今後はさらに新しい略語も登場していきそうだ。

【参考】関連記事としては「自動運転、ゼロから分かる4万字まとめ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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