自動運転、2024年の主役銘柄を大予想!日本株&米国株10選

関連ビジネスが徐々に業績に反映



自動運転技術やサービスがどこまで拡大するか注目が集まる2024年。新進気鋭のスタートアップの活躍をはじめ、自動車メーカーやテクノロジー企業など既存プレイヤーの巻き返しにも注目したいところだ。







2024年はどのような企業が台頭するのか。この記事では、上場済みの10社をピックアップし、これまでの取り組みを振り返りながら2024年の動向に迫っていく。

■Google:自動運転タクシーに注力、2024年も拡大路線を継続

他社に先駆けて自動運転開発に本腰を入れたグーグル。分社化したWaymoが事業を引き継ぎ、自動運転タクシーを商用化して早5年が経過した。

アリゾナ州フェニックスでじっくりとサービスの基礎を固め、その後カリフォルニア州サンフランシスコ、テキサス州オースティンとサービス提供エリアの拡大を図っている。

自動運転トラックの開発なども手掛けていたがこちらは一時停止しており、まずは自動運転タクシーに注力する構えだ。自動運転タクシーはロサンゼルスでも実証に着手しているほか、フェニックスではUberアプリからWaymoの自動運転タクシーを利用可能にするなど、さまざまな観点からサービスを充実させている。

2024年中にどこまでエリアを拡大するか、業界のけん引役の取り組みに引き続き注目だ。

【参考】Waymoの取り組みについては「Waymoの自動運転戦略」も参照。

■GM:Cruiseの再出発に注目

米自動車メーカー大手の一角ゼネラルモーターズ(GM)。米市場ではトヨタを抑え自動車販売台数1位を死守するなど本業は好調だ。ハンズオフ運転が可能なレベル2+のラインアップも拡充しており、2024年はレベル3投入にも期待したいところだ。

自動運転関連では、傘下のCruiseとホンダと3社でパートナーシップを結んでいる。Cruiseはカリフォルニア州サンフランシスコを皮切りに自動運転タクシー事業を展開し、Waymoを猛追している。ホンダとともに日本でも2026年初頭に自動運転タクシーを開始する計画で、日本初のサービスインとなるか注目が集まるところだ。

一方、2023年10月に起こした人身事故の影響でCEO(最高経営責任者)が辞任し、自動運転サービスを中止する事態に陥るなど、自動運転分野では苦境に立たされている。拡大路線を変更し、今後は1カ所に絞って確実かつ安全なサービス提供を心掛けていく方針を発表している。

事故をきっかけに技術とサービスを見つめなおし、どのような姿で再び路上に姿を見せるのか。必見だ。

【参考】Cruiseの取り組みについては「自動運転タクシー、「Google一強時代」に逆戻り GMの全台リコールで」も参照。

Mobileye:2024年は世界展開をスタートする年に?

インテル傘下のイスラエル企業モービルアイ。高度なコンピュータビジョン技術を武器としたADAS(先進運転支援システム)ソリューションをベースに、近年は自動運転システム開発や高性能なSoC(システムオンチップ)で右肩上がりの成長を続けている。2022年には米ナスダック市場への再上場も果たした。

同社の自動運転システム「MobileyeDrive」は、それぞれ独立して自律走行を可能にするカメラ主体のシステムとLiDAR主体のシステムを併せ持っているのが売りだ。片方のシステムに問題が発生しても、もう一方のシステムが自動運転を継続することができ、高い冗長性を発揮する。

世界各国の自動車メーカーや輸送事業者などとのパートナーシップもと、各国で自動運転サービス導入を推進していく計画で、日本でもWILLERとともにサービス実用化を図っていく構えだ。

先行する米中勢を追いかける最有力候補として、2024年の動向に注目したい。

【参考】Mobileyeの取り組みについては「Mobileye(モービルアイ)と自動運転」も参照。

Tesla:そろそろ自動運転実用化で有言実行?

EV(電気自動車)メーカーの代名詞的存在となった米テスラ。奇才イーロン・マスク氏とともに自動車業界の風雲児的存在としてその名が広く知られるようになった。

自動運転関連では、マスク氏はLiDARや高精度3次元地図を使わず完全自動運転を実現すると豪語しており、毎年のように「今年中に実現する」旨発言している。

同社の有料オプション「FSD(Full Self-Driving)」は、アップデートによって将来的に自動運転を実現するソリューションとして展開されており、各オーナーカーから大量のデータを収集して開発力を強化している。

目標はあくまで自動運転レベル5だが、現実的な目線ではレベル4実現にもまだまだ時間を要するものと思われる。

そろそろ戦略を変更してまずはレベル3を実現し、徐々に自動運転が可能な条件を示すODD(運行設計領域)を拡大していく方がビジネス的にマッチするのではないか。

EV分野では中国勢などの猛追が激しい。訴求力が弱まる前に新たな一手に踏み切るか、2024年のマスク劇場に注目したい。

【参考】テスラの取り組みについては「テスラのFSD訴訟、「自動運転」未実現で購入費を払い戻し」も参照。

■Arm:自動運転分野がさらなる成長を後押し

半導体設計企業の英アーム。ソフトバンクグループの孫正義会長肝いりの巨額買収(3.3兆円)で新境地を開き、2023年には米ナスダック市場へ再上場を果たした。上場初日の終値ベースで時価総額は652億ドル(約9兆6,100億円)に達するなど、投資家からの支持も集めたようだ。

低消費電力の半導体設計技術を武器にスマートフォンをはじめとしたIoT機器で需要を伸ばし、2,700億個以上のチップにアームの技術が採用されている。

今後は、CASEの波が押し寄せる自動車分野での躍進にも期待が寄せられる。電動化やコネクテッド化、ADAS・自動運転化により自動車が使用する半導体の数は飛躍的に増し、かつ高性能・省電力性が求められるためだ。

業界を陰から支える黒子的存在として、自動運転向けソリューションのさらなる発展に注目だ。

【参考】Armの取り組みについては「半導体大手Armの自動運転戦略」も参照。

■アイサンテクノロジー:測量の域を超えて事業展開

測量技術を武器に自動運転分野で躍進するアイサンテクノロジー。高精度三次元地図関連の整備をはじめ、近年は自動運転システムの販売まで事業領域を拡大するなど、モビリティセグメントの強化を図っている印象だ。

モビリティ関連では、モービルマッピングシステム(MMS)計測機器や関連製品、三次元計測・解析業務の請負、自動運転支援用のカメラ販売、高精度三次元地図データベース構築業務の請負、自動運転システム構築、自動運転の実証実験請負などを事業化している。

2023年に三菱商事との合弁「A-Drive」を設立し、自動運転実用化に向けたワンストップサービスを提供している。

出資先のティアフォーとの共同事業も多く、自動運転サービス実用化の需要の高まりとともに、ますます業績を伸ばしていきそうだ。

【参考】アイサンテクノロジーの取り組みについては「アイサンテクノロジーの株価急騰!「自動運転銘柄」で注目度アップ」も参照。

■マクニカ:Navya手中に、国内展開を加速

専門商社として自動運転車の構築に向けた各種ソリューションやサービス実装に向けたソリューションなど、幅広い領域で活躍するマクニカ。交通環境に合った自動運転車の構築から持続可能なオペレーション体制の整備まで、トータルで自動運転実用化をサポートする。

BOLDLYをはじめ各社と共同事業を展開することも多く、大型バスからシャトルバス、乗用車、カートタイプに至るまでさまざまな自動運転車をフォローしている。BOLDLYとは、茨城県境町や北海道上士幌町など各地で仏Navya製の自動運転シャトル「ARMA」を用いたサービス展開を実現している。

特にNavyaには早くに注目し、日本総代理店として国内への導入を推進してきた。2023年には仏GAUSSINと合弁GAUSSIN MACNICA MOBILITYを設立し、Navyaの事業を引き継いだ。

完成度が高く国内導入実績が豊富なNavya製の自動運転シャトル。2024年はいっそう導入が進み、日本各地で走行する姿が見られるかもしれない。

■トヨタ:マイペース貫くトヨタ、2024年中の動向に注目

自動車販売で世界トップを常に争うトヨタグループ。世界的なEV化の波に揉まれつつもハイブリッド技術を武器に独自のスタンスを貫き、しっかりと結果を残し続けている。

自動運転分野においても他社との開発競争に乗らずマイペースを貫くトヨタだが、2023年に自動運転をはじめとした先端技術開発を担うウーブン・プラネット・ホールディングスの社名をウーブン・バイ・トヨタに改め、組織改編とともにソフトウェア開発・実装を加速するなど、変化の兆しを見せている。

Toyota TeammateやToyota Safety SenseといったADAS搭載車両からのデータ収集など、自動運転開発に資する取り組みにも着手しているほか、2024年中には実証都市Woven Cityの第1期工事が終了する予定で、事業が本格化する次年度に向けた取り組みも加速することが予想される。

e-Paletteをはじめとしたレベル4サービスをはじめ、自家用車におけるレベル3などでどのような進展を見せるか、2024年の動向に注目したい。

【参考】トヨタの取り組みについては「ついに2024年、トヨタが「自動運転レベル3」で沈黙破るのか」も参照。

■ホンダ:日本初の自動運転タクシー実現に向け前進

世界に先駆けて自家用車向けのレベル3を社会実装したホンダ。自家用車における自動運転でパイオニア的地位を確立するなど、先進的な取り組みが目立つ。

レベル4においては、GM、Cruiseとのパートナーシップのもと研究開発を進めており、2024年前半にサービス提供を担う合弁を設立し、2026年初頭に東京都心部で自動運転タクシーサービスを開始する計画を発表している。

車両は、手動運転装置を備えない自動運転サービス専用モデル「Cruise Origin(クルーズ・オリジン)」を使用し、数十台規模でサービスを開始した後、最終的には500台規模までフリートを拡大する予定としている。

Cruiseの自動運転システムはまだまだ改善の余地があり、また日本仕様に置き換える作業も相当な労力を必要とする。おそらく、2024年中には公道実証を本格化するものと思われる。日本初の自動運転タクシー実現に向けた取り組みに注目だ。

【参考】ホンダの取り組みについては「ホンダの自動運転タクシー、Googleすら未実現の「運転席なし」」も参照。

■ソニー:ホンダとの合弁事業でEVブランド設立

世界トップのイメージセンサー技術やエンタメ技術などを武器に自動運転分野での活躍が期待されるソニー。次世代のモビリティ産業を見据え、2020年にはオリジナルのコンセプトカー「VISION-S」を披露し業界をざわつかせたのも記憶に新しい。

2022年には、ホンダと合弁ソニー・ホンダモビリティを設立し、モビリティテックカンパニーへの道を本格始動した。ホンダをパートナーに迎え、最先端の技術と感性を併せ持ったEVの新ブランド「AFEELA(アフィーラ)」を開発し、2026年にも納入開始する計画だ。

自動運転関連では、世界最先端の半導体を搭載し、レベル3やより広い運転条件下におけるレベル2・レベル2+の実装を目指すとしている。ソニーの技術とホンダの技術がどのような相乗効果を生み出すか必見だ。

【参考】ソニーの取り組みについては「自動運転時代、「世界のトヨタ」が死語に?ホンダ、増す存在感」も参照。

■【まとめ】自動運転の動向がどのように株価に反映されるか注目

自動運転分野では、自動車メーカーをはじめ、グーグル(Waymo)やMobileyeといった自動運転開発企業、Arm、アイサンテクノロジー、マクニカ、ソニーといった多彩な企業の活躍が見込まれる。

自動運転開発そのものはまだ赤字ベースとなっているが、実用化が促進されるとともに黒字化を果たす領域も出始めており、徐々に業績への貢献度も高まっていく。2024年、上場企業の株価は自動運転の動向をどのように反映するのか。各社の取り組みに注目したい。

【参考】関連記事としては「自動運転ベンチャー、未上場企業一覧」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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